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ラジコン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラジオコントロールの送信そうしんいちれい。いくつかの方式ほうしきのうち写真しゃしんは「スティック」タイプ。操縦そうじゅうものはこの送信そうしんりょうち、左右さゆうのスティックを親指おやゆびはらなどで操作そうさする。するとかたむ程度ていど信号しんごうとして電波でんぱり、受信じゅしんつたわる。
ラジオコントロールの受信じゅしん・バッテリー・サーボ受信じゅしん下方かほう横長よこながくろばこ)は送信そうしんからの電波でんぱ受信じゅしんし、スティックのかたむきにかんする情報じょうほうし、ケーブルでつながった「サーボ」(左上ひだりうえ十字じゅうじがたのものがついた装置そうち)につたえる。サーボは、受信じゅしんからの情報じょうほうおうじて回転かいてん部分ぶぶん十字じゅうじがた部分ぶぶん)の角度かくどえる。この回転かいてん部分ぶぶんと、操縦そうじゅう機構きこう模型もけい自動車じどうしゃならステアリング機構きこう飛行機ひこうきならラダーひとし)がワイヤーなどで連結れんけつしてあり、指先ゆびさきうごきが操縦そうじゅう機構きこうつたわって意図いとどおりの遠隔えんかく操縦そうじゅうができる。

ほん記事きじではラジオ コントロール(えい: radio control)や無線むせん操縦そうじゅうあるいはラジコンなどとばれるものについて解説かいせつする。略称りゃくしょうRCもしくはR/C

概説がいせつ[編集へんしゅう]

ラジオコントロール(radio control)、すなわち無線むせん操縦そうじゅうは、無線むせんにより遠隔えんかく操作そうさするシステム、またはその遠隔えんかく方式ほうしきのことをう。模型もけい自動車じどうしゃ飛行機ひこうきなどの趣味しゅみようのほか、工業こうぎょう軍事ぐんじなど様々さまざま分野ぶんや活用かつようされている。

一般いっぱん名称めいしょう登録とうろく商標しょうひょう[編集へんしゅう]

商標しょうひょうけんとの関係かんけいで、タミヤはこれを「RCカー」とんでいる。

英語えいごのradio controlやそのおとうつし「ラジオ・コントロール」、翻訳ほんやくの「無線むせん操縦そうじゅう」が一般いっぱん名称めいしょう普通ふつう名詞めいし)である。

一方いっぽう、「ラジコン」という名称めいしょうについては、日本にっぽんでは2017ねん現在げんざい株式会社かぶしきがいしゃ増田屋ますだやコーポレーションが、玩具おもちゃおよびスポーツ用品ようひんおおくが対象たいしょうとなる「おもちゃその区分くぶん[ちゅう 1]商標しょうひょうけんっている(商標しょうひょう登録とうろくだい482788ごう[1]

商標しょうひょうけんおよ範囲はんいは「ぎょうとして」の使用しようかぎられるため、一般いっぱん愛好あいこうしゃ日常にちじょうてき他社たしゃ製品せいひんを「ラジコン」とぶことは法的ほうてき問題もんだいがない[2]。しかし、「おもちゃその」に該当がいとうする商品しょうひんに「ラジコン」という名称めいしょうして販売はんばいすることは「ぎょうとして」の使用しようであって商標しょうひょうけん侵害しんがいたるため、他社たしゃ商品しょうひんでは「RC」とぶことが一般いっぱんてき(たとえばタミヤは「RCモデル」、きょうしょうは「R/Cモデル」と表現ひょうげんしている。株式会社かぶしきがいしゃタカラトミー別途べっと、「エアロアールシー」を日本にっぽん商標しょうひょう登録とうろくしている(商標しょうひょう登録とうろくだい4881063ごう[3]だい4892934ごう[4])。)である。

ただし、商標しょうひょうけん区分くぶん同一どういつまた類似るいじする商品しょうひんについてのみおよぶため、「おもちゃその以外いがい商品しょうひんに「ラジコン」という名称めいしょうもちいることは商標しょうひょうけん侵害しんがいにはたらない。たとえば、「ラジコンマガジン」は「雑誌ざっし」であり、「おもちゃその」の区分くぶんには該当がいとうしないので、使用しようしても商標しょうひょう侵害しんがいになることはない[ちゅう 2]。また、ヒロボー株式会社かぶしきがいしゃでは、玩具おもちゃモデルについては「ラジオ・コントロール」としているが、「おもちゃその」の区分くぶん同一どういつでも類似るいじでもない産業さんぎょうよう無線むせん操縦そうじゅう航空機こうくうきについては「ラジコン」[6]という名称めいしょうもちいている。

NHKには特定とくてい民間みんかん企業きぎょう商品しょうひん商標しょうひょう宣伝せんでんをしてはならないとする内部ないぶ規定きていがあることから、「無線むせん操縦そうじゅう」「ラジオ・コントロール」としている。

遠隔えんかく操作そうさなかでの無線むせん操縦そうじゅう位置いちづけ[編集へんしゅう]

遠隔えんかく操作そうさされるもの一般いっぱんを、リモート・コントロール(リモコン)とぶ。むかしはたとえば模型もけい飛行機ひこうき操縦そうじゅうに2ほんワイヤーもちいたUコンなど有線ゆうせんケーブルもちいる方式ほうしきたいして、ケーブルなし(つまり「無線むせん」)で伝達でんたつする通信つうしん手段しゅだんがほぼ電波でんぱのみであったため、無線むせん操縦そうじゅう玩具おもちゃとうに「ラジオ・コントロール」(ラジコン)という呼称こしょう定着ていちゃくした。

のちに、赤外線せきがいせんレーザーちょう音波おんぱなど電波でんぱ以外いがいによる無線むせん方式ほうしき出現しゅつげんしている。しかし見通みとお範囲はんいないでないと命令めいれい信号しんごう伝達でんたつできないためにごくちか距離きょりもちいられることがおおく、遠隔えんかく操縦そうじゅう方式ほうしきとしてはいま電波でんぱによるラジオ・コントロールが主流しゅりゅうである。

広義こうぎのラジオ・コントロールは

  1. ある操縦そうじゅうしゃひと)が、なんらかの意図いとで、発信はっしんなんらかの操作そうさおこなうと
  2. 操縦そうじゅうしゃおこなった操作そうさかんする情報じょうほう電波でんぱ
  3. 電波でんぱは、はなれたところにある「モノ」に搭載とうさいされている受信じゅしん受信じゅしんされ
  4. 受信じゅしん電波でんぱふくまれる情報じょうほうを、独特どくとく電気でんき信号しんごうにして操作そうさ機器きき有線ゆうせんつた
  5. 操作そうさ機器ききは、「モノ」の特性とくせいおうじてさまざまな部分ぶぶん物理ぶつりてきうごきをこし
  6. それによって「モノ」全体ぜんたいが、操縦そうじゅうしゃ意図いとしたようなうごきをおこなう。

という一連いちれん活動かつどうをまとめた概念がいねんで、さらにハードめんとソフトめんけられる。

ほんこうでは、システムのかくである、1 - 3(さらに4)を説明せつめいする。5・6のほうが外形がいけい具体ぐたいてきかたち)としてわかりやすくている人々ひとびと印象いんしょうにはつよのこるが、無線むせん操縦そうじゅう核心かくしん部分ぶぶんはそちらではなく、むしろ1~4のほうである。

一般いっぱんてきには(かずとしておおいのは)趣味しゅみ模型もけい分野ぶんやでの利用りようで、航空機こうくうき自動車じどうしゃ戦車せんしゃ船舶せんぱくなどの模型もけいを、操縦そうじゅうしゃ搭乗とうじょうしているかのように、はなれた位置いちからコントロールするためにもちいられている。また、趣味しゅみ模型もけい操縦そうじゅう以外いがいにも、農薬のうやく散布さんぷようヘリコプターや、クレーンなどの産業さんぎょうよう機械きかいでもさかんにもちいられており、ほかにも軍事ぐんじてき目的もくてき地学ちがく調査ちょうさなどにももちいられている。

うごかされる「モノ」のほうの動力どうりょく多種たしゅ多様たようであるが、内燃ないねん機関きかんガソリンエンジングローエンジン ひとし)、電動でんどうモーターなどがおも使つかわれている。グライダーやヨットなど実機じっきでも自然しぜんちから利用りようしているものはラジコンでも同様どうよう利用りようしている[ちゅう 3]

ギャラリー[編集へんしゅう]

歴史れきし[編集へんしゅう]

Black-and-white picture of a cabin. In a corner, intricate apparatus is mounted on a wall above a desk
アメリカの戦艦せんかんアイオワ搭載とうさいされた無線むせん操縦そうじゅう装置そうち (1922ねん)

当初とうしょ軍事ぐんじ目的もくてきで、まず標的ひょうてき操縦そうじゅういで誘導ゆうどうだん誘導ゆうどう方式ほうしきとして開発かいはつすすめられてきた。 基本きほんてき送信そうしんは1878ねんデイビッド・エドワード・ヒューズによって火花ひばな送信そうしん開発かいはつされ、受信じゅしんは1894ねんオリバー・ロッジによってコヒーラ検波けんぱ開発かいはつされた。

ふるくは1898ねんマディソン・スクエア・ガーデンニコラ・テスラ小型こがた無人むじんせん無線むせん操縦そうじゅううごかした記録きろくがある。テスラはあたかもふね観客かんきゃくからの指示しじしたがってうごいているかのように演出えんしゅつしたが、実際じっさいにはテスラが船内せんない設置せっちした受信じゅしんかいして操縦そうじゅうされていた。[7]

ジョン・ヘイズ・ハモンド・ジュニアは12さいときにトーマス・エジソンの見習みならいとしておこなった実験じっけんのために無線むせん操縦そうじゅうちちばれている。ハモンドはテスラの親友しんゆうで、2人ふたりはともにかれしろ研究けんきゅうしつ実験じっけんした。かれはテスラとの交流こうりゅうとおしておおくのことまなんだ。テスラは1898ねん7がつ1にちにこの発明はつめい特許とっきょ取得しゅとくした。[8] 1903ねんにはスペインの技術ぎじゅつしゃレオナルド・トーレス・ケベード無線むせん操縦そうじゅうシステム"Telekino"をパリ科学かがくアカデミー実演じつえんし、フランス、スペイン、イギリス、アメリカで特許とっきょ取得しゅとくした。[9] 1904ねんには発明はつめいのジャック・キッチンがウィンダーミア蒸気じょうきせんバットごう自分じぶんつくった実験じっけんてき無線むせん操縦そうじゅう装置そうちんで操縦そうじゅうした。

1909ねんにはフランスの発明はつめいガベが「Torpille Radio-Automatique」とづけた無線むせん操縦そうじゅうしき魚雷ぎょらい実演じつえんした。[10] 1917ねんにはイギリス陸軍りくぐん航空こうくうたい実験じっけん部門ぶもんアーチボルド・ロウが、はじめて航空機こうくうき無線むせん操縦そうじゅう飛行ひこう成功せいこうさせた。

1920年代ねんだいには多様たよう無線むせん操縦そうじゅう船舶せんぱく標的ひょうてきとして海軍かいぐん射撃しゃげき演習えんしゅう使用しようされた。1922ねんにアメリカ海軍かいぐん戦艦せんかんアイオワ世界せかいはつ無線むせん操縦そうじゅう装置そうちそなえた標的ひょうてきかんになった。[11] これにはハモンドが開発かいはつした無線むせん操縦そうじゅう装置そうち設置せっちされ、1923ねん3がつ射撃しゃげき演習えんしゅうによってしずむまで使用しようされた。

ソ連それん赤軍せきぐんは1930年代ねんだいにフィンランドとのふゆ戦争せんそうテレタンクばれる無線むせん制御せいぎょ無人むじん戦車せんしゃ使用しようし、だい世界せかい大戦たいせん開始かいしにはすくなくとも2大隊だいたい編成へんせいしていた。テレタンクはべつ指揮しき戦車せんしゃから500–1,500mの距離きょり操縦そうじゅうでき、この2りょう1個いっこ遠隔えんかく機械きかいてきグループを構成こうせいした。赤軍せきぐんにはさらに遠隔えんかく操作そうさ沿岸えんがん警備けいびてい(カッター)や実験じっけんてき遠隔えんかく操作そうさ飛行機ひこうき存在そんざいした。おなじ1930年代ねんだい、イギリスでは無線むせん操縦そうじゅうしきのタイガーモスであるQueen Bee艦隊かんたい射撃しゃげき訓練くんれんのために開発かいはつした。Queen Beeはのちに、さらに高性能こうせいのう標的ひょうてきとして専用せんよう開発かいはつされた類似るいじ名称めいしょうQueen Wasp交代こうたいした。

ドイツぐん大戦たいせんちゅう無線むせん誘導ゆうどうだんフリッツXヘンシェル Hs 293フンクレンクパンツァー無線むせん誘導ゆうどう戦車せんしゃ実戦じっせん投入とうにゅうし、フリッツXはイタリアの戦艦せんかんローマ」を撃沈げきちんするなどの戦果せんかげた。

日本にっぽんでも無線むせん操縦そうじゅうしき魚雷ぎょらい無敵むてき魚雷ぎょらい」の実験じっけんから、1937ねん無線むせん操縦そうじゅう標的ひょうてきかん改造かいぞうされた「攝津せっつ[12]実際じっさい運用うんようされたり、1930ねんには日比谷公園ひびやこうえん無線むせん操縦そうじゅう戦車せんしゃ長山ながやまごう公開こうかい実験じっけんがおこなわれた記録きろく[13][14]があり、1944ねんにはごういちがたおつ無線むせん誘導ゆうどうだんごういちがたかぶと無線むせん誘導ゆうどうだん開発かいはつされた。

どう時期じき趣味しゅみ分野ぶんやでの無線むせん操縦そうじゅう装置そうちとしては、1937ねん朝日あさひから出版しゅっぱんされていた科学かがく雑誌ざっし、「科学かがく模型もけい工作こうさく少年しょうねん対象たいしょう火花ひばな送信そうしんコヒーラ検波けんぱ使用しようした科学かがく模型もけい製作せいさく記事きじ掲載けいさいされている。

だい世界せかい大戦たいせんでの軍事ぐんじ利用りよう[編集へんしゅう]

無線むせん操縦そうじゅうだい世界せかい大戦たいせんちゅうにさらに発達はったつし、その主役しゅやくはドイツで、多数たすうのミサイル計画けいかく使用しようされた。ドイツの最大さいだい努力どりょくは、攻撃こうげき困難こんなんかつ危険きけんであった艦船かんせん攻撃こうげきするための無線むせん操縦そうじゅうしきミサイルと滑空かっくうばくだんけられた。しかし戦争せんそう末期まっきにはドイツ空軍くうぐん連合れんごうぐん爆撃ばくげきへの攻撃こうげき同様どうよう問題もんだいかかえ、多数たすう指令しれい誘導ゆうどうしき対空たいくうミサイルを開発かいはつしたが、就役しゅうえきしたものはなかった。

ドイツ空軍くうぐんの[たい艦船かんせんようの]システムはおもテレフンケンせいのFunk-Gerät (またはFuG) 203 Kehl 2じくしき送信そうしん(ジョイスティック1ほんそなえる)を指令しれい航空機こうくうき搭載とうさいし、おなじくテレフンケンのFuG 230 Straßburg 受信じゅしん誘導ゆうどう兵器へいき搭載とうさいするもので、動力どうりょく装甲そうこうたいかんばくだんであるフリッツX動力どうりょくしきHs 293誘導ゆうどうばくだん使つかわれたが、その効果こうかはイギリスによる無線むせん信号しんごう妨害ぼうがい(ジャミング)でおおきく低下ていかし、のちにはアメリカぐんによる支援しえんくわわった。ドイツが初期しょき成功せいこうおさめたのち、イギリスは多数たすうコマンド部隊ぶたいおくりこんでミサイルの無線むせんあつめさせた。それから妨害ぼうがい装置そうちをイギリスの艦艇かんていそなえるようになると、ドイツの兵器へいきはまったく「役立やくだたずになった」。これをさとったドイツの開発かいはつチームは有線ゆうせん誘導ゆうどう移行いこうしたが、このたねのシステムが実戦じっせん使用しようできるようになったころには戦場せんじょうはすでにフランス国内こくないうつっていた。

ドイツ海軍かいぐんは1944ねんから、爆薬ばくやく満載まんさいして敵艦てきかんせん攻撃こうげきする無線むせん操縦そうじゅうモーターボート、FL-Boote (ferngelenkte Sprengboote)を運用うんようした。

イギリスとアメリカ両国りょうこくも、ドイツ国内こくない目標もくひょう周辺しゅうへん配備はいびされただい規模きぼ対空たいくうほう陣地じんちけるために、類似るいじ用途ようと無線むせん操縦そうじゅう装置そうち開発かいはつした。しかしこれらのシステムのなか実戦じっせん使用しようえるものはなく、アメリカぐんでのだい規模きぼ使用しようれいであるアフロディーテ作戦さくせん英語えいごばんでは、目標もくひょうよりも使つかがわおおくの危険きけんをもたらす始末しまつだった。ただしアメリカぐんAZON 誘導ゆうどうばくだん欧州おうしゅう戦線せんせん中国ちゅうごくビルマインド戦線せんせんでそれなりの効果こうかげた。

この時代じだい無線むせん操縦そうじゅう装置そうち全体ぜんたいてき電気でんき機械きかいてき構成こうせいで、小型こがた金属きんぞくせいの「ゆび」つまりことなる共振きょうしん周波数しゅうはすう特性とくせいの「リード」をそなえ、それぞれが特定とくてい周波数しゅうはすう受信じゅしんすると多数たすう継電器けいでんきのひとつを作動さどうさせる仕組しくみだった。そして継電器けいでんき多様たようアクチュエータ作動さどうさせ、それがミサイルの制御せいぎょかじめんうごかした。制御せいぎょ装置そうち無線むせん送信そうしんは、制御せいぎょスティックのうごきにおうじてことなる周波数しゅうはすう送信そうしんした。これらは一般いっぱんにON/OFF信号しんごうだった。ただしアメリカぐんのAzon誘導ゆうどうだんかじめん制御せいぎょ使つかわれた無線むせん装置そうち完全かんぜん比例ひれい(プロポーショナル)制御せいぎょで、エルロンはばくだんないのジャイロスコープだけで制御せいぎょされ、ローリングをふせいだ。

これらのシステムは、半導体はんどうたい採用さいようによって無線むせん制御せいぎょ大幅おおはば簡略かんりゃくされる1960年代ねんだいまで幅広はばひろもちいられた。リードしき継電器けいでんき使用しようした電気でんき機械きかいしきシステムは類似るいじ電子でんし回路かいろえられ、小型こがた進行しんこうによっておなじサイズのなかでよりおおくの制御せいぎょ信号しんごうあつかえるようになった。初期しょき制御せいぎょ装置そうちでは振幅しんぷく変調へんちょう利用りようして2または3チャンネルがせいぜいであったが、現代げんだい装置そうちでは周波数しゅうはすう変調へんちょう利用りようにより20以上いじょうのチャンネルを使用しようできる。

戦後せんご[編集へんしゅう]

戦後せんご玩具おもちゃとしてもそれらの技術ぎじゅつ波及はきゅうした。商品しょうひん先鞭せんべんとなったのは1955ねん増田ますだ斎藤さいとう貿易ぼうえき現在げんざい増田屋ますだやコーポレーション)がホビーようとしてラジコンバスであった。当時とうじ高価こうかだったトランジスタ真空しんくうかん使用しようせず、火花ひばな送信そうしんコヒーラ検波けんぱ使用しようしたが、それでも当時とうじ所得しょとく水準すいじゅんから判断はんだんするとかなりの高額こうがくであり、おも輸出ゆしゅつされ、外貨がいか獲得かくとく貢献こうけんした。当時とうじ日本にっぽん国内こくないでの電波でんぱほう認可にんか順調じゅんちょうれたが、米国べいこくでは認可にんか時間じかんがかかり、翌年よくねんなつ発売はつばいされた。ソニーの創業そうぎょうしゃたち分解ぶんかいしてその構造こうぞうおどろいたという。また、増田ますだに、専用せんようふえからおと操縦そうじゅうするソニコン製造せいぞうし、それぞれ当時とうじ同社どうしゃ主力しゅりょく製品せいひんだったブリキせいのバスや自動車じどうしゃ、ロボット、戦車せんしゃとう搭載とうさいされた。

2010年代ねんだいにはマルチコプターのドローンが人気にんきはくした。

種類しゅるい[編集へんしゅう]

制御せいぎょ方式ほうしきによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

シングルしき
ON-OFFの信号しんごうでモータ、エスケープメント作動さどうさせる
マルチしき
リードセレクタでトーン信号しんごう分離ぶんりすることにより複数ふくすうのチャンネルを作動さどうすることができる。リードセレクタを使用しようせずにダイオードマトリックスひとし論理ろんり回路かいろでマルチチャンネルを実現じつげんした形式けいしきもある。
ギャロッピングゴースト(パルス・プロポーショナル)
マグネット・アクチュエータをもちい、左右さゆう均等きんとうかじてるが、がるときはどちらかにかたよことによって、比例ひれい制御せいぎょちかづけた方式ほうしきいまでもマイクロRCプレーンで使つかわれる。アクチュエータをパルス変調へんちょう制御せいぎょし、完全かんぜん比例ひれい制御せいぎょおこなうシステムもある。
アナログプロポーショナルしき
てい周波しゅうは信号しんごう搬送波はんそうはせて比例ひれい制御せいぎょ実現じつげんした。停止ていし位置いち付近ふきんのトルクがよわく、チャンネルあいだ干渉かんしょう調整ちょうせいむずかしく普及ふきゅうしなかった。
デジタルプロポーショナルしき
通常つうじょうプロポとばれる方式ほうしき現在げんざい主流しゅりゅう。スティックの角度かくどおうじてサーボを比例ひれい制御せいぎょすることが出来できるため、方式ほうしきくらすぐれている。かくチャンネルごと送信そうしんのスティックに連動れんどうしたポテンショメーターによってパルス発信はっしん回路かいろとき定数ていすう変化へんかすることかじかくおうじたはば矩形くけい創出そうしゅつされ、マルチプレクサでかくチャンネルの信号しんごうとき系列けいれつてき一定いってい間隔かんかく送出そうしゅつされる、調歩ちょうほしき同期どうきにより一定いってい時間じかん信号しんごう時間じかん存在そんざいする。そのとき受信じゅしんがわ一定いってい時間じかん信号しんごう場合ばあいはリセットされまた1チャンネルから信号しんごうてる。受信じゅしんではとき系列けいれつてきはいってきた信号しんごうをチャンネルごとけサーボにおくる。矩形くけいはばとサーボないのサーボのかじかくおうじた矩形くけいはば比較ひかくして矩形くけいはばひとしくなるようにサーボをうごかすアナログ方式ほうしきから、マイコンによるポテンショ電圧でんあつとサーボ制御せいぎょ入力にゅうりょく信号しんごうあいだ位置いちサーボ制御せいぎょソフトにより、サーボ制御せいぎょ精度せいどがさらにがり、動作どうさレスポンスもはやくなっている。
PPM
パルスはば長短ちょうたんにより角度かくど情報じょうほうおく方式ほうしき。20mS程度ていど周期しゅうきないにチャンネルすうぶんのパルスをおくり、かくパルスのはばによってかくチャンネルの位置いち情報じょうほう伝達でんたつする。
PCM
パルスの長短ちょうたんでサーボの角度かくど情報じょうほうおく従来じゅうらいのプロポーショナルしきとはことなり、スティックの角度かくど情報じょうほういちアナログ/デジタル変換へんかん数値すうち変換へんかんしてから送信そうしんし、受信じゅしんでまたパルスに復号ふくごうする方式ほうしき近年きんねんはサーボもデジタルされ、動作どうさ精度せいどたかいものがおおくなりつつある。現在げんざい通信つうしんデータ圧縮あっしゅく技術ぎじゅつ進歩しんぽでレスポンスもPPM方式ほうしきよりがっている。

電波でんぱ変調へんちょう形式けいしきによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

動力どうりょくげんによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

  • EP (Electric Powered) - 電動でんどう
  • GP (Gas Powered) - エンジン

使用しよう目的もくてきによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

娯楽ごらくよう[編集へんしゅう]

航空機こうくうき自動車じどうしゃ船舶せんぱくなどから、近年きんねんはロボットなどもの以外いがいのものも登場とうじょうし、形態けいたい多岐たきにわたる。価格かかく構造こうぞうにより、おも以下いかの2しゅけられる。(ただし、厳密げんみつ二分にぶんできるわけでは重複じゅうふくする部分ぶぶんもある)

トイよう
おも玩具おもちゃあつかっているみせ販売はんばいされている。みで分解ぶんかい整備せいび消耗しょうもうひん交換こうかん不可ふかなものがおおい(一部いちぶすべての補修ほしゅうひんやチューンナップ部品ぶひんそろえているものもある)。目的もくてきは、子供こどもよう玩具おもちゃやスピード走行そうこう目的もくてきとしないディスプレイモデルようまで様々さまざまである。
ホビーよう
おも模型もけいてん販売はんばいされている。組立くみたて分解ぶんかい整備せいび破損はそん損耗そんこう部品ぶひん交換こうかん、チューンナップなどを購入こうにゅうしゃ自身じしんおこなえるもの。目的もくてきはスピード走行そうこう曲芸きょくげい飛行ひこうなどとったパフォーマンスたのしむことしゅ目的もくてきであり、耐久たいきゅうせい性能せいのう重視じゅうししているためディスプレイモデルとくらべると模型もけいとしての細部さいぶつくまれない傾向けいこうにある。競技きょうぎかいやクラブがあり、世界せかい選手権せんしゅけんがあるものもある。

娯楽ごらく用途ようと以外いがい[編集へんしゅう]

産業さんぎょうようラジコン
農薬のうやく散布さんぷ枝打えだうち、航空こうくう写真しゃしん撮影さつえい架線かせん設置せっち災害さいがい調査ちょうさ沈没ちんぼつせん調査ちょうさなどの業務ぎょうむ使用しようするもの。
宇宙うちゅう開発かいはつ宇宙うちゅう利用りよう
人工じんこう衛星えいせい宇宙うちゅう探査たんさ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうなどを地球ちきゅうじょうから遠隔えんかく操作そうさするために利用りようされる。
軍事ぐんじよう
無人むじん航空機こうくうき情報じょうほう収集しゅうしゅうやピンポイント攻撃こうげき任務にんむ使用しようする。

なお、軍事ぐんじようはもちろんであるが、産業さんぎょうようラジコンは兵器へいきへの転用てんよう可能かのうであるため、購入こうにゅう廃棄はいき転売てんばい輸出入ゆしゅつにゅうきびしく規制きせいされている。

構成こうせい[編集へんしゅう]

  • 送信そうしん - ホビーよう送信そうしん通常つうじょうプロポーショナル方式ほうしき使用しようしているため日本にっぽん国内こくないでは「プロポ」という略称りゃくしょう定着ていちゃくしている。
  • 受信じゅしん
  • サーボ
  • 電子でんししきスピードコントローラー(サーボによって駆動くどうされる機械きかいしきスピードコントローラーは車両しゃりょうがわ付属ふぞくすることがおおい)
  • 電池でんちボックスなどの電源でんげん電動でんどうラジコンよう場合ばあいBEC(Battery Eliminator Circuit)システムによりしゅ電源でんげんから供給きょうきゅうされるので付属ふぞくしない場合ばあいがある)

日本にっぽん国内こくない使用しよう可能かのう電波でんぱ周波数しゅうはすう[編集へんしゅう]

もちいられる電波でんぱ周波数しゅうはすうをバンドといい、電波でんぱほうによりほん用途ようとようてられたものは、27MHz・40MHz・72MHz・73MHz・2.4GHzの5つである。制御せいぎょ可能かのう可動かどうしょかずを「チャンネル」というので、区別くべつのために単一たんいつ周波数しゅうはすうでも「バンド」としょうしていると推測すいそくされる。キャリアぶのがただしい。

ことなるバンドをもちいることで、多人数たにんずう同時どうじ操縦そうじゅうすることを可能かのうにしている。「バンド」は日本にっぽんラジコン電波でんぱ安全あんぜん協会きょうかいにてさだめられている。

27MHzたい
12バンド(地上ちじょう水上すいじょうよう
40MHzたい
8バンド(地上ちじょう水上すいじょうよう)、5バンド(空中くうちゅうよう
72MHzたい
10バンド(空中くうちゅうよう
73MHzたい
産業さんぎょうよう: 3バンド(地上ちじょう水上すいじょうよう)、7バンド(空中くうちゅうよう
2.4GHzISMたい
70バンド以上いじょう地上ちじょう水上すいじょうよう空中くうちゅうよう

主要しゅよう供給きょうきゅうメーカー[編集へんしゅう]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

日本にっぽんのプロポ(おく受信じゅしん)メーカー[編集へんしゅう]

世界せかい各国かっこく愛好あいこうによって、日本にっぽんのプロポがもっともちいられている。

無線むせん操縦そうじゅうよう模型もけいあるいはおく受信じゅしん模型もけいのセットなどのメーカー[編集へんしゅう]

・ルイスヴァージジャパン ・ユニー ・トイザラス ・ダイソー

日本にっぽんのエンジンメーカー[編集へんしゅう]

日本にっぽんのモーターメーカー[編集へんしゅう]

過去かこ関連かんれん製品せいひん販売はんばいしていた日本にっぽんのメーカー[編集へんしゅう]

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

イギリス[編集へんしゅう]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく[編集へんしゅう]

ドイツ[編集へんしゅう]

イタリア[編集へんしゅう]

オランダ[編集へんしゅう]

オーストリア[編集へんしゅう]

スロバキア[編集へんしゅう]

  • XRAY…エックスレイ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

漫画まんが
雑誌ざっし

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 具体ぐたいてきには、おもちゃ(おもちゃ花火はなびがみ・きびがら・千代紙ちよがみのぞく。)、人形にんぎょう押絵おしえ、こま(おもちゃ)、かるた、運動うんどう用具ようぐ体育たいいくよう器械きかい器具きぐ体操たいそうよう器械きかい器具きぐ・スターターピストル・スケートくつのぞく。)、野球やきゅう用具ようぐ、まり、硬式こうしきボール、軟式なんしきボール、テニス用具ようぐ卓球たっきゅう用具ようぐ剣道けんどう用具ようぐ柔道じゅうどう用具ようぐゆみ囲碁いご用具ようぐ将棋しょうぎ用具ようぐ、ビリヤード用具ようぐうたがるた、さいころ、すごろく、ダイスカップ、ダイヤモンドゲーム、チェス用具ようぐ、チェッカー用具ようぐ、ドミノ用具ようぐ、トランプ、花札はなふだ、マージャン用具ようぐ
  2. ^ 「ラジコンマガジン」は日本にっぽんでは別途べっと株式会社かぶしきがいしゃ八重洲出版やえすしゅっぱん所有しょゆうする商標しょうひょう商標しょうひょう登録とうろくだい4661074ごう)である[5]
  3. ^ 欧米おうべい公園こうえんいけなどでしばしばあそばれている無線むせん操縦そうじゅう模型もけいヨットは動力どうりょく風力ふうりょくである。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 商標しょうひょう登録とうろく482788”. 特許とっきょ情報じょうほうプラットフォーム. 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん工業こうぎょう所有しょゆうけん情報じょうほう研修けんしゅうかん. 2018ねん6がつ1にち閲覧えつらん
  2. ^ はじめてのほうへ > Q&A > 商標しょうひょう > 商標しょうひょうけん侵害しんがいとはなにですか。”. 日本にっぽん弁理べんりかい近畿きんき支部しぶ. 2018ねん6がつ1にち閲覧えつらん
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]