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グアンファシン

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グアンファシン
IUPAC命名めいめいほうによる物質ぶっしつめい
臨床りんしょうデータ
販売はんばいめい Estulic, Intuniv, Tenex, others
Drugs.com monograph
MedlinePlus a601059
ライセンス EMA:リンクUS Daily Med:リンク
胎児たいじ危険きけん分類ぶんるい
  • US: B
法的ほうてき規制きせい
投与とうよ経路けいろ By mouth
薬物やくぶつ動態どうたいデータ
生物せいぶつがくてき利用りようのう80-100% (IR), 58% (XR)[1][2]
血漿けっしょうタンパク結合けつごう70%[1][2]
代謝たいしゃCYP3A4[1][2]
半減はんげんIR: 10-17 hours; XR: 17 hours (10-30) in adults & adolescents and 14 hours in children[1][2][3][4]
排泄はいせつKidney (80%; 50% [range: 40-75%] as unchanged drug)[1][2]
識別しきべつ
CAS番号ばんごう
29110-47-2 チェック
ATCコード C02AC02 (WHO)
PubChem CID: 3519
IUPHAR/BPS 522
DrugBank DB01018 チェック
ChemSpider 3399 チェック
UNII 30OMY4G3MK チェック
KEGG D08031  ×
ChEMBL CHEMBL862 チェック
化学かがくてきデータ
化学かがくしきC9H9Cl2N3O
分子ぶんしりょう246.093 g/mol
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グアンファシンは、テネックス(Tenex)などの商品しょうひんめい販売はんばいされている、 注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい (ADHD)や高血圧こうけつあつ治療ちりょうもちいられる医薬品いやくひんである[5]。ADHDや高血圧こうけつあつ治療ちりょうにはあまり優先ゆうせんてきには使用しようされない[5]投与とうよほう経口けいこうである[5]

一般いっぱんてき副作用ふくさようには、眠気ねむけ便秘べんぴ口渇こうかつせい機能きのう障害しょうがい頭痛ずつうなどがあげられる[5]。その副作用ふくさようには、不安ふあんてい血圧けつあつうつびょう泌尿器ひにょうき障害しょうがいなどがあげられる[5]妊娠にんしんちゅうまたは授乳じゅにゅうなかひとへの投与とうよ推奨すいしょうされない[6]

作用さようじょは、のうないαあるふぁ2A受容じゅようたい活性かっせいし、それによって交感神経こうかんしんけいけい活動かつどう低下ていかさせることにより、効果こうか発揮はっきするものである[5]

グアンファシンは1986ねん米国べいこく医薬品いやくひんとして承認しょうにんされた[5]後発こうはつ医薬品いやくひんとして入手にゅうしゅ可能かのうである[5]。2019ねん英国えいこくでの国民こくみん保健ほけんサービスにかかった費用ひようは1かげつぶんやく60ポンドである[6]米国べいこくでの卸売おろしうり価格かかくは1かげつぶんやく7.11あめりかドルである[7]

歴史れきし

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1986ねん、グァンファシンは高血圧こうけつあつしょう治療ちりょうやくとしてアメリカ食品しょくひん医薬品いやくひんきょく (FDA)から「テネックス」の商品しょうひんめい承認しょうにんされた[8]。2010ねん、グアンファシンは6~17さいのADHD治療ちりょうやくとしてFDAによって承認しょうにんされた[9]。2015ねんには欧州おうしゅう医薬品いやくひんちょうによって「インテュニブ」の名称めいしょうでADHDの治療ちりょうやくとして承認しょうにんされた[10]。 2018ねんにはADHDの治療ちりょうやくとしてオーストラリアの医薬品いやくひん給付きゅうふ制度せいど追加ついかされた[11]

日本にっぽんにおいても2017ねん小児しょうににおけるADHDの効能こうのう効果こうか塩野義製薬しおのぎせいやくからの「インチュニブ」の申請しんせい承認しょうにんされ、2019ねんには成人せいじん患者かんじゃたいする使用しようみとめられた[12][13]

販売はんばい開始かいし以来いらい塩野しおのよしとライセンス契約けいやく締結ていけつしたシャイアー両者りょうしゃによるプロモーションがおこなわれており、2019ねんにシャイアーが武田薬品工業たけだやくひんこうぎょう買収ばいしゅうされたのち塩野しおのよし武田たけだ両者りょうしゃによるプロモーションが継続けいぞくされていたが、2023ねん4がつ以降いこう武田たけだ単独たんどくプロモーションに移行いこう塩野しおのよし取得しゅとくしていた製造せいぞう販売はんばい承認しょうにんについても武田たけだ承継しょうけいされている[14]

商品しょうひんめい

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アフケン(Afken)・エスチュリック(Estulic)・テネックス(Tenex)など。放出ほうしゅつ制御せいぎょ製剤せいざい(グアンファシン塩酸えんさんしおじょじょう)としては、インチュニブのブランドめいがある。

研究けんきゅう

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グアンファシンは、しんてき外傷がいしょうストレス障害しょうがい(PTSD)の治療ちりょうやくとして研究けんきゅうされている。成人せいじんにおける有効ゆうこうせい証拠しょうこかぎられているが、1けん研究けんきゅうでADHDを併存へいそんする小児しょうににおいて肯定こうていてき結果けっかられている[15]選択せんたくてきセロトニンさい阻害そがいやく(SSRI)に反応はんのうしない成人せいじんのPTSD患者かんじゃへの有効ゆうこうせいかんがえうる[16]

トゥレット障害しょうがい治療ちりょうにグァンファシンをもちいた研究けんきゅうおこなわれているが、その結果けっか様々さまざまである[17]

グアンファシンは、オピオイドエタノールニコチン離脱りだつ治療ちりょう用途ようとでも研究けんきゅうされている[18]。 グアンファシンは、禁煙きんえんこころみる喫煙きつえんしゃのストレス誘発ゆうはつせいによるニコチン渇望かつぼう減少げんしょう役立やくだつことがしめされており、これには前頭まえがしらぜん皮質ひしつ自己じこ制御せいぎょ強化きょうか関与かんよしている可能かのうせいがある[19]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e Guanfacine (guanfacine) Tablet [Genpharm Inc.]”. DailyMed. Genpharm Inc. (March 2007). 9 November 2013閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e guanfacine (Rx) - Intuniv, Tenex”. Medscape Reference. WebMD. 9 November 2013閲覧えつらん
  3. ^ Hofer, Kristi N.; Buck, Marcia L. (2008). “New Treatment Options for Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder (ADHD): Part II. Guanfacine”. Pediatric Pharmacotherapy (14): 4. http://medscape.com/viewarticle/578747_4. 
  4. ^ Cruz, MP (Aug 2010). “Guanfacine Extended-Release Tablets (Intuniv), a Nonstimulant Selective Alpha(2A)-Adrenergic Receptor Agonist For Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder.”. Pharmacy and Therapeutics 35 (8): 448–51. PMC 2935643. PMID 20844694. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2935643/. 
  5. ^ a b c d e f g h Guanfacine Monograph for Professionals” (英語えいご). Drugs.com. American Society of Health-System Pharmacists. 18 March 2019閲覧えつらん
  6. ^ a b British national formulary : BNF 76 (76 ed.). Pharmaceutical Press. (2018). pp. 349–350. ISBN 9780857113382 
  7. ^ NADAC as of 2019-02-27” (英語えいご). Centers for Medicare and Medicaid Services. 3 March 2019閲覧えつらん
  8. ^ Drugs@FDA: FDA-Approved Drugs”. www.accessdata.fda.gov. 2020ねん5がつ14にち閲覧えつらん
  9. ^ Kornfield, Rachel; Watson, Sydeaka; Higashi, Ashley S.; Conti, Rena M.; Dusetzina, Stacie B.; Garfield, Craig F.; Dorsey, E. Ray; Huskamp, Haiden A. et al. (2013-04-01). “Effects of FDA Advisories on the Pharmacologic Treatment of ADHD, 2004–2008”. Psychiatric services (Washington, D.C.) 64 (4): 339–346. doi:10.1176/appi.ps.201200147. ISSN 1075-2730. PMC 4023684. PMID 23318985. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4023684/. 
  10. ^ Intuniv” (英語えいご). European Medicines Agency (2018ねん9がつ17にち). 2020ねん5がつ14にち閲覧えつらん
  11. ^ Doug Hendrie (2018ねん9がつ4にち). “New drugs listed on the PBS for rheumatoid arthritis, cystic fibrosis and ADHD”. The Royal Australian College of General Practitioners. 2020ねん5がつ14にち閲覧えつらん
  12. ^ 「インチュニブじょう」グアンファシン塩酸えんさんしおじょじょう”. 日経にっけいバイオテクONLINE (2017ねん7がつ24にち). 2020ねん5がつ14にち閲覧えつらん
  13. ^ 注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい治療ちりょうざい「インチュニブ® じょう 1mg・3 mg」成人せいじん患者かんじゃたいする適応てきおう追加ついかによる一部いちぶ変更へんこう承認しょうにんについて”. www.takeda.com. 武田薬品工業たけだやくひんこうぎょう (2019ねん6がつ18にち). 2020ねん5がつ14にち閲覧えつらん
  14. ^ 注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい治療ちりょうざい「インチュニブ® じょう 1mg・3 mg」・「ビバンセ®カプセル20mg・30mg」 にかんするオプションけん行使こうし共同きょうどう開発かいはつ商業しょうぎょうかんするライセンス契約けいやく終了しゅうりょうについて”. 武田薬品工業たけだやくひんこうぎょう塩野義製薬しおのぎせいやく (2022ねん10がつ31にち). 2022ねん10がつ31にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2024ねん4がつ23にち閲覧えつらん
  15. ^ Connor, Daniel F.; Grasso, Damion J.; Slivinsky, Michelle D.; Pearson, Geraldine S.; Banga, Alok (2013-5). “An Open-Label Study of Guanfacine Extended Release for Traumatic Stress Related Symptoms in Children and Adolescents”. Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology 23 (4): 244–251. doi:10.1089/cap.2012.0119. ISSN 1044-5463. PMC 3657282. PMID 23683139. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3657282/. 
  16. ^ Belkin, Molly R; Schwartz, Thomas L (2015-08-14). “Alpha-2 receptor agonists for the treatment of posttraumatic stress disorder”. Drugs in Context 4. doi:10.7573/dic.212286. ISSN 1745-1981. PMC 4544272. PMID 26322115. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4544272/. 
  17. ^ Srour, Myriam; Lespérance, Paul; Richer, Francois; Chouinard, Sylvain (2008-8). “Psychopharmacology of Tic Disorders”. Journal of the Canadian Academy of Child and Adolescent Psychiatry 17 (3): 150–159. ISSN 1719-8429. PMC 2527768. PMID 18769586. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2527768/. 
  18. ^ Sofuogul, M. & Sewell, A. (2009), “Norepinephrine and Stimulant Addiction”, Addiction Biology 14 (2): 119–129, doi:10.1111/j.1369-1600.2008.00138.x, PMC 2657197, PMID 18811678, http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=2657197 
  19. ^ McKee, SA; Potenza, MN; Kober, H; Sofuoglu, M; Arnsten, AF; Picciotto, MR; Weinberger, AH; Ashare, R et al. (Mar 2015). “A translational investigation targeting stress-reactivity and prefrontal cognitive control with guanfacine for smoking cessation”. J. Psychopharmacol. 29 (3): 300–311. doi:10.1177/0269881114562091. PMC 4376109. PMID 25516371. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4376109/.