ギガビット・イーサネット

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ギガビット・イーサネット (Gigabit Ethernet, GbE)は、最大さいだい通信つうしん速度そくどが1ギガビット毎秒まいびょう(1Gbps)である仕様しようイーサネット規格きかく。1GbEとも表記ひょうきされる。

長年ながねんにわたって1GbEを利用りようした1Gbpsのネットワークが個人こじんレベルでは標準ひょうじゅんとなっていたが、2018ねんごろより2.5Gbpsおよび5Gbpsのマルチギガビット・イーサネット、10Gbpsの10ギガビット・イーサネット環境かんきょう実現じつげんするNASハブPCカードなどがてい価格かかくしてきており、通信つうしんりょう増大ぞうだいおよび無線むせん通信つうしん規格きかくなどにたいしてボトルネックとなっていたLAN速度そくど個人こじんレベルでもすうばい高速こうそくすることが予想よそうされている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

ギガビット・イーサネットは、100メガビット・イーサネットつづ通信つうしん速度そくどつプロトコルとして開発かいはつされた。1998ねん最初さいしょ標準ひょうじゅんされたIEEE 802.3zでは、ひかりファイバ規格きかく1000BASE-SX、1000BASE-LXと、短距離たんきょりどうせんケーブル規格きかく1000BASE-CXが策定さくていされた[1]ひかりファイバは企業きぎょう基幹きかんてきなバックボーンLAN回線かいせん使用しようされる場合ばあいおおい。1999ねんには802.3abとしてUTPケーブル使つかう1000BASE-Tが登場とうじょう[2]家庭かていない有線ゆうせんLAN接続せつぞくではもっと普及ふきゅうしている。

2004ねん標準ひょうじゅんされた802.3ahはEFM (Ethernet in the First Mile)とばれ、宅内たくないからプロバイダ拠点きょてんまでの加入かにゅうしゃせん接続せつぞくでの利用りよう意図いとして策定さくていされた[3]。これによりギガビットイーサネットやファーストイーサネットのいくつかのプロトコルが拡張かくちょうされている。おもFTTHもちいられ、実質じっしつてきひかりインターネット接続せつぞく主流しゅりゅうとなった。

半二重はんにじゅう通信つうしんCSMA/CDをサポートした最後さいごのイーサネット規格きかくであるが、これらを実装じっそうしたリピータ動作どうさ規定きていは2011ねん9がつ改版かいはんをもって更新こうしん停止ていしとなっている[4][注釈ちゅうしゃく 1]実際じっさいにはGbEはほぼぜんじゅう通信つうしんおこなわれている。

種別しゅべつ[編集へんしゅう]

ギガビット・イーサネットには様々さまざま物理ぶつりそう規格きかくがあり、いずれもスループット1Gbpsを実現じつげんする。以下いか一覧いちらんしめす。

名称めいしょう 規格きかく ケーブル 距離きょりちょう 用途ようと
1000BASE-X 1000BASE-SX 802.3z-1998 MMF 550m ひかりファイバ短距離たんきょり
1000BASE-LX 802.3z-1998 SMF 5km ひかりファイバ中距離ちゅうきょり
1000BASE-LX10
(1000BASE-EX/ZX)
802.3ah-2004 SMF 10-120km ひかりファイバ長距離ちょうきょり
1000BASE-BX10 802.3ah-2004 SMF 10km ひかりファイバ1しん
1000BASE-PX 802.3ah-2004 SMF (PON) 20km 1G-EPON
1000BASE-CX 802.3z-1998 どうせん2たい4せん 25m データセンターないLAN短距離たんきょり
1000BASE-KX 802.3ap-2007 基板きばんじょう配線はいせん 1m 回路かいろ配線はいせん
1000BASE-T 1000BASE-T 802.3ab-1999 Cat.5 100m ツイストペア
1000BASE-T1 802.3bp-2016 ひねたいせん1たい 15m 車載しゃさいようツイストペア
1000BASE-TX TIA/EIA-854-2001 Cat.6 100m ツイストペア(送受そうじゅ分離ぶんり)
1000BASE-H 1000BASE-RH 802.3bv-2017 POF 50m プラスチックひかりファイバ

1000BASE-Xのかく規格きかくでは、共通きょうつうして符号ふごう8b/10b使用しようする。これはANSI INCITS規定きていしたファイバーチャネル方式ほうしきれたもので、8ビットのもとデータを0/1が連続れんぞくとならないようにあらかじめめてある10ビットに拡張かくちょうすることで受信じゅしん信号しんごうのクロック同期どうき容易よういになるように設計せっけいされている[6]

ほぼすべての規格きかくオートネゴシエーション(イーサネット機器きき同士どうし自動じどう認識にんしき)がサポートされる[7]とくにツイストペアケーブル規格きかくでは、1000BASE-Tは10BASE-T100BASE-TX2.5GBASE-T5GBASE-T10GBASE-T対応たいおう機器ききとの接続せつぞく互換ごかんせいがある。一方いっぽうで、ひかりファイバ規格きかくでもオートネゴシエーションがサポートされているが、複数ふくすう通信つうしん速度そくどのサポートを通知つうちすることはできず、1000BASE-Xを100BASE-FX10GBASE-R対応たいおう機器ききとは接続せつぞくすることはできない[注釈ちゅうしゃく 2]

1000BASE-T[編集へんしゅう]

8P8C モジュラプラグのピン配置はいち

1999ねんにIEEE 802.3abとして標準ひょうじゅん。2010ねん現在げんざいGbEとしてはもっと普及ふきゅうしている。

伝送でんそうとしてカテゴリ5 (Cat.5) 以上いじょうツイストペアケーブル最長さいちょう100m接続せつぞくできる[8]既設きせつ100BASE-TXおなじカテゴリが使つかわれ互換ごかんせいたかいため家庭かていようにも普及ふきゅうした。Cat.5のケーブル仕様しようはEIA/TIA-568-A-1995およびISO/IEC 11801:1995で規定きていされたが、1000BASE-Tの要件ようけん沿うようにそれぞれ2001ねん・2002ねん一部いちぶ仕様しよう更新こうしんされており、これをとくにCat.5e(エンハンスト・カテゴリ5)とぶことがある[9]

ツイストペアケーブルの4たい8せんのよりたいせん使用しようし、かくペアに250Mbpsのデータレートをたせることで1Gbpsを実現じつげんする。片方向かたほうこう伝送でんそうに4たいすべてを使つかっているが、ハイブリッド回路かいろ使用しようしてエコーをキャンセルすることで4たいすべてで同時どうじ送受信そうじゅしん可能かのうとなり、伝送でんそう全体ぜんたいとしてぜんじゅう通信つうしん達成たっせいしている[10]

符号ふごうは、電圧でんあつレベルを5分割ぶんかつし、1クロックで2ビットの情報じょうほうおくパルス振幅しんぷく変調へんちょう (PAM5) を使用しようすることで周波数しゅうはすうひくおさえている。これは8B1Q4 (8-bit to 1-clock 4-quinary symbol)とばれる方式ほうしきで、もとデータに8ビットごとにエラー検出けんしゅつビットを付加ふかして9ビット[11]、さらに9ビットのデータ (0 - 511) を4分割ぶんかつしてそれぞれ「+1.0V、+0.5V、0V、-0.5V、-1.0V」の5つの電圧でんあつわせ (54=625) にる「4次元じげん5シンボル」(4D-PAM5)によって4つい伝送でんそう送出そうしゅつする。この符号ふごうによって最終さいしゅうてき信号しんごうやく80MHzの周波数しゅうはすう帯域たいいきおさまり[12]周波数しゅうはすう特性とくせい100MHzの安価あんかなCat.5のUTPケーブルでの運用うんよう可能かのうとなった。符号ふごう処理しょりによって毎秒まいびょう1Gbitのデータを8ビットごとにおくしているために、シンボル・レートは100BASE-TXおなじ125MBaudとなる[10]

1000BASE-Tではオートネゴシエーション必須ひっすとなっており[13]結線けっせんにファスト・リンク・パルス (FLP) と自動じどう認識にんしきよう信号しんごうおくしておたがいの通信つうしん速度そくどぜんじゅう/半二重はんにじゅうなどの対応たいおう機能きのう仕様しようおしえあってリンクを確立かくりつする。相手あいてがオートネゴシエーションに対応たいおうしていない10BASE-Tや100BASE-TXの場合ばあいは、ノーマル・リンク・パルスやアイドル信号しんごうというそれぞれの固有こゆう信号しんごう形式けいしきによって判別はんべつして通信つうしん設定せっていおこなうことで下位かい互換ごかんせい実現じつげんしている。1000BASE-T同士どうし場合ばあいはこのFLPをクロック・タイミングの同期どうき主従しゅうじゅう決定けってい利用りようしている。

また、オプションとしてケーブル接続せつぞくのストレート・クロス自動じどう判別はんべつ機能きのう(Auto MDI/MDI-X)が規定きていされた[14]おおくの機器きき実装じっそうされており、クロスケーブル不要ふようとなった。

1000BASE-TX[編集へんしゅう]

1000BASE-TX対応たいおうのケーブル

2001ねんにTIA/EIA-854として標準ひょうじゅんされた。伝送でんそうとしてカテゴリ6 (Cat.6) 以上いじょうのUTPケーブルを最長さいちょう100m接続せつぞくできる。ツイストペア4ついのうち、送信そうしん専用せんように2つい受信じゅしん専用せんように2つい、それぞれに500Mbpsの帯域たいいきたせることで1Gbpsを実現じつげんする。

IEEE規格きかくではなく、規格きかく名称めいしょうに"X"とあるが8b/10bもちいていない。符号ふごうは、1000BASE-Tと同様どうようのPAM5シンボルを2つの伝送でんそう倍速ばいそく動作どうささせたものになっている。伝送でんそう送受そうじゅ共用きょうようしないため1000BASE-Tよりも高周波こうしゅうはすう信号しんごうなが必要ひつようがあり、それまで普及ふきゅうしていたカテゴリ5までのケーブルを使用しようできないわりに、機器きき簡易かんい回路かいろ実装じっそうてい価格かかくできるとされていた。しかし、先行せんこうして量産りょうさんされた1000BASE-T機器きき急速きゅうそく価格かかく低下ていか普及ふきゅうにより、製品せいひんまえ優位ゆういせいがなくなりその存在そんざい意義いぎうしなった。当初とうしょは1000BASE-Tとのあやま表記ひょうき機器ききあいだ信号しんごう互換ごかん[注釈ちゅうしゃく 3]、フルクロスケーブルが1000BASE-Tと共通きょうつう使用しようできない[15][注釈ちゅうしゃく 4]などが懸念けねんされていたが、対応たいおうチップも量産りょうさんされず一般いっぱんてきなNICやハブなどの対応たいおう製品せいひん存在そんざいしていないためほとんど問題もんだいとならなかった。GbE普及ふきゅうにケーブルやコネクタ部品ぶひん対応たいおう規格きかくとして表記ひょうきされることがあった。

おも使用しようれいとして工事こうじよう特殊とくしゅ自動車じどうしゃのシステルや家庭かていようゲーム内部ないぶのロットがげられる[よう検証けんしょう]

1000BASE-T1[編集へんしゅう]

2016ねんにIEEE 802.3bpとして標準ひょうじゅん車載しゃさいけに開発かいはつされ、100BASE-T1 (IEEE 802.3bw)と並行へいこうして標準ひょうじゅんすすめられた。

伝送でんそうとしてツイストペアケーブルの1たい2せん使用しようする。特定とくていのコネクタやケーブルは規定きていされていないが、挿入そうにゅう損失そんしつ反射はんしゃ損失そんしつ漏話ろうわ特性とくせいなどが規定きていされている。これらの電気でんきてき性能せいのうもとづき、リンクセグメントタイプとして2しゅ距離きょりちょう用意よういされており、タイプAでは最長さいちょう15m、タイプBでは最長さいちょう40mの接続せつぞく可能かのうとなっている[16]後発こうはつの802.3bu-2016ではPoEのような給電きゅうでんにも対応たいおうしており、とくにこの形態けいたいのものは PoDL (Power over Data Lines)と[17]

符号ふごうでは、80b/81b変換へんかんRS-FEC(4050,3654)付加ふか、スクランブル処理しょり、3B2T (3-bit to 2-ternary)などをPAM3シンボルを生成せいせいし、回線かいせん速度そくど750MBaudでデータレート1Gbpsを達成たっせいしている[18]

その高速こうそく処理しょり速度そくどゆえに近年きんねん自動車じどうしゃカーナビのほとんどに搭載とうさいされている[よう検証けんしょう]

1000BASE-CX[編集へんしゅう]

1998ねんにIEEE 802.3zとして標準ひょうじゅん伝送でんそうとして平衡へいこう接続せつぞくしたどうせん2たい4せんりょうはしをシールドきコネクタで150Ωおーむ終端しゅうたんしたケーブルをもちいる[19]。これは同軸どうじくケーブルSTPケーブルとはことなり、コネクタにはD-sub 9ピンコネクタ(IEC 60807-3)またはRJ-45とピン配置はいちことなるHSSDCコネクタ英語えいごばん (IEC 61076-3-103)を使つか[20][注釈ちゅうしゃく 5]最長さいちょう25mの接続せつぞく可能かのう

どうせんじょう8b/10bシンボルを1.25 GBaud回線かいせん速度そくど伝送でんそうするため、電気でんきてき性能せいのうとして1000BASE-SX/LXでの接続せつぞく同等どうとう水準すいじゅん要求ようきゅうされ、接続せつぞくにはりょうはしでシールド接地せっち必要ひつようとなる[21]

接続せつぞくちょう非常ひじょうみじかかったためあまり普及ふきゅうしなかったものの、一部いちぶ銀行ぎんこう勘定かんじょうけいシステムにもちいられた[よう検証けんしょう]

1000BASE-SX[編集へんしゅう]

1000BASE-SXのひかり信号しんごう電気でんき信号しんごう変換へんかんするコンバータ。2ほんさっているのがひかりファイバーのケーブル。上側うわがわのコネクタをスイッチないしはルーターにんで接続せつぞくする。

1998ねんにIEEE 802.3zとして標準ひょうじゅん伝送でんそうマルチモードファイバ(MMF)のひかりケーブルを2しん使用しようする。距離きょりちょう最大さいだい550mだが、ファイバ特性とくせいによってことなる[22]信号しんごうげんは850nm波長はちょうたいレーザー使つかわれる[23]符号ふごうは8b/10bを使用しよう

航空機こうくうき緊急きんきゅう通信つうしんおおいに活用かつようされている[よう検証けんしょう]

1000BASE-SX 通信つうしんにおけるMMF仕様しよう距離きょりちょう
コアみち モード帯域たいいきはば
(850nm波長はちょう)
名称めいしょうなど 距離きょりちょう
62.5μみゅーm 160 MHz·km FDDIグレード 220 m
62.5μみゅーm 200 MHz·km OM1 275 m
50μみゅーm 400 MHz·km - 500 m
50μみゅーm 500 MHz·km OM2 550 m

1000BASE-LX[編集へんしゅう]

1998ねんにIEEE 802.3zとして標準ひょうじゅん伝送でんそうひかりケーブルを2しん使用しようする。マルチモードファイバ(MMF)で最長さいちょう550m、シングルモードファイバ(SMF)で最長さいちょう5kmの接続せつぞく可能かのうとなっている[24]信号しんごうげんは1310nm波長はちょうたいのレーザーが使つかわれる[25]符号ふごうは8b/10bを使用しよう

1000BASE-LX10[編集へんしゅう]

2004ねんにIEEE 802.3ahとして標準ひょうじゅん。1000BASE-LXと同様どうよう方式ほうしきで、レーザー出力しゅつりょくたかめて伝送でんそう距離きょり10kmに対応たいおうしたもの[26]規格きかくはEFM (加入かにゅうしゃせん接続せつぞく)の利用りよう意図いとしたものであるが、通常つうじょうひかりファイバ接続せつぞくにももちいる。

さらに、ベンダ独自どくじ規格きかく名称めいしょう以下いかのような実装じっそうがある。距離きょりちょう製品せいひん仕様しよう依存いぞんするため、これらは互換ごかんせい保証ほしょうされない。このうち「-E」「-Z」は後発こうはつ10GbE100GbE命名めいめい規則きそくれられている。

  • 1000BASE-EX: 40km程度ていどのもの。
  • 1000BASE-LH: 40km程度ていどのもの。
  • 1000BASE-LHA: 70km程度ていどのもの。
  • 1000BASE-LHB: 150km程度ていどのもの。
  • 1000BASE-ZX: 1550nm波長はちょうたいもちいたもので、70km〜120km程度ていどのもの。

1000BASE-BX10[編集へんしゅう]

2004ねんにIEEE 802.3ahとして標準ひょうじゅん。1しんのシングルモードこうファイバで最長さいちょう10km接続せつぞく可能かのうくだりに1490nm、のぼりに1310nmのことなる波長はちょう使用しようすることで両方向りょうほうこう伝送でんそう実現じつげんしており、それぞれ1000BASE-BX10-D, 1000BASE-BX10-Uと[27]規格きかくはEFM (加入かにゅうしゃせん接続せつぞく)の利用りよう意図いとしたものであるが、通常つうじょうひかりファイバ接続せつぞくにももちいる。規格きかくめいのBは双方向そうほうこう(bi-direction)を意味いみする。

ベンダ独自どくじ拡張かくちょう規格きかくとして、1000BASE-BX40名称めいしょう伝送でんそう距離きょり40kmを実装じっそうした機器きき存在そんざいする。

1000BASE-PX[編集へんしゅう]

受動じゅどう素子そしはいっているひかりクロージャ

2004ねんにIEEE 802.3ahとして標準ひょうじゅん1G-EPON (Ethernet Passive Optical Network)とも[28]規格きかくめいのPは受動じゅどう(Passive)を意味いみする。複数ふくすう加入かにゅうしゃせんひかり受動じゅどう素子そし(カプラ)でたばねてプロバイダ設備せつび合流ごうりゅうさせるポイント・ツー・マルチポイント通信つうしん意図いとしたもので、おもFTTHにおけるPDS (Passive Double Star) がたトポロジー構成こうせいもちいられる。1しんシングルモードファイバでくだりに1490 nm、のぼりに1310 nmの波長はちょう使つか[29]

パワーバジェットは4クラス規定きていされており、1000BASE-PX10, 1000BASE-PX20, 1000BASE-PX30, 1000BASE-PX40 の名称めいしょうでそれぞれ 20・24・29・33 dBでしべる伝送でんそう損失そんしつをサポートする[29]

EFM (加入かにゅうしゃせん接続せつぞく)の一環いっかんとして規定きていされており、ほかにも802.3ahでは以下いかのものが同時どうじ標準ひょうじゅんされている。

規格きかく名称めいしょう 概要がいよう
2BASE-TL ツイストペア1つい最長さいちょう2700mもちいて、2Mbps前後ぜんこう接続せつぞく実現じつげんしたもの。通信つうしん速度そくど接続せつぞく環境かんきょうにより192〜5696kbpsの範囲はんい任意にんい選択せんたくできる[30]
10PASS-TS ツイストペア1つい最長さいちょう750mもちいて、10Mbps前後ぜんこう接続せつぞく実現じつげんしたもの。VDSL通信つうしん方式ほうしきもちいる[31]
100BASE-BX10/LX10 100BASE-FX拡張かくちょう。1しんおよび2しんひかりファイバ10km[32]
1000BASE-BX10/LX10 1000BASE-LXの拡張かくちょう。1しんおよび2しんひかりファイバ10km。#1000BASE-BX10#1000BASE-LX10参照さんしょう
OAMふくそう (Operations, Administration and Maintenance) MACふくそう上位じょういもうけられたデータリンクそう機能きのう。ITU-T Y.1730の一部いちぶ仕様しようんだもので、ネットワーク管理かんり監視かんしようパケットを処理しょりする[33]

1000BASE-RH[編集へんしゅう]

2017ねんにIEEE 802.3bvとして標準ひょうじゅん。GEPOF (Gigabit Ethernet Plastic Optical Fiber)とも。伝送でんそうはプラスチックこうファイバで、IEC 60793-2でカテゴリA4aとして規定きていされたコアみち980μみゅーmのものをもちいる。最長さいちょう50m接続せつぞく可能かのう[34]信号しんごうげんは650 nm波長はちょうたいあか可視かしこう使つか[35]おも車載しゃさいけに開発かいはつされたが、家庭かていよう産業さんぎょうよう車載しゃさいようとして1000BASE-RHA, -RHB, -RHCの3しゅ仕様しよう用意よういされている[36]

符号ふごうでは、64b/65b変換へんかん、スクランブル処理しょりBCH符号ふごう(1976,1668)によるあやま訂正ていせい、2しゅQAMなどをわせてPAM-16シンボルを生成せいせいしており、回線かいせん速度そくど325MBaudでデータレート1Gbpsを達成たっせいしている[37]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ CSMA/CDにおける半二重はんにじゅう通信つうしんでは、衝突しょうとつ検出けんしゅつ時間じかんを1Gbpsよう拡張かくちょうしたキャリア・エクステンションがサポートされた。これによりケーブルちょう最大さいだい100m、リピータの両方向りょうほうこうのケーブルちょうわせて200mのセグメントちょう実現じつげんしている。さらに、みじかいフレームの連続れんぞく送付そうふでは伝送でんそう効率こうりつちるため、連続れんぞく送付そうふ最初さいしょの1フレームのみにキャリア・エクステンションを付加ふかするフレームバースト機能きのう用意よういされた[5]
  2. ^ オートネゴシエーションとはべつに、SFPなどの挿抜モジュールで物理ぶつりそう速度そくど切替きりかえ対応たいおうする実装じっそうがある。
  3. ^ 1000BASE-T機器ききと1000BASE-TX機器きき相互そうご接続せつぞくすると、オートネゴシエーションにより100BASE-TXでの接続せつぞくとなる。
  4. ^ 1000BASE-Tではピン4・5と7・8を接続せつぞくするのにたいし、1000BASE-TXではピン4・5と8・7を接続せつぞくする。
  5. ^ 1000BASE-CXのHSSDCコネクタは送受そうじゅにピン1・3とピン6・8を使つかう。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ IEEE 802.3z-1998 - Media Access Control Parameters, Physical Layers, Repeater and Management Parameters for 1,000 Mb/s Operation, Supplement to Information Technology”. IEEE SA (1998ねん6がつ25にち). 2021ねん12月12にち閲覧えつらん
  2. ^ IEEE 802.3ab-1999 - Physical Layer Parameters and Specifications for 1000 Mb/s Operation over 4 pair of Category 5 Balanced Copper Cabling, Type 1000BASE-T”. IEEE SA (1999ねん6がつ26にち). 2021ねん12月12にち閲覧えつらん
  3. ^ IEEE 802.3ah-2004 - Amendment: Media Access Control Parameters, Physical Layers, and Management Parameters for Subscriber Access Networks”. IEEE SA (2004ねん6がつ24にち). 2021ねん12月12にち閲覧えつらん
  4. ^ IEEE 802.3-2018, Clause 41
  5. ^ IEEE 802.3-2018, Clause 4.2.3.4, 4.2.3.2.7
  6. ^ IEEE 802.3, Clause 36.1
  7. ^ IEEE 802.3, Clause 28, 37, 73, 98
  8. ^ IEEE 802.3, Clause 40.1
  9. ^ EIA/TIA-568-B.2-2001
  10. ^ a b IEEE 802.3, Clause 40.1.3
  11. ^ IEEE 802.3, Clause 40.3.1.3.4
  12. ^ IEEE 802.3, Clause 40.7
  13. ^ IEEE 802.3, Clause 40.5.1
  14. ^ IEEE 802.3, Clause 40.4.4
  15. ^ LANケーブル自作じさくBIBLE. “フルクロスケーブルのいろじゅん/1000Base-Tと1000Base-TXのちがいは注意ちゅうい”. 2021ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  16. ^ IEEE 802.3, Clause 97.6
  17. ^ IEEE 802.3, Clause 104
  18. ^ IEEE 802.3, Clause 97.3
  19. ^ IEEE 802.3, Figure 39-1
  20. ^ IEEE 802.3, Clause 39.5.1
  21. ^ IEEE 802.3, Clause 39.1, 39.3
  22. ^ IEEE 802.3, Table 38-2
  23. ^ IEEE 802.3, Table 38-3, 38-4
  24. ^ IEEE 802.3, Table 38-6
  25. ^ IEEE 802.3, Table 38-7, 38-8
  26. ^ IEEE 802.3, Clause 59.1, 66.2
  27. ^ IEEE 802.3, Table 59-1
  28. ^ IEEE 802.3, Clause 56.1
  29. ^ a b IEEE 802.3, Table 60-1
  30. ^ IEEE 802.3, Clause 63
  31. ^ IEEE 802.3, Clause 62
  32. ^ IEEE 802.3, Clause 58
  33. ^ IEEE 802.3, Clause 57
  34. ^ IEEE 802.3, Clause 115.7
  35. ^ IEEE 802.3, Table 115-8
  36. ^ IEEE 802.3, Clause 115.1
  37. ^ IEEE 802.3, Clause 115.2