マカオの教育きょういく

マカオの教育きょういく（マカオのきょういく）は、マカオ特別とくべつ行政ぎょうせい区く政府せいふ教育きょういく曁青年せいねん局きょく (DSEJ) が所管しょかんする。

現在げんざい、マカオにある大だい部分ぶぶんの学校がっこうは私立しりつであり、政府せいふ系けいの学校がっこうでは三文さんもん四よん語ご（中ちゅう文ぶん:広東かんとん語ごおよび普通ふつう話ばなし、英語えいご、ポルトガル語ご）教育きょういくを強調きょうちょうしている。学校がっこうの主流しゅりゅうは文法ぶんぽう学校がっこうと称しょうされるものであり、言語げんご、数学すうがく、自然しぜん科学かがくおよび人文じんぶん科学かがくを教育きょういくの内容ないようとしているが、一部いちぶの職業しょくぎょう学校がっこうでは電子でんし工学こうがくや機械きかい工学こうがくを教育きょういくする学校がっこうも存在そんざいしている。学制がくせいに関かんしては統一とういつしたシステムが確立かくりつされていない。

教育きょういく史し[編集へんしゅう]

その初期しょきはイエズス会かいによるカトリック教育きょういくと、後のちに導入どうにゅうされたマカオ政庁せいちょうがフランス公立こうりつ教育きょういくの影響えいきょうを受うけて開始かいしした公立こうりつ中学ちゅうがくの両りょう系統けいとうが存在そんざいしていた。19世紀せいきになると華人かじんにより近代きんだい的てきな教育きょういくが実施じっしされるようになった。

マカオで最初さいしょに設立せつりつされた大学だいがくは聖ひじり保たもつ祿ろく學院がくいんである。この学院がくいんは18世紀せいきの反はんイエズス会かいの風潮ふうちょうにより運営うんえい停止ていしとなり、そのため長ながく中学ちゅうがく卒業そつぎょう後ごに他国たこくに留学りゅうがくする教育きょういくシステムが運用うんようされていた。

言語げんご[編集へんしゅう]

言語げんご学習がくしゅう面めんでは、大だい部分ぶぶんの学校がっこうでは中国ちゅうごく語ごと英語えいごを使用しようしており、一部いちぶの学校がっこうがポルトガル語ごを科目かもくに設置せっちしている（1校こうのみポルトガル語ご学校がっこうも存在そんざいしている）。1999年ねんにマカオの統治とうち権けんがポルトガルから中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくに返還へんかんされると、一部いちぶ学校がっこうで普通ふつう話ばなしによる授業じゅぎょうを採用さいようしたが、現在げんざいでも大だい部分ぶぶんの学校がっこうは広東かんとん語ごによる教育きょういくを行おこない一部いちぶの学校がっこうでは英語えいごやフランス語ふらんすごによる教育きょういくも行おこなわれている。

教育きょういく制度せいど[編集へんしゅう]

現在げんざいマカオでは統一とういつされた教育きょういく制度せいどが存在そんざいしておらず、それぞれの学校がっこうが独自どくじに中国ちゅうごくやイギリス、ポルトガルの教育きょういく制度せいどを採用さいようし教育きょういくを実施じっししている。

中国ちゅうごく系けいの教育きょういく制度せいどでは大陸たいりく系けいの教育きょういく制度せいどが採用さいようされ、小学校しょうがっこう6年ねん、初級しょきゅう中学ちゅうがく3年ねん、高級こうきゅう中学ちゅうがく3年ねんの学制がくせいとなっている。生徒せいとは高級こうきゅう中学ちゅうがくで自然しぜん科学かがく、人文じんぶん社会しゃかい科学かがくおよび商業しょうぎょう知識ちしきを学習がくしゅうする。

イギリス系けいの教育きょういく制度せいどではイギリス本国ほんごくおよび香港ほんこんの教育きょういく制度せいどが採用さいようされ、小学校しょうがっこう6年ねん、初級しょきゅう中学ちゅうがく2年ねん、高級こうきゅう中学ちゅうがく2年ねん、大学だいがく予よ科か1～2年ねんの学制がくせいとなっている。生徒せいとは高級こうきゅう中学ちゅうがくの段階だんかいで自然しぜん科学かがく、人文じんぶん社会しゃかい科学かがくおよび商業しょうぎょう知識ちしきを学まなび、その後ご学校がっこう単位たんいでイギリス教育きょういく機構きこうが実施じっしするGCEと称しょうされる試験しけんにより高等こうとう教育きょういく機関きかんに進学しんがくする。

ポルトガル系けいの教育きょういく制度せいどではポルトガル本国ほんごくの教育きょういく制度せいどが採用さいようされ、基礎きそ教育きょういく4年ねん、初級しょきゅう中学ちゅうがく5年ねん、高級こうきゅう中学ちゅうがく3年ねんの学制がくせいとなっている。

無料むりょう教育きょういく[編集へんしゅう]

マカオでは幼稚園ようちえんから初級しょきゅう中学ちゅうがく3年ねんまでの10年間ねんかんに対たいし無料むりょう教育きょういく制度せいどを実施じっししている。さらに2005年ねんにマカオ行政ぎょうせい長官ちょうかん何なに厚あつ鏵の施政しせい方針ほうしんの中なかで、遅おそくとも2010年ねんまでに15年間ねんかんの無料むりょう教育きょういく制度せいどの確立かくりつが含ふくまれ、幼児ようじ教育きょういくから中等ちゅうとう教育きょういくまで全すべてが無料むりょう化かされるとした。

2006年ねんに成立せいりつした『非ひ高等こうとう教育きょういく制度せいど綱要こうよう法ほう』では、教育きょういくを正規せいき教育きょういくと持続じぞく教育きょういくに分類ぶんるいしている。正規せいき教育きょういくは3年ねん学制がくせいの幼児ようじ教育きょういく、6年ねん学制がくせいの小学しょうがく教育きょういく、3年ねん学制がくせいの初級しょきゅう中学ちゅうがく教育きょういく、3年ねん学制がくせいの高級こうきゅう中学ちゅうがく教育きょういくの15年ねんと定義ていぎし、社会しゃかい教育きょういくは家庭かてい教育きょういくや地域ちいき教育きょういく、職業しょくぎょう訓練くんれんを示しめしている。このほか、義務ぎむ教育きょういくを満まん5歳さいから15歳さいとし、無料むりょう教育きょういくを学費がくひのみならず、その他た必要ひつような諸しょ経費けいひにまで拡大かくだいしている。

財源ざいげんはカジノによる莫大ばくだいな税収ぜいしゅうである。

基礎きそ教育きょういくを行おこなう公立こうりつ学校がっこう[編集へんしゅう]

マカオ特別とくべつ行政ぎょうせい区く政府せいふが開設かいせつした公立こうりつ学校がっこうは下記かきの通とおり。

私立しりつ学校がっこう[編集へんしゅう]

高等こうとう教育きょういく[編集へんしゅう]

マカオの高等こうとう教育きょういくは高等こうとう教育きょういく輔助弁べん公おおやけ室しつにより管理かんりされている。マカオには10か所しょを超こえる高等こうとう教育きょういく機関きかんが存在そんざいしている。マカオの大学だいがくあるいは技術ぎじゅつ学院がくいんに進学しんがくする者もの以外いがいに、中国ちゅうごく、台湾たいわん、香港ほんこん、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアへ留学りゅうがくする者ものも多おおい。

マカオはカジノ産業さんぎょうに依存いぞんした経済けいざい構造こうぞうであるため、「大学だいがくや大学院だいがくいんを出でてもディーラーの仕事しごとしかない」とまで言いわれており、失業しつぎょう率りつは低ひくいが国内こくないでの職業しょくぎょう選択せんたくの幅はばは少すくない^[1]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ “中国ちゅうごくが「アジアのラスベガス」を狙ねらう？マカオ・カジノ王おう逮捕たいほの衝撃しょうげき”. ダイヤモンド・オンライン (2022年ねん1月がつ1日にち). 2022年ねん1月がつ1日にち閲覧えつらん。