ソコギス亜あ目め

ソコギス亜あ目め
	生息せいそく年代ねんだい: 後期こうき白はく亜紀あき–現世げんせい PreЄ Є O S D C P T J K Pg N
	クロソコギス Notacanthus chemnitzii
分類ぶんるい
英名えいめい
	Lyopomi and Heteromi
下位かい分類ぶんるい
	本文ほんぶん参照さんしょう

ソコギス亜あ目め（学名がくめい：Notacanthiformes）は、ソトイワシ目めに所属しょぞくする魚類ぎょるいの分類ぶんるい群ぐんの一ひとつ。トカゲギス科か・ソコギス科かの2科かで構成こうせいされ、底そこ生せい性せいの深海魚しんかいぎょのみ6属ぞく25種しゅを含ふくむ^[2]。

この亜あ目めは、比較的ひかくてき最近さいきん廃止はいしされたカライワシ上目うわめに所属しょぞくするソコギス目めにあたる。魚類ぎょるい分類ぶんるい学がくの世界せかい的てきな標準ひょうじゅんとされる^[3]Nelsonの体系たいけい『Fishes of the World』の第だい3版はん（1994年ねん）以降いこうは、内部ないぶの構成こうせいは変かわらないままソコギス亜あ目め Notacanthoidei としてソトイワシ目めの下位かいに位置付いちづけられるようになっている^[4]。

分布ぶんぷ・生態せいたい

ソコギス亜あ目めの魚類ぎょるいはすべて海水かいすい魚ぎょで、世界中せかいじゅうの深海しんかいに幅広はばひろく分布ぶんぷする。その分布ぶんぷ範囲はんいは水深すいしん125mから4,900mにわたり、特とくに450-2,500mの範囲はんいに多おおい^[2]。

海底かいてい付近ふきんを遊泳ゆうえいして生活せいかつする底そこ生魚なまざかなのグループであり、貝類かいるいなどの軟体動物なんたいどうぶつ、ウニ・ヒトデなど棘皮動物きょくひどうぶつや、海綿動物かいめんどうぶつ・イソギンチャクのように固着こちゃく性せいあるいは動うごきの遅おそい底そこ生せい生物せいぶつを主おもな餌えさとしている。カライワシ上目うわめの魚類ぎょるいに共通きょうつうする特徴とくちょうとして、レプトケファルスと呼よばれる独特どくとくな仔こ魚ぎょ期きをもち、ウナギ類るいのシラスと同おなじように表層ひょうそう近ちかくを漂ただよって成長せいちょうする。ソコギス亜あ目めの幼生ようせいは一般いっぱんに大型おおがたで変態へんたい後のちにはあまり成長せいちょうせず^[5]、成体せいたいよりも大おおきいことすらある^[6]。

形態けいたい

ソコギス亜あ目めの仲間なかまはウナギのように細長ほそながい体型たいけいをもち、吻（口先くちさき）は前方ぜんぽうに突つき出だす^[5]。尾鰭おびれの支持しじ骨格こっかくは退化たいか的てきでしばしば基底きていの長ながい臀しり鰭ひれと連続れんぞくするなど、形態けいたい学がく的まとにはソトイワシ類るいよりもむしろウナギ目めに近ちかく、両者りょうしゃを姉妹しまい群ぐんとして扱あつかう見解けんかいもある^[7]。尾お部ぶの再生さいせい力りょくが非常ひじょうに強つよく、トカゲ（爬虫類はちゅうるい）との類似るいじ性せいが指摘してきされている^[2]。

主上しゅじょう顎骨がっこつに後うしろ向むきのトゲをもつこと、鰓えら弓ゆみと主上しゅじょう顎骨がっこつの間あいだに結合けつごう組織そしきによる結節けっせつが存在そんざいすること、左右さゆうの腹はら鰭ひれが腹部ふくぶ正中せいちゅう線せんで結合けつごうすることが、本ほん亜あ目めを特徴とくちょうづける重要じゅうような共有きょうゆう派生はせい形質けいしつとみなされている^[7]。

胸むね鰭ひれは体からだの高たかい位置いちにあり、腹はら鰭ひれは腹はら位いで7-11軟条^[1]。上顎じょうがくは主上しゅじょう顎骨がっこつと前ぜん上顎じょうがく骨こつによって縁えん取とられる^[2]。浮うき袋ぶくろをもち、鰓えら条じょう骨こつは5-23本ほん^[1]。

分類ぶんるい

ソコギス亜あ目めにはNelson（2006）の体系たいけいにおいて2科か6属ぞく25種しゅが認みとめられている^[2]。

トカゲギス科か Halosauridae - 3属ぞく15種しゅ（FishBaseでは3属ぞく17種しゅ^[1]）
- クロオビトカゲギス属ぞく Halosauropsis
- トカゲギス属ぞく Aldrovandia
- トゲトカゲギス属ぞく Halosaurus
ソコギス科か Notacanthidae - 3属ぞく10種しゅ（FishBaseでは3属ぞく11種しゅ^[1]）
- キツネソコギス属ぞく Notacanthus
- ソコギス属ぞく Polyacanthonotus
- タヌキソコギス属ぞく Lipogenys

出典しゅってん・脚注きゃくちゅう

^ ^a ^b ^c ^d ^e “Notacanthiformes”. FishBase. 2011年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b ^c ^d ^e 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.112-114
^ 『新版しんぱん魚ぎょの分類ぶんるいの図鑑ずかん』 p.iii
^ 『Fishes of the World Third Edition』 pp.102-104
^ ^a ^b 『日本にっぽんの海水かいすい魚ぎょ』 pp.68-69
^ McCosker, John F. (1998). Paxton, J.R. & Eschmeyer, W.N.. ed. Encyclopedia of Fishes. San Diego: Academic Press. p. 86. ISBN 0-12-547665-5
^ ^a ^b 『Origin and Phylogenetic Interrelationships of Teleosts』 pp.131-132

参考さんこう文献ぶんけん

Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年ねん ISBN 0-471-25031-7
Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Third Edition』 Wiley & Sons, Inc. 1994年ねん ISBN 0-471-54713-1
Joseph S. Nelson, Hans-Peter Schultze, Mark V. H. Wilson 『Origin and Phylogenetic Interrelationships of Teleosts』 Verlag Dr. Friedrich Pfeil 2010年ねん ISBN 978-3-89937-107-9
上野うえの輝あきら彌わたる・坂本さかもと一男かずお『新版しんぱん魚ぎょの分類ぶんるいの図鑑ずかん』東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱん会かい 2005年ねん ISBN 978-4-486-01700-4
岡村おかむら収おさむ・尼あま岡おか邦夫くにお監修かんしゅう『日本にっぽんの海水かいすい魚ぎょ』山やまと溪谷社けいこくしゃ 1997年ねん ISBN 4-635-09027-2

外部がいぶリンク

FishBase‐ソコギス亜あ目め（英語えいご）

[FishBase-1] “Notacanthiformes”. FishBase. 2011年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。

[Nelson2006-2] 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.112-114

[Ueno2005-3] 『新版しんぱん魚ぎょの分類ぶんるいの図鑑ずかん』 p.iii

[Nelson1994-4] 『Fishes of the World Third Edition』 pp.102-104

[Kaisuigyo-5] 『日本にっぽんの海水かいすい魚ぎょ』 pp.68-69

[EoF-6] McCosker, John F. (1998). Paxton, J.R. & Eschmeyer, W.N.. ed. Encyclopedia of Fishes. San Diego: Academic Press. p. 86. ISBN 0-12-547665-5

[Nelson2010-7] 『Origin and Phylogenetic Interrelationships of Teleosts』 pp.131-132

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