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スルフィンさん

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スルフィンさん一般いっぱん構造こうぞうしき

スルフィンさん(スルフィンさん、sulfinic acid)とは、有機ゆうき硫黄いおう化合かごうぶつ一種いっしゅで、構造こうぞうしきが R-S(=O)OH とあらわされる一連いちれんオキソさんのこと。

性質せいしつ[編集へんしゅう]

スルフィンさん一般いっぱんに、スルホンさんどう程度ていど強酸きょうさんせいしめす。しかし、化学かがくてきにはやや不安定ふあんていで、ひとしこしてスルホンさんスルフェンさんわる。スルフェンさんはさらに不安定ふあんていであり、ひとし付加ふかなどをこす。

金属きんぞくしおかたちでは比較的ひかくてき安定あんていとなり、芳香ほうこうぞくスルフィンさんのナトリウムしお市販しはんひんとして入手にゅうしゅ可能かのうである。

命名めいめいほう[編集へんしゅう]

IUPAC命名めいめいほうにおいてスルフィンさんは、たとえばベンゼンスルフィンさん (benzenesulfinic acid, C6H5-S(=O)OH) のように、はは骨格こっかくめい接尾せつび「スルフィンさん」をえてあらわす。-S(=O)OH 部位ぶいは、スルフィノもと (sulfino group) とばれ、対応たいおうする接頭せっとうは「スルフィノ」である。

合成ごうせい[編集へんしゅう]

通常つうじょう塩化えんかスルホニルを金属きんぞく亜鉛あえんなどで還元かんげん[1]られる亜鉛あえんしおさん分解ぶんかいしてスルフィンさんとする。

亜硫酸ありゅうさんナトリウムなど、還元かんげんざいもちいる手法しゅほうられる。

反応はんのう[編集へんしゅう]

スルフィンさん塩基えんき作用さようさせると、共役きょうやく塩基えんきであるスルフィナートアニオンが発生はっせいする。

このスルフィナートアニオンはもとめかくざいとしてう。たとえばハロゲンアルキル反応はんのうすると、炭素たんそ-硫黄いおう結合けつごう生成せいせいしてスルホンられる。

この反応はんのうでは、HSABそくかたいとされるもとめ電子でんしざいもちいた場合ばあいとくに、炭素たんそ酸素さんそ結合けつごうしたスルフィンさんエステル (R-S(=O)OR') がふく生物せいぶつとなる。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Smith, M. B.; March, J. in March's Advanced Organic Chemistry, 5th ed., 2001, Wiley.
  1. ^ れい: Whitmore, F. C.; Hamilton, F. H. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p.492 (1941); Vol. 2, p.89 (1922). オンラインばん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]