レイピア・ミサイル・システム (英語 えいご : Rapier missile system )は、イギリス のブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーション (BAC) 社 しゃ が開発 かいはつ した短距離 たんきょり 防空 ぼうくう ミサイル ・システム。この記事 きじ では、両者 りょうしゃ を一括 いっかつ して扱 あつか う。
レイピア・システムの開発 かいはつ は、1961年 ねん よりBAC社 しゃ がプライベート・ベンチャーとして開始 かいし したサイトライン 計画 けいかく に由来 ゆらい する。これは、低 てい 空域 くういき を超 ちょう 音速 おんそく で敏捷 びんしょう に機動 きどう する攻撃 こうげき 機 き と交戦 こうせん するためのもので、光学 こうがく 的 てき な手段 しゅだん により管制 かんせい することとしていた。[ 1]
一方 いっぽう 、1950年代 ねんだい 後半 こうはん より、イギリス陸軍 りくぐん は、アメリカ陸 りく ・海軍 かいぐん とともに、モーラー・ミサイル・システム の開発 かいはつ を進 すす めていた。これは、極 きわ めて先進 せんしん 的 てき なコンセプトを採用 さいよう した短距離 たんきょり 防空 ぼうくう ミサイル・システムであったが、1961年 ねん ごろより、いくつかの問題 もんだい に直面 ちょくめん していた。この計画 けいかく の前途 ぜんと に不安 ふあん を抱 だ いたイギリス陸軍 りくぐん は、万一 まんいち に備 そな えてサイトライン に対 たい して資金 しきん を提供 ていきょう し、ET.316プロジェクト として推進 すいしん することとした。
1963年 ねん 、モーラー計画 けいかく は1960年代 ねんだい 中 ちゅう に配備 はいび に至 いた らないことが明確 めいかく になり、イギリス陸軍 りくぐん は、ET.316プロジェクトを本命 ほんめい に切 き り替 か えた。1966年 ねん に最初 さいしょ の試射 ししゃ が成功 せいこう したのち、ET.316は正式 せいしき にレイピア と命名 めいめい された。[ 1] 全 ぜん 規模 きぼ 試作 しさく は1968年 ねん に行 おこ なわれ、1969年 ねん には正式 せいしき な契約 けいやく が結 むす ばれた。イギリス陸軍 りくぐん には1971年 ねん 、イギリス空軍 くうぐん には1974年 ねん に就役 しゅうえき した。
この間 あいだ 、BAe社 しゃ の誘導 ゆうどう 兵器 へいき 部門 ぶもん (マトラ BAe ダイナミクス)は、MBDA 社 しゃ によって引 ひ き継 つ がれた。
レイピア・ミサイルは、無線 むせん による半 はん 自動 じどう 指令 しれい 照準 しょうじゅん 線 せん 一致 いっち 誘導 ゆうどう 方式 ほうしき を採用 さいよう している。ミサイルの後尾 こうび には4つのフレアが設置 せっち されており、オペレータは、テレビ ・システムによってこれを追尾 ついび しつつ、誘導 ゆうどう 信号 しんごう を送 おく る。レイピア・ミサイルは低空 ていくう 目標 もくひょう の迎撃 げいげき を主眼 しゅがん としており、近接 きんせつ 信管 しんかん ではなく直撃 ちょくげき による撃墜 げきつい を狙 ねら っていることから、弾頭 だんとう は、1.4キログラムと小型 こがた である。
その後 ご 、1989年 ねん には、信管 しんかん と弾頭 だんとう を改良 かいりょう したレイピアMk.1E が生産 せいさん されはじめた。また、1992年 ねん には、ミサイルの制御 せいぎょ ソフトウェアを改良 かいりょう したMk.2 の生産 せいさん について、イギリス陸軍 りくぐん が契約 けいやく を調印 ちょういん した。
シンガポール空軍 くうぐん の運用 うんよう する牽引 けんいん 式 しき 発射 はっしゃ 機 き 。
レイピア・システムは、基本 きほん 的 てき には、牽引 けんいん 式 しき 発射 はっしゃ 機 き を採用 さいよう している。発射 はっしゃ 機 き は、円筒 えんとう 形 がた の中央 ちゅうおう ユニットの両側 りょうがわ に2発 はつ ずつのミサイルを装填 そうてん し、また中央 ちゅうおう ユニットの上部 じょうぶ には捜索 そうさく レーダーと敵 てき 味方 みかた 識別 しきべつ 装置 そうち が、正面 しょうめん にはミサイル誘導 ゆうどう 用 よう のパラボラアンテナ が設置 せっち されている。捜索 そうさく レーダーは15キロメートルの有効 ゆうこう 距離 きょり を持 も つパルス・ドップラー・レーダー である。当初 とうしょ のレイピア・システムは、4連装 れんそう 発射 はっしゃ 機 き と光学 こうがく 管制 かんせい 装置 そうち 、発電 はつでん 機 き と予備 よび 弾 だん 、その要員 よういん が、2台 だい のランドローバー に搭載 とうさい された、可 か 搬式のシステムであった。
このような可 か 搬式システムを自 じ 走 はし 化 か し、機動 きどう 運用 うんよう を可能 かのう にしたモデルも開発 かいはつ された。試作 しさく 車 しゃ は1974年 ねん に完成 かんせい し、自 じ 走 はし 式 しき は1979年 ねん よりイラン陸軍 りくぐん に配備 はいび されはじめる計画 けいかく であったが、イラン革命 かくめい によってこれはキャンセルされた。その後 ご 、イギリス陸軍 りくぐん が採用 さいよう を決定 けってい し、1983年 ねん より配備 はいび されはじめた。これは、M113装甲 そうこう 兵員 へいいん 輸送 ゆそう 車 しゃ の派生 はせい 型 がた であるM548貨物 かもつ 輸送 ゆそう 車 しゃ をベース車体 しゃたい としていた。
その後 ご 、オリジナルの光学 こうがく 追尾 ついび 装置 そうち を新型 しんがた 化 か し、赤外線 せきがいせん 暗視装置 あんしそうち を追加 ついか したモデルとして、レイピア・ダークファイアが開発 かいはつ された。これはFS2B (Field Standard 2B; 通称 つうしょう レイピア90 )構成 こうせい として、1990年 ねん よりイギリス陸軍 りくぐん に配備 はいび されはじめた。
ブラインドファイア追跡 ついせき レーダー
1970年代 ねんだい 初頭 しょとう より、目標 もくひょう 捜索 そうさく 能力 のうりょく を強化 きょうか するため、新 あら たに独立 どくりつ したマルコーニ DN-181「ブラインドファイア 」捜索 そうさく レーダーが開発 かいはつ された。このレーダーは、1973年 ねん にイラン陸軍 りくぐん によって購入 こうにゅう されたのち、1979年 ねん からイギリス陸軍 りくぐん において配備 はいび されはじめたFSA (Field Standard A)構成 こうせい において導入 どうにゅう された。また、これが配備 はいび されはじめた直後 ちょくご から、さらに対 たい レーダーミサイル への対抗 たいこう 策 さく を講 こう じたFSB (Field Standard B)構成 こうせい が開発 かいはつ され、これはフォークランド紛争 ふんそう において実戦 じっせん 投入 とうにゅう された。イギリス海兵 かいへい 隊 たい 第 だい 3コマンドー旅団 りょだん の有 ゆう するレイピアFSBシステムは、おそらく4機 き を撃墜 げきつい したものと考 かんが えられている。
これらの改良 かいりょう を重 かさ ねたことによって、レイピア・システムのコストは上昇 じょうしょう を続 つづ けていた。このことから、輸出 ゆしゅつ 向 む けにより単純 たんじゅん 化 か したシステムとして、目標 もくひょう 追尾 ついび にレーザーを採用 さいよう したモデルも開発 かいはつ され、これはレーザーファイア と呼 よ ばれた。
1992年 ねん 、レイピア90(FS2B)の配備 はいび が開始 かいし され、Mk.2ミサイルの生産 せいさん が開始 かいし された直後 ちょくご 、全面 ぜんめん 的 てき に改良 かいりょう されたレイピア2000(FSC: Field Standard C)が発表 はっぴょう され、1996年 ねん より配備 はいび されはじめた。レイピア2000では、新型 しんがた のダガー 目標 もくひょう 捕捉 ほそく レーダーを追加 ついか した。ダガー・レーダーはJバンドを利用 りよう する3次元 じげん パルス・ドップラー・レーダーで、回転 かいてん 数 すう は60rpmから30rpm、最大 さいだい 探知 たんち 距離 きょり は32キロメートル、高度 こうど は5キロメートルで、同時 どうじ に75個 こ の目標 もくひょう を追尾 ついび できる。
2005年 ねん 11月に退役 たいえき 。
^ a b "Rapier 2000/Jernas" , Jane's Strategic Weapon Systems , 15 February 2008
× は退役 たいえき 済 ずみ ・+ は開発 かいはつ 中止 ちゅうし ・{ }は開発 かいはつ 中 ちゅう 対空 たいくう
対地 たいち
空 そら 対 たい 艦 かん 核 かく
1 英 えい 仏 ふつ 共同 きょうどう 2 英 えい 仏 ふつ 伊 い 共同 きょうどう 3 英 えい 豪 ごう 共同 きょうどう