ライオン・エア610便びん墜落ついらく事故じこ

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ライオン・エア 610便びん
2018年ねん9月がつに撮影さつえいされた事故じこ機き
事故じこの概要がいよう
日付ひづけ 2018年ねん10月29日にち
概要がいよう MCAS（英語えいご版ばん）の設計せっけい上じょうの欠陥けっかん、不適切ふてきせつな機体きたいのメンテナンス、およびパイロットエラー
現場げんば インドネシアの旗 インドネシア カラワン沖おきのジャワ海かい
南緯なんい5度ど46分ふん15秒びょう 東経とうけい107度ど07分ふん16秒びょう / 南緯なんい5.77083度ど 東経とうけい107.12111度ど / -5.77083; 107.12111座標ざひょう: 南緯なんい5度ど46分ふん15秒びょう 東経とうけい107度ど07分ふん16秒びょう / 南緯なんい5.77083度ど 東経とうけい107.12111度ど / -5.77083; 107.12111
乗客じょうきゃく数すう 181
乗員じょういん数すう 8
負傷ふしょう者しゃ数すう 0
死者ししゃ数すう 189 (全員ぜんいん)[1][2]
生存せいぞん者しゃ数すう 0
機種きしゅ ボーイング 737 MAX 8
運用うんよう者しゃ インドネシアの旗 ライオン・エア
機体きたい記号きごう PK-LQP
出発しゅっぱつ地ち インドネシアの旗 スカルノ・ハッタ国際こくさい空港くうこう
目的もくてき地ち インドネシアの旗 デパティ・アミール空港くうこう（英語えいご版ばん）
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ライオン・エア610便びん墜落ついらく事故じこは、2018年ねん10月29日にちに発生はっせいした航空こうくう事故じこである。スカルノ・ハッタ国際こくさい空港くうこう発はつデパティ・アミール空港くうこう（英語えいご版ばん）行いきのライオン・エア610便びん（ボーイング737 MAX 8）がスカルノ・ハッタ国際こくさい空港くうこうを離陸りりく直後ちょくごに墜落ついらくし、乗員じょういん乗客じょうきゃく189人にん全員ぜんいんが死亡しぼうした[3][4]。この事故じこはボーイング737 MAXで発生はっせいした初はつの死亡しぼう事故じこであり[5][6]、またボーイング737シリーズで発生はっせいした事故じこの中なかで最もっとも死者ししゃ数すうの多おおいものとなった[7]。

飛行ひこうの詳細しょうさい[編集へんしゅう]

事故じこ機き[編集へんしゅう]

事故じこ機きのボーイング737 MAX 8（PK-LQP）は、製造せいぞう番号ばんごう7058として2018年ねんに製造せいぞうされ、同年どうねん7月がつ30日にちに初はつ飛行ひこうを行おこなったばかりの新造しんぞう機きだった。ライオン・エアに納入のうにゅうされたのは2018年ねん8月がつ13日にちで[8][9]、墜落ついらく時じの総そう飛行ひこう時間じかんはわずか800時じ間あいだほどだった[10]。エンジンはCFMインターナショナル LEAPを2基き搭載とうさいしていた[11]。

乗員じょういん乗客じょうきゃく[編集へんしゅう]

国籍こくせき[12][13] 乗客じょうきゃく 乗員じょういん 合計ごうけい
インドネシアの旗 インドネシア 180 7 187
イタリアの旗 イタリア 1 0 1
インドの旗 インド 0 1 1
合計ごうけい 181 8 189

610便びんには乗員じょういん8人にんと子供こども1人ひとりと幼児ようじ2人にんを含ふくむ乗客じょうきゃく181人にんの合計ごうけい189人にんが搭乗とうじょうしていた[14]。そのうち187人にんがインドネシア人じんで、その他たはそれぞれインド人じんとイタリア人じんだった[12]。乗客じょうきゃくには財務省ざいむしょう（英語えいご版ばん）職員しょくいん20人にん[15]、会計かいけい監査かんさ院いん（英語えいご版ばん）職員しょくいん10人にん[16]、金融きんゆう開発かいはつ監督かんとく庁ちょう（インドネシア語ご版ばん）職員しょくいん2人にん[17]、エネルギー鉱物こうぶつ資源しげん省しょう（英語えいご版ばん）職員しょくいん3人にん[18]、弁護士べんごし3人にん[19]、インドネシア警察官けいさつかん（英語えいご版ばん）3人にん[20]、バンカ・ブリトゥン州しゅうの地方ちほう議会ぎかい議員ぎいん6人にん[21]と裁判官さいばんかん3人にんが含ふくまれていた[22]。また、イタリア人じんの乗客じょうきゃくは元もとプロサイクリストのアンドレア・マンフレディ（英語えいご版ばん）だった[23][24]。

機長きちょうは31歳さいのインド人じん男性だんせいで、2011年ねん4月がつ25日にちからライオン・エアに雇やとわれていた。総そう飛行ひこう時間じかんは6,028時じ間あいだで、ボーイング737では5,176時じ間あいだの飛行ひこう経験けいけんがあった。機長きちょうの訓練くんれん記録きろくには3個この指摘してきがされており、2017年ねん5月がつ25日にちに行おこなわれた訓練くんれんではクルー・リソース・マネジメントを改善かいぜんする必要ひつようがあると指摘してきされていた[25]。

副ふく操縦そうじゅう士しは41歳さいのインドネシア人じん男性だんせいで、2011年ねん10月がつ31日にちからライオン・エアに雇やとわれていた。総そう飛行ひこう時間じかんは5,174時じ間あいだで、ボーイング737では4,286時じ間あいだの飛行ひこう経験けいけんがあった。副ふく操縦そうじゅう士しの訓練くんれん記録きろくには13個この指摘してきがされていた[26]。

事故じこの経緯けいい[編集へんしゅう]

事故じこ機きの飛行ひこう経路けいろ
610便びんの高度こうどと速度そくど

610便びんはスカルノ・ハッタ国際こくさい空港くうこうからデパティ・アミール空港くうこう（英語えいご版ばん）へ向むかう国内こくない定期ていき旅客りょかく便びんだった。離陸りりく予定よてい時刻じこくはWIB5時じ45分ふんだった[27]。

6時じ20分ふん、610便びんは滑走かっそう路ろ25Lから離陸りりくした[27]。デパティ・アミール空港くうこうへは7時じ20分ふんに到着とうちゃくする予定よていだった[28]。操縦そうじゅうは機長きちょうが担当たんとうし、副ふく操縦そうじゅう士しは計器けいきの監かん視しなどを担当たんとうしていた。デジタルフライトデータレコーダー（DFDR）によれば対たい気き速度そくどが80ノット (150 km/h)に達たっした際さい、左右さゆうのピッチ角かく（AOA）センサー間あいだで21度どの差さが生しょうじ、この状態じょうたいが墜落ついらくまで続つづいた。DFDRの記録きろくでは、機長きちょう側がわのフライト・ディレクターには-1度どのピッチ角かくが、副ふく操縦そうじゅう士し側がわのフライト・ディレクターには+13度どのピッチ角かくが表示ひょうじされていた[27]。離陸りりく速度そくどに達たっし、前ぜん脚あしが離はなれた時点じてんで機長きちょう席せき側がわのスティックシェイカーと離陸りりく警報けいほうが作動さどうした。スティックシェイカーは墜落ついらくまでの間あいだ、ほぼ作動さどうしたままだった。機長きちょうは副ふく操縦そうじゅう士しに機体きたいの問題もんだいについて質問しつもんした。6時じ20分ふん44秒びょう、副ふく操縦そうじゅう士しは対たい気き速度そくどが一致いっちしていないと発言はつげんした。対たい気き速度そくどは機長きちょう席せき側がわには164ノット (304 km/h)と示しめされ、副ふく操縦そうじゅう士し席せき側がわには173ノット (320 km/h)と表示ひょうじされており、「IAS DISAGREE」[注釈ちゅうしゃく 1]の警告けいこくメッセージも表示ひょうじされた。6時じ21分ふん12秒びょう、副ふく操縦そうじゅう士しが高度こうども一致いっちしていないことに気付きづいた。副ふく操縦そうじゅう士しは管制かんせい官かんのレーダー上じょうに表示ひょうじされている高度こうどについて聞きき、管制かんせい官かんは900フィート (270 m)だと返答へんとうした。この時点じてんで機長きちょう席せき側がわには790フィート (240 m)と示しめされ、副ふく操縦そうじゅう士し席せき側がわには1,040フィート (320 m)と表示ひょうじされていた[29]。6時じ21分ふん52秒びょう、副ふく操縦そうじゅう士しは待機たいき経路けいろへ向むかうことを要求ようきゅうした。管制かんせい官かんは問題もんだいの詳細しょうさいについて聞きき、副ふく操縦そうじゅう士しは飛行ひこう制御せいぎょの問題もんだいと返答へんとうした。この時点じてんでフラップは格納かくのう位置いちまで上あげられた。6時じ22分ふん30秒びょう、副ふく操縦そうじゅう士しは5,000フィート (1,500 m)まで上昇じょうしょうする許可きょかを求もとめ、管制かんせい官かんは上昇じょうしょうの許可きょかと左ひだり旋回せんかいを指示しじした。6時じ22分ふん33秒びょう、自動じどうANDトリム[注釈ちゅうしゃく 2]が作動さどうし、トリムが自動的じどうてきに6.1度どから3.8度どまで動うごかされた。パイロットはフラップを1度どまで展開てんかいし、トリムを4.4度どまで動うごかした。6時じ22分ふん45秒びょう、5,000フィート (1,500 m)を飛行ひこう中ちゅうに機体きたいが降下こうかし始はじめ、降下こうか率りつが毎まい分ぶん3,570フィート (1,090 m)に達たっし、4,400フィート (1,300 m)まで降下こうかした。3秒びょう後ご、スティックシェイカーが一時いちじ的てきに停止ていしした[30]。左側ひだりがわのAOAセンサーは18度どの機首きしゅ上あげを記録きろくし、右側みぎがわのセンサーは3度どの機首きしゅ下さげを記録きろくした。また、機長きちょう席せき側がわのPFDに速度そくどの低下ていかを示しめすバーが表示ひょうじされた[31]。

6時じ22分ふん54秒びょう、再ふたたび自動じどうANDトリム機能きのうが作動さどうした。コックピットでは速度そくど低下ていかの警報けいほうが作動さどうし、副ふく操縦そうじゅう士しは管制かんせい官かんにレーダー上じょうに表示ひょうじされている速度そくどを聞きいた。さらに6時じ23分ふん18秒びょうから32秒びょうまでの間あいだに4回かい自動じどうANDトリムが作動さどうした[32]。副ふく操縦そうじゅう士しは対たい気き速度そくどが信頼しんらいできない場合ばあいのチェックリストを実行じっこうした。6時じ25分ふん13秒びょう、フラップが再ふたたび格納かくのう位置いちまで上あげられた。6時じ25分ふん27秒びょう、操縦そうじゅう特性とくせい補助ほじょシステム（英語えいご版ばん）（MCAS）[注釈ちゅうしゃく 3]によって自動じどうANDトリムが2秒間びょうかん作動さどうしたが、機長きちょうが6秒間びょうかん機首きしゅ上あげ操作そうさを行おこなったため解除かいじょされた[33]。6時じ25分ふん40秒びょうから6時じ28分ふん01秒びょうまでの間あいだにMCASが10回かい作動さどうした[34]。6時じ28分ふん09秒びょう、副ふく操縦そうじゅう士しは客室きゃくしつ乗務じょうむ員いんをコックピットに呼よび、機長きちょうがエンジニアを連つれてくるように指示しじした。6時じ29分ふん14秒びょうの時点じてんで機長きちょう席せき側がわのPFDには4,770フィート (1,450 m)と示しめされ、副ふく操縦そうじゅう士し席せき側がわのPFDには5,220フィート (1,590 m)と表示ひょうじされていた[35]。副ふく操縦そうじゅう士しは飛行ひこう制御せいぎょに問題もんだいがあり、手動しゅどうで機体きたいを操縦そうじゅうしていると管制かんせい官かんに伝つたえた。6時じ29分ふん38秒びょうから23時じ31分ふんまでの間あいだにMCASが6回かい作動さどうし、機長きちょうは副ふく操縦そうじゅう士しに操縦そうじゅうを任まかせた[36]。6時じ31分ふん38秒びょう、機長きちょうは計器けいきに異ことなる高度こうどが表示ひょうじされているため、正ただしい高度こうどが分わからないことを報告ほうこくした。6時じ31分ふん15秒びょうから6時じ31分ふん43秒びょうまでの間あいだにMCASが3回かい作動さどうし、トリムが0.3度どまで動うごいた。6時じ31分ふん46秒びょう、降下こうか率りつが毎まい分ぶん10,000フィート (3,000 m)を超こえた。この時点じてんで機長きちょう席せき側がわには3,200フィート (980 m)と示しめされ、副ふく操縦そうじゅう士し席せき側がわには3,600フィート (1,100 m)と表示ひょうじされていた。5秒びょう後ご、EGPWSの「Terrain Terrain」と「Sink Rate」の警報けいほうが作動さどうし、続つづけて速度そくど超過ちょうか警報けいほうも作動さどうした。6時じ31分ふん53秒びょう、MCASが作動さどうし、1秒びょう後ごにデジタルフライトデータレコーダー（DFDR）とコックピットボイスレコーダー（CVR）の記録きろくが停止ていしした。管制かんせい官かんは数すう度ど、610便びんへの呼よびかけを行おこなったが応答おうとうは無なかった[37][38]。

捜索そうさく[編集へんしゅう]

上空じょうくうから撮影さつえいした610便びんの墜落ついらく現場げんば

国家こっか捜索そうさく救助きゅうじょ局きょく（英語えいご版ばん）の要請ようせいを受うけてインドネシア空軍くうぐん[39]、インドネシア海軍かいぐん[40]、シンガポール海軍かいぐんが捜索そうさく活動かつどうを行おこなった。国家こっか捜索そうさく救助きゅうじょ局きょくはヘリコプターや船ふねに計けい150人にん近ちかい救助きゅうじょ隊たいを乗のせ、現場げんばに向むかわせた[41]。民間みんかんの船ふねも捜索そうさく活動かつどうに参加さんかした[28][42]。インドネシア科学かがく技術ぎじゅつ評価ひょうか応用おうよう庁ちょうはインドネシア・エアアジア8501便びん墜落ついらく事故じこでの捜索そうさくにも使用しようされた海洋かいよう調査ちょうさ船せんバルナ・ジャヤ（MV Baruna Jaya）を派遣はけんした[43]。7時じ05分ふん、タグボートが南緯なんい5度ど48分ふん56.04秒びょう、東経とうけい107度ど7分ふん23.04秒びょうの海面かいめんに浮うかぶ機体きたいの残骸ざんがいを発見はっけんした[12]。

国家こっか捜索そうさく救助きゅうじょ局きょくは少すくなくとも捜索そうさく救助きゅうじょ活動かつどうを7日間にちかん行おこない、必要ひつようならば3日間にちかんの延長えんちょうを行おこなうと述のべた。コマンドセンターはタンジュン・プリオク（英語えいご版ばん）に設置せっちされた[44]。

10月29日にちに国家こっか捜索そうさく救助きゅうじょ局きょくの作戦さくせん部長ぶちょうは搭乗とうじょう者しゃの遺体いたいが発見はっけんされたと発表はっぴょうし、乗員じょういん乗客じょうきゃくは全員ぜんいん死亡しぼうしたと推定すいていした[45]。ダイバーによって機体きたいの胴体どうたい部ぶの残骸ざんがいなどは回収かいしゅうされたが、DFDRは発見はっけんされていなかった[45]。Muhammad Syaugi空軍くうぐん中将ちゅうじょうは遺体いたいのほとんどが発見はっけんされていないことから、多おおくは機内きないに残のこされたままである可能かのう性せいが高たかいと述のべた[46]。事故じこ現場げんば付近ふきんの水域すいいきは視界しかいが悪わるく、海流かいりゅうも強つよいためこれらによって捜索そうさく活動かつどうが妨さまたげられた[47]。

10月31日にち、最初さいしょの犠牲ぎせい者しゃの身元みもとの確認かくにんが行おこなわれた[48]。当局とうきょくはすでに12体たい以上いじょうの遺体いたいを回収かいしゅうしており、警察けいさつは遺族いぞくから152個このDNAサンプルを集あつめた[48]。回収かいしゅうされた数すう百ひゃくに及およぶ事故じこ機きの残骸ざんがいは全すべてタンジュン・プリオクへ運はこばれた[49]。遺体いたいと残骸ざんがいの捜索そうさくは主おもにカラワン沖おきで行おこなうことになると当局とうきょくは述のべた。捜索そうさく活動かつどうの指揮しきのため、タンジュン・パキスに指令しれい本部ほんぶが置おかれた[49]。また、当局とうきょくは捜索そうさく範囲はんいを19kmから28kmに拡大かくだいした。ソナーを搭載とうさいした4隻せきを含ふくむ39隻せきの船ふねと50人にんのダイバーが捜索そうさくに当あたった[50]。当局とうきょくは機体きたいに搭載とうさいされたブラックボックスの回収かいしゅうに焦点しょうてんを当あてていると述のべた[51]。警察けいさつ当局とうきょくは651人にんの警察官けいさつかんが捜索そうさく活動かつどうに参加さんかし、支援しえんしたと話はなした[52]。同日どうじつ、捜索そうさく隊たいは3つの物体ぶったいを発見はっけんし、そのうち1つが事故じこ機きの主翼しゅよくである可能かのう性せいが高たかいと発表はっぴょうした[53]。当局とうきょくは事故じこ機きから発はっせられた水中すいちゅうロケータービーコン（ULB）の信号しんごうもこの付近ふきんで聞きこえたと話はなした[54]。

11月1日にち、捜索そうさく隊たいが事故じこ機きのFDRを回収かいしゅうした[55]。一方いっぽうでCVRは未み発見はっけんであると報告ほうこくされた[56][57]。インドネシア運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かい（英語えいご版ばん）（NTSC）のHaryo SatmikoはFDRの損傷そんしょうが激はげしいことは事故じこ機きが異常いじょうな状況じょうきょうに陥おちいっていた証拠しょうこだと記者きしゃに話はなした[58][59]。FDRからは直近ちょっきん69時じ間あいだ、19回かいの飛行ひこうにおけるデータを得えることが出来でき、11月5日にちから分析ぶんせきを開始かいしすると発表はっぴょうした[59]。

11月2日にち、捜索そうさく隊たいは850人にん以上いじょうの人員じんいんと45隻せきの船舶せんぱくを捜索そうさく活動かつどうへ投入とうにゅうした[60]。空中くうちゅうからの捜索そうさく範囲はんいは350kmに拡大かくだいされ、海中かいちゅうの捜索そうさく範囲はんいは500kmまで広ひろげられた。捜索そうさく隊たいは捜索そうさく範囲はんいで航空機こうくうきのエンジン部品ぶひんを発見はっけんしたと報告ほうこくした[61]。加くわえて、着陸ちゃくりく装置そうちのうち1つも同日どうじつ午後ごごに回収かいしゅうされた[62]。また、墜落ついらく現場げんばからは少すくなくとも250にのぼる遺体いたいの一部いちぶも回収かいしゅうされた[63]。2つ目めの着陸ちゃくりく装置そうちと両方りょうほうのエンジンも回収かいしゅうされた。残骸ざんがいの多おおくはタンジュン・パキスの海岸かいがんから13.9 kmの地点ちてんに散乱さんらんしていた。その付近ふきんの海域かいいきではCVRから発はっせられたULBの信号しんごうも確認かくにんされた[64][65][66]。

11月2日にちの午後ごご、捜索そうさく活動かつどうを行おこなっていたダイバーの1人ひとりが死亡しぼうした[67]。減圧げんあつ症しょうが原因げんいんとみられている[68]。

11月4日にち、175人にんのダイバーを含ふくむ1,400人にんの人員じんいんと69隻せきの船舶せんぱく、5機きのヘリコプターが投入とうにゅうされた[69]。国家こっか捜索そうさく救助きゅうじょ局きょくのMuhammad Syaugiは捜索そうさく活動かつどうをさらに3日間にちかん延長えんちょうすると述のべた[70]。

11月10日にちに国家こっか捜索そうさく救助きゅうじょ局きょくは遺体いたいの捜索そうさくを打うち切きられたが[71]、11月22日にちまでCVRの捜索そうさくが続つづけられた[72]。11月23日にちには遺体いたいの身元みもと確認かくにんが打うち切きられた。乗員じょういん乗客じょうきゃく189人にんのうち外国がいこく人じん2人にんを含ふくむ125人にん (男性だんせい89体たい、女性じょせい36体たい) の身元みもとは判明はんめいしたが、64人にんについては身元みもとが確認かくにん出来できなかった[73]。

12月14日にちには、ライオン・エアが260万まんドルを投とうじ、特殊とくしゅな捜索そうさく支援しえん船せんを投入とうにゅうしてCVRの捜索そうさくに着手ちゃくしゅする予定よていであることが報ほうじられた[74]。ライオン・エアはMPVエベレストを使用しようして12月19日にちから29日にちにかけてCVRの捜索そうさくを再ふたたび行おこなった[75][76][77]。ダイバーはULBの信号しんごうからCVRの位置いちを特定とくていしたが、回収かいしゅうはできなかった[75]。

NTSCは独自どくじでCVRの捜索そうさくを行おこなう意向いこうを表明ひょうめいし、インドネシア海軍かいぐんとの間あいだで捜索そうさく用ようの艦船かんせんKRISPICAの貸借たいしゃくについて交渉こうしょうを始はじめた[78]。2019年ねん1月がつ8日にち、国家こっか運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かいは自己じこ資金しきんでCVRの捜索そうさくを始はじめると発表はっぴょうした[79][80][81]。CVRは事故じこから2ヶ月かげつ以上いじょう経たった2019年ねん1月がつ14日にちになってようやく墜落ついらく現場げんば近ちかくの水深すいしん30メートルの海底かいていで厚あつさ8メートルもの泥どろの下したに埋うずもれているのが発見はっけんされた[82][83][84]。

調査ちょうさ[編集へんしゅう]

国際こくさい協力きょうりょく[編集へんしゅう]

事故じこ機きのFDRはシンガポールの運輸うんゆ安全あんぜん調査ちょうさ局きょく（英語えいご版ばん）（TSIB）の協力きょうりょくのもと、2018年ねん10月がつ29日にちに回収かいしゅうされた[85]。オーストラリア運輸うんゆ安全あんぜん局きょく（英語えいご版ばん）（ATSB）はFDRデータのダウンロードを支援しえんするため2人にんの調査官ちょうさかんを派遣はけんした。2018年ねん10月がつ31日にちにはアメリカの国家こっか運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かい（NTSB）のエンジニアリングチームとボーイングの技術ぎじゅつ者しゃも事故じこ調査ちょうさに参加さんかした[86]。また、連邦れんぽう航空局こうくうきょく（FAA）とGE・アビエーションの代表だいひょう者しゃも現地げんち入いりした[87]。

2019年ねん8月がつ、NTSCの作成さくせいした報告ほうこく書しょの草稿そうこうがリークされた[88]。草稿そうこうでは設計せっけいと監視かんしの失効しっこうが非難ひなんされており、また事故じこ原因げんいんとしてパイロットエラーとメンテナンスエラーに関かんする100近ちかい要素ようそが列挙れっきょされた[89][90]。匿名とくめいの情報じょうほう筋すじによれば草稿そうこうに挙あげられた41個いっこの過失かしつのうち25個こがライオン・エアの過失かしつであるとされていたことから、同社どうしゃは反対はんたい意見いけんを表明ひょうめいした[91][92]。

事故じこ以前いぜんの不具合ふぐあい[編集へんしゅう]

事故じこ機きは墜落ついらくの前夜ぜんやにスカルノ・ハッタ国際こくさい空港くうこうからングラ・ライ国際こくさい空港くうこうへ向むかう043便びんで使用しようされていた。詳細しょうさいな報告ほうこくから、そのフライトでも飛行ひこう制御せいぎょに深刻しんこくな問題もんだいがあり、数すう秒びょうで200フィート (61 m)近ちかく降下こうかしていたことが判明はんめいした[93]。乗客じょうきゃく達たちは激はげしい機体きたいの揺ゆれとゴムが焦こげたような匂においを報告ほうこくしていた。シートベルトの着用ちゃくようサインは離陸りりくから着陸ちゃくりくまでつけられたままだった。パイロットはパン-パンを宣言せんげんしたがその後ごキャンセルし[94]、ジャカルタへの飛行ひこうを継続けいぞくした[93]。

このフライトについての飛行ひこう日誌にっしによれば、機長きちょう席せき側がわの計器けいきに不具合ふぐあいが見みられたが、副ふく操縦そうじゅう士し側がわの計器けいきは正常せいじょうに作動さどうしていた[95]。

乗客じょうきゃくは機体きたいのエンジンに問題もんだいがあるため、エンジニアが修理しゅうりを完了かんりょうするまで搭乗とうじょうしないように言いわれていたと証言しょうげんした。離陸りりく後ご、パイロットは高度こうどの維持いじに関かんする問題もんだいに直面ちょくめんし、乗客じょうきゃくは当時とうじの状況じょうきょうについて「ジェットコースターに乗のっているようだった」と語かたった[96]。ライオン・エアの最高さいこう経営けいえい責任せきにん者しゃであるエドワード・シレイトは事故じこ機きは墜落ついらくの前夜ぜんや、「技術ぎじゅつ的てきな問題もんだい」を抱かかえていたが、問題もんだいはメーカーのマニュアルに沿そって対処たいしょされていたと話はなした。エンジニアは墜落ついらくの当日とうじつ、事故じこ機きが飛行ひこう可能かのうであると判断はんだんしていた[97][98]。その後ごの調査ちょうさで、事故じこ前夜ぜんやのフライトではもう1人ひとりパイロットがコックピット内ないにおり、スタビライザートリム・モーターへの電力でんりょく遮断しゃだんを指示しじし、問題もんだいの解決かいけつを手助てだすけしていたことが明あきらかとなった[99]。このことについてNTSCは事故じこ前夜ぜんやのフライトにボーイング737 MAXの飛行ひこう資格しかくを持もつ非番ひばんのパイロットが搭乗とうじょうしていたことを確認かくにんしたが、そのパイロットが問題もんだいの解決かいけつにどのように関かかわったかなどは確認かくにんできなかったと述のべた[100]。

事故じこ原因げんいんに関かんする初期しょきの見解けんかい[編集へんしゅう]

610便びんの飛行ひこうが不安定ふあんていだったことからインドネシアの航空こうくうに関かんする専門せんもん家かであるゲリー・ソエハトマンはピトー管かんの不具合ふぐあいが墜落ついらくに繋つながった可能かのう性せいを指摘してきした[101][102]。

インドネシアの気象きしょう気候きこう地球ちきゅう物理ぶつり庁ちょうは墜落ついらく当時とうじ、北西ほくせいから5ノット (9.3 km/h)の風かぜが吹ふいていたが、積乱雲せきらんうんなども無なく天候てんこうは良好りょうこうだったと述のべた[103]。インドネシア警察けいさつ当局とうきょくは搭乗とうじょう者しゃの遺体いたいの状態じょうたいから、機内きないで爆発ばくはつや火災かさいが発生はっせいしていた可能かのう性せいは低ひくいと話はなした[104] 。

異常いじょうな飛行ひこう経路けいろ[編集へんしゅう]

専門せんもん家か達たちは610便びんの高度こうどと速度そくどに問題もんだいがあったことについて指摘してきした。離陸りりくからわずか3分ふん後ごに機長きちょうは飛行ひこう制御せいぎょに問題もんだいがあることを報告ほうこくし、空港くうこうへ引ひき返かえす許可きょかを求もとめていた[105]。自動的じどうてきに送信そうしんされた事故じこ機きのデータによれば離陸りりくから8分ふん後ご、610便びんは5,000フィート (1,500 m)付近ふきんまで上昇じょうしょうしたが、高度こうどは変動へんどうし続つづけていた。平均へいきんの速度そくどは300ノット (560 km/h)ほどで、10,000フィート (3,000 m)以下いかで飛行ひこうする際さいの制限せいげん速度そくどである250ノット (460 km/h)を上回うわまわっていた。離陸りりくから10分ふん後ご、610便びんは急降下きゅうこうかし始はじめ、3,000フィート (910 m)以上いじょうの高度こうどを失うしなった[106][107]。

2018年ねん11月時点じてんでの調査ちょうさ結果けっか[編集へんしゅう]

11月5日にち、NTSCは回収かいしゅうされた機体きたいの残骸ざんがいが断片だんぺん化かしていることから、墜落ついらく時じに機体きたいに欠損けっそんなどは無なく、速度そくどが速はやかったために破片はへんが細こまかくなったと推測すいそくした[108]。また、NTSCは墜落ついらく時じにエンジンは高こう回転かいてん状態じょうたいであったと結論けつろん付つけた[109]。調査ちょうさにより、事故じこ機きの対たい気き速度そくど計けいの1つが墜落ついらく以前いぜんの4回かいの飛行ひこうでも誤あやまった数値すうちを表示ひょうじしていたことが明あきらかになった[110]。

11月7日にち、NTSCは事故じこ機きの迎むかえ角かく（AOA）センサーに問題もんだいがあったことを確認かくにんした。ライオン・エアのエンジニアは問題もんだいの解決かいけつを図はかるため、AOAセンサーの1つを交換こうかんしたが対たい気き速度そくど計けいの問題もんだいは解決かいけつせず、事故じこ機きが043便びんとして運航うんこうされている際さいにも再発さいはつし、左右さゆうのAOAセンサー間あいだで20度どのずれが生しょうじていた。043便びんのパイロットは通常つうじょうよりも低ひくい高度こうどで飛行ひこうを継続けいぞくし、無事ぶじにジャカルタへ着陸ちゃくりくした[111]。NTSCのSoerjanto Tjahjonoは同型どうけい機きで同様どうようの問題もんだいが発生はっせいすることを防ふせぐための対策たいさくはボーイングとFAAによって講こうじられると述のべた[112]。

11月28日にち、NTSCの調査官ちょうさかんは墜落ついらく以前いぜんの飛行ひこうにおいて事故じこ機きには耐たい空そら性せいが無なかったと話はなした。同日どうじつ、一部いちぶの遺族いぞくがボーイングに対たいして訴訟そしょうを起おこした[113]。

中間ちゅうかん報告ほうこく書しょ[編集へんしゅう]

11月28日にち、中間ちゅうかん報告ほうこく書しょが発表はっぴょうされた[114][115]。事故じこの2日にち前まえ、事故じこ機きのAOAセンサーが交換こうかんされ、テストが行おこなわれていた[116]。しかし、事故じこ前夜ぜんやにも対たい気き速度そくど計けいの問題もんだいとMCASによる誤あやまった機首きしゅ下さげが発生はっせいした[116]。パイロットはスタビライザー暴走ぼうそう時じのチェックリストを実行じっこうし、スタビライザートリムの自動じどう調整ちょうせい機能きのうをオフにして手動しゅどうでトリムを調節ちょうせつすることで飛行ひこうを継続けいぞくした[116]。610便びんでも離陸りりく直後ちょくごに誤あやまったAOAデータが送信そうしんされ、MCASによる機首きしゅ下さげ操作そうさが続つづき、パイロットは10分ぶんの間あいだ機首きしゅ下さげ操作そうさに対抗たいこうし続つづけた[116]。中間ちゅうかん報告ほうこく書しょではパイロットがスタビライザー暴走ぼうそう時じのチェックリストを実行じっこうしたか、及およびスタビライザートリムの自動じどう調整ちょうせい機能きのうをオフにしていたかは記述きじゅつされなかった[116]。

MCAS[編集へんしゅう]

MCASはボーイング737MAXシリーズに搭載とうさいされた失速しっそく回避かいひのための機能きのうであった。ボーイング737MAXは、従来じゅうらいのボーイング737シリーズの機体きたいと比くらべて搭載とうさいされたエンジンが大おおきく、機首きしゅが上あがりやすい特性とくせいを持もっていた。MCASが作動さどうする条件じょうけんは以下いかの通とおりであった[117]。

  • フラップが格納かくのうされた状態じょうたいであること
  • AOAが大おおきいこと
  • 自動じどう操縦そうじゅうが作動さどうしておらず、手動しゅどう操縦そうじゅうで飛行ひこうしている状態じょうたいであること

AOAなどの情報じょうほうは機体きたいに搭載とうさいされたフライト・コントロール・コンピューター（FCC）からの情報じょうほうに基もとづいて判断はんだんされていた。FCCは2基き搭載とうさいされているが、MCASはそのうち片方かたがたからの情報じょうほうのみを基もとにしていた。デフォルトでは機長きちょう席せき側がわのFCCが選択せんたくされ、その後ごフライトごとにFCCのソースが自動的じどうてきにもう一方いっぽうに切きり替かわるようよう設計せっけいされていた[118]。

最終さいしゅう報告ほうこく書しょ[編集へんしゅう]

2019年ねん1月がつに8月がつから9月がつの間あいだ最終さいしゅう報告ほうこくを発行はっこうする予定よていであることが発表はっぴょうされ[119]、10月25日にちに最終さいしゅう報告ほうこく書しょが発行はっこうされた[93][120]。報告ほうこく書しょでは9つの事故じこ要因よういんが挙あげられた[121]。

  • ボーイング737MAX 8の設計せっけい・認証にんしょう時じに、現行げんこうの業界ぎょうかいのガイドラインに従したがって不具合ふぐあいに対たいする乗員じょういんの対応たいおうが検討けんとうされ、適合てきごうしていると判断はんだんされたが誤あやまった仮定かていがされていた。
  • パイロットの対応たいおうに関かんして誤あやまった仮定かていがされていたため、MCASが単一たんいつのFCCに依存いぞんする設計せっけいが適切てきせつであると判断はんだんされた。
  • MCASは単一たんいつのAOAセンサーに依存いぞんするように設計せっけいされており、センサーからの誤あやまったデータに対たいして脆弱ぜいじゃくだった。
  • MCASに関かんするガイダンスがなく、マニュアルや乗員じょういんの訓練くんれんでトリムの使用しように関かんする説明せつめいが詳細しょうさいに行おこなわれなかったため、パイロットがMCASの誤作動ごさどうに対たいして適切てきせつに対処たいしょすることが困難こんなんであった。
  • AOAの不一致ふいっち警告けいこくは、ボーイング737MAX 8の開発かいはつ中ちゅうに正まさしく有効ゆうこう化かされていなかった。その結果けっか、飛行ひこう中ちゅうに誤あやまって較正こうせいされた迎むかい角かくセンサーが表示ひょうじされず、パイロットが文書ぶんしょで報告ほうこくすることが出来できなかったため、整備せいび士しが誤あやまって較正こうせいされた迎むかい角かくセンサーを識別しきべつするのに利用りようできなかった。
  • 事故じこ機きに取とり付つけられた交換こうかん用よう迎むかえ角かくセンサーは、以前いぜんの修理しゅうり中ちゅうに誤あやまって較正こうせいされていたが、修理しゅうり中ちゅうには発見はっけんされなかった。
  • 調査ちょうさでは、迎むかい角かくセンサーの設置せっちテストが適切てきせつに実行じっこうされたことを判断はんだんできなかった。また、誤あやまった較正こうせいは検出けんしゅつされなかった。
  • 継続けいぞく的てきなスティックシェーカーおよび水平すいへい安定あんてい板ばん暴走ぼうそう時じのチェックリスト（Runaway Stabilizer NNC）の使用しように関かんする、航空機こうくうきの飛行ひこう記録きろくおよび整備せいび日誌にっしが欠如けつじょしていた。これによってジャカルタの整備せいび担当たんとう者しゃと事故じこ機きのパイロットが情報じょうほうを得えることができなくなり、適切てきせつな行動こうどうを取とることをより困難こんなんにした。
  • 多数たすうの管制かんせい通信つうしん、複数ふくすうの警報けいほう、精神せいしん的てきな動揺どうよう、繰くり返かえしたMCASの作動さどうを効果こうか的てきに管理かんりできなかった。これは手動しゅどう操縦そうじゅう、チェックリストの実行じっこう、乗員じょういんのコミュニケーションの困難こんなんな状況じょうきょうと能力のうりょくが原因げんいんで、クルー・リソース・マネジメントの適用てきようと作業さぎょう量りょう管理かんりが効果こうか的てきでなかった。これらのパフォーマンスは訓練くんれん中ちゅうにも確認かくにんされており、610便びんのフライトでも同様どうようの状況じょうきょうに陥おちいっていた。

NTSC主任しゅにん調査官ちょうさかんのNurcahyo Utomoは、9つの要因よういんは全すべて関連かんれんしており、1つでも発生はっせいしなければ事故じこは起おきなかった可能かのう性せいが高たかいと述のべた[122][123]。

事故じこ後ご[編集へんしゅう]

2019年ねん3月がつ10日とおか、エチオピア航空こうくう302便びんが同様どうようの不具合ふぐあいに見舞みまわれ墜落ついらくした。2件けんの墜落ついらく事故じこを受うけてFAAはボーイング737MAXの飛行ひこう停止ていしを命めいじた。世界中せかいじゅうで同機どうきの運航うんこうが取とりやめられたが、2020年ねん12月に運航うんこうが再開さいかいされた[124]。

詳細しょうさいは「ボーイング737 MAXにおける飛行ひこうトラブル」を参照さんしょう

映像えいぞう化か[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 「計器けいきの対空たいくう速度そくど（Indicated AirSpeed）は信頼しんらいできない」ことを意味いみする。通常つうじょう、対たい気き速度そくど計けいは機体きたいの左右さゆう二に系統けいとうで速度そくどを計測けいそくするが、それらの値ねが大おおきくかけ離はなれた場合ばあい、機材きざいの故障こしょうが疑うたがわれるとしてこの警告けいこくが表示ひょうじされる。
  2. ^ auto aircraft nose down trimのこと。水平すいへい尾翼びよくのトリムを自動的じどうてきに調節ちょうせつし、機首きしゅ下さげ方向ほうこうへ動うごかす機能きのう。
  3. ^ MCASはAOAセンサーのデータを基もとに水平すいへい安定あんてい板ばんを機首きしゅ下さげ方向ほうこうへ動うごかす機能きのう。

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]


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