トラックバック

トラックバック (英語えいご: Trackback) とは、ブログの主要しゅよう機能きのうの一ひとつ。あるブログの記事きじに、自身じしんのブログへのリンクを作成さくせいする機能きのうのこと。またトラックバック機能きのうを利用りようする行為こうい自体じたいを指さすこともあり、その場合ばあいは「トラックバックする」と表現ひょうげんされる。

Six Apart社しゃのブログツールMovable Typeで実装じっそうされ、プロトコルとともに公開こうかいされた。その後ご、他たのブログツールでも次第しだいに導入どうにゅうされるようになり、現在げんざいはブログ以外いがいにも、wikiや電子でんし掲示板けいじばんなどのウェブページにも実装じっそうされている。

概要がいよう

一般いっぱん的てきにトラックバックとは、他人たにんのブログの記事きじの内容ないようを引用いんよう・参照さんしょうした時とき、あるいは他人たにんのブログの記事きじが自身じしんのブログの記事きじと関連かんれん性せいのある話題わだいを書かいている場合ばあいなどに、自身じしんのブログの記事きじが引用いんよう・参照さんしょうしたことや関連かんれん性せいがあることを通知つうちする目的もくてきで行おこなわれるものである。

この機能きのうを利用りようするためには、自分じぶんのウェブサイトがトラックバックを送信そうしんでき、かつ相手あいてのウェブサイトがトラックバックを受信じゅしんできる必要ひつようがある。自身じしんのウェブページのリンクや、概要がいようを載のせたい相手あいてのウェブページのトラックバックURLをコピーし、自身じしんのウェブページからトラックバックPingを送信そうしんする方式ほうしきが多おおい。

トラックバック機能きのうが出現しゅつげんする以前いぜんも、コメント欄らんや掲示板けいじばんなどに書かき込こんで、他人たにんのウェブサイトにリンクを張はったり、自分じぶんのウェブサイトの概要がいようをまとめて通知つうちすることはできた。しかしトラックバックの機能きのうは、そのようなやり方かたに比くらべて、かなり簡単かんたんにそれらと同おなじ結果けっかが得えられる点てんが、非常ひじょうに画期的かっきてきであった。

トラックバックは、当初とうしょはブログで使つかわれるものだったが、次第しだいにブログ以外いがいにも、Wikiやニュースサイト、掲示板けいじばんなどでも利用りようされるようになった。

ブログの世界せかいでは、トラックバックに関かんするサービスがいくつか存在そんざいする。そのなかでも、自分じぶんのブログをより多おおくの人ひとに見みてもらうための様々さまざまなサービスがウェブには存在そんざいしている。しかし、不ふ必要ひつようであったり、スパム目的もくてきでもトラックバックを書かき込こむことができるのが欠点けってんであり、これは後述こうじゅつする「トラックバックスパム」と呼よばれる。トラックバックスパムの問題もんだいから、ブログ管理かんり者しゃが承認しょうにんしないとトラックバックの結果けっかを表示ひょうじしない設定せっていが可能かのうなブログもある。

プロトコル

トラックバックに使用しようされるプロトコルは、RESTアーキテクチャを採用さいようしている。また送信そうしんにはHTTPのPOSTメソッドが、返信へんしんにはXMLメッセージが使用しようされる。

トラックバックする側がわの記事きじ（参照さんしょうする側がわの記事きじ）のページから、トラックバックされる対象たいしょうである記事きじ（参照さんしょうされる側がわの記事きじ）へ送信そうしんされるリクエストは「トラックバックPing」と呼よばれる。この際さいに、トラックバックされる対象たいしょうである記事きじ（参照さんしょうされる側がわの記事きじ）を指定していするために使つかわれるURLは、「トラックバックURL」あるいは「トラックバックPing URL」と呼よばれる。

トラックバックサービス

トラックバックサービスは、ブログを更新こうしんするたびに特定とくていのサイトにトラックバックを送おくることで、自分じぶんのブログを宣伝せんでんし注目ちゅうもく度どを高たかめる効果こうかを期待きたいでき、SEOにもなる。これらのサービスの中なかには、ランキングシステムやカテゴリごとにトラックバックPing送信そうしん指定していを導入どうにゅうしているところもあり、それによってさらにブログの宣伝せんでんをする効果こうかを期待きたいすることができる。

特定とくていの話題わだいごとにトラックバック送信そうしん先さきを用意よういし、その話題わだいに関かんするブログ記事きじをリンクして、一種いっしゅのコミュニティを構成こうせいするようなサービスもある。また、トラックバックスパムを減へらすために登録とうろく制せいにして、トラックバック送信そうしん先さきURLをブログごとに異ことなるものに変かえているサービスも存在そんざいする。

問題もんだい点てん

トラックバックスパム

コンテンツの中身なかみを参照さんしょうせずに、無作為むさくいもしくは機械きかい的てきな手順てじゅんによってトラックバックをする行為こうい。「迷惑めいわくトラックバック」ともいう。トラックバックスパムを行おこなっているウェブサイトは、アダルトサイトや商品しょうひん販売はんばいを目的もくてきとしているサイト、アフィリエイトの効果こうかを高たかめるために行おこなっているサイトなど、様々さまざまである。

対策たいさく

トラックバックスパム対策たいさくとして、様々さまざまな機能きのうが出現しゅつげんしている。例れいを挙あげると、下記かきのようなものがある。

• ブログの管理かんり者しゃが承認しょうにんしない限かぎり、トラックバックの結果けっかを表示ひょうじさせない。
• DNSブラックリストやURLブラックリストに載のっているトラックバックを禁止きんしする。
• 特定とくていのURLからのトラックバックを禁止きんしする。
• 特定とくていのIPアドレスからのトラックバックを禁止きんしする。
• 特定とくていのキーワードを含ふくむトラックバックを禁止きんしする。
• シングルバイト文字もじ（半角はんかく英数字えいすうじ）のみのトラックバックを禁止きんしする。日本語にほんごや中国ちゅうごく語ごなどのマルチバイト文字もじによるスパムには無力むりょくである。
• URLを自動じどうリンクしないか、してもrel=nofollowしておく。
• 自動じどうトラックバック用ようのURLを記述きじゅつしない（当然とうぜん自動じどうトラックバックできなくなる）。
• 各種かくしゅブログサービスやブログツールが提供ていきょうするブラックリストプラグインを使用しようして、スパムを自動的じどうてきにスパムリストに移動いどうし、トラックバックの結果けっか表示ひょうじを保留ほりゅうする（例れい: Movable TypeのMTBlackListプラグインなど）。

大量たいりょうにトラックバックを送おくってくるウェブサイトなどに対たいしては、ブログサービスを提供ていきょうしている会社かいしゃがまとめて受信じゅしん拒否きょひしたり、あるいはそのウェブサイトからのトラックバックを削除さくじょする場合ばあいもある。

受信じゅしん側がわではなく送信そうしん側がわへの対策たいさくとして、以下いかのようなものが考かんがえられる。

• 誘導ゆうどう先さきサイト／ページのホスティング運営うんえい者しゃに通報つうほう
• トラックバック発信はっしん元もとISPに通報つうほう
• アフィリエイトASPに通報つうほう

トラックバックの衰退すいたい

しかし依然いぜんとしてトラックバックスパムの問題もんだいは重おもく、またインターネットにおける交流こうりゅうや情報じょうほう発信はっしんの場ばがブログからSNSに移うつり変かわるようになった2010年ねん頃ころからは、習慣しゅうかんとしてのトラックバックに陰かげりが見みえはじめた。

日本にっぽんでは、以下いかのブログサービスがトラックバック機能きのうを廃止はいしした。その中なかには、トラックバックスパムの増加ぞうかおよび、機能きのうの利用りよう減少げんしょうを廃止はいしの理由りゆうとして挙あげているものもある。

• 忍者にんじゃブログ（2011年ねん廃止はいし、利用りよう者しゃ減少げんしょう・スパム増加ぞうかのため）
• 楽天らくてんブログ（2011年ねんに受信じゅしん機能きのう廃止はいし、スパム増加ぞうかのため）
• アメーバブログ（2012年ねん廃止はいし）
• ライブドアブログ（2017年ねん廃止はいし、利用りよう者しゃ減少げんしょう・スパム増加ぞうかのため）
• gooブログ（2017年ねん廃止はいし、利用りよう者しゃ減少げんしょう・スパム増加ぞうかのため）
• Seesaaブログ（2017年ねん廃止はいし）
• SSブログ（2017年ねん廃止はいし）
• ココログ（2019年ねん廃止はいし、利用りよう者しゃ減少げんしょう・スパム増加ぞうかのため）
• JUGEM（2019年ねん廃止はいし）
• はてなダイアリー（2019年ねんサービス終了しゅうりょう、後継こうけいサービスのはてなブログには機能きのうを備そなえず）

2021年ねん現在げんざいでは、トラックバック機能きのうを備そなえないか、無効むこうにしたブログサービスが主流しゅりゅうとなっている。しかし完全かんぜんになくなったわけではなく、たとえばFC2ブログでは、トラックバック機能きのうを提供ていきょうし続つづけているだけでなく、トラックバック利用りよう促進そくしんのため、週しゅう替がわりのテーマでトラックバックを公募こうぼする公式こうしきブログを2021年ねん現在げんざいでも継続けいぞくしている。ただしFC2ブログでも、ブログ管理かんり者しゃ側がわの設定せっていでトラックバック受信じゅしんを無効むこうにすることは可能かのうである。

文字もじ化ばけ

その他たにも、トラックバックの文字もじコードが、送信そうしん先さきブログシステムのそれと一致いっちしないため、文字もじ化ばけが起おきるといった問題もんだいがある。例れいとして、トラックバック送信そうしん側がわのブログがEUC-JPなのに対たいし、受信じゅしん先さきのブログはUTF-8を用もちいているため、文字もじが判読はんどく不能ふのうになるといったケースが該当がいとうする。

関連かんれん項目こうもく

• ブログ / ブロガー
• Ping (ブログ)
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• 眞鍋まなべかをり - 彼女かのじょのブログ記事きじ（2004年ねん7月がつ12日にち）が、驚異きょうい的てきなトラックバック数すうを記録きろくした。そのため彼女かのじょは「ブログの女王じょおう」や「トラックバックの女王じょおう」などと称しょうされるようになった。

外部がいぶリンク

• TrackBack Technical Specification (日本語にほんご訳やく) - Six Apart