パラレリズム

パラレリズム（対句ついく法ほう、平行へいこう構造こうぞう、平行へいこう体たい、並行へいこう体たい、Parallelism）とは、全体ぜんたいに一定いっていのパターンを与あたえる目的もくてきで、2つ以上いじょうの文ぶんの部分ぶぶんに類似るいじの形式けいしきを与あたえることを指さす。

• In a democracy we are all equal before the law. In a dictatorship we are all equal before the police. - Millôr Fernandes

上うえの2つの文ぶんからなる一節いっせつを比較ひかくしてみると、以下いかのようなパラレルな構造こうぞうであることがわかる。

In a democracy	we are all equal before	the law.
In a dictatorship	we are all equal before	the police.

概略がいりゃく

さまざまな種類しゅるいのパラレリズムは、ヘブライ語ごの聖書せいしょの詩し（Biblical poetry）の主おもとした修辞しゅうじ技法ぎほうである。事実じじつ、「parallelismus membrorum」（詩し行ぎょうなどの集団しゅうだんのパラレリズム）という言葉ことばは、Robert Lowthがその著書ちょしょ『Lectures on the Sacred Poetry of the Hebrews』（1787年ねん）の中なかで造つくった言葉ことばである。ロマーン・ヤーコブソンは、祖国そこくロシアを含ふくむ世界中せかいじゅうの詩し＝文学ぶんがく伝統でんとうの中なかの非ひ宗教しゅうきょう的てきパラレリズム研究けんきゅうを開拓かいたくした。

漢詩かんしも最初さいしょ期き以来いらいパラレリズム（対偶たいぐう、対句ついく）を使つかっている。対句ついくの中なかで、その内容ないようや、品詞ひんしが釣つり合あっている必要ひつようがあるだけでなく、声調せいちょうもお互たがいに対たいになっていなければならなかった。平声ひょうしょうは仄声と対たいになり、その逆ぎゃくに仄声は平声ひょうしょうと対たいになる（詳細しょうさいは対句ついく、平仄ひょうそくを参照さんしょう）。

例れい

他たには、以下いかのような例れいがある。

• Veni, vidi, vici（来きた、見みた、勝かった） - ガイウス・ユリウス・カエサル
• The inherent vice of capitalism is the unequal sharing of blessing; the inherent virtue of socialism is the equal sharing of miseries. - ウィンストン・チャーチル
• 上手じょうずは目め利きかずの心しんに相あい叶かのうふことかたし。下手へたは目利めききの眼めに合あいふことなし。 - 世阿弥ぜあみ『風姿ふうし花はな伝でん』

関連かんれん項目こうもく

• 修辞しゅうじ技法ぎほう
• 交錯こうさく配列はいれつ法ほう