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ザーリャ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
STS-88撮影さつえいされたザーリャモジュール (NASA)
ザーリャ内部ないぶ様子ようす(2001ねん撮影さつえい

ザーリャ: Заря́[1]、「」の文語ぶんご表現ひょうげん)とは、最初さいしょげられた国際こくさい宇宙うちゅうステーション (ISS) のモジュールである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

基本きほん機能きのうモジュール」[2]ともばれ、機能きのうてきにはロシアのサリュート計画けいかくのために設計せっけいされたTKS子孫しそんにあたる。ISS の初期しょきにおける、電力でんりょく供給きょうきゅう貯蔵庫ちょぞうこ推進すいしん姿勢しせい制御せいぎょ誘導ゆうどうかく機能きのう提供ていきょうした。より専門せんもんてき機能きのうそなえたほかのモジュールが構築こうちくされるにしたがって、不要ふようになった機器きき撤去てっきょされ内部ないぶあずかあつ区画くかく倉庫そうこけん通路つうろとして使つかわれるようになった。また外部がいぶ燃料ねんりょうタンクはその推進すいしんざい貯蔵ちょぞうようとして使つかわれているが、スラスタは使用しようしていない。全長ぜんちょう12.55m、最大さいだい直径ちょっけい4.1mで重量じゅうりょう19.3トン

ザーリャにはドッキング・ポートが3つあり、りょうはしに1つずつと、もう1つは側面そくめん(地球ちきゅう方向ほうこうがわ)にある。一端いったんにはズヴェズダが、もう一端いったんにはPMA-1をかいしてユニティけられている。側面そくめんじく方向ほうこうまたは天底あめそこ)のポートは、ロシアのソユーズプログレス補給ほきゅうせんのドッキングに使つかわれていたが、2010ねん5がつSTS-132ミニ・リサーチ・モジュール1(MRM-1)がはこばれてここに結合けつごうされた。

10.67m x 3.35m のソーラーパネルが2まいニッケル・カドミウム電池でんちを6装備そうびしており、平均へいきん3kWの電力でんりょく供給きょうきゅうできたが、2007ねん9がつP1トラスおよびS1トラスラジエータとの干渉かんしょうけるためにソーラーパネルがたたまれ、以後いご米国べいこくがわから電力でんりょく供給きょうきゅうけている。16外部がいぶ燃料ねんりょうタンクには6トンの推進すいしんざい貯蔵ちょぞうでき、24大型おおがたスラスターと12小型こがたスラスターをち、2大型おおがたエンジンで軌道きどうげや軌道きどう変更へんこうおこなった。

初期しょきにはバッテリー充電じゅうでん回路かいろ問題もんだいかかえていたが、のち解決かいけつすることができた。には ISS の規則きそくから免除めんじょされていたため、ザーリャには米国べいこく基準きじゅんみの強固きょうこなデブリシールドはそなえられていなかったが、周囲しゅういのモジュールにかこまれて衝突しょうとつリスクはひくくなったため、ザーリャのデブリ強化きょうかさく考慮こうりょされていない。

設計せっけい寿命じゅみょうは15ねん以上いじょうであり、ISSで最初さいしょ設計せっけい寿命じゅみょう到達とうたつするあずかあつモジュールになるが、べい寿命じゅみょう延長えんちょうのための構造こうぞう評価ひょうかなどがおこなわれており、2020ねんごろまでは問題もんだいなく使用しようできるとかんがえられている。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

「ザーリャ」という名前なまえはロシア由来ゆらいのもので「」の意味いみがあり、FGB への命名めいめい宇宙うちゅう空間くうかんにおける国際こくさい協調きょうちょうしん時代じだいむかえようとしていることをあらわしている。なお、ロシア発音はつおんではだい音節おんせつにアクセントがあるため、「ザーリャ」ではなく「ザリャー」となるが、日本にっぽん科学技術庁かがくぎじゅつちょうおよび宇宙うちゅう開発かいはつ委員いいんかいは、英語えいご発音はつおんもとづく「ザーリャ」のカタカナ表記ひょうき統一とういつすることとしている[3]

製造せいぞう[編集へんしゅう]

ザーリャはモスクワにあるロシアのクルニチェフ国家こっか研究けんきゅう生産せいさん宇宙うちゅうセンター (KhSC) で1994ねん12月から1998ねん1がつにかけて製造せいぞうされたもので、公式こうしきには米国べいこく資金しきん提供ていきょう所有しょゆうしている。計画けいかく一部いちぶまれることとなったのは、ロッキードの「Bus-1」オプションよりも大幅おおはばてい価格かかく(4おく5000まんドルにたいし2おく2000まんドル)だったためである。契約けいやく一部いちぶとして、ほとんどのどういちモジュール(「FGB-2」とばれている)が予備よびとして KhSC で製造せいぞうされた。このモジュールの用途ようとについて様々さまざま提案ていあんがされた。たとえば、プログレス補給ほきゅうせん潜在せんざいてき代替だいたい、ドッキングと貯蔵庫ちょぞうこのモジュール、汎用はんようのドッキングモジュール、商用しょうようモジュール、独立どくりつした宇宙うちゅうステーションとうとしてもちいること提案ていあんされた。

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ザーリャモジュールの

1998ねん11月20にちにカザフスタンのバイコヌール宇宙うちゅう基地きちからロシアのプロトンロケットげられ、400km(250マイル)の軌道きどう無人むじん状態じょうたい投入とうにゅうされた。ザーリャが軌道きどう投入とうにゅうされたのち1998ねん12月4にちスペースシャトルエンデバーげられ、ユニティモジュールが接続せつぞくされた。このとき軌道きどうじょうはじめて宇宙うちゅう飛行ひこう入室にゅうしつし、備品びひん搬入はんにゅう内部ないぶ機器きき整備せいびをおこなった。

6ヶ月かげつから8ヶ月かげつあいだだけ自立じりつてき飛行ひこうできるように設計せっけいされていたが、ロシアのサービスモジュール「ズヴェズダ」のおくれにより、ザーリャはほとんど2年間ねんかん自立じりつ飛行ひこうしなければならなかった。最終さいしゅうてき2000ねん7がつ12にちにズヴェズダがげられ、7がつ26にちにロシアのクルスシステムでドッキングした。

しょもと[編集へんしゅう]

  • 全長ぜんちょう:12.56m(41.2フィート)
  • 直径ちょっけい:4.11m(13.5フィート)
  • ソーラーパネルの全長ぜんちょう:10.67m
  • ソーラーパネルの全幅ぜんぷく:3.35m
  • 質量しつりょう:19,300kg (42,600lb)

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ ロシアラテンこぼし: Zarya
  2. ^ : функционально-грузовой блокえい: Functional Cargo Block
  3. ^ ザーリャ(基本きほん機能きのうモジュール)の発音はつおんはロシアでザリャーではないのですか - 質問しつもん回答かいとうしゅう(Q&A)”. 宇宙うちゅうステーション・きぼう 広報こうほう情報じょうほうセンター (2003ねん3がつ13にち). 2012ねん5がつ30にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]