ラジコンバス

ラジコンバスは日本にっぽんの玩具おもちゃメーカー増ぞう田屋たや齋藤さいとう貿易ぼうえき（現げん：増田屋ますだやコーポレーション）が1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）11月に発売はつばいした世界せかい初はつの無線むせん操縦そうじゅう型がたの玩具おもちゃ。単たん1電池でんち3本ほんを電源でんげんとして火花ひばな電波でんぱを生しょうじさせ、バスに内蔵ないぞうするコヒーラに伝つたわることで動作どうさを制御せいぎょする。送信そうしん機き側がわのスイッチを入いれることでバスは「直進ちょくしん、右みぎ回転かいてん、直進ちょくしん、左ひだり回転かいてん、直進ちょくしん、停止ていし」の順じゅんに動作どうさした。

概要がいよう

増田ますだ屋やの6代目だいめ社長しゃちょう齋藤さいとう晴弘はるひろは終戦しゅうせんを契機けいきに社業しゃぎょうを再開さいかいすると、1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）、玩具おもちゃ技術ぎじゅつ者しゃ木曾きそ国春くにはるの開発かいはつしたゼンマイ仕掛しかけの四足しそく歩行ほこう玩具おもちゃ「歩行ほこう熊ぐま」の海外かいがい輸出ゆしゅつで大だい成功せいこうを収おさめた。1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）、齋藤さいとうは欧米おうべい諸国しょこくの富裕ふゆう層そうをターゲットにした輸出ゆしゅつ用よう玩具おもちゃの製品せいひん化か第だい二に弾だんを目指めざして木曾きそに「世界せかい初はつの無線むせん操縦そうじゅう玩具おもちゃ」の製作せいさくを依頼いらいした。トランジスタや真空しんくう管かんを利用りようした仕組しくみでは高価こうかになりすぎることから木曾きそは日にち露ろ戦争せんそうで使用しようされた通信つうしん装置そうちコヒーラ検波けんぱ器きに目めを付つけ開発かいはつを始はじめた。しかし、コヒーラ検波けんぱ器きの製作せいさく会社かいしゃには当時とうじのデータが存在そんざいしていなかったため、電波でんぱの原理げんりを独学どくがくで習得しゅうとくし、1年ねん後ごの1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）に試作しさく機きを完成かんせいさせた。

海外かいがい輸出ゆしゅつを念頭ねんとうに置おいていた事ことから玩具おもちゃ筐体きょうたいには当時とうじ製造せいぞう・販売はんばいしていたアメリカ・オールズモビル社しゃの55年ねん型がたバスのブリキ模型もけいが採用さいようされ、パッケージ及および取扱とりあつかい説明せつめい書しょは英語えいご表記ひょうきされた。価格かかくは4,500円えんで、当時とうじの大卒だいそつ初任しょにん給きゅうが13,000円えんであったことを考慮こうりょすればかなりの高級こうきゅう玩具おもちゃであったと言いえる。

郵政省ゆうせいしょう告示こくじの制定せいてい

ラジコンバスは発売はつばいされるや否いなや国内外こくないがいで大だい反響はんきょうを呼よび、新聞しんぶん、雑誌ざっし、テレビ、ラジオなどあらゆるメディアが騒さわぎ立たてた。 日本にっぽんでは電波でんぱ法ほう令れいにより電波でんぱを扱あつかう者ものに対たいし無線むせん局きょくの免許めんきょ取得しゅとくが義務付ぎむづけられており、ラジコンバスはこれに抵触ていしょくする惧れがあったことから大おおきな騒動そうどうとなった。 しかし、電波でんぱの届とどく範囲はんいが数かずmであったこと、テレビへの影響えいきょうが無なかったことなどから例外れいがい的てきに認みとめられることとなる。 ラジコンバスの発売はつばいを受うけ1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）に郵政省ゆうせいしょうは微弱びじゃく無線むせん局きょくに関かんする告示こくじ を制定せいていし、模型もけい用ようラジコンへの微弱びじゃく電波でんぱの使用しようは免許めんきょが不要ふようとなった。

参考さんこう文献ぶんけん

• グレイン調査ちょうさ団だん 編へん『ニッポンの大だい発明はつめい』辰巳たつみ出版しゅっぱん、2010年ねん。ISBN 9784777807611。 

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