科学かがく電力でんりょくプラットフォーム

科学かがく電力でんりょくプラットフォーム概要がいよう図ず（NASA）

科学かがく電力でんりょくプラットフォーム（Science Power Platform, SPP）は、ロシアが計画けいかくしていた国際こくさい宇宙うちゅうステーション（International Space Station, ISS）の区画くかくのひとつであり、この計画けいかくは一旦いったんキャンセルされたが、新あらたに科学かがく電力でんりょくモジュール(Scientific-Power Module, SPM)として実現じつげんすることになった。SPPはプロトンロケットかゼニットロケットを使つかってISSに運はこばれる予定よていだったが（当初とうしょは、宇宙うちゅうステーションミール2号ごうのために設計せっけいされたものだった）、米べい露ろの取引とりひき合意ごういによりスペースシャトルの9A.1フライトで打うち上あげられることに変更へんこうされた。完成かんせいすれば太陽たいよう電池でんちパネルを8枚まい装備そうび(その後ご4枚まいに削減さくげん)し、ヨーロッパ宇宙うちゅう機関きかんが提供ていきょうした欧州おうしゅうロボットアーム(ERA)で保守ほしゅ点検てんけん作業さぎょうをして、ISSの燃料ねんりょうを節約せつやくするためのロール方向ほうこうのスラスタ制御せいぎょを提供ていきょうする予定よていであった。欧州おうしゅうロボットアームはISS計画けいかくの一環いっかんとして現在げんざいも進行しんこう中ちゅうであり、2015年ねん以降いこうにロシアのプロトン・ロケットで多目的たもくてき実験じっけんモジュール(MLM)「ナウカ」とともに打うち上あげられる予定よていである。SPPはもし実現じつげんしていればズヴェズダ区画くかくの上部じょうぶドッキング装置そうちに取とりつけられる予定よていであったが、同どう場所ばしょには現在げんざいはミニ・リサーチ・モジュール2「ポイスク」が設置せっちされている。

当初とうしょSPPはロシア区画くかくで必要ひつようとされる電力でんりょくを、ISS全体ぜんたい（すなわちアメリカの区画くかく）が発電はつでんする電力でんりょくとは別べつに独立どくりつして作つくり出だすことになっていたが、2006年ねん3月のNASAとの合意ごういで、不足ふそくする分ぶんはアメリカの区画くかくから供給きょうきゅうしてもらうことになった。構造こうぞう試験しけんのためにすでに製造せいぞうされていた与あずか圧あつモジュールの一部いちぶはミニ・リサーチ・モジュール1として転用てんようされ、2010年ねん5月14日にちにスペースシャトル(STS-132)で打うち上あげられザーリャ区画くかくの下部かぶドッキングポートに結合けつごうされた。

ロシア区画くかくの近年きんねんの主おもな製造元せいぞうもとであるRKKエネルギア社あしゃは、2015年ねん以降いこうにロシアの新あたらしいノードモジュール(NM）をMLMの下部かぶにドッキングさせて、そこに2機きの科学かがく・電力でんりょくモジュール(SPM)を追加ついかすることで、当初とうしょのISS計画けいかくに近ちかいものを完成かんせいさせることを提案ていあんしし、2012年ねん12月に1機き（SPM-1またはNEM-1）の開発かいはつを受注じゅちゅうした。MLMの打うち上あげが遅おくれているため打上うちあげは2017年ねん以降いこうとなる。この科学かがく・電力でんりょくモジュールは大型おおがたの太陽たいよう電池でんちパネルを持もつが、トラス構造こうぞうは廃止はいしされた。