プリチャル

2022年ねん1月がつの宇宙うちゅう遊泳ゆうえい中ちゅうにキューポラから撮影さつえいされたプリチャル

ウズロヴォイモジュール（Uzlovoy）ないしUM（ロシア語ご: Узловой Модуль "Причал", 「係留けいりゅう場所ばしょ/停泊ていはく所しょ」接続せつぞくモジュール）としても知しられるプリチャル接続せつぞくモジュール（nodal module Prichal）は、国際こくさい宇宙うちゅうステーション（ISS）の一部いちぶを構成こうせいするロシアの宇宙うちゅう機き。2011年ねんに承認しょうにんされ、2021年ねん11月24日にちにソユーズ2.1bロケットにより打うち上あげられた。元々もともとは、この接続せつぞくモジュールは将来しょうらいの軌道きどう有人ゆうじん組くみ立たておよび実験じっけん複ふく合体がったい（OPSEK）の恒久こうきゅう的てきな要素ようそとして使つかわれる予定よていだったが、計画けいかく自体じたいが2017年ねんに廃棄はいきされた。

来歴らいれき

初期しょきの打うち上あげ目標もくひょう

OPSEKは、提案ていあんされていたロシアの宇宙うちゅうステーションであり、火星かせいや、おそらくは月つき、そして土星どせいなどの深ふか宇宙うちゅうへの有人ゆうじん探査たんさを支援しえんすることを想定そうていしていた。部分ぶぶん的てきにはISSに結合けつごうして軌道きどう上じょうで組くみ立たてることが計画けいかくされていた。6個このドッキングポートを有ゆうするPrichal モジュールは、他たのモジュールが、それぞれの寿命じゅみょうや、ミッションの必要ひつよう性せいによって結合けつごうしたり離脱りだつしたりすることからOPSEKの唯一ゆいいつの恒久こうきゅう要素ようそとなるはずだった。2017年ねん9月がつ、ロスコスモスは「ISSからロシア軌道きどうセグメントを切きり離はなす計画けいかくはない」と表明ひょうめいした。これがOPSEK計画けいかくの公式こうしきな終了しゅうりょうとなった。

打うち上あげの遅延ちえん

2000年代ねんだい中ちゅうごろ、ロシア軌道きどうセグメント（ROS）の製造せいぞう会社かいしゃであるエネルギアはISSの将来しょうらいの構成こうせいにウズロヴォイモジュール（UM）を追加ついかした。この提案ていあんは接続せつぞくモジュール（ナウカモジュールの天底あめそこ側がわに位置いちすることを考慮こうりょしてドッキングポートが4ポートから6ポートへと増加ぞうかし、同時どうじに部分ぶぶん的てきに追加ついかの生命せいめい維持いじシステムを削除さくじょすることによって重量じゅうりょうを20トンから4トンへと減少げんしょうさせるという、汎用はんようドッキングモジュール（UDM）から大幅おおはばに設計せっけい変更へんこうされたもの）と、追加ついかの科学かがく/エネルギーモジュールを2013年ねんから2015年ねんにかけてロシア側がわモジュールに追加ついかするというのだった。これらの計画けいかくはナウカの遅延ちえんによって棚上たなあげになった。ナウカモジュールの改修かいしゅう以降いこう、ウズロヴォイモジュールはプリチャルモジュールとなった。その小ちいささにもかかわらず、この4トンの、球形きゅうけいのモジュールはロシアの宇宙うちゅう計画けいかくにおいて非常ひじょうに重要じゅうような役目やくめを担になう可能かのう性せいがある。

予備よび設計せっけいは2011年ねん1月がつ15日にちに完了かんりょうし、エネルギアは科学かがく技術ぎじゅつ評議ひょうぎ会かいが会議かいぎを開ひらき、接続せつぞくモジュールと関連かんれんハードウェアの予備よび設計せっけいについてのレビューを実施じっしし、設計せっけいを承認しょうにんしたと発表はっぴょうした。この会議かいぎでは、専用せんようの輸送ゆそう船せんとしてプログレス輸送ゆそう船せんを改造かいぞうしたプログレスM-UMと、プログレスM-UM宇宙うちゅう機きモジュールを打うち上あげるためのソユーズロケットの改修かいしゅうも承認しょうにんした。

ナウカおよびUMが打うち上あげられる以前いぜんの、2011年ねんのロシア軌道きどうセグメントの構成こうせいを示しめす注釈ちゅうしゃく付つき画像がぞう

当初とうしょ、この接続せつぞくモジュールは2012年ねんにはISSに組くみ込こまれる予定よていだったが、プリチャルの前まえに打うち上あげられるべきナウカモジュールの遅延ちえんのために、打うち上あげが数すう回かい延期えんきされた。2018年ねん11月、ロスコスモスの有人ゆうじん宇宙うちゅう計画けいかく担当たんとう専務せんむのセルゲイ・クリカレフはプリチャルはすでに飛行ひこう可能かのうとなっているが、依然いぜんとしてナウカに「複数ふくすうの小ちいさな問題もんだい」があると主張しゅちょうした。

ロケットおよび宇宙うちゅう企業きぎょうのエネルギア（ロスコスモスの国営こくえい企業きぎょうの一部いちぶ）のコントロールおよびテストステーションで、プログレスM-UM輸送ゆそう船せんモジュールの一部いちぶとしてのプリチャルの技術ぎじゅつ的てきなテストが完了かんりょうした。2021年ねん7月がつ31日にち、この宇宙うちゅう機きは国際こくさい宇宙うちゅうステーションのロシア軌道きどうセグメントのさらなる開発かいはつスケジュールに従したがって、組くみ立たてと飛行ひこう前まえの準備じゅんびを続つづけるためにバイコヌール宇宙うちゅう基地きちの技術ぎじゅつコンプレックスに運はこばれた。

それ以前いぜんの数すう週間しゅうかん、エネルギアの専門せんもん家かはKISの領域りょういきにあるズヴェズダサービスモジュールおよびナウカ多目的たもくてき実験じっけんモジュールの統合とうごうスタンドを備そなえたプリチャルモジュールの接続せつぞくテストのサイクルを成功裏せいこうりに完了かんりょうした。最後さいごの操作そうさのあとで、宇宙船うちゅうせんのドッキングしていないコンポーネントと地上ちじょうテスト装置そうちは、宇宙うちゅう基地きちへの列車れっしゃ輸送ゆそうに向むけて準備じゅんびされた。

ソユーズ 2.1打うち上あげ機きを用もちいた、プログレスM-UM貨物かもつ輸送ゆそうモジュールの一部いちぶとしてのプリチャル接続せつぞくモジュールの低てい軌道きどうへの打うち上あげは2021年ねん11月に予定よていされている。

プリチャル（ISSモジュール）

プリチャルの、プログレス補給ほきゅう船せんを改修かいしゅうしたプログレスM-UM宇宙船うちゅうせんに搭載とうさいして、宇宙うちゅうステーションへ届とどけるための打うち上あげは2021年ねん11月24日にちに予定よていされている。ソユーズ 2.1b運搬うんぱんロケットが軌道きどう投入とうにゅうのために使用しようされる予定よていである。この接続せつぞくモジュールは、ナウカモジュールの天底あめそこ側がわポートから、2021年ねん6月がつ29日にちに打うち上あげられたプログレスMS-17によって2021年ねん11月24日にちにドッキングアダプターが取とり除のぞかれた後のちで、ナウカモジュールの天底あめそこ側がわないし地球ちきゅう向むきのポートにドッキングする予定よていである。

設計せっけい

接続せつぞくモジュールは6個このハイブリッドドッキングポートを備そなえた球形きゅうけいに設計せっけいされている。1つのポートは宇宙うちゅうステーションと接続せつぞく可能かのうな能動のうどうポートであり、他たの5つは接続せつぞくモジュールに他たの宇宙うちゅう機きがドッキングするための受動じゅどうポートである。このような設計せっけいは、宇宙うちゅう機きとのドッキングポートをそれぞれ1つしか備そなえていないピアースおよびポイスクドッキングモジュールからの顕著けんちょな設計せっけい変更へんこうである。さらに、能動のうどうポートの対向たいこう側がわポートは、ドッキングしたロシア製せい宇宙うちゅう機きと宇宙うちゅうステーションとの間あいだで双方向そうほうこうの自動的じどうてきな推進すいしん剤ざいの移送いそう機能きのうと、クルスシステムを使用しようした有人ゆうじんおよび無人むじん宇宙うちゅう機きの自動じどうドッキング機能きのうを備そなえている。ドッキング室しつは14立方りっぽうメートルの内容ないよう積せきがある。

国際こくさい宇宙うちゅうステーションでの利用りよう

Prichalは2021年ねん7月がつ21日にちに打うち上あげられたナウカモジュールにドッキングすることが計画けいかくされている。ナウカはズヴェズダモジュールの天底あめそこ側がわポートに接続せつぞくされており、プリチャルはナウカの天底あめそこ側がわポートへとドッキングすることが計画けいかくされている。このように配置はいちすることで、ズヴェズダおよびザーリャモジュールから十じゅう分ふん離はなすことができ、残のこりの5つのドッキングポートをソユーズやプログレス補給ほきゅう船せんおよび他たのモジュール（特とくにSPM-1）を自由じゆうに使用しようすることができる。

複数ふくすうのドッキング区画くかく

将来しょうらい、ソユーズ宇宙船うちゅうせんをラスヴェットおよびプリチャルの天底あめそこ側がわポートにドッキングし、プログレス輸送ゆそう船せんをズヴェズダの船尾せんび側がわおよびポイスクの天頂てんちょう側がわポートにドッキングするのが標準ひょうじゅん手順てじゅんになるかもしれない。これは、ズヴェズダの船尾せんび側がわポートに接続せつぞくされた移送いそうチャンバーに小ちいさな空気くうき漏もれがあることからできるだけ閉とじていることが求もとめられ、そうするともしもソユーズがズヴェズダの船尾せんび側がわポートにドッキングしている場合ばあいは行いき来きが妨さまたげられてしまうからである。さらに、プログレスをズヴェズダの船尾せんび側がわポートにドッキングすればメインエンジンを使つかってISSをリブーストすることもできる。プログレスはまた、ポイスクの天頂てんちょう側がわポートへもドッキングするが、これはピアースの離脱りだつ以降いこうはポイスクが現在げんざいはロシア軌道きどうセグメントの船ふね外がい活動かつどう用ようエアロックの機能きのうも果はたしており、船ふね外がい活動かつどう中ちゅうはポイスクが与あずか圧おされていないためにポイスクにソユーズがドッキングしている場合ばあいには行いき来きが妨さまたげらえるが、これはISSの避難ひなんシナリオに安全あんぜん上じょうの問題もんだいとなるからである。

関連かんれん項目こうもく

• 軌道きどう有人ゆうじん組くみ立たておよび実験じっけん複ふく合体がったい（OPSEK） - 提案ていあんされていた複ふく合体がったい（2017年ねん9月がつに計画けいかく中止ちゅうし）
• 汎用はんようドッキングモジュール - 実質じっしつ的てきにプリチャルとなったもともとの提案ていあん

外部がいぶリンク

• NASA assembly sequence – Updated 8 December 2006
• Space Events diary July-September 2001.pdf – There is a paragraph stating the UDM was cancelled and to be replaced with the 70% complete FGB-2, with modifications
• FGB-2 module – An article written on 10 August 2001, discussing the plans for UDM and FGB-2

航こう宙ちゅう局きょくのウェブサイト

Russia (Energia)
Russia (Federal)

画像がぞう

• CGI of module
• CGI of module
• Line diagram of module and progress robot spacecraft