スペースX Crew-5

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
スペースX Crew-5
Crew-5の宇宙うちゅう飛行ひこうせてLC-39Aからげられるクルードラゴン エンデュランス
名称めいしょうUSCV-5
任務にんむ種別しゅべつISS乗員じょういん輸送ゆそう
運用うんようしゃスペースX
COSPAR ID2022-124A
任務にんむ期間きかん157にち 10あいだ 1ふん[1]
特性とくせい
宇宙うちゅうクルードラゴン エンデュランス
宇宙うちゅう機種きしゅべつクルードラゴン
製造せいぞうしゃスペースX
重量じゅうりょう12,519 kg
着陸ちゃくりく重量じゅうりょう9,616 kg
乗員じょういん
乗員じょういんすう4
乗員じょういん
任務にんむ開始かいし
2022ねん10がつ5にち 16:00:57 UTC[3]
ロケットファルコン9ブロック5 B1077.1
打上うちあ場所ばしょケネディ宇宙うちゅうセンターLC-39A
請負うけおいしゃスペースX
任務にんむ終了しゅうりょう
回収かいしゅう担当たんとうShannon
着陸ちゃくりく2023ねん3がつ12にち 02:02 UTC[4]
着陸ちゃくりく地点ちてんメキシコわん
軌道きどう特性とくせい
参照さんしょう座標ざひょう地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどう
体制たいせいてい軌道きどう
傾斜けいしゃかく51.68°
ISSのドッキング(捕捉ほそく
ドッキング ハーモニー 前方ぜんぽうがわ
ドッキング(捕捉ほそくにち 2022ねん10がつ6にち 21:01 UTC
分離ぶんり 2023ねん3がつ11にち 07:20 UTC
dock時間じかん 155にち 10あいだ 19ふん

スペースX Crew-5の徽章きしょう

ひだりから)キキナ、カサダ、マンおよび若田わかた
スペースX Crew-4
COSPAR ID2022-124A

スペースX Crew-5はNASA商業しょうぎょう乗員じょういん輸送ゆそうプログラム英語えいごばんにおける、クルードラゴン宇宙船うちゅうせんでの5かい有人ゆうじん軌道きどう飛行ひこうとしては8かい宇宙うちゅう飛行ひこうミッションである。国際こくさい宇宙うちゅうステーションへの4めい乗員じょういん輸送ゆそうするために2022ねん10がつ5にちげられた。このミッションには2めいのNASAの飛行ひこう、1めいのJAXAの飛行ひこうおよび1めいのロシアじん飛行ひこうてられた。乗員じょういんのうちの3めいは、ボーイングのスターライナー計画けいかくおくれを反映はんえいしててられた。ニコール・マン英語えいごばん船長せんちょうはボーイングのBoe-CFTミッションから再割さいわてされ、ジョシュ・カサダ英語えいごばん操縦そうじゅうとミッションスペシャリストの若田わかた光一こういちはボーイング スターライナー1英語えいごばんからうつった[5][6]アンナ・キキナ英語えいごばんソユーズMS-22から再割さいわてされた。すでに4かい宇宙うちゅう飛行ひこう経験けいけんしているベテランの若田わかた光一こういちのぞく3めいにとっては、今回こんかいはじめての宇宙うちゅう飛行ひこうとなった。

クルー[編集へんしゅう]

今回こんかいのミッションはかくクルー交代こうたいミッションでNASAの飛行ひこうとロスコスモスの飛行ひこうすくなくともそれぞれ1めい搭乗とうじょうさせるためのソユーズ・ドラゴン交換こうかんシステムの一環いっかんとして、ロシアじん宇宙うちゅう飛行ひこうアンナ・キキナ英語えいごばん搭乗とうじょうするはじめてのクルードランゴンのミッションとなった。これによって、両国りょうこくがステーションに存在そんざいすることが保証ほしょうされ、ソユーズまたは商用しょうよう乗員じょういんのいずれかが長期間ちょうきかん飛行ひこう停止ていしになった場合ばあいでも、別々べつべつのシステムを維持いじすることを可能かのうとなった[7]。この飛行ひこうは、STS-113搭乗とうじょうしたニコライ・ブダーリン以来いらいのアメリカの宇宙船うちゅうせんでのロシアじん宇宙うちゅう飛行ひこう飛行ひこうであるとともに、アメリカの宇宙うちゅうカプセルでのはじめてのロシアじん宇宙うちゅう飛行ひこうげとなった。座席ざせき交換こうかんは(ロシアがわによってのみ)2022ねん6がつ承認しょうにんされた[8]

せいクルー

地位ちい 宇宙うちゅう飛行ひこう
船長せんちょう アメリカ合衆国の旗 ニコール・アウナプ・マン英語えいごばん, NASA
だい68長期ちょうき滞在たいざい
1かい宇宙うちゅう飛行ひこう
操縦そうじゅう アメリカ合衆国の旗 ジョシュ・カサダ英語えいごばん, NASA
だい68長期ちょうき滞在たいざい
1かい宇宙うちゅう飛行ひこう
だい1ミッションスペシャリスト 日本の旗 若田わかた光一こういち, JAXA
だい68長期ちょうき滞在たいざい
5かい宇宙うちゅう飛行ひこう
だい2ミッションスペシャリスト ロシアの旗 アンナ・キキナ英語えいごばん[2], Roscosmos
だい68長期ちょうき滞在たいざい
1かい宇宙うちゅう飛行ひこう

ミッション[編集へんしゅう]

商業しょうぎょう乗員じょういん輸送ゆそう計画けいかく英語えいごばんでの5かいのスペースXのじつ運用うんようミッションが2022ねん10がつ5にち UTCにげられ、2023ねん3がつ11にち UTCに地球ちきゅう帰還きかんした[3]

Crew-5 商業しょうぎょう乗員じょういん輸送ゆそうポスター
LC-39Aでファルコン9にせられたCrew-5

ソユーズMS-22クルー帰還きかんのバックアップ[編集へんしゅう]

微小びしょう隕石いんせき衝突しょうとつによってソユーズMS-22冷却れいきゃく直径ちょっけい0.8mmのあなひらいたことから[9]、ソユーズMS-22の安全あんぜんせい疑義ぎぎていされた。そこで代替だいたいとして2023ねん2がつ24にちソユーズMS-23無人むじんげられた[10][11]

MS-23がISSにドッキングするまでは、スペースX Crew-5非常ひじょう場合ばあいにMS-22のクルーを帰還きかんさせるオプショとしてみなされていた。これは、スペースX当初とうしょクルードラゴンに7めい同時どうじ搭乗とうじょうすることを前提ぜんてい設計せっけいしたことから可能かのうとなる。これらの理由りゆうから、国際こくさい宇宙うちゅうステーションのミッション管理かんりチームはNASAの宇宙うちゅう飛行ひこうフランシスコ・ルビオ英語えいごばん座席ざせき内張うちばりを、ルビオが緊急きんきゅう避難ひなんのために宇宙うちゅうステーションから地球ちきゅうもど必要ひつよう発生はっせいした場合ばあいそなえて救命きゅうめいボート機能きのう確保かくほするために、ソユーズMS-22宇宙船うちゅうせんからクルードラゴン・エンデュランスに変更へんこうすることを決定けっていした。内張うちばりは2023ねん1がつ17にちはじめにうつされ、設置せっち設定せってい翌日よくじつのほぼ全日ぜんじつようした[12]。この変更へんこうによって、MS-22宇宙船うちゅうせん内部ないぶねつ負荷ふか減少げんしょうしてクルー保護ほご能力のうりょく向上こうじょうしたので、非常時ひじょうじにはプロコピエフとペテリンががMS-22で地球ちきゅう帰還きかんすることも可能かのうとなった。スペースX Crew-5離脱りだつは、Crew-6宇宙うちゅうカプセルも緊急きんきゅう避難ひなんとしてクルーをもどすために機能きのうするように設計せっけいされている[13]

2023ねん2がつ26にちにMS-23が宇宙うちゅうステーションに到着とうちゃくしてからは、ルビオの座席ざせき内張うちばりあたらしいソユーズにうつされ、セルゲイ・プロコピエフ英語えいごばんドミトリー・ペテリン英語えいごばん座席ざせき内張うちばりはソユーズで帰還きかんするためにMS-22からMS-23にうつされた[12]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ SpaceX F9 / Crew Dragon : Crew-5 : KSC LC-39A : NET 5 Oct 2022 (16:00:57 UTC)”. 2022ねん10がつ17にち閲覧えつらん
  2. ^ a b Roscosmos head hinted yesterday that crossover flights to #ISS, including launch of Russian cosmonaut Anna Kikina on the US Crew Dragon, would proceed as scheduled.”. 2022ねん10がつ17にち閲覧えつらん
  3. ^ a b Clark, Stephen (2022ねん9がつ28にち). “SpaceX, ULA postpone launches as Hurricane Ian moves toward Florida”. Spaceflight Now. 2022ねん9がつ28にち閲覧えつらん
  4. ^ "NASA's SpaceX Crew-5 Splash Down Near Florida Coast, Safe on Earth". NASA (Press release). 11 March 2023. 2023ねん3がつ30にち閲覧えつらん
  5. ^ "NASA Announces Astronaut Changes for Upcoming Commercial Crew Missions" (Press release). NASA. 6 October 2021. 2021ねん10がつ6にち閲覧えつらん  この記述きじゅつには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうちパブリックドメインとなっている記述きじゅつふくむ。
  6. ^ @jaxa_wdc (2021ねん10がつ12にち). "JAXA has announced their WAKATA Koichi @Astro_Wakata is headed for the International Space Station aboard SpaceX's…". X(きゅうTwitter)より2022ねん8がつ5にち閲覧えつらん
  7. ^ Foust, Jeff (2021ねん10がつ26にち). “Rogozin says Crew Dragon safe for Russian cosmonauts”. SpaceNews. https://spacenews.com/rogozin-says-crew-dragon-safe-for-russian-cosmonauts/ 2021ねん12月17にち閲覧えつらん 
  8. ^ Распоряжение Правительства Российской Федерации от 10.06.2022 № 1532-р ∙ Официальное опубликование правовых актов ∙ Официальный интернет-портал правовой информации”. publication.pravo.gov.ru. 2022ねん6がつ11にち閲覧えつらん
  9. ^ Госкорпорация «Роскосмос»”. 2023ねん3がつ3にち閲覧えつらん
  10. ^ Pavlushchenko, Katya [@katlinegrey] (2022ねん12月19にち). "A big update on the incident with #SoyuzMS22 appeared on the Roscosmos website: t.co/cJGMOhh9Xr. Quick summary in the thread below. ⤵️ t.co/Gj1SCTG49j" (英語えいご). 2022ねん12月19にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブX(きゅうTwitter)より2022ねん12がつ20日はつか閲覧えつらん
  11. ^ Tyler Gray (2023ねん2がつ25にち). “Uncrewed Soyuz MS-23 "rescue" mission arrives at ISS”. https://www.nasaspaceflight.com/2023/02/soyuz-ms-23-launch/ 2023ねん3がつ28にち閲覧えつらん 
  12. ^ a b Garcia, Mark. “Spacewalk Preps Continue as Soyuz Seat Move Planned as Precaution” (英語えいご). blogs.nasa.gov. 2023ねん1がつ14にち閲覧えつらん この記事きじには現在げんざいパブリックドメインとなったつぎ出版しゅっぱんぶつからの記述きじゅつふくまれています。
  13. ^ (英語えいご) Expedition 68 NASA’s SpaceX Crew-6 Leaders Discuss Mission - Jan. 25, 2023, https://www.youtube.com/watch?v=5OCET6AMDsQ 2023ねん2がつ14にち閲覧えつらん