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バルブマチック

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
バルブマチックを採用さいようしたZRがたけいエンジンのカットモデル

バルブマチック(VALVE MATIC)とは、トヨタ自動車とよたじどうしゃ同社どうしゃの4ストロークガソリンエンジン、および4ストロークフレックスフューエルエンジンである一部いちぶZRがたけいエンジン専用せんよう開発かいはつされた可変かへんバルブ機構きこうである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

一般いっぱんてきガソリンエンジンは、スロットルバルブしぼべん)をもちいてエンジンの吸気きゅうきりょう制限せいげんし、出力しゅつりょく調節ちょうせつしている。このため、てい負荷ふかいきではスロットルバルブがじぎみとなり、吸気きゅうきともな損失そんしつポンピングロス)の割合わりあいおおきくなる。そこで、吸気きゅうきバルブのリフトりょう連続れんぞく可変かへんとすることでスロットルバルブとして機能きのうさせ、吸気きゅうき損失そんしつ低減ていげんによる効率こうりつ燃費ねんぴ向上こうじょう実現じつげんしたものがバルブマチックである。

バルブマチックはバルブのリフトりょうのみを可変かへんとし、バルブタイミング自体じたい不変ふへんである。そのため、既成きせいVVT-i連続れんぞく可変かへんバルブタイミング機構きこう)とわせて使用しようすることで、適切てきせつなバルブタイミングを実現じつげんしている。

2020ねん現在げんざい、バルブマチック採用さいようしゃはスロットルバルブもそなえている。これはバルブマチックがまんいち故障こしょうした場合ばあいにおいても、スロットルバルブのみでエンジン制御せいぎょ可能かのうとするためである(フォールトトレラント設計せっけい)。なお、運転うんてん条件じょうけんによってはスロットルバルブがバルブマチックと協調きょうちょう動作どうさおこなう。また、バルブマチックによって吸気きゅうきあつ減少げんしょうするため、ブレーキブースター駆動くどうするあつ確保かくほのために、カムシャフト直結ちょっけつするかたちでバキュームポンプそなけられている。

バルブマチック採用さいようしゃにはそのあかしとして、リアに「VALVE MATIC」エンブレムが装着そうちゃくされる(ただし、海外かいがい生産せいさん車種しゃしゅだったアベンシス、および国内こくない生産せいさんふくむシリーズ12代目だいめカローラシリーズ中国ちゅうごく専売せんばい車種しゃしゅの8代目だいめ・9代目だいめレビン、2代目だいめ台湾たいわん仕様しようシエンタには装着そうちゃくされていない)。

しかしアトキンソンサイクルとEGR(排気はいきさい循環じゅんかん)のわせによって、複雑ふくざつ機構きこう追加ついかせずにバルブマチックの本来ほんらい目的もくてきである"スロットルバルブのしぼ損失そんしつ"を低減ていげん可能かのうとなったため、次世代じせだいダイナミックフォースエンジンへの採用さいようはされなかった[1]

採用さいようされているエンジン[編集へんしゅう]

搭載とうさいされている、または搭載とうさいされていた車種しゃしゅ[編集へんしゅう]

★は2023ねん10がつ現在げんざい時点じてんにおいて搭載とうさいちゅう現行げんこう車種しゃしゅ

1ZR-FAEがた
2ZR-FAEがた
2ZR-FBEがた
3ZR-FAEがた
  • ノア/ヴォクシーかく2代目だいめ、3代目だいめ
  • エスクァイア
  • プレミオ/アリオン(かく2代目だいめ 2008ねん1がつ - 2020ねん8がつ
  • アベンシス(3代目だいめ
  • ウィッシュ(2代目だいめ
  • アイシス
  • ハリアー(3代目だいめ
  • C-HR北米ほくべい仕様しよう

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ エンジン技術ぎじゅつ一大いちだいトレンドだった可変かへんバルブリフトはなくなる?──安藤あんどうしんの『テクノロジーのすべて』だい19だんMotor fan 2020ねん12月22にち閲覧えつらん
  2. ^ a b ただし、タイ仕様しようにはわりにフレックス燃料ねんりょうしゃ専用せんようエンジンの2ZR-FBEがたエンジンが搭載とうさいされる。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]