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パッケージ (電子部品) - Wikipedia コンテンツにスキップ

パッケージ (電子でんし部品ぶひん)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

電子でんし部品ぶひんパッケージ外周がいしゅう:がいしゅうき)とは、電気でんき製品せいひん構成こうせいする個別こべつ部品ぶひん外形がいけい構成こうせいする部分ぶぶんであり、通常つうじょうちいさな電子でんし部品ぶひんつつ合成ごうせい樹脂じゅし金属きんぞくセラミックす。

1mm方眼ほうがん紙上しじょうのチップ抵抗ていこう(3216サイズ)
アキシャルリード
電解でんかいコンデンサ

機能きのう要求ようきゅう

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電子でんし部品ぶひんおさめるパッケージの機能きのう要求ようきゅうにはつぎのものがある。

  1. なか素子そし外部がいぶからの衝撃しょうげき湿度しつどねつ、ガス、光線こうせんなどからまもること
  2. 接続せつぞく端子たんし保持ほじして外部がいぶとのあいだまさしく信号しんごう電源でんげんつたえること
  3. 製品せいひんてにてきする形状けいじょうをなすこと
  4. 内部ないぶ発生はっせいしたねつすみやかに放熱ほうねつすること[ちゅう 1]
  5. コストがやすいこと
  6. 電子でんし部品ぶひん機能きのう検査けんさしやすいこと
  7. 製造せいぞう社名しゃめい製品せいひん型番かたばん製造せいぞう番号ばんごう、ピン番号ばんごうといった表示ひょうじ保持ほじすること
  8. 可能かのうかぎ正規せいき製品せいひんであり、類似るいじ製品せいひんとの区別くべつしめすこと
  9. 環境かんきょう問題もんだい対応たいおうすること[ちゅう 2]

また、デジタル半導体はんどうたい代表だいひょうされる高性能こうせいのう電子でんし部品ぶひんおおくが動作どうさ周波数しゅうはすうたか消費しょうひ電流でんりゅうおおきくなるため、寄生きせい容量ようりょう電流でんりゅう抵抗ていこうちいさなみじかふと接続せつぞく端子たんし放熱ほうねつせいいパッケージがもとめられる[ちゅう 3]携帯けいたい機器きき使用しようされる部品ぶひんでは小型こがたもとめられる。

個別こべつ受動じゅどう部品ぶひん

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アキシャル部品ぶひんラジアル部品ぶひん こういった形態けいたい部品ぶひんリード部品ぶひんばれる。

抵抗ていこう(レジスタ、抵抗ていこう)やコンデンサ(キャパシタ)、コイル小型こがたトランスひとし個別こべつ受動じゅどう部品ぶひん(ディスクリート・パーツ またはコンポーネント、discrete component)とばれる。半導体はんどうたい部品ぶひんである単品たんぴんダイオードもパッケージ形態けいたいとしてれば、抵抗ていこうとうおなじアキシャル部品ぶひん形態けいたいおおい。

1990年代ねんだいからはプリント基板きばんうえ表面ひょうめん実装じっそうされるチップ部品ぶひん使用しようはじめ、2009ねん現在げんざいではアキシャル部品ぶひんやラジアル部品ぶひん形態けいたいはかなりりつつある。アキシャル(axial)と、ラジアル(radial)は、リードみちびく、lead)せんけられている方向ほうこうちがいをあらわしている。 個別こべつ受動じゅどう部品ぶひん場合ばあい表面ひょうめん実装じっそうよう部品ぶひんでは専用せんよう形状けいじょうにされることがおおいが、なかにはリードがた部品ぶひんのリードをみじかくしただけのものもある[ちゅう 4]

半導体はんどうたい部品ぶひん

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歴史れきし

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電気でんきてき接続せつぞくについては、銅板どうばんエッチングしたリードフレームとともにチップをふうした端子たんしがた挿入そうにゅうがた)が一般いっぱんてきであったが、1980年代ねんだい後半こうはん以降いこう、リードをプリント基板きばんあなとおさず基板きばん表面ひょうめん片面かためんからはんだする表面ひょうめん実装じっそう方式ほうしきのパッケージが導入どうにゅうされ、現在げんざいいたるまでひろ普及ふきゅうしている。 また時代じだいすすむにつれ端子たんしかず集積しゅうせき上昇じょうしょう素子そし機能きのうによりおおきく増加ぞうかしたため、DIPやSIP、SOPといった従来じゅうらいのパッケージでは対応たいおうできない製品せいひんえ、端子たんし微小びしょうしたQFPやLCC、底面ていめんまるピンを格子こうしじょうならべた剣山けんざんのようなPGA(Pin=ピンを Grid=格子こうしじょうに Array=配置はいち)などが導入どうにゅうされた。 さらにだい規模きぼなLSIでは外部がいぶとの接続せつぞくすうせんにもおよぶため、BGAなどの端子たんし密度みつどたかいパッケージを必要ひつようとする。交換こうかんする可能かのうせいがある部品ぶひんはソケットによって実装じっそうすることもある。

過去かこには、ICパッケージじょうのICパッケージをせる「ピギーバック」のものがあり、不揮発ふきはつせいメモリ内蔵ないぞうCPUなどで、ソフト開発かいはつにメモリの交換こうかん容易よういにする目的もくてき使用しようされた。1980年代ねんだい普及ふきゅうした、紫外線しがいせん照射しょうしゃによって記憶きおく内容ないよう消去しょうきょするUV-EPROMというメモリ半導体はんどうたいのパッケージには、石英せきえいガラスまどいていた。また、ICカードなどの内部ないぶ情報じょうほうられない「たいタンパーせい」をようする用途ようとけの半導体はんどうたい部品ぶひんでは、1つの半導体はんどうたいチップじょうにCPU、ROMRAMなどの必要ひつよう論理ろんり回路かいろすべてをふくむことで、2-8ほん程度ていど外部がいぶ接続せつぞく端子たんしだけつようにしているものがある。また近年きんねんではPoPやPiPといった、ピギーパックの再来さいらいともえる実装じっそう方法ほうほう普及ふきゅうはじめている。

材質ざいしつ

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半導体はんどうたいのパッケージは、半導体はんどうたい外部がいぶ電気でんきてき接続せつぞくする端子たんしと、半導体はんどうたい搭載とうさい密封みっぷう保持ほじするふうとめざいかれる。 かねてより、よりたか信頼しんらいせいをより長時間ちょうじかん維持いじし、よりあつかいやすく、よりてい価格かかく製造せいぞうできるような材料ざいりょう開発かいはつのために努力どりょくつづけられてきたが、2000年代ねんだい以降いこうは、有害ゆうがい物質ぶっしつふくまないふうとめざい使用しようや、なまりなどの有害ゆうがい物質ぶっしつふくまないはんだ信頼しんらいせいたか接続せつぞく可能かのうであることがもとめられるようになり、残存ざんそん有害ゆうがい物質ぶっしつだけでなく製造せいぞう工程こうていにおいても有害ゆうがい物質ぶっしつ発生はっせいしないふうとめ材料ざいりょうや、なまりフリーはんだてきした特殊とくしゅ表面ひょうめん加工かこうをされた端子たんしもちいられるようになってきた。

端子たんし

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外部がいぶ電気でんきてき接続せつぞくおこな端子たんしやリードフレームには、てつ・ニッケル合金ごうきん使つかわれることがおお[ちゅう 5]どうもちいられることもある。BGAパッケージでは半球はんきゅうじょうのはんだが使つかわれる。ソケットによる実装じっそう想定そうていした製品せいひん高周波こうしゅうはあつか製品せいひんたか信頼しんらいせいもとめられる製品せいひんでは、端子たんしきんメッキほどこして酸化さんか防止ぼうし浮遊ふゆう容量ようりょう低減ていげんはかることがおおい。それ以外いがい製品せいひんではおもニッケル合金ごうきんやはんだでめっきをしており、これには酸化さんか防止ぼうし導通どうつう不良ふりょう低減ていげんくわえはんだのぬれせいくする効果こうかがある。特殊とくしゅ場合ばあいのぞいて、酸化さんかしやすいてつどう露出ろしゅつしたままとすることはない。

ダイをせるリードフレームは端子たんし同時どうじプレス加工かこうつくられることがおおい。ダイのリードフレームへの固定こていでは樹脂じゅしほかに、ダイとリードフレームの導通どうつう必要ひつよう場合ばあいにはぎん粒子りゅうしふくまれる樹脂じゅしペーストや、放熱ほうねつのためにねつ抵抗ていこうげる必要ひつようがあればはんだももちいられる。端子たんしダイ接続せつぞくするボンディングワイヤには金線きんせんやアルミせん使つかわれる[1]

ふうとめざい

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ふうとめざい材質ざいしつは、かつては金属きんぞく(てつ、アルミ、真鍮しんちゅうなど)がよくもちいられたが、コストダウンやピンへの対応たいおう小型こがたなどの要求ようきゅうてくると、通常つうじょう温度おんど湿度しつど範囲はんい使つかうものはエポキシ樹脂じゅしなどてい価格かかくたいねつ樹脂じゅしによるレジン・モールドが、また温度おんど特性とくせいひろ必要ひつようとする工業こうぎょうよう軍事ぐんじよう発熱はつねつおおきいデバイスではアルミナなどのセラミックがもちいられるようになった。

金属きんぞくやセラミックはあらかじめプレスおよしょうゆいにより成型せいけいしておき、内部ないぶにダイを実装じっそうしたのちてて、てい融点ゆうてんガラスなどシーリングざい密封みっぷうする。一方いっぽう、レジンモールドの場合ばあいかねがたれて樹脂じゅし射出しゃしゅつ成形せいけいする。テープじょうパッケージでは、たい熱性ねっせい柔軟じゅうなんせいたかポリイミドつくられたテープじょうにダイを実装じっそうする。近年きんねんではプラスチックの性能せいのうがり、またプラスチック以外いがいのパッケージでは表面ひょうめん実装じっそう部品ぶひんリフローはんだ出来できないことなどもあり、セラミックを使用しようしたパッケージは減少げんしょう傾向けいこうにある。またダイオードでは当初とうしょよりガラスふうどめおお使つかわれ、現在げんざいでは用途ようとによりレジンモールドなどと使つかけられる。

レジンモールドはわずかながら水分すいぶんう。リフローはんだけをする場合ばあい水分すいぶんふくんだレジンモールドは急激きゅうげき加熱かねつによって破壊はかいされることがある。これをふせぐため、メーカーから納入のうにゅうされた部品ぶひん一定いってい個数こすうごとにふくろなどで密封みっぷうして湿気しっけから遮断しゃだんされているが、開封かいふうした部品ぶひんすべただちにはんだけするとはかぎらず、開封かいふうしたまま長時間ちょうじかん使用しようになる部品ぶひんることはけられない。そのような部品ぶひんがそのままはんだけできるかどうか判断はんだん出来できるよう、表面ひょうめん実装じっそうよう部品ぶひんには開封かいふうそのままリフローはんだけができる時間じかんめられており、データシートに記載きさいされている。それをぎた部品ぶひんは、水分すいぶんのぞくためめられた温度おんど予熱よねつ処理しょり(ベーク)をしてからはんだけする。

CPUやチップセットといった非常ひじょうおおくの端子たんし必要ひつようとするものでは、パッケージ内部ないぶ接続せつぞくにボンディング・ワイヤを使用しようしない「フリップチップ英語えいごばん接続せつぞく使用しようしたパッケージが使つかわれるようになった。これによりパッケージがうすつくることができるじょう、プラスチックせいであっても必要ひつようならヒートスプレッダが使用しようできねつ抵抗ていこうひくくなったため、近年きんねんではそれほどピンすうおおくないが発熱はつねつおおきい製品せいひんにも使つかわれはじめ、旧来きゅうらい金属きんぞくせい・セラミックせい製品せいひん急速きゅうそくえている。スペースファクタを最大限さいだいげんげるため、だい容量ようりょうDRAMひとしではダイに直接ちょくせつ半田はんだボールをつけてレジンモールドした製品せいひんもある。

またフリップチップの登場とうじょうわせ、従来じゅうらいのようにダイをまるごとおおうのではなく、うえ搭載とうさいするだけの「インターポーザ」が開発かいはつされた。インターポーザはプリント基板きばん一種いっしゅであり、したがって材料ざいりょうはプリント基板きばんおなガラス繊維せんいはいエポキシ使つかわれる。インターポーザとダイの隙間すきまにはアンダーフィルばれる硬化こうかざい注入ちゅうにゅうして固定こていする。インターポーザに実装じっそうしたダイはうえからさらにレジンモールドする場合ばあいもあるが、発熱はつねつおお部品ぶひんではダイの上部じょうぶ露出ろしゅつしたままとしたり、ヒートスプレッダを装着そうちゃくすることがおおい。

規格きかく

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半導体はんどうたいパッケージの規格きかくにはJEDECJEITAなどがあるが、これらの規格きかく分類ぶんるいされないメーカー独自どくじのパッケージも数多かずおお存在そんざいする。また、メーカーのカタログやデータシートでは、かならずしもJEDECやJEITAの規格きかく名称めいしょう使つかわれるわけではなく、メーカーあいだ表記ひょうき方法ほうほう統一とういつされていない。

以下いか半導体はんどうたい部品ぶひんのパッケージについて記述きじゅつする。

挿入そうにゅうがた (Pin insertion type)

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はこがたかんじょうのパッケージから、プリント基板きばんやソケットにリードせんした形態けいたい基本きほんとする。初期しょき集積しゅうせき回路かいろ代表だいひょうする形態けいたいであり、近年きんねんにおいてもピンすうすくないトランジスタ、ICとう使つかわれている。

DOパッケージ (Diode Outline)

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ダイオードもちいられるパッケージで、抵抗ていこうなどのアキシャルリードのものとほとんどおなじである。 パッケージ材質ざいしつはガラスやプラスチックのものがおおいが、だい電力でんりょくようのダイオードでは金属きんぞくかんパッケージにれられているものもある。ただし、発光はっこうダイオードダイオードブリッジなど特殊とくしゅなダイオードのパッケージには使つかわれない。

TOパッケージ (Transistor Outline)

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Transistor Outlineのとおり、トランジスタのパッケージとして開発かいはつされたが、各種かくしゅIC、センサー、受動じゅどう部品ぶひんいたるまで幅広はばひろいデバイスに使用しようされている。パッケージ材質ざいしつとしては金属きんぞく、セラミック、プラスチックがある。

金属きんぞく
メタルCANとばれるかんじょう金属きんぞくれたもの。リードフレームのいた金属きんぞく台座だいざ素子そしせてボンディングし金属きんぞくかんをかぶせたものと、金属きんぞくかんなかにリードフレームをけた素子そしれてそこから樹脂じゅし充填じゅうてんしたものがある。ほとんどの場合ばあい外装がいそう金属きんぞく部分ぶぶん端子たんしの1つとして内部ないぶ素子そし接続せつぞくされている[ちゅう 6]。かつてはおおくの製品せいひん使つかわれたが、現在げんざいでは一部いちぶでの使用しようかぎられ、オペアンプやセンサーなどではノイズや帯電たいでんおさえること、パワートランジスタなどでは放熱ほうねつ目的もくてきとしている。現在げんざいではおも以下いかのデバイスで使用しようされる。
レーザーダイオード
レーザーダイオードで波長はちょう安定あんていさせるためには、温度おんど一定いってい保持ほじする必要ひつようがあるため金属きんぞく外装がいそう使用しようされる。また静電気せいでんきおよ電磁波でんじは遮蔽しゃへいする目的もくてきもある。
センサー
フォトダイオードひとしのセンサーで機器きき外部がいぶにセンサーを露出ろしゅつさせる場合ばあい静電気せいでんきによる帯電たいでん防止ぼうしするために使用しようされる。またGaけい半導体はんどうたいセンサーを冷却れいきゃくして使用しようする必要ひつようがある場合ばあいにも金属きんぞく外装がいそう使用しようされる。
微小びしょう電力でんりょく増幅器ぞうふくき
すうナノA以下いか電流でんりゅうあつか増幅器ぞうふくき場合ばあい、プリント回路かいろばんとの浮遊ふゆう容量ようりょう遮蔽しゃへいするために使用しようされる。
トランジスタをパラレルまたはコンプリメンタリ・ペア使用しようする
TO-3など大型おおがた金属きんぞくパッケージはのパッケージよりねつ抵抗ていこうちいさいため、出力しゅつりょくだん複数ふくすうのトランジスタを使用しようする場合ばあい個別こべつのトランジスタの温度おんどそろやすい。おもにマニアけのアナログパワーアンプとう使用しようされる。
セラミック
形状けいじょうたん円柱えんちゅうじょうのものがおおい。おも高周波こうしゅうはようトランジスタにもちいられたが、次第しだいにプラスチックせいパッケージにとってわられた。
プラスチック
形状けいじょう様々さまざましょう電力でんりょく製品せいひん半円はんえんとうじょうのものがおおい。ほとんどのTOパッケージはプラスチックである。はこじょうのピンすうおおもの後述こうじゅつのSIPとおなじ。5ピン以上いじょう製品せいひんはTO、SIPどちらともべる。発熱はつねつおおきい電力でんりょくよう素子そしでは背面はいめんにネジあないた金属きんぞくばん露出ろしゅつするようになっており、ここに放熱ほうねつける[ちゅう 7]。また表面ひょうめん実装じっそうがたのTOパッケージはすべてプラスチックせいで、放熱ほうねついたきのものは基板きばんじょうひろ半田付はんだづけして放熱ほうねつするようになっている。
Cer-DIPれい(D8086)
Intelの型番かたばんでは最初さいしょのPrefixで"C"がCeramic-DIP、"D"がCer-DIP、"P"がPlastic-DIPであった。

DIP (Dual In-line Package)

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「ディップ」と[ちゅう 8]、プラスチックせい、またはセラミックせい本体ほんたいからりょう側面そくめんから多数たすう金属きんぞくせい接続せつぞく端子たんし下方かほうびた外形がいけいをしている[ちゅう 9][ちゅう 10]

  • Ceramic-DIP(セラミック・ディップ)
リードフレームをあらかじめはさんだセラミックせい容器ようきにICチップを上部じょうぶかられてボンディングし、活性かっせいガスちゅう金属きんぞくせいぶたをしたもの。リードフレームとピンは別々べつべつ部品ぶひんであり、側面そくめん露出ろしゅつしたパッドにピンが1ほんずつかねけいはんだでけられることからサイドブレイズドDIP[ちゅう 11]ともばれる。信頼しんらいせいおよたいこう耐震たいしんせいたかいため、医療いりょう航空機こうくうき軍事ぐんじよう使用しようされている。
  • Cer-DIP(サー・ディップ、C-DIP)
ボンディングされたICチップとリードフレームを2まいのセラミックばんはさみ、てい融点ゆうてんガラス(ハーメチック)でふうとめするもの。ハーメチック・ディップと表現ひょうげんするメーカーもある[ちゅう 12]。セラミックDIP同様どうよう長所ちょうしょち、軍用ぐんよう産業さんぎょうようひろもちいられている。
  • Plastic-DIP(プラスチック・ディップ、P-DIP)
ボンディングをませたICチップとリードフレームをかねがたれて樹脂じゅし充填じゅうてんしたもの。もっと一般いっぱんてきなDIPパッケージである。産業さんぎょうよう民生みんせいようなど幅広はばひろ用途ようと使つかわれ、プラスチック材料ざいりょう高性能こうせいのうにより過酷かこく状況じょうきょうでの耐久たいきゅうせい向上こうじょうしてきたことからセラミックせいのパッケージをはじめている。

[2]

Ceramic-DIPとCer-DIPはともにセラミックせいであり、ねつ抵抗ていこうがプラスチックよりひくいので放熱ほうねつせいもとめられる製品せいひん使用しようされることがおおかったが、21世紀せいき現在げんざいではこれらは比較的ひかくてきすくなくなっている。[ちゅう 13][2]

プラスチックのものはP-DIP(ピーディップ)とも表記ひょうきされることがあり、汎用はんようロジックICなど多様たようなICに使つかわれている。[ちゅう 14][ちゅう 15][ちゅう 16]

あし位置いち間隔かんかくは、べいテキサスインスツルメンツしゃべいぐん製品せいひん納入のうにゅうするさいさだめられたMIL規格きかく沿っていた。MIL規格きかくおおくのてんでデジタルICでの共通きょうつう規格きかくとなり、のちにISO/IEC規格きかくとなった。のち登場とうじょうするデジタルICのパッケージのサイズのおおくはMIL規格きかく基準きじゅんにしている[ちゅう 17]

SIP (Single In-line Package)

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9ピンのSIPパッケージのれい

パッケージの片側かたがわいちれつあししたもの。はばせまくなるが、ながさとたかさがえる。ピンすうをあまりやせないため、小規模しょうきぼなICのパッケージに使つかわれることがおおい。ICだけでなく集合しゅうごう抵抗ていこうにもこのパッケージがよく使つかわれる。 DIP形状けいじょうくら放熱ほうねつけるのに都合つごういため、パワーアンプICやモータードライバICなど、ある程度ていど発熱はつねつする部品ぶひん使つかわれることもおおい。

ZIP (Zigzag In-line Package)

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SIPのあし左右さゆう交互こうごげてピン間隔かんかくひろげたもの。SIPにくらべてよこはばちいさくなり、ピンすうやすことが出来できる。ただし構造こうぞうじょう、リード間隔かんかくが100ミルにならないことがおおい。 SIPと同様どうよう発熱はつねつおお部品ぶひん使つかわれることがおおい。

PGA (Pin Grid Array)

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PGAパッケージのれい

剣山けんざんのように格子こうしじょうにピンをてたもの、とくにセラミックせいをCPGA(Ceramic PGA)、ソケット実装じっそう専用せんようのプラスチックせいをPPGA(Plastic PGA)とぶ。エポキシモールドではなくフリップチップ接続せつぞくによりインターポーザじょうにダイをせたFC-PGA(Flip Chip PGA)も通常つうじょうはPPGAにふくめる。ソケットにより容易ようい交換こうかんできることから、パーソナルコンピュータのCPUのパッケージとしておお採用さいようされている。[ちゅう 18]

表面ひょうめん実装じっそうがた

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多層たそうプリント基板きばん技術ぎじゅつ進歩しんぽとも発展はってんしたのが表面ひょうめん実装じっそうがた(Surface mount type)である。ダイをサブストレートにせてワイヤ・ボンディングしたCSP (Chip size package) から、高密度こうみつど非常ひじょうおおくの端子たんし接続せつぞくするmBGA (Micro ball grid array) まで、プリント基板きばん多様たようせいともな様々さまざまなパッケージ形態けいたいがある。現代げんだい電子でんし回路かいろ基板きばんおおくは表面ひょうめん実装じっそうがたICを搭載とうさいしている。表面ひょうめん実装じっそう技術ぎじゅつ (SMT, Surface mount technology) によって回路かいろ基板きばんじょう高密度こうみつど実装じっそうできるので製品せいひん小型こがたとコスト低減ていげん同時どうじ実現じつげん出来でき[ちゅう 19]以下いか表面ひょうめん実装じっそうがたパッケージをしめす。

TSOP

SOP (Small Outline Package)

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対向たいこうする2へんから端子たんしガルウイングじょうばしたもので、小型こがたのプラスチック・モールドのパッケージ。QFPの2へんにのみ端子たんし形状けいじょうともいえる。SOIC (Small Outline Integrated Circuit) やDSO、SOとぶこともある。SOPのうすいパッケージ形状けいじょうのものをとくにTSOP (Thin SOP) とび、さらにTSOPのよこはばせばめたものをTSSOP (Thin Shrink SOP)とぶ。また、放熱ほうねつよう底面ていめん金属きんぞくパッドを露出ろしゅつさせたものもある。

QFPパッケージのれい

SOJ (Small Outline J-leaded)

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リードをSOPとはぎゃく内側うちがわにJがたげたもの。DRAM単体たんたいICパッケージでは、記憶きおく容量ようりょう増大ぞうだいおうじたダイ・サイズの拡大かくだいをそれまでと同一どういつのSOJパッケージにおさめるため、おおきくなったダイのうえをポリイミド・フィルムでおおい、そのうえにリード・フレームをばすLOC(Lead On Chip)という手法しゅほうられるものがある[ちゅう 20]。ワイヤー・ボンディングはリード・フレームの隙間すきまからダイにおこない、リード・フレームへ接続せつぞくする[2]。SOJはSOPとことなりソケットによる実装じっそう可能かのうで、あと交換こうかんする可能かのうせいのある部品ぶひん使つかわれることもおおい。

CFP (Ceramic Flat Package)

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セラミックせい薄型うすがたパッケージで、構造こうぞうてきにはCeramic-DIPやCer-DIPをうすくしただけのものである。表面ひょうめん実装じっそうがあまり普及ふきゅうしていない時代じだい開発かいはつされたためピンがながく、げれば挿入そうにゅうがたとしても使用しようできる。軍用ぐんよう高周波こうしゅうはようデバイスけとして開発かいはつされたが、うすちいさなセラミックばん素子そしはさむというむずかしい製造せいぞう方法ほうほうのためCer-DIP以上いじょうにコストだかとなったうえ軍用ぐんよう用途ようとでは近年きんねんまであまり小型こがた必要ひつようがなかったため、一部いちぶ高周波こうしゅうはようデバイスや、スペースにきびしい制約せいやくがあり、かつ過酷かこく環境かんきょう使つかわれる用途ようとのデバイスに使つかわれたにとどまる。プラスチックの性能せいのういちじるしく向上こうじょうした現在げんざいでは、プラスチックせいのパッケージにほぼ完全かんぜん代替だいたいされている。

SOT (Small Outline Transistor)

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そのとおりトランジスタのために開発かいはつされたちょう小型こがたパッケージで、TOパッケージと同様どうよう様々さまざま形状けいじょうがあるが、トランジスタようのパッケージであるためピンすうが3ピンのものからあることがおおきな特徴とくちょうである。 トランジスタだけでなくICようにもひろ使つかわれている。おな形状けいじょうでもメーカーによって呼称こしょうにかなりばらつきがある。SOTとして規定きていされている形状けいじょうは、一部いちぶTOパッケージの表面ひょうめん実装じっそうようのものと重複じゅうふくしている。

QFP (Quad Flat Package)

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QFP(Quad Flat Package) は、矩形くけい本体ほんたいかくあたりから4方向ほうこう金属きんぞくせい接続せつぞく端子たんしばしたもの。SOPと同様どうよう端子たんしほそながいものがおおく、ひと不用意ふよういあつかうと簡単かんたんがる[ちゅう 21]。このため、4つのかくにバンプのいたものがある。 QFPよりさらにていがたのものに LQFP(Low Profile Quad Flat Package) とばれるものや、さらにうすい TQFP(Thin Quad Flat Package) があり、放熱ほうねつようにヒートスプレッダを内蔵ないぞうしたHQFP(Quad Flat Package with Heatspreader) がある[ちゅう 22]

PLCC (Plastic leaded chip carrier)

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PLCC(Plastic leaded chip carrier) はQFPの四方しほう端子たんしをJがたげたPlasticせいのものである。QFJ(Quad Flat J-leaded Package)ともばれる。LCCと名称めいしょうているがまったべつのものである。Plasticでないものや素材そざい限定げんていしないものはLCC(Leaded Chip Carrier)とばれることがある。QFPより実装じっそう面積めんせきちいさくでき、ソケットによる実装じっそう比較的ひかくてきおおい。

BGA

BGA (Ball grid array)

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パッケージ底面ていめん格子こうしじょうならんだ端子たんしディスペンサけた半田はんだ塗布とふし、半田はんだ表面張力ひょうめんちょうりょく半球はんきゅうじょう形成けいせいされた電極でんきょく(バンプともいう)をつ。表面ひょうめん実装じっそうで、リフローではんだけをするとき使つかわれる。手作業てさぎょうによる半田付はんだづけは不可能ふかのうである。 QFPと比較ひかくして多数たすう電極でんきょくもうけることが出来できじょう周囲しゅういにリードがさないので実装じっそう面積めんせき縮小しゅくしょうできる。ただし、外部がいぶからはんだけの状態じょうたい検査けんさするのが困難こんなんとなる。 また、一度いちどはんだけしてしまうと部分ぶぶんてき修正しゅうせい交換こうかん専用せんよう設備せつび工場こうじょうでもかなり困難こんなんである。はずとき基板きばんさい加熱かねつする必要ひつようがあるため、多層たそう構造こうぞう基板きばんこう工程こうていですでに実装じっそうされている部品ぶひんたいねつ規格きかくによっては修理しゅうりできない場合ばあいもある。はずされたBGAにふたたびバンプをけるのも、専用せんよう工具こうぐ必要ひつよううえ難易なんいたかい。 パッケージのねつ膨張ぼうちょうりつ基板きばんねつ膨張ぼうちょうりつことなることから、通電つうでんちゅう発熱はつねつする素子そし場合ばあい電源でんげん投入とうにゅう電源でんげんだん反復はんぷくすることによってねつ膨張ぼうちょう収縮しゅうしゅくかえされ基板きばんまたはパッケージがゆがみ、はんだけされた接点せってんにクラック(ひびれ)をしょうじて断線だんせん状態じょうたいとなる故障こしょう発生はっせいする可能かのうせいたかい。 ソケットによる実装じっそう通常つうじょうしないが、開発かいはつ用途ようととしてのソケットは存在そんざいするほか、ノートパソコンのCPUでの使用しようもまれにある。

TBGA(Tape Ball Grid Array)とばれる、TAB技術ぎじゅつによるフレキシブル基板きばんをサブストレートに使用しようしたBGAも存在そんざいする[3]

MR-BGA(Metal Coating Rubber Ball grid array) 微小びしょうゴム球体きゅうたい表面ひょうめんみちびけでん金属きんぞくまく形成けいせいされた溶融ようゆう実装じっそう方式ほうしきである。 接続せつぞくしたい電極でんきょくパッドにふれるだけで実装じっそうみのてい抵抗ていこう通電つうでんられる。

ゴムが弾力だんりょくにより反発はんぱつ圧力あつりょく発生はっせいして接触せっしょく圧力あつりょくられる仕組しくみで、 ゴム球体きゅうたいひく荷重かじゅうされると球面きゅうめんがフラットに変形へんけいしてひろ面積めんせき電極でんきょくパッドと接触せっしょくし、ひく抵抗ていこうられる。

溶融ようゆう必要ひつようとしないため完全かんぜん常温じょうおん状態じょうたいでの実装じっそう可能かのうで、また、ソケットのようにはずすことも可能かのうで、実装じっそうサイズのコネクター接続せつぞく可能かのうにしている。

アイデアとして1990ねんだいから提唱ていしょうされていたが、ゴムはねつ膨張ぼうちょうきわめておおきく、表面ひょうめんしるべでん金属きんぞくまく破壊はかいすることから実現じつげん不可能ふかのうとされてきたが、サッカーボールのようにゴム球体きゅうたい表面ひょうめんねつ膨張ぼうちょうおさえられる だけのあつポリイミド外層がいそう形成けいせいしてゴムのねつ膨張ぼうちょう抑制よくせいし、そのうえみちびけでん金属きんぞくそう形成けいせいすることで破損はそんしない構造こうぞうとなっている。

ねつよわセンサー実装じっそう良好りょうこう高周波こうしゅうは特性とくせいからきむスタッドバンプの代替だいたい取外とりはず可能かのう構造こうぞう、マイクロコネクターの小型こがた高性能こうせいのうへの応用おうよう期待きたいされている。

LGA (Land grid array)

[編集へんしゅう]
LGA

BGAのはんだボールのわりに平面へいめん電極でんきょくパッドを格子こうしじょうならべたもの。 BGAと同様どうようにリフローはんだけで使つかわれる。 またBGAとことなりソケットによる実装じっそう可能かのうで、剣山けんざんがた電極でんきょくけるようにして装着そうちゃくする専用せんようソケットをもちいる場合ばあいもある。 べいインテルしゃ多様たようなCPUようLGA775、LGA115xけいLGA1156LGA1155LGA1150LGA1151)、LGA1200LGA1700LGA1366LGA2011、や、AMDOpteronようSocket FRyzen ThreadripperようSocket TR4IBMPOWERプロセッサ、NECSX-8といった交換こうかん想定そうていされているおおくのマイクロプロセッサに採用さいようされている。

挿抜あつしょうじないのでピン接続せつぞくき、めん接触せっしょくであるので異物いぶつ介在かいざいしないかぎたか電力でんりょく密度みつどたもたれ、構造こうぞう単純たんじゅんなので物理ぶつりてき強度きょうどたかいなどが最先端さいせんたんCPUに採用さいようされている理由りゆうであるが、接触せっしょく抵抗ていこうひくおさえて微小びしょう異物いぶつ程度ていど影響えいきょうけるために、あつきんメッキそう必要ひつようになりコストだかとなる。

LLCC (Lead less chip carrier)

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Leadless Chip Carrierパッケージのれい

セラミック表面ひょうめん電極でんきょくパッドをもうけ、リードせんさないパッケージ。インテルの80286などで使つかわれた。QFN (Quad flat no lead package) ともばれる[ちゅう 23]

TCP (Tape carrier package)

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テープ・キャリア・パッケージは、ダイをキャリアテープとばれるテープじょう樹脂じゅしフィルムにけたものである。チップはキャリアテープ中央ちゅうおうのデバイス・ホールに位置いちして、周囲しゅういからは接続せつぞくせんであるほそいインナーリードによって保持ほじされる。インナーリードは周囲しゅういひろがるにしたがってふとくなり接続せつぞくせいふといアウトリードとなってキャリアテープに固定こていされている。インナーリードとアウトリードはQFP同様どうよう四方しほうるのが一般いっぱんてきである。キャリアテープは写真しゃしんフィルムのようにスプロケット・ホールがひらいていてあつかやすくなっている。[ちゅう 24]この実装じっそう方法ほうほうをTAB(Tape Automated Bonding)と[3]

LLP (Leadless Leadframe Package)

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比較的ひかくてき小規模しょうきぼなICにもちいられるちょう小型こがた薄型うすがたのパッケージ。MSOP、TSSOP、TQFPなどよりちいさいCSPようパッケージとしてナショナル セミコンダクターにより近年きんねん[いつ?]開発かいはつされたもので、LLPという名称めいしょう同社どうしゃ登録とうろく商標しょうひょうである。プラスチックせいいたじょうのパッケージの側面そくめんから底面ていめんにかけて電極でんきょくパッドを露出ろしゅつさせたもので、SOJやQFJの小型こがたばんともLGAの小型こがたばんともえる。あつみは0.8mm以下いかで、4へん端子たんしのあるものと2へん端子たんしのあるものがあり、底面ていめん放熱ほうねつパッドをそなえる。端子たんしがパッケージのそとすこしはみすタイプのものと、端子たんしがパッケージのした完全かんぜんかくれるタイプの2しゅがある。集合しゅうごう抵抗ていこうなど受動じゅどう部品ぶひんのパッケージにも使用しようされはじめている。

DFN (Dual Flatpack No-leaded)

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LLPと構造こうぞう薄型うすがたいたじょうパッケージで、LLPと同様どうよう特徴とくちょうつCSPようパッケージ。パッケージの2へんまたは4へんにパッドをそなえ、底面ていめん放熱ほうねつパッドをつ。1へんにのみパッドのあるものもある。4へん端子たんしのあるものはQFNともばれるが、これはLLCCの別名べつめいでもあり混同こんどうけるためにすべてDFNとぶこともおおい。 LLPとの構造こうぞうじょうおおきな相違そういてんは、LLPの端子たんしパッドがあらかじめ整形せいけいされてモールドのなかまれているのにたいし、DFN/QFNではSOJのように側面そくめんからしたいたじょう端子たんし内側うちがわげてパッドとしているてんである[ちゅう 25]。 LLPが基本きほんてきにナショナルセミコンダクターしゃ製品せいひんのみで使つかわれるのとことなり、DFNはおおくの半導体はんどうたいメーカーでひろ使つかわれている。あつみは0.75mmが標準ひょうじゅんだが、より薄型うすがたされたものもある。DFNとLLPのランドパターンは互換ごかんせいがある場合ばあいおおく、一部いちぶのものはJEDEC規格きかくおなじとされているが、DFNのピンすうおおいものや小型こがたサイズのものはJEDECの規格きかくがいのものがおおく、互換ごかんせいがない場合ばあいおおい。 DFNはおおくのメーカーで使つかわれているため、LLPとくらべてサイズ・端子たんしのバリエーションが非常ひじょうおおい。

COB(チップ・オン・ボード, Chip on board)は、ベア・チップをワイヤ・ボンディングもしくはフリップチップボンディングによってプリント基板きばんじょう直接ちょくせつ実装じっそうする方法ほうほうである。アンダーフィリングはおこなわれる場合ばあいと、そうでない場合ばあいがある。しゅとしてセンサーるいいち実装じっそうにおいてもちいられる。

COF(チップ・オン・フィルムまたはチップ・オン・フレックス, Chip on film, Chip on flex)は、COBの実装じっそう対象たいしょう硬質こうしつのリジット基板きばんから、うす柔軟じゅうなんなフレキシブル基板きばんえ、ベア・チップをフレキシブル基板きばんにフリップチップボンディングにて実装じっそうしたものである。おも液晶えきしょうドライバの接続せつぞくもちいられる。

COG(チップ・オン・グラス, Chip on Glass)は、COFの実装じっそう対象たいしょうをフィルム基板きばんからガラス基板きばんえ、フリップチップボンディングによって直接ちょくせつ実装じっそうしたものである。かつてはワイヤボンディングももちいられた。携帯けいたい電話でんわなどの小型こがた液晶えきしょう表示ひょうじようガラス基板きばんにドライバICを実装じっそうするのに使用しようされる。

WLCSP (Wafer Level Chip Scale Package)

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ボンディング・ワイヤーによる内部ないぶ配線はいせんおこなわず、半導体はんどうたい一部いちぶ露出ろしゅつしたままの、プリント基板きばんじょう単体たんたいこう集積しゅうせき半導体はんどうたい表面ひょうめん実装じっそうするとき最小限さいしょうげん占有せんゆう面積めんせきませられる半導体はんどうたいパッケージだが、面積めんせきちいさいので端子たんしかずには限界げんかいがあり、最近さいきんでは、FOWLP区別くべつするためにFIWLPFan In Wafer Level Package)ともばれる[4]

FOWLP (Fan Out Wafer Level Package)

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チップの端子たんしから配線はいせんさい配線はいせんそう半導体はんどうたい工程こうていつくり、外部がいぶ端子たんしにつなげる。パッケージの面積めんせき半導体はんどうたいチップ面積めんせきよりおおきく、チップの外側そとがわまで端子たんしひろげること(fan out)ができるのでチップ面積めんせきくらべて端子たんしすうおお用途ようとでも採用さいようできる[4]

関連かんれん用語ようご

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リードフォーミング

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リードフォーミングとは、実装じっそうする基板きばんてきした形状けいじょうにリードをげる加工かこうのこと。おも個別こべつ部品ぶひんのリード挿入そうにゅうがた部品ぶひんたいしておこなう。リードフォーミングが必要ひつよう場合ばあい部品ぶひんのメーカーがわ需要じゅようしゃ要求ようきゅうわせて加工かこうして納入のうにゅうすることもおおいが、需要じゅようしゃがわでフォーミングマシンを用意よういして加工かこうすることもある。部品ぶひんパッケージの製造せいぞう工程こうてい端子たんしげる作業さぎょうして使つかうこともある。

インターポーザーを使用しようしたCSP
リードフレームを使用しようしたCSP
LLPはうえ構造こうぞう、DFNはした構造こうぞうである。

フリップ・チップ接続せつぞく

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フリップ・チップ接続せつぞく(Flip chip bonding)とは、ダイをパッケージに実装じっそうする方法ほうほうの1つで、ワイヤーボンディングとリードフレームをもちいず、ダイの底面ていめんにあらかじめ形成けいせいしておいた接点せってんをインターポーザーに直接ちょくせつはんだけするもの。製造せいぞう方式ほうしきとして、ダイの配線はいせんそうめん接続せつぞくパッドにあらかじめはんだボールによるバンプをけておき、チップを裏返うらがえして基板きばん実装じっそうする、IBM開発かいはつしたC4(Controlled Collapse Chip Connection)方式ほうしき[5]と、ワイヤー・ボンディングようきむせんでボンディング・ボールのみをダイの接続せつぞくパッドに残置ざんちしておくかねバンプ方式ほうしきがある。C4方式ほうしきでは半田はんだボールとのあいだにアルミさい配線はいせんそうやチタンやプラチナによるバリアメタルそう必要ひつようとなりだかコストであるため、きむバンプ方式ほうしき一般いっぱんてきである。いずれもアンダー・フィルざい基板きばんとダイのあいだめて固定こていする[6][ちゅう 26]

CSP(Chip size package)は、内蔵ないぞうする半導体はんどうたいチップとおなじかすこおおきめ程度ていどちょう小型こがたパッケージの総称そうしょうである。ダイをリードフレームまたはインターポーザー (Interposer) に実装じっそうし、ワイヤ・ボンディングかフリップチップによって接続せつぞくする。端子たんしはインターポーザーがたではBGALGAおおく、リードフレームがたではLLP、DFNが使つかわれる。端子たんし間隔かんかくが0.8 mm以下いかのBGA形状けいじょうかLGA形状けいじょうのものはJEITAのパッケージ名称めいしょうのFPGAかFLGAに分類ぶんるいされる。また、BGAのものは、JEDECのパッケージ名称めいしょうではDSB (Die size BGA) に分類ぶんるいされる。

ウエハーレベルCSP

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ウエハーレベルCSP (Wafer level CSP) とは、ダイをけるまえのウエハーの状態じょうたい保護ほごまく端子たんし配線はいせん加工かこうおこない、その方式ほうしきつくられるCSP。

チップ・オン・テープ (Chip on tape, COT) は、ベア・チップの供給きょうきゅう方法ほうほうの1つであり、チップがテープに連続れんぞくしてけられ、リールにられた形態けいたい需要じゅようしゃ供給きょうきゅうされる。テープアンドリールのベア・チップばんである。

KGD(Known Good Die)とは、パッケージされていないダイの状態じょうたい検査けんさされ良品りょうひん判定はんていされた中間ちゅうかん製品せいひんである。通常つうじょうはパッケージおこなわれるバーンインといった出荷しゅっか検査けんさ合格ごうかくした良品りょうひんであること保証ほしょうされているダイであり、おもにMCMようやSiPよう必要ひつようとされる。

MCP(Multi Chip Package)は、複数ふくすうのベアチップを1つのパッケージない封入ふうにゅうし、内部ないぶ配線はいせん接続せつぞくしたものの総称そうしょうである。内部ないぶかさねられている場合ばあいならべられている場合ばあいがある。かさねる場合ばあいには放熱ほうねつ留意りゅういされ、パッケージの薄型うすがたもとめられるものではダイを通常つうじょうよりおおくバックグラインドしてメーカーによってはかさねられたもののみを場合ばあいがある。パッケージとしては通常つうじょうのBGAやQFPなどのかたちをとるため、外観がいかんからはMCPであるかどうかの見分みわけが困難こんなんなものがおおい。

MCM(Multi Chip Module)は、複数ふくすうのベアチップを1つのパッケージない封入ふうにゅうし、内部ないぶ配線はいせん接続せつぞくしたもの。MCPの一種いっしゅであるが、おもにベアチップを2次元じげんてき配置はいちしボンディングワイヤーでチップ同士どうし配線はいせんしたものをす。パッケージサイズ/コストのめんで3次元じげん構造こうぞうほう優位ゆういとされる。

車載しゃさい回路かいろRF回路かいろなどの信頼しんらいせいたい熱性ねっせいもとめられる分野ぶんやでは、セラミックス基板きばんじょうにベアチップや受動じゅどう素子そし配置はいちしたものもある。アナログ回路かいろおもである従来じゅうらいのハイブリッドICとばれていたものに、ベースバンド処理しょりやMCUとう比較的ひかくてき規模きぼおおきいディジタル回路かいろチップをセラミック基板きばんじょう混載こんさいしたものである。[ちゅう 27]

SiP(System in Package)は、構造こうぞうとしてMCPとほぼ同義どうぎのものである。コンピュータシステムをれいにとれば、従来じゅうらいはCPUやRAM/ROMなどをプリント基板きばんじょう個別こべつ実装じっそうしていたのにたいし、1つのパッケージない複数ふくすうのベアチップを内蔵ないぞうしバンプなどにより結線けっせんおこなうものであり、システム全体ぜんたいを1つのパッケージにおさめたものという意味いみである。MCMとことなり3次元じげんてきにベアチップをかさねた構造こうぞうすことがおおい。積層せきそう配置はいちは、ダイを貫通かんつうするビアつくらなくてはならない、ダイ裏面りめんうす研磨けんま加工かこうしなければならない、こう発熱はつねつのチップを混載こんさいすることができないなど、技術ぎじゅつてきやコストてき制約せいやくおおい。そのため、MCMとSiPのそれぞれの特性とくせいかした、サブストレート基板きばんにベアチップを水平すいへい配置はいちする妥協だきょうあんともえる実装じっそうおおい。

PoP
A:SoCチップ B:フラッシュ・メモリー・チップ
1.インターポーザー/サブストレート 2.はんだボール 3.基板きばん
PiP

PoP (パッケージ・オン・パッケージ, Package on Package) とは複数ふくすうのサブパッケージを積層せきそうして基板きばんじょう実装じっそうすること。普通ふつうはインターポーザーを使用しようしたサブパッケージあいだをはんだボールによって接続せつぞくされる。実装じっそう面積めんせきらすとともに配線はいせんちょう短縮たんしゅくでき、KGDも検査けんさできる。

PiP (パッケージ・イン・パッケージ, Packege in Package) とはPoPがどう方向ほうこう積層せきそうするのにたいして、下層かそうのサブパッケージを上下じょうげ反対はんたいけたもの。たとえばマイクロコントローラーとSRAMを1つのICにする場合ばあい、SRAMを上下じょうげ反対はんたい(ハンダめんうえく)にしてそのうえにインターポーザーをかいしてマイクロコントローラーをせる。パッケージのなか両面りょうめん基板きばんはいっているような形態けいたいになる。PoPよりパッケージのピンをらせるメリットがあるが、下層かそうのサブパッケージに基板きばんから直接ちょくせつ電源でんげん供給きょうきゅうできない。

インターポーザー

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インターポーザをもちいたパッケージれい(FC-PGA)

インターポーザー(Interposer)は上面うわつらにベア・チップを搭載とうさい下面かめん端子たんしそなえるプリント基板きばん従来じゅうらいのリードフレームとモールドの役割やくわりねる。サブストレートともばれ、おもにマイクロプロセッサやチップセットでこの呼称こしょう使つかわれる[ちゅう 28]

リード・フレーム

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リード・フレーム(Lead frame)とはDIPパッケージなどのインターポーザを使用しようしないパッケージでリード端子たんしとダイの保持ほじおこなう金属きんぞくいたまたは金属きんぞくせんあつまりのこと。ダイの保持ほじ部分ぶぶんはグランド端子たんし担当たんとうする[7]

ウインドウ

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ウインドウ (Window) とはパッケージにまどいているもの。JEITAでは「D」で、JEDECでは「C」であらわされる。

シュリンク・ピッチ

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シュリンク・ピッチ(Shrink pitch)とはJEITAとJEDECの分類ぶんるいの1つで、DIP、ZIP、PGA、SOPのパッケージで端子たんし間隔かんかく基本きほんのものよりせまいものをさす。SDIPは1.775 mm、SZIPは1.775 mmまたは1.25 mm、SPGAは1.27 mm、SSOPは1.00、0.80、0.65、0.50、0.40 mmをそれぞれしめす。「S」であらわされる。

ファインピッチ・パッケージ

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ファインピッチ・パッケージとはJEDECとJEITAのパッケージ分類ぶんるいの1つで、BGAとLGAで端子たんし間隔かんかくが0.8 mm以下いかのもの、またはQFPで端子たんし間隔かんかくが0.5 mm以下いかのものをす。記号きごう「F」であらわし、該当がいとうひんはそれぞれFBGA、FLGA、FQFPと分類ぶんるいされる。

ウルトラ・ファインピッチ・パッケージ

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ウルトラ・ファインピッチ・パッケージ (Ultra fine pitch package) はJEITAとJEDECの分類ぶんるいの1つで、端子たんし間隔かんかくが0.25 mm以下いかのパッケージのこと。

ベリー・シン・パッケージ

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ベリー・シン・パッケージ(Very thin package)はJEITAとJEDECの分類ぶんるいの1つで、パッケージの基板きばんじょうでのたかさが0.80 mm以上いじょう1.00 mm以下いかのパッケージのこと。

ベリー・ベリー・シン・パッケージ

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ベリー・ベリー・シン・パッケージ(Very-very thin package)はJEITAとJEDECの分類ぶんるいの1つで、パッケージの基板きばんじょうでのたかさが0.65 mm以上いじょう0.80 mm以下いかのパッケージのこと。

ウルトラ・シン・パッケージ
ウルトラ・シン・パッケージ (Ultra thin package) はJEITAとJEDECの分類ぶんるいの1つで、パッケージの基板きばんじょうでのたかさが0.50mm以上いじょう0.65mm以下いかのパッケージのこと。「U」であらわされる。

エクストリームリイ・シン・パッケージ

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エクストリームリイ・シン・パッケージ(Extremely thin package)はJEITAとJEDECの分類ぶんるいの1つで、パッケージの基板きばんじょうでのたかさが0.50 mm以下いかのパッケージのこと。「X」であらわされる。

スタックト・パッケージ

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CSPのようなダイにちかいサイズで複数ふくすうのダイを積層せきそう(スタック)することで実装じっそう面積めんせきとパッケージ容積ようせき極限きょくげんまでらそうとしたもの。フリップ・チップやCSPで使用しようされている技術ぎじゅつ応用おうようすることで、いくそうものダイ同士どうし積層せきそうして上下じょうげあいだはTSVやワイヤ・ボンディングで結線けっせんする。ダイサイズよりかなりおおきくなるが、TBGAを積層せきそうすることでも実現じつげんできる。

ハンダ・ボール

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BGAやフリップ・チップでの接続せつぞく微小びしょう半球はんきゅうじょうはんだ使つかわれる。欧州おうしゅうでのRoHSによるなまり規制きせいは、無鉛むえんハンダ使用しようもとめられるようになっている。

バンパー

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バンパーをつQFPパッケージのれい

QFPパッケージなどの端子たんしがりやすいパッケージの四隅よすみけられた端子たんし保護ほごのためのツノじょう部分ぶぶん普通ふつう本体ほんたいおなじくモールド樹脂じゅしつくられる。バンプともばれる。

フライング・リード

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TAB技術ぎじゅつなどでチッブと接続せつぞくするのにインナーリードがえがいている部分ぶぶん

その

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部品ぶひん内蔵ないぞうプリント基板きばん

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多層たそうプリント基板きばん製造せいぞう過程かてい基板きばん内部ないぶ電子でんし部品ぶひん部品ぶひん内蔵ないぞうプリント基板きばん[3]使用しようひろがっている。まれる電子でんし部品ぶひんはプリント基板きばん配線はいせんそうあいだ樹脂じゅしないめられ、はんだけやめっきで部品ぶひん端子たんし配線はいせんパターンが接続せつぞくされる。電子でんし機器きき回路かいろ基板きばんとして使用しようされるが、電子でんし部品ぶひんとくにICのパッケージングとして使用しようし、ある程度ていど回路かいろをモジュールしたSiP(System In Package)の基板きばんとして使つかわれることがおおい。


脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 高機能こうきのうなデジタル半導体はんどうたいおおくが良好りょうこう放熱ほうねつ必要ひつようとしており、それらのパッケージは多数たすう接続せつぞく端子たんしそなえたりヒートスプレッダを内蔵ないぞうしたりして、放熱ほうねつ特性とくせい向上こうじょうはかられている。また、電力でんりょく制御せいぎょよう半導体はんどうたい素子そしこう輝度きど照明しょうめいようLED素子そしなどでは、放熱ほうねつばんへのけを前提ぜんていとしたねじあなきがそなわっている。
  2. ^ はんだにふくまれるなまり環境かんきょう問題もんだいとなるためなまりフリーはんだもとめられ、その電子でんし部品ぶひん特有とくゆう有害ゆうがい物質ぶっしつ排除はいじょ削減さくげんもとめられている。
  3. ^ 特殊とくしゅ課題かだいとしては、微細びさいしたデジタル半導体はんどうたいなかにはパッケージちゅう放射ほうしゃせい物質ぶっしつから放射ほうしゃされる中性子ちゅうせいしによってソフトエラー英語えいごばんこすため、この削減さくげんのためにパッケージ材料ざいりょう純度じゅんどげることで放射ほうしゃせい物質ぶっしつ排除はいじょもとめられる。
  4. ^ たとえば表面ひょうめん実装じっそうようアルミ電解でんかいコンデンサは、挿入そうにゅうようのアルミ電解でんかいコンデンサのリードをみじかって断面だんめんひらたくなるようにつぶし、台座だいざとおしてリードを内側うちがわげたものが一般いっぱんてきである。
  5. ^ トランジスタなどで鉄製てつせい端子たんし使つかわれることもあった。
  6. ^ このため、放熱ほうねつけるときは絶縁ぜつえんする必要ひつようがあり、かくパッケージよう絶縁ぜつえんシートが市販しはんされている。
  7. ^ 金属きんぞくかんパッケージと同様どうよう絶縁ぜつえん必要ひつようがあるが、放熱ほうねつせい犠牲ぎせいにして金属きんぞくばんをプラスチックでおおって絶縁ぜつえんしてあるものもあり、これはフルモールドがたという。
  8. ^ タンタル電解でんかいコンデンサやマイカコンデンサとうのパッケージにも「ディップ」とばれるものがあるが、これは樹脂じゅしに「けた(dip)」パッケージという意味いみで、ICのDIPパッケージとはまった関係かんけいない。また、半導体はんどうたいのDIPとおなじような形状けいじょうの「DIPスイッチ」(ディップスイッチ)というものがあるが、こちらは半導体はんどうたいパッケージのDIPに由来ゆらいする。
  9. ^ 過去かこには"DIL"ともばれたことがあり、その外形がいけいからいまでも俗称ぞくしょうとして「ムカデ」や「ゲジゲジ」とばれる。
  10. ^ 一般いっぱんTTLばれるDIP形状けいじょう半導体はんどうたい製品せいひん端子たんし間隔かんかくは、米国べいこく軍用ぐんよう規格きかく由来ゆらいする"mil"(ミル)とばれる1000ぶんの1インチのながさを基準きじゅんさだめられた経緯けいいがあり、一般いっぱんてきなDIPでの最小さいしょう端子たんし間隔かんかくは100mil=2.54mm、2れつ間隔かんかくは300mil=7.62mmであった。21世紀せいき今日きょうではデジタル半導体はんどうたい接続せつぞく端子たんしすうえ、基板きばんじょうでの占有せんゆう面積めんせきちいさくするためにピン間隔かんかくせまくなる傾向けいこうがある。ピン間隔かんかくが2.54mmというデジタル半導体はんどうたいのパッケージは試作しさく用途ようとのぞいて徐々じょじょ市場いちばから姿すがたしつつある。
  11. ^ パッドを上面うわつら底面ていめんしたトップブレイズドDIP、ボトムブレイズドDIPも存在そんざいするが、現在げんざいでは非常ひじょうにまれな存在そんざいである。
  12. ^ C-DIPと表現ひょうげんされている場合ばあい、ほとんどがセラミック・ディップではなくサー・ディップである。
  13. ^ パッケージ素材そざいとしてのセラミックはプラスチックにくらべて、いまでも放熱ほうねつせいもとめられる製品せいひん使用しようされることがおおい。DIP形状けいじょうでセラミックの使用しよう割合わりあいっているのは、8~20ピン前後ぜんこうのICのおおくがあまり発熱はつねつしない傾向けいこうがあるためとかんがえられる。
  14. ^ P-DIPが登場とうじょうしてもしばらくは、Cer-DIPがEEPROM消去しょうきょよう紫外線しがいせん透過とうかさせる石英せきえいガラスまど上面うわつらもうけたものでは、一般いっぱんてきなパッケージだった。
  15. ^ 素材そざいがプラスチックでは出荷しゅっか使用しよう環境かんきょうこう湿度しつどであれば内部ないぶにゆっくりと水分すいぶん浸透しんとうするため、出荷しゅっか1ねんからすうねんほどで内部ないぶ金属きんぞく腐食ふしょくして機能きのうしなくなることがある。このためこうコストをいとわずこう信頼しんらいせいもとめる製品せいひんではセラミック素材そざいえらばれる。
  16. ^ DIPにかぎらずセラミックのパッケージではダイを強固きょうこにセラミックじょう固着こちゃくさせると温度おんど変化へんかによって膨張ぼうちょう縮小しゅくしょうしたときたがいの膨張ぼうちょう係数けいすうおおきくことなるためにダイがだんきれする場合ばあいがある。これはCSPでも強固きょうこなサブストレートに固着こちゃくさせると同様どうようであり、対策たいさくとしてこれらのあいだにはどう高分子こうぶんし化合かごうぶつなどの緩衝かんしょうざいれて温度おんど変化へんかによる変形へんけいめるようになっている。
  17. ^ MIL規格きかくでは「0.1インチ = 2.54mm = 100MIL」をながさの基本きほん単位たんいとしていたため、21世紀せいきはいってひろがっている微小びしょう表面ひょうめん実装じっそうよう部品ぶひんでのミリ単位たんい基準きじゅんのぞけば、デジタルICでの尺度しゃくどおおくにいまでもこの2.54mmの基準きじゅんのこっている。
  18. ^ DIPと同様どうよう発熱はつねつおおきい用途ようとには放熱ほうねつせいすぐれるCPGAが使用しようされていたが、のちにPPGAやFC-PGAにヒートスプレッダとばれる金属きんぞくせいしるべねついたくようになり、放熱ほうねつせいにおけるCPGAの優位ゆういせいうすれた。コストてきにもCPGAは不利ふりであったため、現在げんざいではCPGAはあまり使つかわれなくなったがAMDは2011ねん現在げんざいSocket_AM3などにPGAを使用しようしている
  19. ^ ピン挿入そうにゅうがたでは不可能ふかのうだった部品ぶひん両面りょうめん実装じっそう可能かのうであり、それだけでも実装じっそう密度みつど向上こうじょうする。さらに部品ぶひんとそれをせる基板きばんじょうのはんだランドがちいさいため、基板きばんじょう占有せんゆう面積めんせき(フットプリント)がちいさくできる。一般いっぱん基板きばんのコストは配線はいせんそうすう面積めんせき比例ひれいするため、表面ひょうめん実装じっそう基板きばんコストを削減さくげんし、さらに筐体きょうたいコストのようなほかのコスト削減さくげんにも寄与きよする。また、部品ぶひん接続せつぞく端子たんし小型こがた配線はいせんちょう短縮たんしゅく高周波こうしゅうは回路かいろにおける動作どうさ特性とくせい向上こうじょう寄与きよする。一方いっぽう実装じっそう過密かみつ配線はいせんはば細線さいせんすすむと、発熱はつねつ問題もんだいからとくこう消費しょうひ電力でんりょく部品ぶひん実装じっそうむずかしくなり、適切てきせつ設計せっけいをしなければ部品ぶひん寿命じゅみょうちぢ製品せいひん不良ふりょう原因げんいんとなる。また、回路かいろ故障こしょう修理しゅうり部品ぶひん交換こうかんむずかしくなる。
  20. ^ DRAMでLOCが一般いっぱんてきになったのは、16MBの世代せだいからである。
  21. ^ トレイのうつには、専用せんようのエアーピンセットを使用しようしてパッケージ本体ほんたい上面うわつらだけでげるが、それでもげてしまうことがある。
  22. ^ LQFPは1.4mm程度ていど、TQFPは1.0mm程度ていどあつみとなり、HQFPではもとのQFPと同等どうとうかよりあつい3mmきょうとなる。LQFP、TQFP、HQFPのリードピッチには 0.4、0.5、0.65mm やなかには0.80mm のものなどいくつか存在そんざいする。
  23. ^ 近年きんねんは、DFNパッケージの4へん端子たんしつタイプのものがあらたにQFNとばれるようになっている。
  24. ^ TCPは基本きほんてきにフリップチップで、シリコンとヒートシンクを直接ちょくせつ密着みっちゃくさせた最初さいしょのパッケージ形態けいたいである。
  25. ^ 例外れいがいてきにLLPとおな構造こうぞう場合ばあいもある。
  26. ^ インテルが開発かいはつしたBBUL(Bumpless build-up layer)は、それまでのC4のバンプ接続せつぞくそう省略しょうりゃくして、ダイをサブストレート基板きばん直接ちょくせつ装着そうちゃくするパッケージである。これで接続せつぞく端子たんし高密度こうみつど、20 GHz以上いじょう導通どうつう可能かのうひくインダクタンス、1 mmあつのサブストレートを実現じつげんした。
  27. ^ MCP/MCMの1しゅに、以前いぜんからハイブリッドICとばれるものがある。ハイブリッドICではICチップや多数たすう個別こべつ部品ぶひん基板きばんじょう実装じっそうしてカバーでおおったものであり、古典こてんてきなSiPともいえる電子でんし部品ぶひんである。また、フレキシブル基板きばんをサブストレートとして使用しようして、2や3またはそれ以上いじょうのダイを実装じっそうしてたたむことでCSPにちかいサイズのMCMとするものもある。この方式ほうしきではたたまえ信号しんごう接続せつぞく可能かのうなのでKGDの検査けんさおこなえ、パッケージ完成かんせいまえ良品りょうひん交換こうかん可能かのうになる。
  28. ^ インターポーザーは非常ひじょううすいプリント基板きばんきわめて多数たすうかさわせてある、周辺しゅうへんLSIとの接続せつぞくせい確保かくほする配線はいせんでもある。べいintelのLGA2011ようインターポーザーはかさわせてあるプリント基板きばんはがして1まいまいならべるとテニスコート1めんぶんにもおよこうだいかつ複雑ふくざつ回路かいろになっている。

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ 「システムLSIのできるまで」編集へんしゅう委員いいんかい編著へんちょ、『システムLSIのできるまで』、日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ、2002ねん12がつ10日とおか初版しょはん発行はっこうISBN 4526050482
  2. ^ a b c 菊池きくちただしのりちょ 『半導体はんどうたいのすべて』、日本にっぽん実業じつぎょう出版しゅっぱんしゃ、2006ねん8がつ10日とおか初版しょはん発行はっこうISBN 4534041098、166-168ぺーじ
  3. ^ a b c 沼倉ぬまくらけん、E. Jan Vardamanちょ 『半導体はんどうたいパッケージのできるまで』、日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ、2005ねん12月12にち初版しょはん1さつ発行はっこうISBN 4526055581
  4. ^ a b Apple採用さいよう業界ぎょうかい騒然そうぜん、FOWLP本格ほんかく量産りょうさん
  5. ^ 水野みずの文夫ふみお鷹野たかの致和ちょ 『半導体はんどうたいがわかるほん』 ム社むしゃ 2006ねん6がつ20日はつかだい1はんだい1さつ発行はっこう ISBN 4274202534
  6. ^ 菊地きくちただしてん監修かんしゅう 『半導体はんどうたい製造せいぞう装置そうち』 日本にっぽん実業じつぎょう出版しゅっぱんしゃ 2007ねん4がつ20日はつか初版しょはん発行はっこう ISBN 9784534042170
  7. ^ 日経にっけいエレクトロニクス 2007ねん11月26にちごう 増刊ぞうかん半導体はんどうたいパッケージ 各社かくしゃ独自どくじ名称めいしょう乱立らんりつ, 整理せいりして間違まちがいをふせぐ」 p.129-p.139

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