(Translated by https://www.hiragana.jp/)
シャクチリソバ - Wikipedia コンテンツにスキップ

シャクチリソバ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャクチリソバ
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
もん : 被子植物ひししょくぶつもん Magnoliophyta
つな : そう子葉しよう植物しょくぶつつな Magnoliopsida
: タデ Polygonales
: タデ Polygonaceae
ぞく : ソバぞく Fagopyrum
たね : シャクチリソバ P. cymosum
学名がくめい
Fagopyrum cymosum (Trevir.) Meisn. (1832)[1]
シノニム
和名わみょう
シャクチリソバ
シュッコンソバ
ヒマラヤソバ
英名えいめい
Perennial Buckwheat

シャクチリソバ赤地あかじ蕎麦そば学名がくめいPolygonum cymosum (シノニム: P. dibotrys Hara)は、タデタデぞく多年草たねんそうむしなかだち植物しょくぶつ和名わみょうかんめい赤地あかじ」の日本語にほんごみに由来ゆらいし、『本草ほんぞう綱目こうもく』にもちいられたたねめいであり、牧野まきの富太郎とみたろう和名わみょうとして命名めいめい(1933ねん)したものである[5][6]ソバ同属どうぞくであるが、ふえせいである。地下ちか赤色あかいろ根茎こんけいのこ越冬えっとうするため、シュッコンソバ宿根しゅくこん蕎麦そば)の名称めいしょうもある。英名えいめいのPerennial Buckwheat(多年生たねんせいのソバ)もどうおもむきである。中国ちゅうごくめいは、きむそば[1]

ふと空洞くうどうくき三角形さんかっけいないしハート (シンボル)かたちをつける。なつからあきにかけて5まいがくへんかれた白色はくしょくはなをつける。多年生たねんせいであるため、ふゆ地上ちじょうれるが、宿根しゅくこんのこって翌年よくねんあらたなくき叢生そうせいさせる。

分布ぶんぷおよ生産せいさんじょうきょう

[編集へんしゅう]

原産地げんさんちヒマラヤ、および中国ちゅうごく南西なんせい[6]パキスタンインドブータンネパール中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく南西なんせいタイ広範囲こうはんい分布ぶんぷいきっている。

シャクチリソバはばいたいよんばいたい大別たいべつでき、ばいたい中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく南西なんせいからチベット地方ちほうよんばいたいはタイ北方ほっぽうからインド西北せいほくにかけて分布ぶんぷいきがある[7]。シャクチリソバの遺伝子いでんしやアロザイム変異へんい解析かいせきした結果けっかからチベット地方ちほうばいたい野生やせいしゅ発見はっけんされ、やく70まんねんまえから150まんねんまえごろよんばいたい分化ぶんかしたとかんがえられている[7]きんえんしゅとされる栽培さいばい品種ひんしゅダッタンソバはその、シャクチリソバ(よんばいたい)の分布ぶんぷいきにおいて、自然しぜん変種へんしゅ交雑こうざつ品種ひんしゅ改良かいりょうおこなった可能かのうせいたかくなった。

日本にっぽんには薬用やくよう植物しょくぶつとして昭和しょうわ初期しょき中国ちゅうごくから導入どうにゅうされ[6]東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん理学りがくけい研究けんきゅう附属ふぞく植物しょくぶつえん栽培さいばいされた。そのえんがい飛散ひさんした種子しゅし繁殖はんしょくし、帰化きか植物しょくぶつとして1960年代ねんだいから繁茂はんもすることとなった[6]路傍ろぼう河川敷かせんしきなどに自生じせいしており、アレロパシーによりたね駆逐くちくするため、ゆううらない群落ぐんらく形成けいせいすることもある。北海道ほっかいどうは「北海道ほっかいどう外来がいらいしゅリスト」にシャクチリソバをげている[8]

形態けいたい生態せいたい

[編集へんしゅう]

はやしゆかりかわ沿いなどの半日はんにち陰地かげちえる多年草たねんそう[6]地下茎ちかけいふと木質もくしつ[6]くき多数たすうて、たかさ50 - 120センチメートル (cm) になる[6]なががついて互生ごせいし、三角さんかくじょうこうたまごがたながさ5 - 15 cm、はば4 - 14 cm、さきするどとんがで、基部きぶきりがたからあさこころかたちになる[6]うらみゃく沿ってたんがあるほかはである[6]たくさや褐色かっしょく膜質まくしつえんはない[6]

花期かきは7 - 10月[6]上部じょうぶ葉腋ようえきからえだ花穂かすいじょう花序かじょが2 - 4ずつしょうじ、ややまばらにはなをつける[6]はな白色はくしょくはなびらがついたくるまがたで、みち4 - 6ミリメートル (mm) ほどある[6]雄蕊おしべは8ほん紅色こうしょくはなばしらは5ほんつく[6]たんはなばしらはなちょうはなばしらはなべつかぶにつく[6]果実かじつやせはてで、ながさ8 mmほどの3りょうがた黒色こくしょく[6]染色せんしょくたいかずは、2 n=32[6]

成分せいぶんおよ利用りよう

[編集へんしゅう]

種子しゅしはえぐあじつよく、のソバるいのように食用しょくようすることはできない。一方いっぽう若葉わかば食用しょくようにできることから、明治めいじには「野菜やさいソバ」の名称めいしょう宣伝せんでんされたこともあった。『本草ほんぞう綱目こうもくまき18「赤地あかじ」のこうによれば、根茎こんけい飲用いんようすると解熱げねつ腹下はらくだしをなお薬効やっこうがあるほか、あく瘡毒そうどくしゅにもくという。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Fagopyrum cymosum (Trevir.) Meisn. シャクチリソバ(標準ひょうじゅん”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2024ねん7がつ20日はつか閲覧えつらん
  2. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Polygonum cymosum Trevir. シャクチリソバ(シノニム)”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2024ねん7がつ20日はつか閲覧えつらん
  3. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Fagopyrum dibotrys (D.Don) H.Hara シャクチリソバ(シノニム)”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2024ねん7がつ20日はつか閲覧えつらん
  4. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Fagopyrum acutatum (Lehm.) Mansf. ex K.Hammer シャクチリソバ(シノニム)”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2024ねん7がつ20日はつか閲覧えつらん
  5. ^ 『ソバの科学かがく』(新潮社しんちょうしゃ 1984)
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 清水しみずけん へん 2003, p. 44.
  7. ^ a b 山根やまね京子きょうこシャクチリソバ野生やせい集団しゅうだんにおける倍数ばいすうたい成立せいりつ遺伝いでんてき分化ぶんか分子ぶんしマーカーによる解明かいめい 京都大学きょうとだいがく 博士はかせ論文ろんぶん のうはくだい1313ごう, NAID 500000234447 , hdl:2433/148969
  8. ^ シャクチリソバ北海道ほっかいどうブルーリスト20102013ねん3月3にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]