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マーマレード

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マーマレードのジャム
マーマレードのついたパン

マーマレードえい: marmalade)は、柑橘類かんきつるい加工かこうした食品しょくひん果皮かひのこっているため、苦味にがみがある。ジャムと同様どうようにパンにってしょくすことがおおい。柑橘類かんきつるい使つかい、果皮かひはいらないジャムさま食品しょくひんはゼリーとばれることがある。

つくかた

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おもオレンジなつミカンユズグレープフルーツなどでつくられる。はじめにかわけ、かわ千切せんぎにしてみずひたす。から果汁かじゅうしぼり、かわ一緒いっしょる。かわやわらかくなったら砂糖さとうれ、ペクチン作用さようゲルするまでかきぜながら煮立にたてる。

かた

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パンることがおおい。スペアリブのたれにマーマレードをくわえるのも一般いっぱんてきである[1]ダンディーケーキのように菓子かし材料ざいりょうや、カクテル紅茶こうちゃれる・あわせるなどものとしての利用りようほうもある。

由来ゆらい

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英語えいごのMarmaladeの語源ごげんポルトガル由来ゆらいで、もとはマルメラーダ(ポルトガル:marmelada)とマルメロ(ポルトガル:marmelo)のジャム由来ゆらいする[2]。 マルメロをあらわ言葉ことば柑橘類かんきつるいのジャムを意味いみになった遠因えんいんとして、マルメロの語源ごげんをさかのぼると、古代こだいギリシャでオレンジのジャムを意味いみするmelimêonにたどることができ、古代こだいラテン語らてんごとの交流こうりゅうさい混同こんどうされてしまったとかんがえられている[2]

ほかに、マーマレードの起源きげんスコットランドもとめる言説げんせつがいくつかあるが、学術がくじゅつてきにみて信憑しんぴょうせいひくいか、つじつまがわないはなしおお[2]

  • スコットランドメアリー女王じょおうフランスおう太子たいしフランソワ2せい結婚けっこんしていた時期じきはなしとして、あるときメアリーが病気びょうきになり、おきのものたちが「メアリーさま病気びょうきだ」という意味いみフランス語ふらんすご「マリ・エ・マラード(ふつ: Marie est malade)」とったことが語源ごげんというせつ[2]
  • おなじくメアリー女王じょおう船酔ふなよになったときった、フランス語ふらんすご船酔ふなよいを意味いみする「メール・マラード(ふつ: Mer malade)」を語源ごげんとするせつ[2]
  • 1797ねんスコットランドダンディーあらしけて停泊ていはくしていた貨物かもつせんから、ジェームス・ケイラー・アンド・サンしゃ創業そうぎょうしゃジェームス・ケイラーがのセビリアオレンジをすべり、たねふくまない現在げんざいかたちのマーマレードがはじめてつくられるようになったとされるせつ[3]。この言説げんせつはイギリスでは定説ていせつしているが[3]、1797ねん以前いぜんにもたねなしマーマレードの存在そんざいしめ記録きろくがある。ただし、マーマレードにオレンジのかわのチップをれるアイデアはケイラーのつま考案こうあんし、ひろまったといわれる[3]

日本にっぽんでの受容じゅよう

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にわか暑気しょきして盛夏せいかごとえき清適せいてき奉拝ほうはいなら過日かじつおおせこうなつみかん到来とうらい子供こどもそろいよろここう毎日まいにち/\いたゞききょこう
またかのかわうらめん綿めんのやうなるしょ表面ひょうめんほうほそきざのうくうでこぼして大抵たいてい苦味にがみのぞ
一夜いちやみずにひやしてさら砂糖さとうれてのうく/\煮詰につめしのち所謂いわゆるマルマレツトとこれをパンなどにけてようまこと結構けっこうなり
マルマレツトとはジヤムの一種いっしゅ西洋せいようにてはヲレンジのかわにてせいするものにして
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舶来はくらいにてかいへば此位のかんにてじゅうぜに小売こうりなり馬鹿ばかたかきものに御座ぎょざこう
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およかわのうでたるものととう(ママ)ぶんいたあるい水飴みずあめすここんずるもなり随分ずいぶん面白おもしろ調理ちょうり御座ぎょざこう
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松岡まつおかさま 梧下
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日本にっぽんでのマーマーレードの賞味しょうみはじまりについては詳細しょうさいあきらかとなっていないが、文献ぶんけんじょう最初さいしょれいとして福沢ふくさわ諭吉ゆきち書簡しょかんげられる。明治めいじ26ねん1893ねん)、はぎ在住ざいじゅう松岡まつおか勇記ゆうきから名産めいさんなつミカンおくられた返礼へんれいしょである。なつミカンで「マルマレット」を自製じせいし、福沢ふくさわ自身じしんたのしんで調理ちょうり参加さんかした雰囲気ふんいきうかがえる内容ないようだが、この時点じてん東京とうきょうでは高価こうか輸入ゆにゅうひん販売はんばいされ、調理ちょうりほうすでつたわっていたことがわかる[4]

引用いんよう文献ぶんけん

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  1. ^ 武藤むとう裕子ゆうこ『I LOVE にく弁当べんとう主婦しゅふ生活社せいかつしゃ, 2010ねん, p.22
  2. ^ a b c d e ピエール・ラスロー『柑橘類かんきつるい文化ぶんか歴史れきしひとかかわり』寺町てらまち朋子ともこやく ム社むしゃ 2010ねん ISBN 9784903532608 pp.344-348.
  3. ^ a b c クラリッサ・ハイマン『オレンジの歴史れきし』<「しょく」の図書館としょかん> 大間知おおまち知子ともこやく げん書房しょぼう 2016ねん ISBN 9784562053247 pp.157-160.
  4. ^ 福沢ふくさわ諭吉ゆきち明治めいじ26ねん7がつ2にちづけ松岡まつおか勇記ゆうきあて書簡しょかん」『ぞく福沢ふくさわ全集ぜんしゅうだい6かん 書簡しょかんしゅう岩波書店いわなみしょてん、1933ねん

外部がいぶリンク

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