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スペースX CRS-27

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
スペースX CRS-27
名称めいしょうSpX-27
任務にんむ種別しゅべつISS物資ぶっし補給ほきゅう
運用うんようしゃスペースX
COSPAR ID2023-033A
任務にんむ期間きかん31にち 20あいだ 28ふん
特性とくせい
宇宙うちゅうカーゴドラゴン C209
宇宙うちゅう機種きしゅべつカーゴドラゴン
製造せいぞうしゃスペースX
燃料ねんりょう重量じゅうりょう9,525 kg (20,999 lb)
寸法すんぽう全高ぜんこう:8.1 m (27 ft)
直径ちょっけい:4 m (13 ft)
任務にんむ開始かいし
2023ねん3がつ15にち 00:30 UTC [1]
ロケットファルコン9ブロック5B1073.7
打上うちあ場所ばしょケネディ宇宙うちゅうセンターLC-39A
請負うけおいしゃスペースX
任務にんむ終了しゅうりょう
回収かいしゅう担当たんとうシャノン
着陸ちゃくりく2023ねん4がつ15にち 20:58 UTC[2]
着陸ちゃくりく地点ちてんメキシコわん
軌道きどう特性とくせい
参照さんしょう座標ざひょう地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどう
体制たいせいてい軌道きどう
傾斜けいしゃかく51.66°
ISSのドッキング(捕捉ほそく
ドッキング ハーモニー 前方ぜんぽうがわ
ドッキング(捕捉ほそくにち 2023ねん3がつ16にち 11:52 UTC
分離ぶんり 2023ねん4がつ15にち 15:05 UTC
dock時間じかん 30にち 3あいだ 13ふん
輸送ゆそう
重量じゅうりょう2,852 kg (6,288 lb)

スペースX CRS-27の徽章きしょう
« SRS-26
NG-19 »
スペースX CRS-27
COSPAR ID2023-033A
« CRS-26
CRS-28 »

SpX-27としてもられるスペースX CRS-27は、2023ねん3がつ15にちげられた国際こくさい宇宙うちゅうステーション(ISS)への商業しょうぎょう補給ほきゅうサービスミッション[1]。このミッションはNASAによって契約けいやくされ、スペースXカーゴドラゴンC209を使用しようして飛行ひこうした。これは、NASAのCRSフェーズ2したでスペースXが運行うんこうする7かい飛行ひこうとなった[3]

カーゴドラゴン

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スペースXはカーゴドラゴンを最大さいだい5かいまでさい利用りようする予定よていである。カーゴドラゴンは船内せんない宇宙うちゅう飛行ひこうまもるために必要ひつようスーパー・ドラコ緊急きんきゅう脱出だっしゅつエンジン、座席ざせき操縦そうじゅう装置そうちおよび生命せいめい維持いじ装置そうちなしでげられた[4][5]ドラゴン2は、ドラゴン1たいしてさい改修かいしゅう時間じかん短縮たんしゅくして飛行ひこう間隔かんかく短縮たんしゅくするなどの改良かいりょうくわえられている[6]

NASAのCRSフェーズ2契約けいやくでのあたらしいカーゴドラゴンカプセルは、フロリダしゅう東方とうほう大西洋たいせいよう着水ちゃくすいした[4][6]

ペイロード

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NASAはCRS-27ミッションのためにスペースXと契約けいやくむすんでおり、これにしたがってカーゴドラゴンの主要しゅようペイロード、および軌道きどうパラメーター決定けっていした[7]

  • 科学かがく調査ちょうさ ~1,200 kg (2,600 lb)
  • 宇宙船うちゅうせんハードウェア: ~540 kg (1,190 lb)
  • 乗組のりくみいん補給ほきゅう物資ぶっし ~910 kg (2,010 lb)
  • ふねがい活動かつどう装備そうび ~170 kg (370 lb)
  • コンピューター資材しざい ~0 kg (0 lb)-30 kg (66 lb)
  • 外部がいぶペイロード: 530 kg (1,170 lb)

以下いかのペイロードで構成こうせいされる技術ぎじゅつデモンストレーション[8] [9]

  • SWELL(Space Wireless Energy Laser Link)、OPALS英語えいごばんつづレーザー通信つうしん英語えいごばん試験しけんペイロード。
  • 電気でんき推進すいしんせいでん分析ぶんせきえい: Electric Propulsion Electrostatic Analyzer)、イオン推進すいしんによるさいブーストを実証じっしょうする試験しけん装置そうち
  • NRLの中性子ちゅうせいし放射ほうしゃ検出けんしゅつ
  • NRLの可変かへん電圧でんあつイオン保護ほご実験じっけん
  • ECLIPSE(Experiment for Characterizing the Lower Ionosphere and Production of Sporadic-E)、下部かぶ電離層でんりそう特性とくせいとスポラディックEの生成せいせいのための実験じっけん
  • Glowbug、NASAと共同きょうどうつくられた宇宙うちゅうせん検出けんしゅつ宇宙うちゅうせんを2年間ねんかん研究けんきゅうする実験じっけん
  • SpaceCube Edge Node Intelligent Collaboration、ゴダード宇宙うちゅうセンターつくった、宇宙うちゅう真空しんくうさらされたマイクロチップと人工じんこう知能ちのう研究けんきゅうする実験じっけん
  • SOHIP、ローレンス・リバモア国立こくりつ研究所けんきゅうじょ開発かいはつしたハイパースペクトルカメラで、大気圏たいきけんを2年間ねんかん研究けんきゅうする。

研究けんきゅう

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軌道きどう実験じっけんしつ到着とうちゃくしたあたらしい実験じっけんは、将来しょうらい科学かがくしゃ探査たんさしゃ刺激しげきあたえ、研究けんきゅうしゃ貴重きちょう洞察どうさつ提供ていきょうした。 これらには、DLRのÜberflieger 2コンペティションの一環いっかんとして、ISSで飛行ひこうし、実験じっけんおこな機会きかいあたえられた学生がくせいプロジェクトもふくまれている。以下いかのプロジェクトがふくまれている:

  • シュトゥットガルト大学だいがく小型こがた衛星えいせい学生がくせい協会きょうかいKSat e.V.)のFARGO (Ferrofluid Application Research Goes Orbital、軌道きどうでの磁性じせい流体りゅうたい応用おうよう研究けんきゅう
  • Glücksklee
  • BRAINS(Biological Research using Artificial Intelligence for Neuroscience in Space、宇宙うちゅうにおける神経しんけい科学かがくのための人工じんこう知能ちのうもちいた生物せいぶつがくてき研究けんきゅう
  • ADDONISSAgeing and Degenerative Diseases of Neurons on the ISS、ISSでのニューロンの老化ろうか変性へんせい疾患しっかん

欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん(ESA)の研究けんきゅう活動かつどう[10]

  • ESAのBIOFILMSBiofilm Inhibition On Flight equipment and on board the ISS using microbiologically Lethal Metal Surfaces、微生物びせいぶつがくてき致命ちめいてき金属きんぞく表面ひょうめん使用しようした飛行ひこうちゅうおよびISSないでのバイオフィルム阻害そがい実験じっけんでは、重力じゅうりょく変化へんかした宇宙うちゅう飛行ひこう条件下じょうけんかでの様々さまざま金属きんぞく表面ひょうめん最近さいきんバイオフィルム形成けいせい抗菌こうきん特性とくせい調査ちょうさしている。

NASAグレン研究けんきゅうセンター研究けんきゅう[11]

Materials International Space Station Experiment MISSE-17:

このミッションでは複数ふくすうCubeSat計画けいかくされている:

NEUDOSE[12]

マクマスター学際がくさい衛星えいせいチームによるNEUtron DOSimetry & Exploration(NEUDOSE、中性子ちゅうせいし線量せんりょう測定そくてい探査たんさ)ミッションは[13]地球ちきゅうてい軌道きどう(LEO)ミッションちゅう荷電かでん粒子りゅうし中性ちゅうせい粒子りゅうし人間にんげん等価とうか線量せんりょうにどのように寄与きよするかを調査ちょうさすることにより、宇宙うちゅう放射線ほうしゃせんへの長期ちょうきばくにかんする理解りかいふかめることを目的もくてきとしている。NUEDOSEは、マクマスター大学だいがく学生がくせいてた2U CubeSatである。このプロジェクトの科学かがくてきなゴールは[14][15]以下いかとおり:

  • リアルタイムで荷電かでん粒子りゅうし中性ちゅうせい粒子りゅうしからの線量せんりょう識別しきべつ可能かのうにする、荷電かでん粒子りゅうし中性ちゅうせい粒子りゅうし組織そしき等価とうか比例ひれいカウンター(Charged & Neutral Particle Tisshue Equivalent Proportional Counter、CNP-TEPC)装置そうちのデモをおこなう。
  • てい軌道きどうにおける荷電かでん粒子りゅうし線量せんりょうりつ中性ちゅうせい粒子りゅうし線量せんりょうりつ寄与きよをマッピングする。

ミッションの目的もくてきには、キャリアのあさ科学かがくおよび工学こうがく学生がくせい貴重きちょうなリーダーシップ、技術ぎじゅつおよび飛行ひこうプロジェクト開発かいはつスキルをあたえることもふくまれる[12]。さらに、NEUDOSEミッションはアマチュア無線むせん従事じゅうじしゃ特製とくせいハードウェアの開発かいはつ関与かんよしている[16]

Northern SPIRIT 3のCubeSat衛星えいせいが、革新かくしんてき研究けんきゅう統合とうごう訓練くんれんのための北方ほっぽう宇宙うちゅう計画けいかくNorthern Space Program for Innovative Research and Integrated Training、Northern SPIRIT) の一環いっかんとして建造けんぞうされた。これらのCubeSatは、ユーコン大学だいがく英語えいごばんノースウェストじゅんしゅうにあるオーロラ研究所けんきゅうじょ英語えいごばんおよびアルバータ大学だいがく協業きょうぎょうとして建造けんぞうされた[17]。このイニシアティヴはカナダCubeSatプロジェクト、Canadian CubeSat Project(CCP)一環いっかんとしてカナダ宇宙うちゅうちょう(CSA)によってサポートされている。以下いか内容ないようくわえて、3つの衛星えいせいはすべて電離層でんりそう磁場じばデータを収集しゅうしゅうし、小規模しょうきぼ磁場じば沿った電流でんりゅう英語えいごばん研究けんきゅうすることおも目的もくてきとしている[17]

  • Ex-Alta 2:アルバータ大学だいがく学生がくせい組織そしきAlbertaSat学生がくせいてた3U ubeSat。Ex-Alta 2の優先ゆうせんミッションはやま火事かじ研究けんきゅうおよび予防よぼうのための科学かがくデータの取得しゅとくである。それにくわえて、Ex-Alta 2は完全かんぜんにオープンソースのキューブ衛星えいせい長期ちょうき目標もくひょう促進そくしんと、アルバータしゅう商業しょうぎょう宇宙うちゅう産業さんぎょう開発かいはつ促進そくしんするために設計せっけいされた[18]
  • AuroraSATおよびYukonSat:オーロラ研究所けんきゅうじょとユーコン大学だいがく学生がくせいが、かくCubeSatのバスを提供ていきょうし、ペイロードの最終さいしゅう統合とうごうおこなったアルバータ大学だいがく協力きょうりょくして開発かいはつした2U CubeSat。2つの主要しゅようミッションのうちの1つは、ノーザン・イメージ・ミッションで、このミッションでは、ちいさな画面がめんにアートを表示ひょうじし、背景はいけい地球ちきゅう宇宙うちゅうからこのアートの画像がぞう取得しゅとくする。カナダ北部ほくぶ子供こどもたちは、自分じぶんたちの作品さくひん紹介しょうかいする機会きかいることができる。ノーザン・ヴォイシズ・ミッションでは、カナダ北部ほくぶ物語ものがたり視点してん録音ろくおんを、アマチュア無線むせんおびつうじて世界中せかいじゅう伝送でんそう放送ほうそうする[19]

ELaNa 50 このELaNa(en:Educational Launch of Nanosatellites、ナノサテライトの教育きょういくてきげ)イニシアチブのあたらしいはんでは、アメリカの教育きょういく機関きかんから2つのCubeSatがふくまれる。

  • ARKSat-1アーカンソー大学だいがく学生がくせいによって開発かいはつされた1U CubeSatで、おもなミッションは軌道きどうじょうからのLED信号しんごう地上ちじょう検出けんしゅつによる大気たいき測定そくていおこなうことである。また、ミッション終了しゅうりょう、キューブサットは固体こたいじょうのインフレータブルバルーン(SSIB)を使用しようして、宇宙船うちゅうせん抵抗ていこう増加ぞうかさせ、さい突入とつにゅう加速かそくさせる。
  • LightCubeアリゾナ州立しゅうりつ大学だいがく学生がくせいによって開発かいはつされた1U CubeSatで、地上ちじょうからえるみじか点滅てんめつこう生成せいせいするために、アマチュア無線むせんもちいてリモートで活性かっせいできる点滅てんめつ光源こうげん搭載とうさいしている。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Garcia, Mark (6 March 2023). “Expanded Station Crew Works Together Before Quartet Departure”. NASA. 7 March 2023閲覧えつらん
  2. ^ Lavelle, Heidi (15 April 2023). “SpaceX Cargo Dragon Splashes Down, Returning Science to Earth for NASA”. NASA. 15 April 2023閲覧えつらん
  3. ^ Reckart, Timothy (2022ねん6がつ15にち). “Microgravity Research Flights”. NASA. 2022ねん7がつ24にち閲覧えつらん
  4. ^ a b Office of Inspector General (26 April 2018). Audit of Commercial Resupply Services to the International Space Center (PDF) (Report). Vol. IG-18-016. NASA. pp. 24, 28–30. 2021ねん4がつ4にち閲覧えつらん  この記述きじゅつには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうちパブリックドメインとなっている記述きじゅつふくむ。
  5. ^ Dragon 2 modifications to Carry Cargo for CRS-2 missions”. Teslarati. 4 April 2021閲覧えつらん
  6. ^ a b Clark, Stephen (2 August 2019). “SpaceX to begin flights under new cargo resupply contract next year”. Spaceflight Now. 4 April 2021閲覧えつらん
  7. ^ SpaceX Commercial Resupply”. ISS Program Office. NASA (1 July 2019). 4 April 2021閲覧えつらん  この記述きじゅつには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうちパブリックドメインとなっている記述きじゅつふくむ。
  8. ^ STP-H9” (英語えいご). Gunter's Space Page. 2023ねん3がつ15にち閲覧えつらん
  9. ^ Clark, Stephen. “U.S. military experiments hitching ride to space station on SpaceX cargo ship – Spaceflight Now” (英語えいご). 2023ねん3がつ15にち閲覧えつらん
  10. ^ https://www.esa.int
  11. ^ ISS Research Program”. Glenn Research Center. NASA (1 January 2020). 4 April 2021閲覧えつらん  この記述きじゅつには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうちパブリックドメインとなっている記述きじゅつふくむ。
  12. ^ a b McMaster NEUDOSE” (英語えいご). McMaster NEUDOSE. 2022ねん11月28にち閲覧えつらん
  13. ^ About Us” (英語えいご). McMaster NEUDOSE. 2022ねん11月28にち閲覧えつらん
  14. ^ Mission Objectives” (英語えいご). McMaster NEUDOSE. 2022ねん11月28にち閲覧えつらん
  15. ^ Hanu, A. R.; Barberiz, J.; Bonneville, D.; Byun, S. H.; Chen, L.; Ciambella, C.; Dao, E.; Deshpande, V. et al. (December 2016). “NEUDOSE: A CubeSat Mission for Dosimetry of Charged Particles and Neutrons in Low-Earth Orbit”. Radiation Research 187 (1): 42–49. doi:10.1667/RR14491.1. ISSN 0033-7587. PMID 28001909. https://bioone.org/journals/radiation-research/volume-187/issue-1/RR14491.1/NEUDOSE--A-CubeSat-Mission-for-Dosimetry-of-Charged-Particles/10.1667/RR14491.1.full. 
  16. ^ Amateur Radio” (英語えいご). McMaster NEUDOSE. 2022ねん11月28にち閲覧えつらん
  17. ^ a b Northern SPIRIT” (英語えいご). AlbertaSat (2021ねん1がつ5にち). 2022ねん11月24にち閲覧えつらん
  18. ^ Ex-Alta 2” (英語えいご). AlbertaSat (2018ねん11月18にち). 2022ねん11月24にち閲覧えつらん
  19. ^ AuroraSat: Canadian CubeSat Project | Aurora Research Institute” (英語えいご). nwtresearch.com. 2022ねん11月24にち閲覧えつらん