ハイペリオンの没落ぼつらく

『ハイペリオンの没落ぼつらく』（ハイペリオンのぼつらく、英語えいご: The Fall of Hyperion）は、アメリカのSF作家さっかダン・シモンズが1990年ねんに発表はっぴょうしたSF小説しょうせつで、『ハイペリオン』（Hyperion, 1989年ねん）の続編ぞくへん。「ハイペリオンシリーズ」の第だい2作さく。1991年ねんにローカス賞しょうを受賞じゅしょうした。

あらすじ

「ハイペリオン4部ぶ作さく」の2作さく目めに当あたり、『ハイペリオン』にて、時間じかんの墓標ぼひょうに到達とうたつした7人にんの巡礼じゅんれいのその後ご、さらには連邦れんぽうとアウスターさらにテクノコアとの抗こう争そうを描えがく。前作ぜんさくからの時間じかんの墓標ぼひょうとシュライクの謎なぞの解明かいめいにとどまらず、第だい二にのジョン・キーツの復元ふくげん人格じんかくであるジョセフ・セヴァーンによってその背景はいけいにある、二ふたつのUI (Ultimate Intelligence) の抗こう争そうまでもが明あきらかにされていく。そのなか、アウスターのハイペリオン侵攻しんこうに引ひき続つづき、ウェブ全域ぜんいきが、アウスターの攻撃こうげきを受うける。その時とき、真実しんじつを知しった連邦れんぽうCEOマイナ・グラッドストーンの下くだした決断けつだんとは。

主おもな登場とうじょう人物じんぶつ

領事りょうじ

時間じかんの墓標ぼひょうにたどり着ついた巡礼じゅんれいの一人ひとり、巡礼じゅんれいが次々つぎつぎとシュライクに襲おそわれていく中なか、ハイペリオンからの脱出だっしゅつ、負傷ふしょう者しゃの治療ちりょうのために、自身じしんの思おもい出での品しなであるホーキング絨毯じゅうたんに乗のり、アウスターと連邦れんぽう軍ぐんFORCEの激戦げきせんが繰くり広ひろげられるハイペリオン首都しゅとキーツに向むかうが、グラッドストーンの要請ようせいを受うけ、かつての部下ぶかレイン総督そうとくと、元もとレイチェル・ワイントラウブの恋人こいびとで、時間じかんの墓標ぼひょう研究けんきゅう者しゃのメリオ・アルンデスとともにアウスターとの交渉こうしょうに向むかうことになる。そこで明あかされる衝撃しょうげきの真実しんじつとは？

ジョセフ・セヴァーン

第だい2のジョン・キーツの復元ふくげん人格じんかくで、ブローン・レイミアのインプラント・シュレーンリング内ないに格納かくのうされている第だい一いちのジョン・キーツ復元ふくげん人格じんかくジョニィを通つうじて、ブローン・レイミアの経験けいけんを夢見ゆめみることができる。その能力のうりょくを買かわれ、連邦れんぽうCEOマイナ・グラッドストーン付づけの画家がかとして、TC2へ招聘しょうへいされるが、次第しだいにその能力のうりょくはレイミア以外いがいの人物じんぶつの体験たいけんをもとらえるようになってゆく…

シュライク

全身ぜんしんクローム光沢こうたくの刃物はものと棘とげに覆おおわれ、4本ほんの腕うでと特徴とくちょう的てきな赤あかい目めを持もち、圧倒的あっとうてきな時とき空間くうかん跳躍ちょうやく能力のうりょくと戦闘せんとう能力のうりょくを持もつ。時間じかんの墓標ぼひょうに辿たどり着ついた巡礼じゅんれいたちを次々つぎつぎに襲おそっていく。その正体しょうたいは、テクノコアが長ながい歳月さいげつにより作つくり出だしたUI、通称つうしょう「機械きかいの神かみ」により、もう一ひとつのUI、通称つうしょう「人類じんるいの神かみ」の逃亡とうぼうしたトリニティの一ひとつ「共感きょうかん」をあぶりだすため、早はや贄にえの木きや苦痛くつうの木きと呼よばれる装置そうちに人間にんげんを串刺くしざしにし、ウェブ上じょうに苦痛くつうを送信そうしんすることや、機械きかいの神かみの先兵せんぺいとなって過去かこを侵攻しんこうすることであった。

関連かんれん項目こうもく

• ハイペリオン (小説しょうせつ)
• ロバート・ジョン・ゴドフリー