ソユーズMS-18

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ソユーズMS-18
ソユーズ 2.1aでげられる「Y・A・ガガーリン」
名称めいしょうISS 64S
任務にんむ種別しゅべつISS乗員じょういん輸送ゆそう
運用うんようしゃロスコスモス
COSPAR ID2021-029A
SATCAT №48159
ウェブサイトhttp://en.roscosmos.ru/
任務にんむ期間きかん190にち 20あいだ 53ふん
特性とくせい
宇宙うちゅうソユーズMS No.748 「Y.A.ガガーリン」[1][2]
宇宙うちゅう機種きしゅべつソユーズMS
製造せいぞうしゃRKKエネルギア
乗員じょういん
乗員じょういん
コールサインKazbek [3]
任務にんむ開始かいし
2021ねん4がつ9にち07:42:41UTC[4][5][6]
ロケットソユーズ 2.1a
打上うちあ場所ばしょバイコヌール宇宙うちゅう基地きち31ばんてん
請負うけおいしゃプログレス国家こっか研究けんきゅう生産せいさんロケット宇宙うちゅうセンター
任務にんむ終了しゅうりょう
着陸ちゃくりく2021ねん10がつ17にち 04:35:44 UTC
着陸ちゃくりく地点ちてんカザフステップ
軌道きどう特性とくせい
参照さんしょう座標ざひょう地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどう
体制たいせいてい軌道きどう
傾斜けいしゃかく51.66°
ISSのドッキング(捕捉ほそく
ドッキング Rassvetモジュール天底あめそこがわ
ドッキング(捕捉ほそくにち 2021ねん4がつ9にち11:05 UTC[6][3]
分離ぶんり 2021ねん9がつ28にち12:21 UTC
ドック時間じかん 172にち 1あいだ 16分間ふんかん
ISSさい配置はいち)のドッキング(捕捉ほそく
ドッキング Naukaモジュール天底あめそこがわ
ドッキング(捕捉ほそくにち 2021ねん9がつ28にち13:04 UTC
分離ぶんり 2021ねん10がつ17にち01:14:00 UTC
ドック時間じかん 18にち 12あいだ 10分間ふんかん

マーク・ヴァンデ・ヘイ、オレグ・ノヴィツキーおよびピョートル・ドゥブロフ

ソユーズMS-18は2021ねん4がつ9にち07:42:41UTCげられたソユーズによる宇宙うちゅう飛行ひこうである[4][7]だい64長期ちょうき滞在たいざい乗組のりくみいん国際こくさい宇宙うちゅうステーション(ISS)に輸送ゆそうする。ソユーズMS-18はソユーズ宇宙船うちゅうせんに146かい有人ゆうじん宇宙うちゅう飛行ひこうである。乗組のりくみいんはロシアじんコマンダー、ロシアじんフライトエンジニアおよびNASAのアメリカじんフライトエンジニアからなっている[8][9][10]。この宇宙船うちゅうせんは191日間にちかん宇宙うちゅうごしたのち、2021ねん10がつ17にち地球ちきゅう帰還きかんした[11]。このフライトではやく1週間しゅうかん宇宙うちゅう映画えいが Vyzovロシア: Вызов;挑戦ちょうせん)を撮影さつえいするためにソユーズMS-19でISSに到着とうちゃくした映画えいが監督かんとくクリム・シペンコ英語えいごばんおよび女優じょゆうユリア・ペレシルド帰還きかんせんとなった[12][13][14]

2021ねん3がつ9にち、ロスコスモスはNASAの要請ようせいおうじて既存きそん飛行ひこう計画けいかく変更へんこうし、メインクルーのセルゲイ・コルサコフ英語えいごばんにかえてマーク・T・ヴァンデ・ヘイを、バックアップクルーのディミトリー・ペテリン英語えいごばんにかえてアン・マクレーン英語えいごばん配置はいちすることで、NASAの宇宙うちゅう飛行ひこうのソユーズ宇宙船うちゅうせんでのフライトを、すくなくとも1フライト延長えんちょうすると発表はっぴょうした[15][16]。このめはNASAとロスコスモスのあいだ補完ほかんてき乗組のりくみいん輸送ゆそうサービスのための現物げんぶつ取引とりひきであり、2つの機関きかんあいだでの金銭きんせんてき交換こうかん発生はっせいしない[17][18]

2021ねん10がつ17にちに、予定よていどお船長せんちょうオレッグ・ノヴィツキーおよび映画えいが撮影さつえいのために滞在たいざいしていたシペンコとペレシルドをせて地球ちきゅう帰還きかんした[19]

クルー[編集へんしゅう]

地位ちい 乗組のりくみいん 着陸ちゃくりく乗組のりくみいん
コマンダー ロシアの旗 オレッグ・ノヴィツキー, ロスコスモス
だい64長期ちょうき滞在たいざい
3かい宇宙うちゅう飛行ひこう
フライトエンジニア/宇宙うちゅう飛行ひこう参加さんかしゃ1 ロシアの旗 ピョートル・ドゥブロフ英語えいごばん, ロスコスモス
だい64/だい65/だい66長期ちょうき滞在たいざい
1かい宇宙うちゅう飛行ひこう
ロシアの旗 クリム・シペンコ英語えいごばん, チャンネル1
映画えいが Vyzov挑戦ちょうせん
1かい宇宙うちゅう飛行ひこう
フライトエンジニア/宇宙うちゅう飛行ひこう参加さんかしゃ2 アメリカ合衆国の旗 マーク・T・ヴァンデハイ, NASA
だい64/だい65/だい66長期ちょうき滞在たいざい
2かい宇宙うちゅう飛行ひこう
ロシアの旗 ユリア・ペレシルド, チャンネル1
映画えいが Vyzov挑戦ちょうせん
1かい宇宙うちゅう飛行ひこう

バックアップクルー[編集へんしゅう]

地位ちい 乗組のりくみいん
コマンダー ロシアの旗 アントン・シュカプレロフ, ロスコスモス
フライトエンジニア1 ロシアの旗 オレッグ・アルテミエフ英語えいごばん, ロスコスモス
フライトエンジニア2 アメリカ合衆国の旗 アン・マクレーン英語えいごばん, NASA

ロシアがわモジュールの拡張かくちょう[編集へんしゅう]

Naukaモジュール(ひだり)にけられた ERA のアーティストによるイメージ。予備よびのジョイントはRassvetモジュール(みぎ)にけられる

ソユーズMS-18の乗組のりくみいんは、先行せんこうしてげられてISSにドッキングしたNaukaモジュールにけられる欧州おうしゅうロボットアーム(ERA)の一部いちぶ輸送ゆそうするめに2021ねん7がつ21にちげられたプロトン-Mげロケットに先立さきだって、2021ねん4がつ9にち到着とうちゃくした。ISSロシアがわモジュールへの Nauka およびERAを設置せっちするためのふねがい活動かつどうだい65長期ちょうき滞在たいざい(ソユーズMS-18じょう組員くみいん)によって計画けいかくされ、7がつ29にち実行じっこうされた[20][21][22][23]

Nauka がドッキングしたのちロシアがわモジュールのコンピューター生成せいせい画像がぞう

プリチャルモジュールの国際こくさい宇宙うちゅうステーションにけてプログレスM-UM一緒いっしょげが2021ねん11月24にち予定よていされている。2021ねん2がつ4にちにロスコスモスによって起草きそうされたISSフライトマニフェストでは、Prichalが2021ねん11月にげられ、2にちにNaukaの天底あめそこがわポートにドッキングすることになっている[24]。Prichalの1つのポートにはNauka/MLMモジュールとのドッキングを可能かのうとするアクティブ・ハイブリッド・ドッキング・ポートが装備そうびされている。のこりの5つのポートは、ソユーズおよびプログレス輸送ゆそうや、よりおもたいモジュールや、ドッキングシステムが変更へんこうされた将来しょうらい宇宙船うちゅうせんとのドッキング可能かのうなパッシブ・ハイブリッド・ポートとなっている[25]。Prichalモジュールが宇宙うちゅうステーションに到着とうちゃくしたのちに、ソユーズM-18じょう組員くみいんによるふねがい活動かつどう計画けいかくされている。このふねがい活動かつどうはモジュールの初期しょき準備じゅんび作業さぎょう焦点しょうてんてられている[7][25]

Prichalモジュールは2021ねんロシアがわモジュールへの2つ追加ついかとなる。

さい配置はいちにナウカにドッキングするソユーズMS-18

エンジン点火てんか事故じこ[編集へんしゅう]

2021ねん10がつ15にちの09:02 UTC、着陸ちゃくりくけての宇宙船うちゅうせん推進すいしんシステムの準備じゅんびちゅうに、ソユーズMS-18は予定よてい時間じかんえて不用意ふよういにスラスターを噴射ふんしゃし、この結果けっかとして09:13 UTCにISSの姿勢しせいが57°変化へんかしてしまった。 宇宙うちゅうステーションの姿勢しせい制御せいぎょシステムはロシア軌道きどうセグメントのスラスターをもちいて対応たいおう処置しょちおこなった。 このソユーズのあやまったエンジン点火てんかは、試験しけんおこなっていたオレッグ・ノヴィツキーにたいしてミッションコントロールが間違まちがった手順てじゅん指令しれいおくったためだった。 さいわいなことに、ソユーズ宇宙船うちゅうせん搭載とうさいされた飛行ひこう管制かんせいシステムには、テストにてられた推進すいしんざいすべ使用しようされたら即座そくざにエンジン停止ていし指令しれい発生はっせいする、エンジンテスト限度げんど設定せっていもうけられていた。 この結果けっか宇宙船うちゅうせん搭載とうさいされた推進すいしんざいうち着陸ちゃくりく必要ひつようぶんにはがつけられていなかった。 乗組のりくみいんには危険きけんはなかったが、これは2021ねん7がつ29にちにナウカの制御せいぎょうしなわれたとき以来いらいの2度目どめ事故じこだった [26][27]

帰還きかん[編集へんしゅう]

映画えいが監督かんとく女優じょゆうは、コマンダーのオレッグ・ノヴィツキーとともにソユーズMS-18で2021ねん10がつ17にち地球ちきゅう帰還きかんした。 ソユーズMS-18でISSに到着とうちゃくした宇宙うちゅう飛行ひこうピョートル・ドゥブロフとマーク・ヴァンデ・ヘイは、シュカプレロフとともにソユーズMS-19で着陸ちゃくりくする予定よていである [28]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Zak, Anatoly (2021ねん3がつ13にち). “Planned Russian orbital launches in 2021”. RussianSpaceWeb.com. 2021ねん3がつ14にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2021ねん3がつ14にち閲覧えつらん。 “A Soyuz-2-1a rocket to launch the Soyuz MS-18 spacecraft (Vehicle No. 748, ISS mission 64S)...”
  2. ^ Pearlman, Robert (2021ねん3がつ23にち). “Russia's next space station-bound Soyuz named for first cosmonaut”. collectSPACE. 2021ねん3がつ27にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2021ねん3がつ27にち閲覧えつらん。 “Roscosmos cosmonauts Oleg Novitsky and Pyotr Dubrov, together with NASA astronaut Mark Vande Hei, are set to lift off to the International Space Station on Russia's Soyuz MS-18 spacecraft, which has been named the "Yu.A. Gagarin"”
  3. ^ a b Becker, Joachim Wilhelm Josef. “Soyuz MS-18”. Space Facts. 2021ねん3がつ24にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2021ねん3がつ24にち閲覧えつらん。 “International Flight No. 321; Soyuz MS-18; Kazbek”
  4. ^ a b Baylor, Michael (2020ねん4がつ1にち). “Status – Soyuz MS-18”. Next Spaceflight. https://nextspaceflight.com/launches/details/2969 2020ねん10がつ13にち閲覧えつらん 
  5. ^ Zak, Anatoly (2020ねん12月1にち). “Evolution of the Soyuz MS-17 flight program”. RussianSpaceWeb.com. 2020ねん12月3にち閲覧えつらん
  6. ^ a b NASA [@nasa] (2021ねん4がつ9にち). "A recap of today's journey for three space travelers, including @Astro_Sabot, on a Soyuz spacecraft (all times ET):". X(きゅうTwitter)より2021ねん8がつ9にち閲覧えつらん
  7. ^ a b Zak, Anatoly (2020ねん9がつ2にち). “Planned Russian space missions in 2021: Soyuz MS-18”. RussianSpaceWeb.com. 2020ねん10がつ12にち閲覧えつらん
  8. ^ @anik1982space (2020ねん2がつ28にち). "Первоначально в основной экипаж "Союза МС-18" (старт весной 2021 года) входили Сергей Рыжиков, Сергей Кудь-Сверчков и Сергей Корсаков. Можно предположить, что Кэтлин Рубинс теперь в этом экипаже вместо Корсакова, а в дублирующем – Томас Маршберн.pic.twitter.com/ICQtgZU8Mx" [Initially, the prime crew of the Soyuz MS-18 (starting in the spring of 2021) included Sergei Ryzhikov, Sergei Kud-Sverchkov and Sergei Korsakov. We can assume that Kathleen Rubins is now in this crew instead of Korsakov, and in the backup one – Thomas Marshburn.pic.twitter.com / ICQtgZU8Mx] (ロシア). X(きゅうTwitter)より2020ねん3がつ3にち閲覧えつらん
  9. ^ “Для возможного полета на "Союзе" в 2021 году выбрали Кэтлин Рубинс [Kathleen Rubins was chosen for a possible flight on the Soyuz in 2021]” (ロシア). (2020ねん3がつ6にち). https://ria.ru/20200306/1568227299.html 
  10. ^ “Роскосмос подтвердил подписание контракта на доставку астронавта NASA на корабле "Союз" [Roscosmos has confirmed the signing of a contract for the delivery of a NASA astronaut on the Soyuz spacecraft]” (ロシア). TASS. (2020ねん3がつ12にち). https://tass.ru/kosmos/8456907 
  11. ^ Zak, Anatoly (2021ねん6がつ2にち). “Soyuz MS-18 mission to support ISS expansion lifts off”. RussianSpaceWeb.com. 2021ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  12. ^ “Russian actress to head to ISS in 2021 to star in first feature film in space”. TASS. (2020ねん11月2にち). https://tass.com/society/1219251 2021ねん4がつ2にち閲覧えつらん 
  13. ^ “Выбраны 20 претенденток на роль в фильме, который будут снимать на МКС” (ロシア). Интерфакс. (2021ねん3がつ9にち). https://www.interfax.ru/russia/755118 
  14. ^ Фильм "Вызов": итоги медкомиссии” (ロシア). Roscosmos (2021ねん5がつ13にち). 2021ねん8がつ9にち閲覧えつらん
  15. ^ Новости. Астронавт NASA назначен в экипаж корабля "Союз МС-18"” (ロシア). roscosmos.ru. Roscosmos (2021ねん3がつ9にち). 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん
  16. ^ Brown, Katherine (2021ねん3がつ8にち). “NASA Assigns Astronaut Mark Vande Hei to Space Station Crew”. NASA. 2021ねん3がつ22にち閲覧えつらん  この記述きじゅつには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうちパブリックドメインとなっている記述きじゅつふくむ。
  17. ^ NASA Weighs Options for Additional Crew Transportation for Spring Soyuz Mission to Space Station”. NASA. 2021ねん3がつ10日とおか閲覧えつらん  この記述きじゅつには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうちパブリックドメインとなっている記述きじゅつふくむ。
  18. ^ NASA confirms plan to fly astronaut on upcoming Soyuz mission”. SpaceNews. 2021ねん3がつ10日とおか閲覧えつらん
  19. ^ 国際こくさい宇宙うちゅうステーションではつ長編ちょうへん映画えいが撮影さつえいおこなっていたロシア映画えいがはん無事ぶじ帰還きかん. Tech Crunch. (2021ねん10がつ18にち). https://jp.techcrunch.com/2021/10/18/russian-film-crew-returns-from-iss/ 2021ねん10がつ18にち閲覧えつらん 
  20. ^ Davenport, Justin (2021ねん4がつ8にち). “Soyuz MS-18 launch marks 60 years of human spaceflight”. NASASpaceFlight.com. 2021ねん4がつ25にち閲覧えつらん
  21. ^ Zak, Anatoly (2021ねん2がつ9にち). “ISS set for the Russian expansion”. RussianSpaceWeb.com. 2021ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  22. ^ ロシアはつ実験じっけんとう、ISSに連結れんけつ 「ナウカ」、国営こくえい企業きぎょう開発かいはつ”. 共同通信社きょうどうつうしんしゃ nordot (2021ねん7がつ30にち). 2021ねん7がつ30にち閲覧えつらん
  23. ^ 実験じっけんとう「ナウカ」、ISSとドッキング成功せいこう ロシア”. 時事通信じじつうしんドットコム (2021ねん7がつ30にち). 2021ねん7がつ30にち閲覧えつらん
  24. ^ Zak, Anatoly (2020ねん10がつ10日とおか). “Planned Russian space missions in 2021”. RussianSpaceWeb.com. 2020ねん11月17にち閲覧えつらん
  25. ^ a b Zak, Anatoly (15 January 2011), Prichal Node Module, UM, RussianSpaceWeb.com, http://www.russianspaceweb.com/iss_node.html 2020ねん11月17にち閲覧えつらん 
  26. ^ Errant Russian spacecraft thruster firing tilts space station by accident again”. Space.com (2021ねん10がつ15にち). 2021ねん10がつ16にち閲覧えつらん
  27. ^ Crew Work and Station Attitude Update Before Soyuz Crew Departure”. NASA (2021ねん10がつ15にち). 2021ねん10がつ16にち閲覧えつらん  この記述きじゅつには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうちパブリックドメインとなっている記述きじゅつふくむ。
  28. ^ На МКС 10 человек”. Роскосмос (2021ねん4がつ9にち). 2021ねん4がつ30にち閲覧えつらん