シダレザクラ

シダレザクラ
ベニシダレの三春みはる滝たき桜さくら
分類ぶんるい
界さかい : 植物しょくぶつ界かい Plantae 門もん : 被子植物ひししょくぶつ門もん Magnoliophyta 綱つな : 双そう子葉しよう植物しょくぶつ綱つな Magnoliopsida 亜あ綱つな : バラ亜あ綱つな Rosidae 目め : バラ目め Rosales 科か : バラ科か Rosaceae 属ぞく : サクラ属ぞく Cerasus
学名がくめい
Cerasus itosakura ‘Pendula’ Maxim
シノニム
Cerasus spachiana ‘itosakura‘ Cerasus spachiana ‘Pendula’ Cerasus itosakura (Sieb.) Masam. & Suzuki f. itosakura Cerasus spachiana Lav. ex Otto Prunus itosakura Sieb. Prunus pendula Maxim

シダレザクラ（枝垂桜しだれざくら、学名がくめい：Cerasus itosakura ‘Pendula’ Maxim（シノニム：Cerasus itosakura (Sieb.) Masam. & Suzuki f. itosakura ; Cerasus spachiana ‘itosakura‘；Cerasus spachiana ‘Pendula’ ; Prunus itosakura Sieb. ; Prunus pendula Maxim. ; Cerasus spachiana Lav. ex Otto）は、バラ科かサクラ属ぞくの植物しょくぶつの一種いっしゅで、広義こうぎでは枝えだがやわらかく枝垂しだれるサクラの総称そうしょうで、狭義きょうぎでは特定とくていのエドヒガン系統けいとうの枝垂しだれ性せいの栽培さいばい品種ひんしゅ。

広義こうぎのシダレザクラ

シダレザクラは広義こうぎでは枝えだがやわらかく枝垂しだれるサクラの総称そうしょう。野生やせい種たね（species）のエドヒガンから生うまれた栽培さいばい品種ひんしゅの狭義きょうぎのシダレザクラ (Cerasus itosakura (もしくはspachiana) ‘Pendula’）やベニシダレ（Cerasus itosakura (もしくはspachiana) ‘Pendula Rosea’）やヤエベニシダレ（Cerasus itosakura (もしくはspachiana) ‘Plena-rosea’）が有名ゆうめいである。他たにはエドヒガンとマメザクラの交雑こうざつ種しゅの栽培さいばい品種ひんしゅのウジョウシダレ、エドヒガン系けいと他た種しゅとの雑種ざっしゅと推定すいていされる栽培さいばい品種ひんしゅのカミヤマシダレザクラ、野生やせい種しゅのオオヤマザクラの下位かい分類ぶんるいの品種ひんしゅ（form）のシダレオオヤマザクラ、野生やせい種しゅのカスミザクラの下位かい分類ぶんるいの品種ひんしゅのキリフリザクラがあるほか、野生やせい種しゅのヤマザクラから生うまれた栽培さいばい品種ひんしゅ、もしくはオオシマザクラ由来ゆらいの栽培さいばい品種ひんしゅのサトザクラといわれるシダレヤマザクラ（センダイシダレ）などがある。枝えだが枝垂しだれるのはイチョウやカツラやクリやケヤキなどでも見みられるが、その原因げんいんは突然変異とつぜんへんいにより植物しょくぶつホルモンのジベレリンが不足ふそくして枝えだの上側うわがわの組織そしきが硬かたく形成けいせいできず、枝えだの張はりが重力じゅうりょくに耐たえられなくなっているからと考かんがえられている。枝垂しだれ性せいは遺伝いでん的てきに潜せん性せいのため、シダレザクラの子こであっても枝垂しだれない個体こたいが生うまれる場合ばあいがある。

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  狭義きょうぎのシダレザクラ
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  同左どうさ
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  ベニシダレ（三春みはる滝たき桜さくらの子孫しそん樹じゅ）
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  ベニシダレ（同左どうさ）
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  ヤエベニシダレ
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  同左どうさ
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  ウジョウシダレ
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  2020年ねんに日本にっぽん花はなの会かいより「極きわめて優秀ゆうしゅう」な新しん品種ひんしゅとして認定にんていされたカミヤマシダレザクラの幼よう木き

狭義きょうぎのシダレザクラ

樹高きだかは8 m以上いじょうに育そだつ高木たかぎ、花はなは一いち重じゅう咲ざきの小しょう輪わで淡紅あわべに色しょく、東京とうきょう基準きじゅんの花期かきは3月がつ中旬ちゅうじゅんである。枝垂しだれる以外いがいの特徴とくちょうはエドヒガンと同おなじで個体こたいにより変異へんいがある。個体こたいごとに変異へんいがあるのは、シダレザクラには遺伝いでん情報じょうほうが違ちがう複数ふくすうのクローンがあるからであり、複数ふくすうのクローンがある原因げんいんは、接つぎ木きや挿さし木きのほかにも他たの個体こたいと交雑こうざつした種子しゅしでも増殖ぞうしょくされ、その後ごに各かく個体こたいの形態けいたいが似にていたことから別々べつべつの栽培さいばい品種ひんしゅとして区別くべつされず、一ひとつのシダレザクラという栽培さいばい品種ひんしゅとして認識にんしきされたことによるものと考かんがえられている。

既すでに平安へいあん時代じだいには「しだり櫻さくら」や「糸櫻いとざくら」などが存在そんざいしたことが当時とうじの文献ぶんけんに記録きろくされており、これは狭義きょうぎのシダレザクラの祖先そせんであったと考かんがえられる。また、広義こうぎのシダレザクラであるカスミザクラの品種ひんしゅ (form)のキリフリザクラやオオヤマザクラの品種ひんしゅのシダレオオヤマザクラは野生やせいでの自生じせいが確認かくにんされているが、狭義きょうぎのシダレザクラには野生やせいでの自生じせい木きは発見はっけんされていない。さらに全国ぜんこくの狭義きょうぎのシダレザクラには複数ふくすうのクローンがあるとはいえそれぞれが遺伝いでん的てきに近きん縁えんであり、日本にっぽん各地かくちに狭義きょうぎのシダレザクラの古木ふるきが存在そんざいすることから、狭義きょうぎのシダレザクラは平安へいあん時代じだいには既すでに種子しゅしにより増殖ぞうしょくされて栽培さいばい化かされていて、それらの樹き々が全国ぜんこくに広ひろまったと考かんがえられている。

広義こうぎのシダレザクラのギャラリー

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  乙姫おとひめ桜さくら（福島ふくしま県けん白河しらかわ市し）
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  吉田よしだのしだれ桜さくら
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  慈雲じうん寺てらのイトザクラ
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  紅枝垂べにしだれ地蔵じぞう桜さくら
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  六義園りくぎえんの夜よるの枝垂桜しだれざくら
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  シダレザクラの実み

参考さんこう文献ぶんけん

• 勝木かつき俊雄としお『桜さくら』岩波書店いわなみしょてん〈岩波いわなみ新書しんしょ〉、2015年ねん2月がつ。ISBN 978-4-00-431534-6。 
• 勝木かつき俊雄としお「サクラの分類ぶんるいと形態けいたいによる同定どうてい」『樹木じゅもく医学いがく研究けんきゅう』第だい21巻かん第だい2号ごう、2017年ねん、93-104頁ぺーじ、doi:10.18938/treeforesthealth.21.2_93、NAID 130007814398。 
• 森林しんりん総合そうごう研究所けんきゅうじょ多摩たま森林しんりん科学かがく園えん 編へん『桜さくらの新あたらしい系統けいとう保全ほぜん 形質けいしつ・遺伝子いでんし・病害びょうがい研究けんきゅうに基もとづく取組とりくみ』森林しんりん総合そうごう研究所けんきゅうじょ多摩たま森林しんりん科学かがく園えん〈第だい3期き中期ちゅうき計画けいかく成果せいか5 育種いくしゅ・生物せいぶつ機能きのう-2〉、2013年ねん2月がつ。ISBN 978-4-905304-19-7。https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/3rd-chuukiseika5rev.pdf。 

外部がいぶリンク

• シダレザクラ｜樹木じゅもく図鑑ずかん｜公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん船橋ふなばし市し公園こうえん協会きょうかい