ヨウ化かバナジウム(III)

ヨウ化かバナジウム(III)
IUPAC名めい ヨウ化かバナジウム(III)
別称べっしょう 三さんヨウ化かバナジウム
特性とくせい
化学かがく式しき	VI3
外観がいかん	黒色こくしょく固体こたい
密度みつど	5.14 g/cm3, 固体こたい
水みずへの溶解ようかい度ど	可か溶
構造こうぞう
配はい位い構造こうぞう	八はち面めん体形たいけい
関連かんれんする物質ぶっしつ
その他たの陰かげイオン	臭におい化かバナジウム(III)
その他たの陽ひイオン	ヨウ化かバナジウム(II) ヨウ化かチタン(III)
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・常つね圧あつ (100 kPa) におけるものである。

ヨウ化かバナジウム(III)（ヨウかバナジウム さん、Vanadium(III) iodide）は、化学かがく式しきが VI₃ と表あらわされるバナジウムのヨウ化物ばけものである。常つね磁性じせいの固体こたいで、バナジウム粉末ふんまつとヨウ素もとを 500 ℃ 程度ていどに加熱かねつすることにより得えられる。吸湿きゅうしつ性せいが高たかく、水みずに溶とけると V(III) 化合かごう物ぶつに特有とくゆうの緑色みどりいろのイオンが生しょうじる。

金属きんぞくバナジウムとヨウ素もとによりヨウ化かバナジウム(III)が生しょうじる反応はんのうは可逆かぎゃく反応はんのうのため、化学かがく輸送ゆそう法ほうで純度じゅんどの高たかい金属きんぞくバナジウムを得えることができる。

${\ce {{2V}+3I2\ \rightleftarrows \ 2VI3}}$

VI₃ の結晶けっしょう構造こうぞうはヨウ化かビスマス(III)と同おなじ六方ろっぽう最さい密みつ充填じゅうてん構造こうぞうで、各かくバナジウム中心ちゅうしんは八はち面体めんていの3分ぶんの1を占しめる。

VI₃ を熱ねつ分解ぶんかいすると不ふ均ひとし化かしてヨウ化かバナジウム(II) VI₂ とヨウ化かバナジウム(IV) VI₄ が生しょうじる。この VI₄ は蒸気じょうき輸送ゆそう法ほうで発生はっせいする揮発きはつ性せいガスの主成分しゅせいぶんであると言いわれる。

${\ce {2VI3 -> VI2 + VI4}}$ $\Delta H=36.6\ {\rm {{kcal/mol}\ \Delta S=38.7eu}}$