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コロス

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コロス古代こだいギリシャ: χορός, khorosえい: chorus)は、古代こだいギリシアげき合唱がっしょうたいのこと。ディテュランボスおよびtragikon dramaから発生はっせいしたとかんがえられている。コロスは観客かんきゃくたいして、鑑賞かんしょうたすけとなるげき背景はいけい要約ようやくつたえ、げきのテーマについて注釈ちゅうしゃくし、観客かんきゃくがどうげき反応はんのうするのが理想りそうてきかをおしえる。また、げきちゅう一般いっぱん大衆たいしゅう代弁だいべんをすることもある。おおくの古代こだいギリシアげきなかで、コロスは登場とうじょう人物じんぶつげきちゅうかたれなかったこと(恐怖きょうふ秘密ひみつなど)を代弁だいべんする。コロスの台詞せりふ通常つうじょううた形式けいしきるが、ときにはユニゾン朗読ろうどくする場合ばあいもある。

コロスは、悲劇ひげき喜劇きげき抒情詩じょじょうし作品さくひんだった時期じき古代こだいギリシアげきで、重要じゅうようかつ主要しゅよう構成こうせい要素ようそだった。とくに、アイスキュロス複数ふくすう俳優はいゆう使つかいだす以前いぜんは、たった一人ひとりしかいなかった俳優はいゆうたいする重要じゅうよう相手あいてやくだった[1][2]。その重要じゅうようせい減衰げんすいしていったのは紀元前きげんぜん5世紀せいき以降いこうで、コロスはげきうごきからはなされはじめる。時代じだいげき作家さっか、たとえばソポクレスなどは、それ以前いぜん作家さっかほどコロスに依存いぞんしなくなった。ソポクレスの『オイディプスおう』をはじめとするテーバイさんさくなかで、コロスは全知ぜんち解説かいせつしゃ役割やくわりたし、しばしば物語ものがたり教訓きょうくんせい補強ほきょうした。コロスは「解説かいせつしゃ」と「登場とうじょう人物じんぶつ」の中間ちゅうかん位置いちするようになり、登場とうじょう人物じんぶつであるときは、登場とうじょう人物じんぶつたちにかれらが必要ひつようとする洞察どうさつあたえた。

コロスには、1〜3にん俳優はいゆうえんじられるげき説明せつめいしてたすける役割やくわりがあった。古代こだいギリシアの円形えんけい劇場げきじょう非常ひじょうおおきかったので、とおくの観客かんきゃくにもわかるよううごきは誇張こちょうされ、また発声はっせいもはっきりききとれるようにした。技術ぎじゅつてきには、シンクロニゼーション(同期どうきせい)、エコー、波紋はもん身体しんたい表現ひょうげん駆使くしし、仮面かめんをつけていた。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Haigh, 1898, p. 319
  2. ^ Kitto, 2002, pp. 22, 27

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Green, J.R. (1994), Theatre in Ancient Greek Society, Routledge, ISBN 0415143594 .
  • Haigh, Arthur Elam (1898), The Attic Theatre: A Description Of The Stage And Theatre Of The Athenians And Of The Dramatic Performances At Athens, The Clarendon Press .
  • Kitto, H. D. Findley (2002), Greek Tragedy: A Literary Study, Routledge, ISBN 0415289645 .
  • Wilson, Peter (2003), The Athenian Institution of the Khoregia: The Chorus, the City and the Stage, Cambridge University Press, ISBN 0521542138 .
  • Watt, Lauchlan Maclean (1908), Attic and Elizabethan Tragedy, London: J.M. Dent & Sons, pp. 13-17 .

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]