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Medium-dependent interface

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

MDI (Medium-dependent Interface または Media-dependent Interface, 「伝送でんそう媒体ばいたいに依存いぞんするインタフェース」の意い）は、イーサネットにおいて物理ぶつり層そうの回路かいろ実装じっそうから伝送でんそう媒体ばいたいまでの接続せつぞく部分ぶぶんを指さす。

また、「MDI」「MDI-X」の語かたりは特とくにLANケーブル接続せつぞくポートの送受そうじゅ方式ほうしきを指さすものとしても広ひろく用もちいられる。

イーサネット用語ようごとして

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一般いっぱんにイーサネットの階層かいそう構造こうぞうでは、機器きき内部ないぶの物理ぶつり層そう処理しょりデバイス(PHY)からケーブル接続せつぞく端子たんしまでの仕様しようを一貫いっかんしてMDIとして規定きていしている。伝送でんそう媒体ばいたいへ接続せつぞくするための仕様しようとして、コネクタの形状けいじょうや信号しんごう線せんの本数ほんすう・電気でんき的てき特性とくせい・光学こうがく特性とくせいなどが各種かくしゅ物理ぶつり層そう規格きかくによってさまざまに定義ていぎされている。以下いかに具体ぐたい例れいを挙あげる。

MDIとは対照たいしょう的てきに、特とくに100Mbps・1Gbps通信つうしんにおけるデータリンク層そう(MAC)との機器きき内部ないぶ接続せつぞくでは Media-independent interface (MII)が用意よういされており、伝送でんそう媒体ばいたいによらないPHYとMACの接続せつぞくとして仕様しようが共通きょうつう化かされている。

LANポートにおける MDI と MDI-X

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初期しょきイーサネットのLANケーブル接続せつぞくポートでは2つの異ことなるピン接続せつぞく方式ほうしきがあり、これをMDIとMDI-Xという用語ようごで区別くべつしていた。LANポートは8端子たんしから構成こうせいされており、各かく端子たんしの動作どうさによって以下いかのように呼よび分わけられる。

wire pairs connect straight across
MDIとMDI-Xをストレートケーブルで接続せつぞくした例れい
wire pairs cross over each other
MDIとMDIをクロスケーブルで接続せつぞくした例れい

"X"は交差こうさ接続せつぞく(クロスオーバー)を意味いみし、送受そうじゅが入いれ替かわっていることを表あらわす。10BASE-Tや100BASE-TXでは、LANポートの8端子たんしがそれぞれ異ことなる送受そうじゅ方向ほうこうを持もっていたため、結線けっせんによって以下いかの2種類しゅるいのケーブルを使つかい分わける必要ひつようがあった。

  • ストレートケーブル: 両りょう端はしのピン1～8がそのままピン1～8に接続せつぞくされているもの。MDIポートとMDI-Xポートを接続せつぞくする場合ばあいに使つかう。
  • クロスケーブル: 一方いっぽうのピン1・2がもう一方いっぽうのピン3・6と交差こうさ接続せつぞくされているもの。MDIポート同士どうし、またはMDI-Xポート同士どうしを接続せつぞくする場合ばあいに使つかう。

2台だいの機器きき接続せつぞくでは常つねに奇き数すう回かいの交差こうさ接続せつぞくをして送受そうじゅのペアを揃そろえる必要ひつようがある。ストレートケーブルで接続せつぞくしたMDIとMDI-Xには、MDI-Xポート内部ないぶに1回かいの交差こうさ接続せつぞくがある。クロスケーブルで接続せつぞくしたMDI同士どうしは、ケーブル内ないに1回かいの交差こうさ接続せつぞくがある。クロスケーブルで接続せつぞくしたMDI-X同士どうしは、各かくポートとケーブル内ないで計けい3回かいの交差こうさ接続せつぞくがある。

ネットワーク機器ききには、用途ようとに応おうじて"uplink/normal"(スイッチ接続せつぞく用よう・端末たんまつ接続せつぞく用よう)などの名称めいしょうでMDIとMDI-Xが切きり替かえ可能かのうなもの[8]や、MDIポートとMDI-Xポートが個別こべつに備そなえ付つけられているものがあった。これらを使つかうとクロスケーブルが不要ふようになる。

1998年ねん頃ごろのネットギア製せいハブ。左ひだり3ポートはMDI-X、一番いちばん右みぎのポートはプッシュボタンによって切きり替かえられる。
MDI-Xの16xポートとMDIのUplinkポートが選択せんたくできるスイッチングハブ

Auto MDI-X

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Auto MDI-X (Auto MDI/MDI-X, オートクロスオーバーとも)は、LANケーブル接続せつぞく時じに交差こうさ接続せつぞくを検出けんしゅつして適切てきせつな送受そうじゅ方向ほうこうを自動じどう設定せっていする機能きのうである。2台だいの接続せつぞく機器ききのうち一方いっぽうでAuto MDI-Xが有効ゆうこうであれば、ストレートケーブル・クロスケーブルのいずれでも通信つうしんできる。2種類しゅるいのケーブルを使つかい分わける煩雑はんざつさを解消かいしょうするために開発かいはつされ、従来じゅうらいスイッチ同士どうしの接続せつぞくや端末たんまつの一対一いちたいいち接続せつぞくに必要ひつようだったクロスケーブルが不要ふようとなった。

この機能きのうは1000BASE-Tのオプション機能きのうとして標準ひょうじゅん化かされている[9]が、10BASE-Tや100BASE-TXにも使用しようできる。近年きんねんは多おおくのネットワーク機器ききがサポートしており、100Mbps通信つうしん以下いかのものにも実装じっそうされ、1Gbps通信つうしん以上いじょうのものであればほぼすべてで実装じっそうされている。

Auto MDI-Xは、ヒューレット・パッカードのエンジニアであるDaniel Joseph DoveとBruce W. Melvinによって開発かいはつされた[10]。初期しょきの実装じっそうではオートネゴシエーションに用もちいる信号しんごうを利用りようしており、LANケーブルの各かくペアの送受そうじゅを擬似ぎじ乱数らんすうによりランダムに切きり替かえて通信つうしんテストをして、成功せいこうしたときの送受そうじゅ割当わりあてで通信つうしんを開始かいしする[9][11]。

ポート接続せつぞく時じのリンク確立かくりつにかかる時間じかんは通常つうじょう0.5秒びょう未満みまんである。ただし、両りょう端はしで送受そうじゅ切替きりかえのタイミングが完全かんぜんに一致いっちしてモードが確定かくていしなくなるごく稀まれなケース（確かく率りつは(5×1021)分ぶんの1）に対応たいおうするために、最大さいだい1.4秒びょうの調整ちょうせい期間きかんが設もうけられている[12]。

その後ご、1000BASE-Tでの標準ひょうじゅん化かの際さいに、Auto MDI-X は速度そくど固定こてい(オートネゴシエーション無効むこう)設定せっていでも使つかえるようになった[12]。初期しょきの実装じっそうによる古ふるい機器ききでは、オートネゴシエーションを無効むこうにしてしまうとAuto MDI-X機器ききとの接続せつぞくでもリンク確立かくりつできないことがある[13]。なお、1000BASE-Tでは従来じゅうらいのような専用せんようの送受そうじゅペアはなく、双方向そうほうこうの同時どうじ伝送でんそうに4ペア全すべてを使用しようしており[14]、さらにPHY (PMA副ふく層そう)が4ペアを自動じどう認識にんしきしているため、ペアになるピンを分離ぶんりしなければどのようなペア入いれ替かえを行おこなってもリンク確立かくりつできるようになっている[15]。

Auto MDI-Xのアルゴリズムは、初期しょき実装じっそう[16][17]および速度そくど固定こてい時じの改良かいりょう版ばん[18][19] のそれぞれにおいて Dove らが特許とっきょを取得しゅとくしている。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 8.5 Coaxial trunk cable connectors
  2. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 8.7.3 Electromagnetic environment
  3. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 10.6 Coaxial trunk cable connectors
  4. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 40.1.3 Operation of 1000BASE-T
  5. ^ IEEE 802.3-2022, Table 38–4, 1000BASE-SX receive characteristics
  6. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 146.8.1 MDI connectors
  7. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 97.1.2 Operation of 1000BASE-T1
  8. ^ Netgear Model EN104tp EN106tp EN108tp Ethernet Hub Installation Guide. ネットギア. (1998-08-03). p. 5. https://www.downloads.netgear.com/files/en104tp106108ints.pdf 2023年ねん11月8日にち閲覧えつらん。 
  9. ^ a b IEEE 802.3-2022, Clause 40.4.4 Automatic MDI/MDI-X Configuration
  10. ^ “HP Auto-MDIX technology”. Hewlett-Packard web site. June 17, 2011閲覧えつらん。
  11. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 40.4.6.2.1 Auto Crossover state diagram
  12. ^ a b Daniel Dove (February 1998). “1000BASE-T Automatic Crossover Algorithm”. Presentation to IEEE 802.3ab working group. June 17, 2011閲覧えつらん。
  13. ^ HP ProCurve 2910al Installation and Getting Started Guide, March 2010, Pub No. 5992-3084
  14. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 40.8.2 Crossover Function
  15. ^ IEEE 802.3-2022, Clause 40.1.4 Signaling
  16. ^ US patent 6175865, Daniel J. Dove and Bruce W. Melvin, "Apparatus for automatically configuring network media connections", issued 2001-01-16 
  17. ^ US patent 6460078, Daniel J. Dove and Bruce W. Melvin, "Apparatus for automatically configuring media connectors of a node interface", issued 2002-10-01 
  18. ^ US patent 7366771, Daniel Joseph Dove, "Apparatus & method for automatically switching media connections when operating in forced speed and duplex mode", issued 2008-04-29 
  19. ^ Daniel Joseph Dove. “Apparatus & method for automatically switching media connections when operating in forced speed and duplex mode”. 2023年ねん11月8日にち閲覧えつらん。 US Patent 7,366,771 filed March 12, 2002 and issued April 29, 2008.

外部がいぶリンク

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イーサネットとLANの技術ぎじゅつ
速度そくど
全般ぜんぱん
組織そしき
媒体ばいたい
歴史れきし的てきな規格きかく
応用おうよう
トランシーバ
インターフェース
機器きき
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