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フリーエージェント (プロスポーツ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

プロスポーツにおけるフリーエージェント(Free Agent)とは、所属しょぞくチームとの契約けいやく解消かいしょうし、チームと自由じゆう契約けいやくむすぶことができる状態じょうたい、あるいはそのスポーツ選手せんしゅのことをす。FAりゃくす。

広義こうぎには自由じゆう契約けいやく選手せんしゅすが、近年きんねん狭義きょうぎとして特別とくべつ自由じゆう移籍いせき権利けんり選手せんしゅ言葉ことばとして使つかわれる。また、制限せいげんフリーエージェント(Unrestricted Free Agents、略称りゃくしょうUFA)と制限せいげんきフリーエージェント(Restricted Free Agents、略称りゃくしょうRFA)の2種類しゅるい存在そんざいし、かくスポーツやリーグによってはUFAのみの場合ばあいと、両方りょうほう併存へいそんする場合ばあいがある。

概要がいよう

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北米ほくべいプロスポーツにおいてフリーエージェント制度せいど誕生たんじょうした背景はいけいには、19世紀せいきから保留ほりゅう制度せいどもとづく条項じょうこう (Reserve Clause) によって選手せんしゅがわ自由じゆう意志いしによる移籍いせききびしく制限せいげんされていた事実じじつがある。これは、かつてシーズンちゅう選手せんしゅ自由じゆう意志いしによる移籍いせき横行おうこうし、流出りゅうしゅつ過多かたともな戦力せんりょく均衡きんこう発生はっせいによってファンばなれがこり、興行こうぎょうりたなくなる状況じょうきょうおちいったことをけ、オーナーたちのあいだきおいぎょう避止協定きょうていむすばれたことに由来ゆらいする[1]

のち保留ほりゅう条項じょうこう強化きょうかされ、選手せんしゅ契約けいやく期間きかん満了まんりょうもチームがわ保留ほりゅうけん選手せんしゅ保有ほゆうけん留保りゅうほされ、選手せんしゅがわ国内外こくないがいわずチームとの移籍いせき交渉こうしょうができない)がみとめられるようになると、選手せんしゅ目的もくてきなどにともな年俸ねんぽう高騰こうとう抑制よくせいされたが、一方いっぽう選手せんしゅ移籍いせきする手段しゅだんはチームが保留ほりゅうけん放棄ほうきする(自由じゆう契約けいやく)、チームあいだによる保留ほりゅうけん取引とりひきトレード)、あるいは条項じょうこう効力こうりょくおよばないほか競技きょうぎ団体だんたいへの移籍いせきかぎられることになった。この結果けっか選手せんしゅは「奴隷どれい条項じょうこう[1]」ともしょうされたこの保留ほりゅう条項じょうこうのもと特定とくていのチームに拘束こうそくされつづけ、不利ふり立場たちばでの契約けいやく交渉こうしょういられ、あるいはもののように取引とりひきされる状況じょうきょうながきにわたってつづいたことから、選手せんしゅたちは制度せいど撤廃てっぱい改善かいぜんうったえ、幾多いくた司法しほう判断はんだん労使ろうし交渉こうしょうて、1976ねんにまずMLBNBAでフリーエージェントの権利けんりることになる[2]

一方いっぽう保留ほりゅう制度せいど一定いってい妥当だとうせいみとめる意見いけんすくなからず存在そんざいし、選手せんしゅ獲得かくとく育成いくせいついやされた資金しきん回収かいしゅうや、あたらしい戦力せんりょく補充ほじゅう育成いくせいなどを考慮こうりょれて、権利けんり獲得かくとくまでの期間きかん移籍いせきともな補償ほしょうなどが設定せっていされている場合ばあいもある。

制限せいげんフリーエージェントと制限せいげんきフリーエージェント

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制限せいげんきフリーエージェント (RFA) とは、どのチームとも契約けいやく交渉こうしょうおこなうことはできるが、もと所属しょぞくチームが一定いってい条件じょうけんのもとで優先ゆうせんてき選手せんしゅめできたり、チーム移籍いせきもと所属しょぞくチームが補償ほしょうとしてドラフト指名しめいけん移籍いせききんなどをられるようなルールがされている選手せんしゅ、または選手せんしゅ状態じょうたいす。

制限せいげんフリーエージェント (UFA) とは、上記じょうきのような特別とくべつ制限せいげん移籍いせき補償ほしょうもなく、どのチームとも自由じゆう交渉こうしょうあらたな契約けいやくむすぶことができる選手せんしゅ、または選手せんしゅ状態じょうたいす。チームから解雇かいこされた選手せんしゅ契約けいやく期間きかん満了まんりょうした選手せんしゅ、ドラフトで指名しめいされなかった選手せんしゅなどが該当がいとうする。

北米ほくべいのメジャースポーツのうち、NFL・NBAではRFAとUFAが明確めいかくされており、たんに「フリーエージェント」と場合ばあい通常つうじょうはUFAをす。

日本にっぽんにおいては、フリーエージェント=RFA、自由じゆう契約けいやく=UFA、とほぼみなされる。

メジャーリーグベースボール

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レギュラーシーズンちゅうにMLBのアクティブ・ロースター負傷ふしょうしゃリストなど各種かくしゅ出場しゅつじょう停止ていしリスト登録とうろくちゅう期間きかんふくむ)に登録とうろくされていた日数にっすうえい: Major League Service time , 以下いかMLS)が6.000(通算つうさん6ねん)にたっした選手せんしゅはFAけん取得しゅとくし、以降いこう保留ほりゅう制度せいどしばられることがくなる[3][4]。FA選手せんしゅはMLB選手せんしゅかいから公示こうじされ、ワールドシリーズ終了しゅうりょう翌日よくじつから5にちぜん球団きゅうだんとの契約けいやく可能かのうとなる(それまでの5日間にちかん[5]は、ぜん所属しょぞく球団きゅうだんとのさい契約けいやくのみ可能かのう)。

以上いじょう規定きていにより、チーム不動ふどう主力しゅりょくとなりうる若手わかて有望ゆうぼう選手せんしゅ(トッププロスペクト)について、おおくの球団きゅうだんはシーズン開幕かいまくから一定いってい期間きかんぎた時期じきにメジャーデビュー(アクティブ・ロースターり)させていた。これは、デビューをすこおくらせることで6ねん終了しゅうりょうにMLSが6.000に到達とうたつしないよう操作そうさし、実働じつどう7ねん終了しゅうりょうまで保留ほりゅうけんをキープしようとする思惑おもわくがある[6][7]

また、40にんわく登録とうろくされていない期間きかんが7ねん(19さい以上いじょう契約けいやくした選手せんしゅは6ねん)にたっした選手せんしゅも「マイナーリーグFA」となり、シーズン終了しゅうりょう自由じゆう交渉こうしょうによる契約けいやく可能かのうとなる[4]。マイナーリーグFAとなった選手せんしゅとメジャー契約けいやく[8]してもかまわないため、マイナーリーグでのごろしをふせ役割やくわりたしている。

MLBでうフリーエージェントの意味いみは、日本にっぽんプロ野球やきゅう (NPB) のそれとはことなる。契約けいやく期間きかん満了まんりょうした選手せんしゅ契約けいやく延長えんちょうオプションやマイナー契約けいやくみずか拒否きょひして自由じゆう契約けいやくとなった選手せんしゅ球団きゅうだんから契約けいやく解除かいじょされた選手せんしゅ、MLB球団きゅうだん自由じゆう獲得かくとく可能かのうなアマチュア選手せんしゅ、これらすべてが『FA(フリーエージェント)』選手せんしゅ表現ひょうげんされる(そもそも「Free Agent」を日本語にほんごやくしたものが「自由じゆう契約けいやく」である)。また、FAけん取得しゅとく条件じょうけんたした選手せんしゅ自動的じどうてき権利けんり行使こうしとなることから、NPBでみられる「たFAけん行使こうししない選手せんしゅ」は皆無かいむである[9]ほか、一度いちどFAけん取得しゅとくした選手せんしゅ以降いこう権利けんりさい取得しゅとく必要ひつようがない(契約けいやく終了しゅうりょうのたびに自動的じどうてきにFAとなる)。このため、シーズンオフのFA市場いちば非常ひじょう活発かっぱつである。

くわえてシーズンちゅうでも例年れいねん近々ちかぢかにFAとなる選手せんしゅ中心ちゅうしんとした、おおくのトレードが成立せいりつしている。ポストシーズン出場しゅつじょう見据みすえるチームは戦力せんりょくさら充実じゅうじつさせるため、下位かいしずむチームから主力しゅりょくきゅう選手せんしゅきをトレード・デッドラインぎりぎりまで画策かくさくし、下位かいチームは見返みかえりに若手わかて有望ゆうぼう選手せんしゅ金銭きんせんなどを獲得かくとくしている。

歴史れきし

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フリーエージェント制度せいどこりは、メジャーリーグベースボール(MLB)においてである。1975ねんモントリオール・エクスポズデーブ・マクナリー投手とうしゅロサンゼルス・ドジャースアンディ・メサースミス投手とうしゅ球団きゅうだんがわから提示ていじされた契約けいやく条件じょうけん不満ふまんち、契約けいやくしょにサインしないまま(保留ほりゅう条項じょうこう[1]したがい)どうチームで1シーズンをプレーしたのち以降いこう球団きゅうだんがわ自身じしん拘束こうそくする権利けんりはなく、球団きゅうだんとの契約けいやく交渉こうしょう自由じゆうにできる」と主張しゅちょうしたことにはじまる。1975ねん12月21にち第三者だいさんしゃ調停ちょうてい委員いいんかいによる仲裁ちゅうさいで、2人ふたりは「自由じゆう契約けいやく選手せんしゅである」という裁定さいていくだった。よく1976ねん2がつ13にちジョン・オリバー連邦れんぽう地裁ちさい判事はんじもこの裁定さいてい支持しじした。経営けいえいしゃがわ野球やきゅう選手せんしゅしばってきた制限せいげん事項じこう廃止はいしされることになり、MLB機構きこうがわMLB選手せんしゅかいとのはないの結果けっか、フリーエージェント制度せいどまれた[2]

しかし1984ねんまでは、FAけん取得しゅとくした選手せんしゅ自由じゆう意思いしでの交渉こうしょうはできず、FA選手せんしゅ対象たいしょうとして開催かいさいされる「リエントリー・ドラフト」で指名しめいされた球団きゅうだんとしか契約けいやくができなかった[10]

インターナショナルFA

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2024ねん現在げんざい、MLBドラフトで指名しめい対象たいしょうがいとなるドミニカ共和国どみにかきょうわこくベネズエラメキシコ韓国かんこく台湾たいわん日本にっぽんなどに在住ざいじゅうする16さい以上いじょうのアマチュア選手せんしゅ[11]は「International Amateur FA(インターナショナル・アマチュアFA)」選手せんしゅとしてあつかわれる[12]。MLBかく球団きゅうだんは、所定しょていまでに当該とうがい選手せんしゅたちをMLBスカウトきょく登録とうろくしたうえで、球団きゅうだんごと毎年まいとしさだめられる契約けいやくきん総計そうけい(インターナショナル・ボーナス・プール)の範囲はんいない自由じゆう獲得かくとくできるルールとなっている[13][14]

かく球団きゅうだんのボーナス・プール基本きほんがく以下いかのとおり(2024ねん現在げんざい)。なおFA補償ほしょう後述こうじゅつ)やそのペナルティで、下記かきよりも基本きほんがくげられている球団きゅうだんもある[12]

  1. 当該とうがい年度ねんどのMLBドラフトで、戦力せんりょく均衡きんこうラウンドA補完ほかん指名しめいけん球団きゅうだん:525まんドル
  2. 当該とうがい年度ねんどのMLBドラフトで、戦力せんりょく均衡きんこうラウンドB補完ほかん指名しめいけん球団きゅうだん:575まんドル
  3. 上記じょうき以外いがい球団きゅうだん:475まんドル

また、上記じょうき各国かっこくリーグでプレーする若手わかてプロ選手せんしゅ(25さい未満みまん選手せんしゅ、またはプロ経歴けいれき6ねん未満みまん選手せんしゅ)も同様どうように、インターナショナル・ボーナス・プールの範囲はんいない自由じゆう獲得かくとくできるインターナショナルFA選手せんしゅあつかいとなる。なお、25さい以上いじょうつプロ経歴けいれき6ねん以上いじょう選手せんしゅ通常つうじょうのFA選手せんしゅ同様どうよう上記じょうき規定きていにはしばられず、契約けいやくきん契約けいやく条件じょうけん制限せいげんなく交渉こうしょうおこなえる。ただし、NPBのFA制度せいどドラフト制度せいどポスティングシステムなど、各国かっこくプロリーグないでの移籍いせき制限せいげん規定きていがあればそれを尊重そんちょうする[4]

インターナショナル・ボーナス・プールでの獲得かくとく対象たいしょうとなる選手せんしゅ労使ろうし協定きょうていうえマイナー契約けいやく[8]しか締結ていけつできず、MLBドラフト指名しめい入団にゅうだんする選手せんしゅ同様どうよう、FAけん取得しゅとくまでは保留ほりゅう制度せいどしばられ、サービスタイム3ねん未満みまんあいだ年俸ねんぽう調停ちょうていけんもなく、後述こうじゅつするFA条項じょうこう契約けいやくむこともできない。ほんこう該当がいとうする契約けいやくれいとしては、大谷おおやしょうたいらがいる[13]

日本にっぽんマスメディアなどがほんこう規定きていを「25さいルール」と呼称こしょうするケースもあるが、前述ぜんじゅつのとおり、たとえ25さい以上いじょうでもプロ経歴けいれき6ねん未満みまんならばインターナショナル・ボーナス・プールでの契約けいやく対象たいしょう選手せんしゅとなるため、注意ちゅういようする[15]

契約けいやくじょう特例とくれいによるFA

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はじめてMLBと契約けいやくした選手せんしゅ前述ぜんじゅつのとおり、FAけん取得しゅとくまですくなくとも6年間ねんかんようする。しかし、特別とくべつ契約けいやく年数ねんすうれた時点じてんでFAになる条項じょうこう契約けいやく場合ばあいがある。日本にっぽんプロ野球やきゅう活躍かつやくMLBに挑戦ちょうせんするおおくの日本人にっぽんじん選手せんしゅも、そのようなFA条項じょうこうむことによってMLS6ねん条件じょうけんたさずにFAとなっている[16]。ただし、あくまで海外かいがいのプロリーグで実績じっせきのこした選手せんしゅたいする慣例かんれいにすぎず、契約けいやくにFA条項じょうこうんでいないと、原則げんそくどおりFAけんるまで最低さいていでも6年間ねんかんかかる。

このようなFA条項じょうこうんでおらず、契約けいやく満了まんりょうにFAにならなかったれいとして岡島おかじま秀樹ひできがいる[17]。また、このようなFA条項じょうこうのない契約けいやく条件じょうけん不満ふまんとして入団にゅうだんしなかったれいとして中島なかじま裕之ひろゆきがいる[18]

ノンテンダーFA(Non-tender FA)

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シーズン終了しゅうりょう、MLSが6ねん未満みまん所属しょぞく選手せんしゅたいし、期限きげん例年れいねんウインターミーティング開始かいしまえとなる12月初旬しょじゅん)までに球団きゅうだん翌年よくねんシーズンの契約けいやく年俸ねんぽう提示ていじしなかった (Non-tender) 場合ばあい球団きゅうだん保留ほりゅうけんうしないその選手せんしゅはFAとなる。これを「ノンテンダーFA」とぶ。原則げんそくMLS3ねん[19]取得しゅとくできる年俸ねんぽう調停ちょうていけん選手せんしゅは、成績せいせきにかかわらず年俸ねんぽう高騰こうとうしていく傾向けいこうにあるため、ノンテンダーは球団きゅうだんがわがコストに見合みあわない選手せんしゅとの調停ちょうてい回避かいひする目的もくてき実行じっこうするケースが大半たいはんであり、そのあらためて契約けいやく条件じょうけん交渉こうしょうおこなさい契約けいやく残留ざんりゅういた選手せんしゅもいる[20]

MLBにおけるFA補償ほしょう制度せいど仕組しく

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FAとなった選手せんしゅのMLB所属しょぞく球団きゅうだん契約けいやくした場合ばあい一部いちぶのFA移籍いせきかんしては、補償ほしょうとして流出りゅうしゅつもと球団きゅうだんドラフト指名しめいけんあたえられる。その補償ほしょう規定きていは2012ねんオフからおおきく変更へんこうされた。 2012ねん以前いぜんは、スポーツ統計とうけい専門せんもん会社かいしゃイライアス・スポーツ・ビューロー (Elias Sports Bureau) のランクけで「タイプA」「タイプB」に分類ぶんるいされたFA選手せんしゅのMLB球団きゅうだん契約けいやくし、流出りゅうしゅつもと球団きゅうだんがその選手せんしゅたいして事前じぜん年俸ねんぽう調停ちょうてい申請しんせいしていた場合ばあい選手せんしゅのタイプと獲得かくとくした球団きゅうだん順位じゅんいおうじて移籍いせきさき球団きゅうだんからドラフト指名しめいけん譲渡ゆずりわたされたり、1じゅん指名しめい(2じゅん目指もくし名前なまえ)の補完ほかん指名しめいけんあたえられていた。

クオリファイング・オファー(Qualifying Offer)

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2012ねん以降いこう選手せんしゅのタイプけは廃止はいしされ、わって補償ほしょう対象たいしょうとなるのは「所属しょぞくしていた球団きゅうだんからクオリファイング・オファー(同年どうねんのMLB年俸ねんぽう上位じょうい125選手せんしゅ平均へいきん年俸ねんぽう同額どうがくの1ねん契約けいやく)を提示ていじされた選手せんしゅ」となっている[21]。2016ねんあたらしい労使ろうし協定きょうてい締結ていけつされ[22]、2017ねん以降いこう以下いかのルールで施行しこうされる[23]

クオリファイング・オファー(以下いかQO)は、過去かこにQOを提示ていじされたことがなく[24]とうシーズンちゅう所属しょぞくチームを移籍いせきしておらず、つシーズン終了しゅうりょうにFAとなる自軍じぐん選手せんしゅたいして、球団きゅうだんがわ提示ていじする選択せんたくけんつ。前述ぜんじゅつとお契約けいやく期間きかんは1ねんのみで年俸ねんぽう固定こていであり、球団きゅうだん選手せんしゅ代理人だいりにんがわがこれらの契約けいやく条件じょうけん変更へんこうすることはできない。

球団きゅうだんがQOを提示ていじできるのは、ワールドシリーズ終了しゅうりょうから5にち以内いない選手せんしゅはQO提示ていじ期限きげんから10日とおか以内いないに、QOを受諾じゅだくして1ねん残留ざんりゅうするか、拒否きょひするかをめなければならない。拒否きょひして球団きゅうだん契約けいやくすることも、拒否きょひしたうえでFAもと球団きゅうだん無条件むじょうけん契約けいやく交渉こうしょうおこなさい契約けいやくすることも可能かのう[25]。2023ねんまでにべ131にん選手せんしゅがQOを提示ていじされたが、QOを受諾じゅだくして1ねん契約けいやく延長えんちょうしたのは下記かき選手せんしゅのみ[26][27]

QOを拒否きょひしてFAとなった選手せんしゅ翌年よくねんドラフト会議かいぎまでにのMLB球団きゅうだん契約けいやくした場合ばあい、そのドラフト会議かいぎ指名しめいけん補償ほしょう発生はっせいする。

選手せんしゅ流出りゅうしゅつもと球団きゅうだん獲得かくとくする指名しめいけん以下いかのとおり[23]

  1. ぜいたくぜい課税かぜい対象たいしょう球団きゅうだんである場合ばあい
    • 4じゅん指名しめい終了しゅうりょう直後ちょくご補完ほかん指名しめいけん
  2. ぜいたくぜい対象たいしょうがい収益しゅうえき分配ぶんぱい制度せいどでの配当はいとう対象たいしょうではない球団きゅうだん場合ばあい
  3. ぜいたくぜい対象たいしょうがい収益しゅうえき分配ぶんぱい制度せいどでの配当はいとう対象たいしょうとなる球団きゅうだんで、移籍いせきさき球団きゅうだんとの契約けいやく年俸ねんぽう総額そうがくが5000まんドル未満みまんである場合ばあい
  4. ぜいたくぜい対象たいしょうがい収益しゅうえき分配ぶんぱい制度せいどでの配当はいとう対象たいしょうとなる球団きゅうだんで、移籍いせきさき球団きゅうだんとの契約けいやく年俸ねんぽう総額そうがくが5000まんドル以上いじょうである場合ばあい
    • 1じゅん指名しめい終了しゅうりょう直後ちょくご補完ほかん指名しめいけん

選手せんしゅ獲得かくとくさき球団きゅうだん喪失そうしつする指名しめいけん以下いかのとおり[23]

  1. ぜいたくぜい課税かぜい対象たいしょう球団きゅうだんである場合ばあい
    • 保有ほゆうする指名しめいけんのうち、2番目ばんめおよび5番目ばんめたか全体ぜんたい順位じゅんい指名しめいけんくわえて「インターナショナル・ボーナス・プールの100まんドル」もうしなう。
  2. ぜいたくぜい対象たいしょうがい収益しゅうえき分配ぶんぱい制度せいどでの配当はいとう対象たいしょうではない球団きゅうだん場合ばあい
    • 保有ほゆうする指名しめいけんのうち、2番目ばんめたか指名しめいけんくわえて「インターナショナル・ボーナス・プールの50まんドル」もうしなう。
  3. ぜいたくぜい対象たいしょうがい収益しゅうえき分配ぶんぱい制度せいどでの配当はいとう対象たいしょうとなる球団きゅうだん場合ばあい
    • 保有ほゆうする指名しめいけんのうち、3番目ばんめたか指名しめいけん

2人ふたり以上いじょうのQO拒否きょひ選手せんしゅ契約けいやくした球団きゅうだんつづ上記じょうきルールが適用てきようされ、喪失そうしつした指名しめいけんつぎたか指名しめいけん喪失そうしつつづける[35]

前述ぜんじゅつとおり、選手せんしゅがわはQOを拒否きょひして複数ふくすうねん大型おおがた契約けいやく締結ていけつ目指めざ傾向けいこうつよいが、QOを拒否きょひしてFAとなったものの好条件こうじょうけんでの契約けいやくれず、最終さいしゅうてきにQOの契約けいやく条件じょうけん大幅おおはば下回したまわ金額きんがくでのしん契約けいやく甘受かんじゅしたマイク・ムスタカス(2017ねん)のようなケース[36]きている。ほか、指名しめいけん喪失そうしつきら球団きゅうだんから獲得かくとく見送みおくられたり、シーズン途中とちゅう開催かいさいされるMLBドラフト終了しゅうりょう補償ほしょう不要ふようとなる)まで契約けいやく締結ていけつがずれんだケンドリス・モラレス(2013ねん)、ダラス・カイケルおよびクレイグ・キンブレル(ともに2019ねん)のようなケースも発生はっせいしている。

日本にっぽんプロ野球やきゅう

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日本にっぽんプロバスケットボール

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日本にっぽんプロバスケットボールではbjリーグ導入どうにゅうしており、bjリーグがさだめる条件じょうけんたした選手せんしゅぜん所属しょぞく球団きゅうだんふくめていずれの球団きゅうだんとも選手せんしゅ契約けいやく締結ていけつする権利けんりった選手せんしゅをフリーエージェントとしょうし、その権利けんりあたえる制度せいどを「フリーエージェント(FA)せい」という。残留ざんりゅう前提ぜんていとしつつ移籍いせき可能かのうせいふくみもたせて権利けんり行使こうしするケースがおおいが、権利けんり行使こうしともな契約けいやく満了まんりょう解雇かいこ)にいたるケースも存在そんざいする。よって、日本にっぽんプロ野球やきゅうとはちがい、かなら雇用こようさき保障ほしょうされるわけではない。

概要がいよう

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あるシーズンのレギュラーシーズンにおいて80%以上いじょう試合しあい出場しゅつじょう選手せんしゅ登録とうろく(ベンチ登録とうろく)され、そのシーズンのかず累積るいせきで3シーズンにたっすると選手せんしゅはフリーエージェントの権利けんり発生はっせいする。ただし、出場しゅつじょう選手せんしゅ登録とうろく試合しあいすうがレギュラーシーズンの80%にたないシーズンがある場合ばあいは、それらのシーズンの出場しゅつじょう選手せんしゅ登録とうろく試合しあいすうをすべて合算がっさんし、80%にたっしたものを1シーズンとして計算けいさんされる。また、移籍いせき(トレード)された場合ばあい移籍いせきもと球団きゅうだんおよび、移籍いせきさき球団きゅうだんでの実績じっせき通算つうさんする。

レギュラーシーズン終了しゅうりょう権利けんり取得しゅとくした選手せんしゅはbjリーグによって公示こうじされ、その公示こうじされた選手せんしゅは、プレイオフ終了しゅうりょうから宣言せんげん期間きかんないドラフト会議かいぎやく1週間しゅうかんまえ)に、所属しょぞく球団きゅうだんつうじてbjリーグにFAけん行使こうし宣言せんげんしたうえ翌日よくじつより交渉こうしょう可能かのうになる(2008ねんはドラフト会議かいぎ直前ちょくぜんまでと規定きていされていた)。

FA宣言せんげん選手せんしゅとして公示こうじされた選手せんしゅのFAけんさい取得しゅとくには、残留ざんりゅう移籍いせきわず2シーズン、80%以上いじょう出場しゅつじょう選手せんしゅ登録とうろく必要ひつよう権利けんり行使こうししなかった場合ばあい翌年よくねんされる。

2009-10シーズンからは外国がいこくせき選手せんしゅかり保有ほゆうけんみとめられたため、日本人にっぽんじん選手せんしゅ同様どうようのFAけんみとめられるようになる。

FAにおける制約せいやく補償ほしょう

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一時いちじきん

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FA宣言せんげん選手せんしゅには年俸ねんぽうほかにサラリーキャップ対象たいしょうがいいちきん支払しはらいがみとめられる。前年ぜんねん基本きほん報酬ほうしゅうの50%が上限じょうげんとなる。

獲得かくとく人数にんずう

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直前ちょくぜんのシーズンまで球団きゅうだん在籍ざいせきしていたFA選手せんしゅよく年度ねんど選手せんしゅ契約けいやくむすべるのはかく球団きゅうだん10めいまでである。FA宣言せんげんまえからその球団きゅうだん所属しょぞくしていた選手せんしゅはこれにふくまれない。

移籍いせきかかわる補償ほしょう

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FA選手せんしゅ獲得かくとくした球団きゅうだんは、移籍いせきもとたいして補償ほしょうきん支払しはらう。金額きんがく移籍いせきもとでの在籍ざいせきシーズンすうもとづき算出さんしゅつされ、移籍いせきもとにおける基本きほん報酬ほうしゅう、または、移籍いせきさきでの基本きほん報酬ほうしゅう下表かひょう係数けいすうじょうじて、たかいほうの金額きんがくとする。

2008ねん一律いちりつ前年ぜんねん基本きほん報酬ほうしゅうの50%を支払しはらっていた。

在籍ざいせきシーズンすう きゅう契約けいやく しん契約けいやく
3シーズン以内いない 40% 20%
4シーズン 30% 15%
5シーズン 20% 10%
6シーズン 10% 05%
7シーズン以降いこう なし

FAけん行使こうし球団きゅうだん移籍いせきした選手せんしゅ

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とし 選手せんしゅ 移籍いせきもと 移籍いせきさき 備考びこう
2008ねん 佐藤さとうこうたけし 新潟にいがたアルビレックスBB 大分おおいたヒートデビルズ はつのFA移籍いせき選手せんしゅ
吉田よしだたいら 琉球りゅうきゅうゴールデンキングス りゅうせきクラブ(クラブ) チームから契約けいやく満了まんりょうとなったためで、事実じじつじょう解雇かいこである。
2009ねん 庄司しょうじ和広かずひろ 埼玉さいたまブロンコス 高松たかまつファイブアローズ
与那嶺よなみねつばさ 大分おおいたヒートデビルズ 琉球りゅうきゅうゴールデンキングス
2010ねん 長谷川はせがわまこと 新潟にいがたアルビレックスBB 秋田あきたノーザンハピネッツ 監督かんとく兼任けんにん
新規しんき参入さんにゅう球団きゅうだんへFA移籍いせきしたはつ選手せんしゅ
岡田おかだゆう 高松たかまつファイブアローズ 滋賀しがレイクスターズ
青木あおき勇人はやと 琉球りゅうきゅうゴールデンキングス 大分おおいたヒートデビルズ アシスタントコーチ兼任けんにん
過去かこ所属しょぞくしていた球団きゅうだんへFA移籍いせきしたはつ選手せんしゅ
小菅こすが直人なおと 新潟にいがたアルビレックスBB 琉球りゅうきゅうゴールデンキングス
清水しみずふとし志郎しろう 埼玉さいたまブロンコス 宮崎みやざきシャイニングサンズ
千々ちじがん利幸としゆき ライジング福岡ふくおか チームから契約けいやく満了まんりょうとなったためで、事実じじつじょう解雇かいこである。
2011ねん 佐藤さとうこうたけし 大分おおいたヒートデビルズ 新潟にいがたアルビレックスBB はつの2度目どめのFA移籍いせき
仲西なかにししょう 島根しまねスサノオマジック 浜松はままつひがし三河そうごフェニックス
竹田たけだ智史さとし 高松たかまつファイブアローズ 大阪おおさかエヴェッサ
まきダレンさとし 東京とうきょうアパッチ 埼玉さいたまブロンコス
2012ねん 仲摩なかまじゅんたいら 島根しまねスサノオマジック 滋賀しがレイクスターズ
清水しみずふとし志郎しろう 宮崎みやざきシャイニングサンズ 大分おおいたヒートデビルズ
波多野はたの和也かずや 滋賀しがレイクスターズ
岡田おかだゆう 京都きょうとハンナリーズ
岡田おかだ慎吾しんご 浜松はままつひがし三河そうごフェニックス 群馬ぐんまクレインサンダーズ
寺下てらしたふとしもと 埼玉さいたまブロンコス 滋賀しがレイクスターズ
仲村なかむら直人なおと 京都きょうとハンナリーズ 岩手いわてビッグブルズ チームから契約けいやく満了まんりょうとなったためで、事実じじつじょう解雇かいこである。
青木あおき康平やすひら 大阪おおさかエヴェッサ 東京とうきょうサンレーヴス
高田たかだ秀一ひでかず 高松たかまつファイブアローズ 大阪おおさかエヴェッサ
高橋たかはし憲一けんいち 仙台せんだい89ERS 岩手いわてビッグブルズ チームから契約けいやく満了まんりょうとなったためで、事実じじつじょう解雇かいこである。
2013ねん 石橋いしばし晴行はるゆき 岩手いわてビッグブルズ 大阪おおさかエヴェッサ
こもでん拓也たくや 仙台せんだい89ERS 京都きょうとハンナリーズ
日下くさかひかり
きたむかい由樹ゆき 埼玉さいたまブロンコス 青森あおもりワッツ
木村きむらみのる 横浜よこはまビー・コルセアーズ 岩手いわてビッグブルズ チームから契約けいやく満了まんりょうとなったためで、事実じじつじょう解雇かいこである。
藤原ふじわらたかしたかし 滋賀しがレイクスターズ 新潟にいがたアルビレックスBB
今野こんの翔太しょうた 大阪おおさかエヴェッサ 信州しんしゅうブレイブウォリアーズ
小淵こぶちみやび 群馬ぐんまクレインサンダーズ
与那嶺よなみねつばさ 琉球りゅうきゅうゴールデンキングス 岩手いわてビッグブルズ
2014ねん 岡田おかだ慎吾しんご 群馬ぐんまクレインサンダーズ 浜松はままつひがし三河そうごフェニックス
板倉いたくら令奈れいな 埼玉さいたまブロンコス トヨタ自動車とよたじどうしゃアルバルク東京とうきょう(NBL)
寺下てらしたふとしもと 滋賀しがレイクスターズ 和歌山わかやまトライアンズ(NBL)
寒竹かんちく隼人はやと 京都きょうとハンナリーズ 岩手いわてビッグブルズ
岡田おかだゆう 滋賀しがレイクスターズ
呉屋ごやきょう 大阪おおさかエヴェッサ 和歌山わかやまトライアンズ(NBL)
内幸うちさいわいいつき 島根しまねスサノオマジック 高松たかまつファイブアローズ
仲西なかにしあつし ライジング福岡ふくおか 岩手いわてビッグブルズ
竹野たけのあきらりん 秋田あきたノーザンハピネッツ
加納かのうただしだい 滋賀しがレイクスターズ

NBA場合ばあいのリーグとはことなりFAけん取得しゅとく年数ねんすうというシステムは存在そんざいしない。契約けいやく終了しゅうりょうやNBAのウェイバー公示こうじ手続てつづきにしたがって解雇かいこされた場合ばあい、あるいはNBAドラフト資格しかくゆうしていたにもかかわらず指名しめいされなかった選手せんしゅ総称そうしょうしてフリーエージェントとぶ。新人しんじん場合ばあい最長さいちょう4ねん新人しんじん以外いがい最長さいちょう7ねんでFAとなる。RFAあり。

制限せいげんきフリーエージェント(Restricted free agent)。 RFAの選手せんしゅは、球団きゅうだん提示ていじしたオファーシートと同額どうがく契約けいやくを、もと球団きゅうだん提示ていじした場合ばあい契約けいやく優先ゆうせんけんもと球団きゅうだんになる。もと球団きゅうだんがRFA選手せんしゅめること一般いっぱんに「マッチ(match)」とう。

選手せんしゅをRFAにするには、球団きゅうだんは6がつ30にちまでに「クオリファイング・オファー」を提示ていじする必要ひつようがある。球団きゅうだんのオファーシートにサイン、3にち以内いない所属しょぞくしていたチームがオファーシートと同額どうがく提示ていじすれば「マッチ」となり、もと球団きゅうだん選手せんしゅ契約けいやくすることになる。「マッチ」しなければ、サインした球団きゅうだん移籍いせきとなる。

ドラフト1じゅん選手せんしゅむすぶルーキー契約けいやくを4ねん終了しゅうりょうした場合ばあいの5ねん、またはリーグ所属しょぞく3ねん未満みまん選手せんしゅ制限せいげんみとめられる。

NFL場合ばあい、FAけん取得しゅとく年数ねんすう経過けいか契約けいやくれた時点じてんでフリーエージェントとなる。UFA(アンリストリクテッド(制限せいげん)フリーエージェント)・RFA(リストリクテッド(制限せいげんづけ)フリーエージェント)のほかに、球団きゅうだんがわ拒否きょひけんのある「フランチャイズタグ」「トランジションタグ」という制度せいどもある。また、契約けいやく満了まんりょうまえ契約けいやく更改こうかいをまとめたり、げん契約けいやく破棄はきしてあたらしい契約けいやくむすひとして、フリーエージェントにならないようにすることも可能かのうである。

NFLに4ねん以上いじょう在籍ざいせきするとUFAの資格しかく取得しゅとくする。契約けいやくれるとどの球団きゅうだんとも自由じゆう契約けいやくができ、それ以降いこう契約けいやくれるたびになんでもFAになる。

UFA選手せんしゅは、7がつ22にちまでは自由じゆう交渉こうしょうができる。しかし、6月1にちもと球団きゅうだんが「テンダー・オファー」を提示ていじしていて7がつ22にちまでにしん球団きゅうだん契約けいやくしなかった場合ばあい、7がつ23にち以降いこうもと球団きゅうだん独占どくせん交渉こうしょうけんつ。「テンダー・オファー」を提示ていじされていなければ、完全かんぜん自由じゆう交渉こうしょうができる。

NFLに3ねん在籍ざいせきし、チームとの契約けいやくれるとRFAの資格しかく取得しゅとくする。RFAの場合ばあいもと球団きゅうだん残留ざんりゅう実現じつげんするための権利けんりあたえられる。

まず、RFA選手せんしゅもと球団きゅうだんから「クオリファイング・オファー」という1ねん契約けいやく提示ていじされ、移籍いせきさいもと球団きゅうだんへの補償ほしょう金額きんがくまる。「クオリファイング・オファー」がない場合ばあい、その選手せんしゅはUFAとなる。

そのRFA選手せんしゅ獲得かくとく希望きぼうする球団きゅうだんの「オファー・シート」にRFA選手せんしゅがサインした場合ばあいもと球団きゅうだんは7にち以内いないに、その「オファー・シート」と同等どうとう以上いじょう契約けいやく提示ていじすることで、移籍いせき阻止そしできる。この権利けんりを「だいいち拒否きょひけん(Right of First Refusal)」とぶ。

もしそれを提示ていじせずに移籍いせき許可きょかした場合ばあい、「クオリファイング・オファー」次第しだいもと球団きゅうだん移籍いせきさき球団きゅうだんから、条件じょうけんによって順位じゅんいことなるドラフト指名しめいけんる。

RFA選手せんしゅ球団きゅうだん交渉こうしょうできるのは、NFLドラフトの8にちまえまで。所属しょぞく球団きゅうだんだいいち拒否きょひけん行使こうしする期限きげんはその1週間しゅうかん、すなわちドラフトの前日ぜんじつである。

「クオリファイング・オファー」ぶん金額きんがくは、サインまえであってもサラリーキャップに加算かさんされる。

ドラフトがいフリーエージェント

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ドラフトでリーグのどのチームにもえらばれなかった選手せんしゅ制限せいげんフリーエージェントとなり、これらの選手せんしゅはドラフトがいフリーエージェント(UDFA)またはドラフトされていないスポーツマンとされ、選択せんたくしたチームと自由じゆう署名しょめいできる。「ドラフトがいフリーエージェント」という用語ようごは、ルーキーがリーグに直接ちょくせつり、マイナーリーグシステムというものがないNFLもっと一般いっぱんてきなものである。

フランチャイズ・タグ、トランジション・タグ

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かくチームは重要じゅうようではあるが多数たすうねん契約けいやくいたっていない選手せんしゅをとりあえずめるため、一人ひとりかぎり、フランチャイズ・タグあるいはトランジション・タグをもちいることができる。

NHLでは、選手せんしゅのFAけん取得しゅとく可能かのう年齢ねんれいがあり、これまでは31さいだったが、2007-08ねんのシーズン終了しゅうりょうに27さいげられる。新人しんじん選手せんしゅ入団にゅうだん7ねん、それ以外いがいは4ねんにFAけん取得しゅとく可能かのうとなる。

RFAの場合ばあい前年ぜんねん年俸ねんぽうの75%(クオリファイング・オファー)を提示ていじすることにより、もとチームはその選手せんしゅ権利けんり保有ほゆうすることができる。契約けいやく期限きげんは12月1にちとし、この期限きげんまでに契約けいやくできなかった選手せんしゅは、どうシーズンのNHLでプレーすることはできない。

また、NHLドラフト指名しめいされていない22さい以上いじょう選手せんしゅは、どのチームともフリーエージェントとして契約けいやくすることができる。エントリーレベルではないが、RFAの資格しかくたしていない選手せんしゅは、契約けいやくれると制限せいげんきフリーエージェントになる。

FAの対象たいしょうとなる選手せんしゅは、24さい以上いじょうでMLSでのサービス期間きかんが5ねんあり、契約けいやくれているか、オプションが破棄はきされた選手せんしゅである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c 宮田みやた正樹まさき. “それは「保留ほりゅう制度せいど」からはじまった”. BIZLAW. 2020ねん2がつ4にち閲覧えつらん
  2. ^ a b ミラー, マービン. 『FAへの死闘しとうだいリーガーたちの権利けんり獲得かくとく闘争とうそう. 武田たけだかおる. スボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ. pp. 100-125. ISBN 4-583-03094-0 
  3. ^ What is a Service Time?” (英語えいご). MLB.com. 2019ねん12月4にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c Transaction Glossary” (英語えいご). Cot's Baseball Contracts. 2019ねん12月4にち閲覧えつらん
  5. ^ 2009ねんまでは15日間にちかん
  6. ^ 宇根うね夏樹なつき (2018ねん3がつ27にち). “メジャーデビュー直前ちょくぜんのプロスペクト2にん一方いっぽうは2400まんドルで契約けいやく延長えんちょう一方いっぽうは3000まんドルを却下きゃっか”. Yahoo! JAPANニュース個人こじん. 2019ねん2がつ4にち閲覧えつらん
  7. ^ これにくわえ、年俸ねんぽう調停ちょうていけん取得しゅとくを1ねんおくらせる(「スーパー2」の適用てきよう対象たいしょうからもはずす)という思惑おもわくくわわる場合ばあいもある。ルール詳細しょうさい参稼さんか報酬ほうしゅう調停ちょうていこう参照さんしょう
  8. ^ a b 40にんわくでの契約けいやく(メジャー契約けいやく)と、40にん枠外わくがいでの契約けいやくマイナー契約けいやく)では最低さいてい保証ほしょう年俸ねんぽうおおきながある。2020ねん時点じてんで、40にんわく選手せんしゅ最低さいてい保証ほしょう年俸ねんぽうは563,500ドル。マイナー契約けいやくでは10,000ドル未満みまんとなることも。Transaction Glossary” (英語えいご). Cot's Baseball Contracts. 2019ねん12月4にち閲覧えつらん / “あまりの格差かくさに3A選手せんしゅ給料きゅうりょう明細めいさい公開こうかい 年俸ねんぽうやく88まんえんべい話題わだいゆめへとちかづく一方いっぽうで…」”. Full-Count. (2019ねん10がつ9にち). https://full-count.jp/2019/10/09/post566270/ 2019ねん10がつ9にち閲覧えつらん 
  9. ^ 日本にっぽんのFA制度せいど、「宣言せんげん」は必要ひつようか。ぜん選手せんしゅ自動じどうFA、アマ選手せんしゅ入団にゅうだん交渉こうしょう改善かいぜんさくは?【小宮山こみやまさとる”. ベースボールチャンネル (2017ねん11月14にち). 2018ねん3がつ24にち閲覧えつらん
  10. ^ 菊田きくた康彦やすひこ (2023ねん11月30にち). “メジャーのFAもかつては“自由じゆう”に移籍いせきできなかった? MLBに存在そんざいした「リエントリー・ドラフト」とは” (日本語にほんご). Yahoo! Japan個人こじん. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/64782772f4e0d04ba67d7ca74cd5b4862b6c18eb 2024ねん9がつ12にち閲覧えつらん 
  11. ^ 契約けいやくに16さい以上いじょうで、つ9月1にち時点じてんまたは契約けいやく1ねんシーズン終了しゅうりょうに17さい以上いじょうとなり、過去かこ1ねん以内いない高校こうこう入学にゅうがくしていない選手せんしゅ対象たいしょう国籍こくせきわない。
  12. ^ a b International Amateur Free Agency & Bonus Pool Money” (英語えいご). MLB.com. 2024ねん1がつ17にち閲覧えつらん
  13. ^ a b 菊地きくちけいつよし (2017ねん11月18にち). 大谷おおやしょうへいがマイナー契約けいやくしかむすべなくなった背景はいけい (日本語にほんご). Yahoo! Japan個人こじん. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d0502c28047c2712907b733d1a031a77af98b389 2019ねん11月8にち閲覧えつらん  / 過去かこねんで“使つかいすぎ”カブスら契約けいやくきんたった30まんドル” (日本語にほんご). スポニチアネックス. (2016ねん12月9にち). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/12/09/kiji/K20161209013872820.html 2017ねん11月3にち閲覧えつらん 
  14. ^ 契約けいやくきんが1まんドル以下いか選手せんしゅは、ボーナス・プールを消費しょうひしない。
  15. ^ 過去かこのポスティングでのマイナー契約けいやくは?17ねんエンゼルス大谷おおやしょうたいらには「25さいルール」のかべ (日本語にほんご). 日刊にっかんスポーツ. (2024ねん1がつ12にち). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202401120000305.html 2024ねん1がつ17にち閲覧えつらん 
  16. ^ 米国べいこくおどろき!ウエーバーで青木あおきせんおやがアストロズ移籍いせき - 水次みつぎ祥子さちこの「MLB かなかった取材しゅざいノート」 - MLBコラム.日刊にっかんスポーツ.2016ねん11月7にち閲覧えつらん
  17. ^ 岡島おかじま新人しんじんあつかい、代理人だいりにん不手際ふてぎわでFAけんなし”. 日刊にっかんスポーツ (2009ねん10がつ26にち). 2014ねん2がつ7にち閲覧えつらん
  18. ^ 中島なかじま裕之ひろゆき(西武せいぶ)「ヤンキースと交渉こうしょう決裂けつれつ本当ほんとう理由りゆう”. 現代げんだいビジネス (2012ねん4がつ7にち). 2014ねん2がつ7にち閲覧えつらん
  19. ^ 「スーパー2」制度せいどによる例外れいがいあり。詳細しょうさい参稼さんか報酬ほうしゅう調停ちょうていこう参照さんしょう
  20. ^ 久保田くぼた市郎いちろう(スラッガー編集へんしゅうちょう) (2019ねん12月4にち). “なぜ25さい主力しゅりょくが“戦力せんりょくがい”に? どこよりもかりやすい「ノンテンダー」解説かいせつ (日本語にほんご). THE DIGEST. https://thedigestweb.com/baseball/detail/id=6585 2019ねん12月4にち閲覧えつらん 
  21. ^ 黒田くろだ獲得かくとくへ ドぐん本気ほんき”18おくえんオファー!大型おおがた補強ほきょうだいだん
  22. ^ “ダルビッシュのさきは?” (日本語にほんご). スポーツ報知ほうち. (2017ねん7がつ31にち). https://web.archive.org/web/20171107140912/http://www.hochi.co.jp/baseball/mlb/20170731-OHT1T50082.html 2017ねん11月3にち閲覧えつらん 
  23. ^ a b c “What is a Qualifying Offer?” (英語えいご). MLB.com. http://m.mlb.com/glossary/transactions/qualifying-offer 2017ねん11月3にち閲覧えつらん 
  24. ^ 2016ねんまではどう選手せんしゅたいしてなんでも提示ていじ可能かのう
  25. ^ MLBフリーエージェントの仕組しく”. MLB.jp (2013ねん10がつ4にち). 2013ねん12月13にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん2がつ7にち閲覧えつらん
  26. ^ マリナーズの岩隈いわくま提示ていじされたクオリファイング・オファーとは?”. ベースボールキング (2015ねん11月9にち). 2015ねん11月14にち閲覧えつらん
  27. ^ FAのアリエッタらぜん選手せんしゅともオファー拒否きょひ”. 日刊にっかんスポーツ (2017ねん11月17にち). 2017ねん11月17にち閲覧えつらん
  28. ^ だいリーグ QO回答かいとう期限きげんむかえる 岩隈いわくま、チェンら17選手せんしゅ拒否きょひ”. スポニチアネックス (2015ねん11月14にち). 2015ねん11月14にち閲覧えつらん
  29. ^ だいリーグ QO回答かいとう期限きげんむかえ2選手せんしゅ契約けいやく延長えんちょう ドジャース守護神しゅごじんらが拒否きょひ”. スポニチアネックス. 2018ねん3がつ12にち閲覧えつらん
  30. ^ “ドジャースやなぎけんがQOで合意ごうい、ハーパーらは拒否きょひ. 日刊にっかんスポーツ. (2018ねん11月13にち). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201811130000183.html 2018ねん11月13にち閲覧えつらん 
  31. ^ Mark Polishuk (2019ねん11月14にち). “7 Players Reject Qualifying Offers” (英語えいご). MLB Trade Rumors. 2019ねん11月15にち閲覧えつらん
  32. ^ 6 free agents make qualifying offer decisions” (英語えいご). MLB.com (2020ねん11月12にち). 2020ねん11月12にち閲覧えつらん
  33. ^ 13 pass on qualifying offer; Belt accepts” (英語えいご). MLB.com (2020ねん11月17にち). 2020ねん11月18にち閲覧えつらん
  34. ^ 12 players decline qualifying offer; 2 accept” (英語えいご). MLB.com (2022ねん11月16にち). 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  35. ^ たとえば1じゅん - 10じゅんかくじゅんにそれぞれ1かいずつ指名しめいけんつ、ぜいたくぜい対象たいしょう球団きゅうだん2人ふたりのQO拒否きょひ選手せんしゅとMLBドラフトまえ契約けいやくした場合ばあい1人ひとり補償ほしょうとして2じゅんおよび5じゅん指名しめいけんをまずうしない、さら2人ふたり補償ほしょうとして3じゅんと6じゅん指名しめいけんうしなう。
  36. ^ 低調ていちょうFA市場いちば悲哀ひあい…ムスタカスが18.6おくえんことわった古巣ふるすと5.9おくえんさい契約けいやく”. Full-Count. 2018ねん3がつ12にち閲覧えつらん