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レイピアミサイルシステム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
レイピア
スイスぐん運用うんようされるレイピアシステム
種類しゅるい 短距離たんきょり防空ぼうくうミサイル
はら開発かいはつこく イギリスの旗 イギリス
運用うんよう
配備はいび期間きかん 1971
配備はいびさき #運用うんようこく参照さんしょう
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう フォークランド紛争ふんそう
開発かいはつ
開発かいはつ期間きかん 1963
製造せいぞう業者ぎょうしゃ BAC, BAe, MBDA
製造せいぞう期間きかん 1969
製造せいぞうすう ミサイル 25,000はつじゃく
発射はっしゃ 600
レーダー 350
派生はせいがた Mk.1 ("Hittile"), Mk.2B (Missile)
しょもと
重量じゅうりょう 45 kg
全長ぜんちょう 2.235
直径ちょっけい 0.133 m

射程しゃてい 400 - 6,800 m
弾頭だんとう HE破片はへん効果こうか

エンジン 固体こたいロケット
つばさはば 0.138
最大さいだい高度こうど 3,000 m
誘導ゆうどう方式ほうしき 自動じどう/はん自動じどう指令しれい照準しょうじゅんせん一致いっち誘導ゆうどう方式ほうしき(ACLOS/SACLOS)
操舵そうだ方式ほうしき 操縦そうじゅうつばさめん
発射はっしゃ
プラットフォーム
はししき / 搬式
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レイピア・ミサイル・システム英語えいご: Rapier missile system)は、イギリスブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーション (BAC) しゃ開発かいはつした短距離たんきょり防空ぼうくうミサイル・システム。この記事きじでは、両者りょうしゃ一括いっかつしてあつかう。

来歴らいれき

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レイピア・システムの開発かいはつは、1961ねんよりBACしゃがプライベート・ベンチャーとして開始かいししたサイトライン計画けいかく由来ゆらいする。これは、てい空域くういきちょう音速おんそく敏捷びんしょう機動きどうする攻撃こうげき交戦こうせんするためのもので、光学こうがくてき手段しゅだんにより管制かんせいすることとしていた。[1]

一方いっぽう1950年代ねんだい後半こうはんより、イギリス陸軍りくぐんは、アメリカりく海軍かいぐんとともに、モーラー・ミサイル・システム開発かいはつすすめていた。これは、きわめて先進せんしんてきなコンセプトを採用さいようした短距離たんきょり防空ぼうくうミサイル・システムであったが、1961ねんごろより、いくつかの問題もんだい直面ちょくめんしていた。この計画けいかく前途ぜんと不安ふあんいたイギリス陸軍りくぐんは、万一まんいちそなえてサイトラインたいして資金しきん提供ていきょうし、ET.316プロジェクトとして推進すいしんすることとした。

1963ねん、モーラー計画けいかくは1960年代ねんだいちゅう配備はいびいたらないことが明確めいかくになり、イギリス陸軍りくぐんは、ET.316プロジェクトを本命ほんめいえた。1966ねん最初さいしょ試射ししゃ成功せいこうしたのち、ET.316は正式せいしきレイピア命名めいめいされた。[1] ぜん規模きぼ試作しさくは1968ねんおこなわれ、1969ねんには正式せいしき契約けいやくむすばれた。イギリス陸軍りくぐんには1971ねんイギリス空軍くうぐんには1974ねん就役しゅうえきした。

このあいだ、BAeしゃ誘導ゆうどう兵器へいき部門ぶもん(マトラ BAe ダイナミクス)は、MBDAしゃによってがれた。

設計せっけい配備はいび

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ミサイル

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レイピア・ミサイルは、無線むせんによるはん自動じどう指令しれい照準しょうじゅんせん一致いっち誘導ゆうどう方式ほうしき採用さいようしている。ミサイルの後尾こうびには4つのフレアが設置せっちされており、オペレータは、テレビ・システムによってこれを追尾ついびしつつ、誘導ゆうどう信号しんごうおくる。レイピア・ミサイルは低空ていくう目標もくひょう迎撃げいげき主眼しゅがんとしており、近接きんせつ信管しんかんではなく直撃ちょくげきによる撃墜げきついねらっていることから、弾頭だんとうは、1.4キログラムと小型こがたである。

その、1989ねんには、信管しんかん弾頭だんとう改良かいりょうしたレイピアMk.1E生産せいさんされはじめた。また、1992ねんには、ミサイルの制御せいぎょソフトウェアを改良かいりょうしたMk.2生産せいさんについて、イギリス陸軍りくぐん契約けいやく調印ちょういんした。

発射はっしゃ光学こうがく追尾ついび装置そうち

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シンガポール空軍くうぐん運用うんようする牽引けんいんしき発射はっしゃ

レイピア・システムは、基本きほんてきには、牽引けんいんしき発射はっしゃ採用さいようしている。発射はっしゃは、円筒えんとうがた中央ちゅうおうユニットの両側りょうがわに2はつずつのミサイルを装填そうてんし、また中央ちゅうおうユニットの上部じょうぶには捜索そうさくレーダーとてき味方みかた識別しきべつ装置そうちが、正面しょうめんにはミサイル誘導ゆうどうようパラボラアンテナ設置せっちされている。捜索そうさくレーダーは15キロメートルの有効ゆうこう距離きょりつパルス・ドップラー・レーダーである。当初とうしょのレイピア・システムは、4連装れんそう発射はっしゃ光学こうがく管制かんせい装置そうち発電はつでん予備よびだん、その要員よういんが、2だいランドローバー搭載とうさいされた、搬式のシステムであった。

このような搬式システムをはしし、機動きどう運用うんよう可能かのうにしたモデルも開発かいはつされた。試作しさくしゃは1974ねん完成かんせいし、はししきは1979ねんよりイラン陸軍りくぐん配備はいびされはじめる計画けいかくであったが、イラン革命かくめいによってこれはキャンセルされた。その、イギリス陸軍りくぐん採用さいよう決定けっていし、1983ねんより配備はいびされはじめた。これは、M113装甲そうこう兵員へいいん輸送ゆそうしゃ派生はせいがたであるM548貨物かもつ輸送ゆそうしゃをベース車体しゃたいとしていた。

その、オリジナルの光学こうがく追尾ついび装置そうち新型しんがたし、赤外線せきがいせん暗視装置あんしそうち追加ついかしたモデルとして、レイピア・ダークファイアが開発かいはつされた。これはFS2B(Field Standard 2B; 通称つうしょうレイピア90構成こうせいとして、1990ねんよりイギリス陸軍りくぐん配備はいびされはじめた。

レーダーとレーザー

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ブラインドファイア追跡ついせきレーダー

1970年代ねんだい初頭しょとうより、目標もくひょう捜索そうさく能力のうりょく強化きょうかするため、あらたに独立どくりつしたマルコーニ DN-181「ブラインドファイア捜索そうさくレーダーが開発かいはつされた。このレーダーは、1973ねんにイラン陸軍りくぐんによって購入こうにゅうされたのち、1979ねんからイギリス陸軍りくぐんにおいて配備はいびされはじめたFSA(Field Standard A)構成こうせいにおいて導入どうにゅうされた。また、これが配備はいびされはじめた直後ちょくごから、さらにたいレーダーミサイルへの対抗たいこうさくこうじたFSB(Field Standard B)構成こうせい開発かいはつされ、これはフォークランド紛争ふんそうにおいて実戦じっせん投入とうにゅうされた。イギリス海兵かいへいたいだい3コマンドー旅団りょだんゆうするレイピアFSBシステムは、おそらく4撃墜げきついしたものとかんがえられている。

これらの改良かいりょうかさねたことによって、レイピア・システムのコストは上昇じょうしょうつづけていた。このことから、輸出ゆしゅつけにより単純たんじゅんしたシステムとして、目標もくひょう追尾ついびにレーザーを採用さいようしたモデルも開発かいはつされ、これはレーザーファイアばれた。

1992ねん、レイピア90(FS2B)の配備はいび開始かいしされ、Mk.2ミサイルの生産せいさん開始かいしされた直後ちょくご全面ぜんめんてき改良かいりょうされたレイピア2000(FSC: Field Standard C)が発表はっぴょうされ、1996ねんより配備はいびされはじめた。レイピア2000では、新型しんがたダガー目標もくひょう捕捉ほそくレーダーを追加ついかした。ダガー・レーダーはJバンドを利用りようする3次元じげんパルス・ドップラー・レーダーで、回転かいてんすうは60rpmから30rpm、最大さいだい探知たんち距離きょりは32キロメートル、高度こうどは5キロメートルで、同時どうじに75目標もくひょう追尾ついびできる。

運用うんようこく

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2005ねん11月に退役たいえき

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b "Rapier 2000/Jernas", Jane's Strategic Weapon Systems, 15 February 2008

参考さんこう文献ぶんけん

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