ストレラ (クレーン)

ISSに取とり付つけられた2台だいのストレラ

ストレラはミール宇宙うちゅうステーションと国際こくさい宇宙うちゅうステーション（ISS）のモジュールで利用りようされているロシアの手動しゅどう操作そうさ式しきのクレーン。ミールやISSロシア区画くかくの宇宙うちゅう飛行ひこう士しの移動いどうや船ふね外がい機器ききの移動いどうのために使つかわれている。ミールではコアモジュールにプログレスで輸送ゆそうされた2台だいのストレラクレーンが取とり付つけられていた。またISSではピアース(DC-1)にSTS-96とSTS-101の2回かいに分わけて曝露ばくろ機器きき輸送ゆそう用ようキャリアに乗のせて運はこばれたものと、ピアース内ないに収納しゅうのうされて運はこばれたものの2台だいが取とり付つけられている。

ストレラは長ながさを延のばすための伸縮しんしゅくと上下じょうげ・水平すいへい方向ほうこうの回転かいてんが可能かのうなクレーンで、分解ぶんかいした状態じょうたいで運はこばれて軌道きどう上じょうで組くみ立たてられた。畳たたんだ状態じょうたいでは1.8mくらいの寸法すんぽうであるが、手動しゅどうクランクを利用りようして伸のばすと、最大さいだいで14m程度ていどまで伸のびる。ストレラはズヴェズダからザーリャにかけてのISSのロシア区画くかくの範囲はんい内ないをカバーできる長ながさを持もっており、宇宙うちゅう飛行ひこう士しや船ふね外がい機器ききの移動いどう時じに使つかわれている。宇宙うちゅう飛行ひこう士しの移動いどう時じは、先端せんたんに乗のってアームを延のばす方法ほうほうだけでなく、先さきにアームを延のばし、そこを伝つたいながら移動いどうする方式ほうしきも使つかわれる。

ISSのロシア区画くかくは、輸送ゆそう機きや各かくモジュールはすべて自動じどうドッキングシステムを使つかって結合けつごうしているため外部がいぶからの操作そうさを必要ひつようとしておらず、宇宙うちゅう機きの移動いどうや取とり外はずしも同様どうようの方法ほうほうで実施じっし可能かのうなため、ストレラは手動しゅどう式しきで非常ひじょうに簡易かんいな構造こうぞうで十分じゅうぶんであった。このため、カナダアーム2の重量じゅうりょう1800kgに比くらべてストレラクレーンは45kgと大幅おおはばな軽量けいりょう化かが行おこなわれており、構造こうぞうもシンプルなためメンテナンスの必要ひつよう性せいもカナダアーム2より少すくない。なお、電気でんきモータを使つかう駆動くどう方式ほうしきではないためにストレラはロボットアームではない。欧州おうしゅうロボットアームがISSのロシア区画くかくでは最初さいしょのロボットアームとなる。

2012年ねん2月がつ16日にちに行おこなわれたロシアEVA-30では、1台だいのストレラがポイスク(MRM-2)に移設いせつされた。この移動いどうは、現在げんざいピアースが結合けつごうしているズヴェズダのドッキングポートにナウカ(MLM)を結合けつごうするのに備そなえて、ピアースを廃棄はいきする事ことからその前まえに実施じっしが必要ひつような作業さぎょうとして行おこなわれた。もう1台だいのストレラもザーリャに移設いせつされる予定よてい。

関連かんれん項目こうもく

• カナダアーム2
• 欧州おうしゅうロボットアーム