ルーブ・ゴールドバーグ・マシン

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Something for nothing(1940ねん
Self-Operating Napkin

ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(Rube Goldberg machine)とは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく漫画まんがルーブ・ゴールドバーグ英語えいごばん発案はつあんした、普通ふつうにすれば簡単かんたんにできることをあえてんだからくり多数たすうもちい、それらが次々つぎつぎ連鎖れんさしていくことで実行じっこうする機械きかい装置そうちのこと。

20世紀せいき機械きかい文明ぶんめい、つまりひたすら機械きかい熱中ねっちゅうしそのみちすす世界せかい、その複雑ふくざつ面倒臭めんどうくささ、無駄むだ馬鹿馬鹿ばかばかしさに着目ちゃくもくし、それを揶揄やゆしたり、風刺ふうしする目的もくてきでルーブ・ゴールドバーグが発案はつあんした。日本にっぽんではテレビ番組ばんぐみピタゴラスイッチ』でひろ認知にんちされたため、番組ばんぐみない名称めいしょうであるピタゴラ装置そうちがルーブ・ゴールドバーグ・マシンの一般いっぱんてき名称めいしょうとして使つかわれることがある。

といじょうぼううえたまころがしたり、ドミノたおしたり、たいうえなにかをいたりするなどの簡単かんたん作業さぎょうおこなうことで仕掛しかけが作動さどうし、それによってつぎ仕掛しかけが作動さどうしていく。このようにしていくつもの仕掛しかけを連鎖れんさてき作動さどうさせ、最終さいしゅうてきなんらかの作業さぎょう実行じっこうする。

1987ねんにはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでコンテストが開始かいしされた。このコンテストは、ひとつの工程こうていをどれだけのステップをんでおこなうかで判定はんていされる。日本にっぽん多摩たま大学だいがくなど、世界せかい各国かっこく同様どうようのコンテストはおお開催かいさいされている。

各種かくしゅ媒体ばいたい登場とうじょうしたルーブ・ゴールドバーグ・マシン[編集へんしゅう]

機械きかい文明ぶんめいへの揶揄やゆという、ルーブ・ゴールドバーグが意図いとした目的もくてきでこの装置そうち登場とうじょうさせた作品さくひんとしてはチャールズ・チャップリン1936ねん映画えいがモダン・タイムス』の自動じどう給食きゅうしょくマシーンがとく有名ゆうめいである[1][2]。それ以降いこうもさまざまな作品さくひん登場とうじょうしている。

映画えいが[編集へんしゅう]

  • トムとジェリー失敗しっぱい成功せいこうのもと」(1955ねん) - トムが複雑ふくざつ仕掛しかけのねずみ製作せいさく
  • チキ・チキ・バン・バン(1968ねん) - おかしな発明はつめいである主人公しゅじんこうが、おおげさな工程こうてい朝食ちょうしょくつく装置そうち披露ひろうしている。
  • スーパーマンIII(1983ねん) - 装置そうちではなくまちちゅう人間にんげんによるれい。ドレスを女性じょせい見惚みほれてはしらにぶつかったおとこがきっかけでドタバタげき展開てんかいされる。
  • ピーウィーのだい冒険ぼうけん(1985ねん) - 映画えいが冒頭ぼうとう主人公しゅじんこうピーウィーがカラフルで派手はで装置そうち朝食ちょうしょくつくる。パンケーキをくフライパンのいきおいがつよすぎてパンケーキが天井てんじょういてしまう。
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985ねん) - 映画えいが冒頭ぼうとう発明はつめいであるドクのいえ登場とうじょう。タイマーによって起動きどう朝食ちょうしょくつくられるが、湯沸ゆわかし容器ようきがセットされていなかったり、トーストが黒焦くろこげとなったり、まともに機能きのうしていたのはいぬえさやり装置そうちだけだった。
  • グーニーズ(1985ねん) - 発明はつめいきの少年しょうねんいえりんすと、ほん装置そうち開始かいしされる。
  • オリビアちゃんのだい冒険ぼうけん(1986ねん) - てきわなにかかった主人公しゅじんこうのネズミたちじゅうおのきむゆか弓矢ゆみやわさったネズミ捕ねずみとりの処刑しょけい装置そうち拘束こうそくされる。主人公しゅじんこう装置そうち仕掛しかけを利用りようすることで処刑しょけい装置そうちから脱出だっしゅつする。
  • マネー・ピット(1986ねん) - 改装かいそう工事こうじちゅういえあしはずしたことがきっかけで不運ふうんかさなり、工事こうじよう足場あしばすべくずれてしまう。
  • ホーム・アローン(1990ねん) - 主人公しゅじんこう泥棒どろぼう撃退げきたいようほん装置そうち仕返しかえしするシーンがとなっている。
  • ブローン・アウェイ/復讐ふくしゅう序曲じょきょく(1994ねん) - 終盤しゅうばんで、ふね利用りようしたちょう大型おおがたばくだん起動きどう装置そうちとして使用しよう。ただし、その用途ようと本人ほんにんげるための時間じかんかせぎだった。
  • フラバー(1997ねん) - 科学かがくしゃ主人公しゅじんこう装置そうち朝食ちょうしょくつくる。
  • ファイナル・デスティネーションシリーズ - のがれられない運命うんめいとらわれた人々ひとびとえがくホラー映画えいが登場とうじょう人物じんぶつたちはありえないほどの偶然ぐうぜんかさなりいたる。
  • ロボッツ(2005ねん) - 主人公しゅじんこうまちへとかうさい球体きゅうたいがたものる。そのものはピンボールのようないきおいで射出しゃしゅつされパイプ、スライド、ハンマーなどのギミックを目的もくてき到着とうちゃくする。
  • グランド・イリュージョン 見破みやぶられたトリック(2016ねん) - 装置そうち最後さいごがギロチンにつながっており登場とうじょう人物じんぶつくび切断せつだんされるというマジックが披露ひろうされる。

テレビ番組ばんぐみ[編集へんしゅう]

ゲーム[編集へんしゅう]

  • インクレディブル・マシーン - 装置そうちをゲームじょう再現さいげんしたゲーム。ステージごとにあたえられる課題かだいたいし、対応たいおうする部品ぶひん設置せっちして課題かだいどおりのうごきを達成たっせいすればクリアとなる。
  • コロぱた - 上記じょうきのインクレディブル・マシーンとおなじようなゲーム。おさな少女しょうじょをゴールにれてくのがクリア条件じょうけん
  • ゴースト トリック - げきちゅういち場面ばめん登場とうじょうし、ストーリーじょう重要じゅうよう役割やくわりたす。
  • ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイしん学期がっき - ゲームないのトリックに使つかわれ、名前なまえ言及げんきゅうされる。

プロモーションビデオ[編集へんしゅう]

  • This Too Shall Pass - アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく・シカゴ出身しゅっしんのロックバンドOK Goとうきょくの2つプロモーションビデオにてルーブ・ゴールドバーグ・マシンが使用しようされている。

ほか[編集へんしゅう]

  • 未来みらいさん』(新谷しんたに明弘あきひろ漫画まんが) - だい9のうみそ」において、なぞ機械きかいという名前なまえ装置そうち手作てづくりセットがバレンタインデーおくもの習慣しゅうかんとして定着ていちゃくしている。
  • 瑠璃るりじょう殺人さつじん事件じけん - 北山きたやまたけしくにによる推理すいり小説しょうせつすすきぼし配置はいちげられた大量たいりょうほんと、切断せつだんされた頭部とうぶによる異様いよう装置そうち登場とうじょうする。
  • HEMA - online winkelen - webサイト。表示ひょうじされている商品しょうひんうごす。

揶揄やゆではなくエンターテイメントとしてっているもの[編集へんしゅう]

機械きかい文明ぶんめいへの揶揄やゆというよりも、派手はでさや巧妙こうみょうさ、面白おもしろさを重視じゅうししたエンターテインメントとしての側面そくめん強調きょうちょうされたテレビ番組ばんぐみ複数ふくすうある。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Charlie Chaplin - Feeding Machine - Modern Times (YouTube配信はいしん) (英語えいご). Charlie Chaplin. 2020ねん3がつ7にち. 該当がいとう時間じかん: 0m43s - 4m05s. 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  2. ^ 小野おの耕世こうせい機械きかいゆめ機械きかいわらい ルーブ・ゴールドバーグの世界せかい」『ぼくの映画えいがオモチャばこ晶文社しょうぶんしゃ、1976ねん6がつISBN 978-4-7949-5548-7 
  3. ^ "すすめ!!コロコロからくり装置そうちおう選手権せんしゅけん". TVチャンピオン. テレビ東京てれびとうきょう. 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]