サウンドトラック (英 えい : soundtrack )は、映画 えいが および映画 えいが 音楽 おんがく の用語 ようご で、映画 えいが のフィルム上 じょう における音声 おんせい が収録 しゅうろく されている部分 ぶぶん を指 さ す。映画 えいが 用語 ようご から派生 はせい した言葉 ことば であり、ドラマ 、映画 えいが 、テレビゲーム 、アニメ 、コマーシャルソング などの「劇 げき 伴 とも 音楽 おんがく 」や「付随 ふずい 音楽 おんがく 」を収録 しゅうろく したアルバム を指 さ す場合 ばあい もある。略称 りゃくしょう はサントラ とされることが多 おお いが、OST (original soundtrack(オリジナルサウンドトラック)の頭字 かしらじ 語 ご )とされることもある。
フィルム動画 どうが および映画 えいが におけるサウンドトラック[ 編集 へんしゅう ]
16mm じゅうろくみり フィルム の右 みぎ にあるのが光学 こうがく 面積 めんせき 式 しき のサウンドトラック
サウンドトラック は、元来 がんらい はトーキー が実用 じつよう 化 か された際 さい 、フィルム の長手 ながて 方向 ほうこう に画像 がぞう コマとは独立 どくりつ に設 もう けた音声 おんせい 用 よう トラック を指 さ した技術 ぎじゅつ 用語 ようご である。台詞 せりふ ・効果 こうか 音 おん ・BGM などが含 ふく まれ、上映 じょうえい に際 さい して再生 さいせい される。この方式 ほうしき を使 つか って公開 こうかい された最初 さいしょ の映画 えいが は、1926年 ねん 公開 こうかい のフライシャー・スタジオ 製作 せいさく の映画 えいが 『なつかしいケンタッキーの我 わ が家 や 』である。
サウンドトラックには、「光学 こうがく 式 しき ・磁気 じき 式 しき 」があり、光学 こうがく 式 しき の中 なか にさらに「面積 めんせき 式 しき ・濃淡 のうたん 式 しき 」がある。また両 りょう 方式 ほうしき を通 つう じて「モノラル ・ステレオ 」の種別 しゅべつ がある。
歴史 れきし 的 てき には、光学 こうがく 式 しき の中 なか では濃淡 のうたん 式 しき が古 ふる く、面積 めんせき 式 しき が新 あたら しい。光学 こうがく 式 しき と磁気 じき 式 しき では、光学 こうがく 式 しき が古 ふる く、磁気 じき 式 しき が新 あたら しい。また、もちろんモノラルが古 ふる く、ステレオ は後 のち に登場 とうじょう した。世界 せかい 初 はつ のステレオ映画 えいが は1940年 ねん 公開 こうかい の『ファンタジア 』で、映写 えいしゃ フィルムとは別 べつ にもう1本 ほん 、光学 こうがく 式 しき で4トラック音声 おんせい 記録 きろく されたフィルム(左 ひだり 、中 なか 、右 みぎ のスピーカーともう1つは同期 どうき 信号 しんごう )を用意 ようい し、上映 じょうえい した。
業務 ぎょうむ 用途 ようと では、ニュース取材 しゅざい を中心 ちゅうしん としたシングル方式 ほうしき 同時 どうじ 録音 ろくおん (別 べつ の録音 ろくおん 機 き を使用 しよう せずフィルムに録音 ろくおん する方法 ほうほう )で、磁気 じき 式 しき が多 おお く使 つか われた(例 れい 、キヤノン 製 せい 16mm じゅうろくみり スクーピック)。また、8mmフィルムのサウンドトラックは、一般 いっぱん 的 てき に使 つか われていた物 もの のほとんどは磁気 じき 式 しき であった(注 ちゅう :市販 しはん 用 よう のプリント物 ぶつ では8mmでも光学 こうがく 録音 ろくおん は使 つか われている。光学 こうがく 同時 どうじ 録音 ろくおん の機器 きき も1機種 きしゅ 存在 そんざい するが、こちらはあまり一般 いっぱん 的 てき ではなかった)。
光学 こうがく 式 しき サウンドトラックは、フィルムの画像 がぞう 部分 ぶぶん の横 よこ に、光学 こうがく 的 てき に作 つく られる(フィルムの走行 そうこう 方向 ほうこう に、画像 がぞう と同様 どうよう の目視 もくし が可能 かのう な信号 しんごう として焼 や き付 つ けられる)。
様式 ようしき としては、「濃淡 のうたん 式 しき 」と「面積 めんせき 式 しき 」がある。濃淡 のうたん 式 しき は古 ふる い方法 ほうほう で、トラック幅 はば を横断 おうだん して濃 こ い部分 ぶぶん と薄 うす い部分 ぶぶん とが存在 そんざい し、その濃 こ さが信号 しんごう となる。面積 めんせき 式 しき は新 あたら しい方法 ほうほう で、トラック幅 はば を分割 ぶんかつ して真 ま っ黒 くろ な部分 ぶぶん と真 ま っ白 しろ な部分 ぶぶん が存在 そんざい し、その面積 めんせき 比 ひ が信号 しんごう となる。
上映 じょうえい 用 よう プリントの作成 さくせい に際 さい しては、「画 が ネガ」のほかに「音 おと ネガ」というものが作 つく られ、その「音 おと ネガ」から焼 や き付 つ けられる。
磁気 じき 式 しき は、光学 こうがく 式 しき サウンドトラックと同 おな じ位置 いち に帯状 おびじょう に磁気 じき 帯 たい を設 もう け、そこにテープレコーダー と同 おな じ方法 ほうほう で録音 ろくおん するものである。コストが高 たか いため、16mm じゅうろくみり 以上 いじょう では、少量 しょうりょう のプリントを製造 せいぞう する際 さい に使 つか われた程度 ていど であり、主流 しゅりゅう とはならなかった。
フィルム上 じょう のサウンドトラックの特徴 とくちょう と問題 もんだい 点 てん [ 編集 へんしゅう ]
フィルム上 じょう に置 お かれるサウンドトラックについては、光学 こうがく 式 しき ・磁気 じき 式 しき のいずれも、画像 がぞう 部分 ぶぶん とサウンド部分 ぶぶん にずれが生 しょう じている。これは、画像 がぞう は上映 じょうえい 時 じ に間歇 かんけつ 的 てき にフィルムを止 と めてシャッターを介 かい して光 ひかり を当 あ てて使 つか うのに対 たい し、サウンドトラックは連続 れんぞく 的 てき にフィルムを流 なが して等 ひとし 速 そく で読 よ み取 と る必要 ひつよう があるためである。一般 いっぱん にサウンドトラックが先行 せんこう しており、どの程度 ていど 先行 せんこう するかはそれぞれの規格 きかく によって異 こと なる。たとえば16mm じゅうろくみり 映画 えいが の場合 ばあい 、光学 こうがく 式 しき では26駒 こま 分 ぶん 、磁気 じき 式 しき では28駒 こま 分 ぶん 、先行 せんこう させることになっている。
このことは、完成 かんせい 品 ひん の映像 えいぞう については全 まった く問題 もんだい にならないが、撮影 さつえい 時 じ に同時 どうじ 録音 ろくおん した素材 そざい を編集 へんしゅう する場合 ばあい には障害 しょうがい となる。同時 どうじ 録音 ろくおん した素材 そざい を編集 へんしゅう すると、それぞれの規格 きかく で定 さだ められた分 ぶん だけ、音 おと が先 さき に切 き り替 か わるという現象 げんしょう が生 しょう じるためである(「音 おと 先行 せんこう 」といって、音 おと を先 さき に切 き り替 か え映像 えいぞう をあとから切 き り替 か えるという編集 へんしゅう スタイルはあるが、全 すべ ての編集 へんしゅう 点 てん でその方法 ほうほう が使 つか えるわけではない)。
映画 えいが の上映 じょうえい に合 あ わせレコードの音声 おんせい を再生 さいせい するレコード・トーキー という仕組 しく みは、フィルム上 じょう にはサウンドトラックは無 な く、映像 えいぞう として人間 にんげん が認識 にんしき できる合図 あいず と共 とも にレコードを再生 さいせい し同期 どうき させていた。
フィルム上 じょう に設 もう けられたサウンドトラックの音質 おんしつ は、光学 こうがく 式 しき ・磁気 じき 式 しき を問 と わず、あまり良 よ いものではなかった。また、マルチチャンネル化 か もせいぜいステレオ(2.0ch)が限界 げんかい である。フィルム上 じょう に置 お かれるサウンドトラックは、後 ご の高音 こうおん 質 しつ 化 か の欲求 よっきゅう に応 こた えられるものではなかった。
そのため、高音 こうおん 質 しつ を求 もと める場合 ばあい には、「フィルム上 じょう にはサウンドトラックを設 もう けず、他 た に音声 おんせい 媒体 ばいたい を設 もう ける」という方法 ほうほう が開発 かいはつ された。最初 さいしょ は映写機 えいしゃき とシンクロした別途 べっと 用意 ようい された磁気 じき テープなどから同期 どうき 再生 さいせい するという方法 ほうほう が採用 さいよう され、70mm映画 えいが などではマルチチャンネルの磁気 じき テープが標準 ひょうじゅん 化 か された。また、テレビ局 てれびきょく でシネテープ と呼 よ ばれるフィルムと同 おな じ形状 けいじょう の磁気 じき テープを同期 どうき 再生 さいせい する事 こと があった(シネテープは、送 おく り穴 あな があけられており、フィルムとの機械 きかい 的 てき 同期 どうき を取 と ることができた。また、磁気 じき テープであったため、テープレコーダーと同様 どうよう に容易 ようい に録音 ろくおん ・再生 さいせい ・編集 へんしゅう ができた)。
その後 ご 更 さら にサウンドトラックは発展 はってん した。音質 おんしつ 面 めん では、CD-ROM に記録 きろく された高音 こうおん 質 しつ の音源 おんげん を同期 どうき するものも登場 とうじょう し、ドルビーデジタル やSDDS などのデジタル音響 おんきょう システム を採用 さいよう するものが多 おお くなっている。また同期 どうき システムも、シネテープなどの機械 きかい 的 てき 同期 どうき はすたれ、SMPTEなどの電子 でんし 的 てき 同期 どうき システムが導入 どうにゅう されている。すでに「フィルム上 じょう のサウンド用 よう のトラック(帯 おび )」という意味 いみ は薄 うす れており、サウンドトラックという言葉 ことば は「映像 えいぞう とシンクロする音 おと 」全般 ぜんぱん を指 さ すものに転化 てんか している。
映像 えいぞう 作品 さくひん に伴 ともな う音楽 おんがく としてのサウンドトラック[ 編集 へんしゅう ]
本来 ほんらい のサウンドトラックから転 てん じて、映像 えいぞう 作品 さくひん の背景 はいけい 音楽 おんがく や挿入 そうにゅう 曲 きょく 、あるいはそれらが収録 しゅうろく されたアルバム の事 こと もサウンドトラック と呼 よ ばれるようになった。
アルバムのうち、映像 えいぞう 作品 さくひん とまったく同 おな じ音源 おんげん から起 お こされた作品 さくひん を「オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック」という。同 おな じ総譜 そうふ ・同 おな じ演奏 えんそう 者 しゃ によるが映像 えいぞう 作品 さくひん とは別 べつ に演奏 えんそう された音源 おんげん による商品 しょうひん の事 こと を「オリジナルサウンドスコア」と呼 よ び、厳密 げんみつ には区別 くべつ される。近年 きんねん 、劇場 げきじょう 映画 えいが 作品 さくひん の主題歌 しゅだいか ・挿入歌 そうにゅうか および劇 げき 中 ちゅう 未 み 使用 しよう の歌 うた も含 ふく まれるアルバムを英語 えいご 圏 けん では「Music From And Inspired By ○○○(作品 さくひん 名 めい )」と呼 よ ぶが、それが日本 にっぽん で輸入 ゆにゅう 販売 はんばい される際 さい に「○○○(作品 さくひん 名 めい ) サウンドトラック」と銘打 めいう たれることがある(『スパイダーマン 』シリーズ等 とう )。
人気 にんき 映画 えいが やテレビ番組 ばんぐみ ・ゲームソフトのサウンドトラックは音楽 おんがく チャート の上位 じょうい にも上 あ がる。
(売 う り上 あ げ枚数 まいすう は世界 せかい 枚数 まいすう )