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マッチボックス (ミニカー)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

マッチボックスとは、ミニカー中心ちゅうしんとした玩具おもちゃのブランドである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

1953ねんイギリスダイカストメーカーのレズニーしゃ発売はつばいしたミニカーはしはっする。1982ねんにレズニーしゃ経営けいえい破綻はたんしたのち幾多いくたにわたる買収ばいしゅうて、アメリカの大手おおて玩具おもちゃメーカーのマテルしゃのブランドとなる。

最初さいしょ製品せいひんはそののとおり、マッチはこしたデザインのかみせいのパッケージにれられていた。1950年代ねんだい製品せいひん金属きんぞくせいのホイールをき、まどのクリアパーツや内装ないそうもなく簡素かんそつくりであったが、モールドやプロポーションはどう時期じきディンキーコーギーにもひけをるものではなかった。どういち番号ばんごう製品せいひんえる手法しゅほうほそいホイール、実車じっしゃイラストがえがかれたパッケージなど、1970ねんからはじまった日本にっぽんのミニカーブランド『トミカ』にあたえた影響えいきょうおおきい。

1 - 75までの番号ばんごうのモデルを順次じゅんじモデルチェンジしていく『1 - 75』シリーズを中心ちゅうしん様々さまざまなラインナップをようしている。

沿革えんかく[編集へんしゅう]

1947ねん、イギリスのロンドン郊外こうがいにて、レズリー・スミス (Leslie Smith) とロドニー・スミス (Rodney Smith) によってダイキャストメーカーとして創業そうぎょうした。

最初さいしょ製品せいひんはロードローラーで、当初とうしょは1ねん数種類すうしゅるいしん製品せいひんおくした。このころはまだ「マッチボックス」ブランドは使用しようされていなかった。1953ねんエリザベス2せい戴冠たいかんしきにあわせしん製品せいひんとしてRoyal State Coachを2つのスケールで発売はつばいだいヒットとなった。のちに「1 - 75」シリーズの展開てんかい開始かいしした。

1960ねんまでに順次じゅんじ、プラスチックせいまどとホイールを装備そうび。1968ねん発売はつばいのNo.33-C、ランボルギーニ・ミウラのように、しょうスケールながら前輪ぜんりんステアリング機構きこう採用さいようした意欲いよくてき製品せいひん存在そんざいした。1970ねんからホットウィール対抗たいこうして高速こうそくホイールをき、これをスーパーファスト (Superfast ) シリーズとしょうした。

しかし、ホットウィールをした派手はで塗装とそう常識じょうしきはずれのデザインは旧来きゅうらいのファンから不評ふひょうい、途中とちゅうから60年代ねんだい実車じっしゃ忠実ちゅうじつ路線ろせんもどっていった。しかし経営けいえい好転こうてんせず1982ねんにレズニーしゃ経営けいえい破綻はたんすると、香港ほんこんのユニバーサル・トイズしゃ (Universal Toys) がこのブランドを買収ばいしゅうした。そのは、1992ねんアメリカタイコしゃ (Tyco) による買収ばいしゅうて、1997ねんからはアメリカのマテルしゃのミニカーブランドのひとつとなる。それまでライバルであったホットウィールとはマテルしゃ傘下さんかにおいて並行へいこうして販売はんばいされることになった。

元々もともとホットウィールとマッチボックスはライバル関係かんけいにあったこともあり、マッチボックスのコレクターはマテルがブランドを統合とうごうしたり、ホットウィールのスタイルをマッチボックスにけるのではないか、という懸念けねんたれてたが、ホットウィールが独自どくじ哲学てつがくつらぬ一方いっぽうで、マッチボックスは従来じゅうらいのリアル路線ろせんでのリリースをマテルがつづけ、しっかりとそれを保証ほしょうすることでその懸念けねんはある程度ていどふっしょくされている。

2003ねんには「ヒーローシティー」の名目めいもくでメインラインを刷新さっしんし、「ウルトラヒーロー」の名目めいもくでオリジナルカーをリリースした。 しかし、コレクターからは否定ひていてきられ、市場いちばるわず、すぐに廃止はいしされ、メインラインは「MBXメタル」とあらためられた。 翌年よくねんにはカリフォルニアしゅう・エルセグンドを拠点きょてんとするデザイナーチームを構成こうせいし、リアル路線ろせん実車じっしゃ忠実ちゅうじつ従来じゅうらい路線ろせんへと原点げんてん回帰かいきし、ロゴも2001ねん以前いぜんのものにもどされた。

マテルはマッチボックスが従来じゅうらい路線ろせんをしっかりまもっていることを誇示こじする一環いっかんとして、「スーパーファスト35周年しゅうねん記念きねん」として、並行へいこうしてリリースされているメインラインとはべつに、はこきの、1-75のかつてのスーパーファストを彷彿ほうふつとさせるシリーズを設定せってい。2004ねんから2006ねんにかけて販売はんばいされた。

2019ねんにはスーパーファスト50周年しゅうねん記念きねんして、ふたたびこのシリーズが復活ふっかつし、ホットウィールのリアルライダーのような上級じょうきゅうラインとして、はこき、ゴムタイヤ、一部いちぶモデルはギミックきのアイテムとして登場とうじょうどう時期じきには「ムービング・パーツ」としょうしてギミックきのモデルがリリースされており、2020ねん以降いこう展開てんかいされている。

なお、ディンキーの名前なまえはグローバル市場いちばにおいて、さいブランドされたマッチボックスの一部いちぶのモデルに、タンポ印刷いんさつ刻印こくいんされるにまり、専用せんようかねがたさいブランドされることもなく、現在げんざいいたる。

製品せいひん[編集へんしゅう]

  • 1 - 75 シリーズ (レギュラーシリーズ・スーパーファストシリーズ)
  • スカイバスターズ (航空機こうくうきのシリーズ)
  • バトルキング
  • マッチボックス・ミリタリー
  • ディンキー (かつてのメカノしゃのミニカーブランド、1980年代ねんだいにマテルしゃ買収ばいしゅうされ、のちにマッチボックス傘下さんか製品せいひん販売はんばいされた。)

日本にっぽんでの展開てんかい[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは当初とうしょ朝日あさひ通商つうしょう輸入ゆにゅうし、1960年代ねんだいには「マッチボックスってーるかい?」といううたでテレビCMも放映ほうえいされた。そのレズニーの日本にっぽん法人ほうじんレズニージャパンによって販売はんばいされ、ユニバーサル・トイズしゃによる買収ばいしゅうはマッチボックス・ジャパンが販売はんばいしたが1988ねん撤退てったいした。

1992ねんトミーげんタカラトミー)がトミカ未来みらい緊急きんきゅうたいアースコマンダーのシリーズにて、一部いちぶ車種しゃしゅ独自どくじのカラーリングと外装がいそう部品ぶひんをつけて販売はんばい。 なおこのさいはこにはトミカ記載きさいのみで、マッチボックスせいあらわすものはく、ぎゃくにミニカー本体ほんたいにはマッチボックスの記載きさいのみでトミカの表記ひょうきい。

近年きんねんではきょうしょうが、2010ねん以降いこうではマテルしゃ輸入ゆにゅうおこな西友せいゆうトイザらス家電かでん量販りょうはんてん発売はつばいされている。 マテル・ジャパンの輸入ゆにゅうは2018ねんジュラシックワールドのマルチパック以降いこうおこなわれてはないものの、2019ねん以降いこうはトイザらスが独自どくじ輸入ゆにゅうしたものが発売はつばいされている。

2021ねんからマテル・インターナショナルしゃ正規せいき輸入ゆにゅうした商品しょうひんヤマダ電機やまだでんきやバースデイ、アマゾン楽天らくてんブックスなどで販売はんばいされることとなった。

プラモデル[編集へんしゅう]

1973ねんより、レズニーしゃはマッチボックスのブランドでプラモデル販売はんばい開始かいしした。当初とうしょのラインナップは、おなじイギリスの大手おおてプラモデルメーカーのエアフィックス同様どうよう1/72スケール航空機こうくうきと1/76スケールの戦車せんしゃ中心ちゅうしんだった。のちに1/32と1/48の航空機こうくうき1/700艦船かんせんなどもくわわった。また、1978ねんにはアメリカのプラモデルメーカーAMTを買収ばいしゅうし、AMTせいの1/25を中心ちゅうしんとした自動車じどうしゃと、スタートレック関係かんけいのキットをマッチボックスブランドでイギリスで販売はんばいし、同時どうじにマッチボックスせいのキットをAMTブランドでアメリカで販売はんばいした。

マッチボックスはプラモデルメーカーとしては比較的ひかくてき後発こうはつであったので、先発せんぱつメーカーとの差別さべつのため、これまで製品せいひんされたことのなかったマイナーな航空機こうくうき軍用ぐんよう車両しゃりょう多数たすうモデルしており、軍用ぐんよう車両しゃりょうには小型こがたジオラマベースが付属ふぞくしていた。また製品せいひんは2ないし3しょく成型せいけいされていた。しかし成形せいけいしょく比較的ひかくてきあざやかで実物じつぶつのイメージとっていない場合ばあいおおく、またダイカストモデルみにスジりがふと製品せいひんすくなくなかったため、玩具おもちゃちかいとひょうされることもあった。

レズニーの経営けいえい破綻はたん、AMTはアメリカのERTLに売却ばいきゃくされ、プラモデル部門ぶもんドイツレベル傘下さんかはいって、自社じしゃ開発かいはつ製品せいひん一部いちぶきゅうレベル製品せいひんくわえるかたちでマッチボックスブランドでの販売はんばい継続けいぞくされた。2000年代ねんだいはいり、マッチボックスブランドでのプラモデルの販売はんばい終了しゅうりょうしたが、一部いちぶのキットはレベルブランドで販売はんばいされている。また、1990年代ねんだいには中国ちゅうごく上海しゃんはい环球塑胶玩具おもちゃ有限ゆうげん公司こうし(Shanghai Universal Plastic Toys Co., Ltd.)によって一部いちぶ製品せいひんのライセンス生産せいさんおこなわれ、日本にっぽんにも輸入ゆにゅうされていた。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]