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ファイアストリーク (ミサイル)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファイアストリーク
種類しゅるい そら対空たいくうミサイル
はら開発かいはつこく イギリスの旗 イギリス
運用うんよう
配備はいび期間きかん 1957–1988
配備はいびさき イギリスクウェートサウジアラビア.
開発かいはつ
開発かいはつ期間きかん 1951
しょもと
重量じゅうりょう 136 kg (300 lb)
全長ぜんちょう 3.19 m (10 ft 5.5 in)
直径ちょっけい 0.223 m (8.75 in)

弾頭だんとう 22.7 kg (50 lb) コンティニュアス・ロッド弾頭だんとう
信管しんかん 赤外線せきがいせん近接きんせつ信管しんかん

エンジン Magpie 固体こたいロケット
つばさはば 0.75 m (29.4 in)
誘導ゆうどう方式ほうしき 赤外線せきがいせんホーミング(IRH)
操舵そうだ方式ほうしき つばさめん制御せいぎょしき
発射はっしゃ
プラットフォーム
固定こていつばさ
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デ・ハビランド ファイアストリーク(de Havilland Firestreak)は、イギリスだいいち世代せだいパッシブ赤外線せきがいせんホーミングそら対空たいくうミサイルデ・ハビランドホーカー・シドレー)によって1950年代ねんだい開発かいはつされ、イギリス空軍くうぐんイギリス海軍かいぐん艦隊かんたい航空こうくうたい実戦じっせん配備はいびされたそら対空たいくうミサイルとしては最初さいしょのものであった。イングリッシュ・エレクトリック ライトニングデ・ハビランド シービクセングロスター ジャベリン搭載とうさいされた。

てき後方こうほう左右さゆう20からロックオンが可能かのう[1]ファイア・アンド・フォーゲットしき短距離たんきょりそら対空たいくうミサイルであった。こう発展はってんがたであるレッドトップミサイルによってえられたが、ライトニングが装備そうびした場合ばあいそらりょく性能せいのう向上こうじょうしたため[よう出典しゅってん]一部いちぶはライトニングが退役たいえきする1988ねんまで現役げんえきであった。

開発かいはつ

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ファイアストリークを装備そうびしたライトニング

ファイアストリークは運用うんよう要求ようきゅう OR.1056 で指示しじされたレッドホーク ミサイルからはじまる一連いちれんのプロジェクトの結果けっかとして開発かいはつされた。当初とうしょ計画けいかくはあまりに野心やしんてき最先端さいせんたんであったため、1951ねん要求ようきゅうひくくしたOR.1117され、軍需ぐんじゅしょうレインボーコードしたがって、Blue Jay名称めいしょうあたえられた[1]

ブルー・ジェイは従来じゅうらいがた外観がいかんのミサイルで、デルタがたつばさ中央ちゅうおうよりややうしろにけられ、にはちいさな矩形くけい操縦そうじゅうつばさけられた。内部ないぶはもっと複雑ふくざつであった。後部こうぶ操縦そうじゅうつばさは、先端せんたん設置せっちされたアクチュエータから、ながいロッドをかいして操作そうさされるようになっていた。アクチュエータの動力どうりょく後部こうぶのエアコンプレッサーであった。なまり - テルル(PbTe)赤外線せきがいせんシーカーは、はち角錐かくすいがたさん硫化りゅうかヒ素ひその「ペンシルがた」ノーズコーンのしたかれ、SN向上こうじょうさせるために無水むすいアンモニアで-180°C に冷却れいきゃくされた。一般いっぱんてきではないカットされたノーズコーンが使つかわれたのは、従来じゅうらいがた半球はんきゅうじょうノーズは、こおり付着ふちゃくしやすいとかったためである[2]光学こうがくてき近接きんせつ信管しんかんのために、胴体どうたい前方ぜんぽうに2れつ台形だいけいじょうまど胴体どうたいくようにけられた。弾頭だんとうはミサイルの後部こうぶ、マグパイ・ロケットの排出はいしゅつこうくようにかれた。

配備はいび

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トロリーにせられたファイアストリーク。近接きんせつ信管しんかんようまどは、保護ほごのためのあかいゴムバンドでかれている

1955ねん、ブルー・ジェイの最初さいしょ空中くうちゅう発射はっしゃデ・ハビランド ベノムからおこなわれ、標的ひょうてきとされたフェアリー ファイアフライ破壊はかい成功せいこうした[2]ブルー・ジェイ Mk.1は1957ねん空軍くうぐん実戦じっせん配備はいびされ、ファイアストリークと名付なづけられた。1958ねん8がつには海軍かいぐんでも採用さいようされた[3]が、イギリスの最初さいしょ有効ゆうこうそら対空たいくうミサイルとなった[3]

発射はっしゃには、てきをロックするまでミサイルのシーカーはははのレーダー(ライトニングの場合ばあいフェランティAIRPASS、シー・ビクセンの場合ばあいGEC AI.18)のスレーブモードとなる。発射はっしゃには、ははてき自由じゆうさがすことができた[4]問題もんだいてんは、(おそらくはマグパイロケットのため)ミサイルの毒性どくせいつよく、地上ちじょう作業さぎょういんはミサイルを積載せきさいするさいに、防護ぼうごふく必要ひつようがあった。また、「現在げんざい(1990年代ねんだい)のミサイルとはことなり、・・・ファイアストリークはくもそとでなければ使用しようできなかった。そして、イギリスではふゆれているほとんかった」[5]

改良かいりょう

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サンダース・ロー SR.177アブロ 720のようなふくあい動力どうりょく要撃ようげきようとして、軍用ぐんよう仕様しよう F.124T としてファイアストリークの改良かいりょうがたが2あん検討けんとうされたが、いずれも実現じつげんしていない。Mk. 2 ではあたらしいロケットエンジンへのかわそう計画けいかくされ、Mk. 3 では全幅ぜんぷく延長えんちょう速度そくどおさえた[4]。ファイアストリークの改良かいりょうは、ブルー・ジェイ Mk.4(のちに、ブルー・ヴェスタと改称かいしょう)として、ソ連それんちょう音速おんそくばくげき対抗たいこうするロケット推進すいしん要撃ようげき武装ぶそうとして、ふたたすすめられた。軍用ぐんよう仕様しよう F.124T はキャンセルされたが、ブルー・ジェイ Mk.4 の開発かいはつつづけられ、1964ねんレッドトップ ミサイルとして実戦じっせん配備はいびされた[3]。レッドトップはファイアストリークをえる予定よていであったが、ファイアストリークを装備そうびするとライトニングのそらりょく性能せいのう向上こうじょうしたため[よう出典しゅってん]、ライトニングが1988ねん引退いんたいするまで、一部いちぶ現役げんえきにあった。

レッドトップはファイアストリークより高速こうそくでまた射程しゃていなが[3]、さらにちょう音速おんそく飛行ひこうする標的ひょうてきたいしてぜん方向ほうこうから追尾ついび可能かのうであった[3]。ファイアストリークとレッドトップの重要じゅうよう差異さいひとつは、使用しようされた電子でんし技術ぎじゅつである。ファイアストリークの電子でんし装置そうち真空しんくうかん使用しようしており、真空しんくうかんのフィラメントがはっするねつ冷却れいきゃくするための冷却れいきゃくパイプが必要ひつようであった。このため、ファイアストリークミサイルは、地上ちじょうではフロンで、飛行ひこうちゅうははのポンプを使つかってアンモニア冷却れいきゃくされた。レッドトップミサイルではトランジスタ使つかわれ、むしろ加熱かねつ必要ひつようであった。

採用さいよう組織そしき

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クウェートの旗 クウェート
  • クウェート空軍くうぐん
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
  • サウジアラビア空軍くうぐん
イギリスの旗 イギリス

関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Gibson 2007, p. 33
  2. ^ a b Gibson 2007, p. 34
  3. ^ a b c d e Boyne, Walter J, Air Warfare: an International Encyclopedia, Volume 1, pub ABC-CLIO Inc, 2002, ISBN 1-57607-345-9 p267.
  4. ^ a b Gibson 2007, p. 35
  5. ^ Black, Ian, The Last of the Lightnings, pub PSL, 1996, ISBN 1-85260-541-3, p141.

出版しゅっぱんぶつ

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  • Gibson, Chris; Buttler, Tony (2007), British Secret Projects: Hypersonics, Ramjets and Missiles, Midland Publishing, pp. 33–35, ISBN 978-1857802580 

外部がいぶリンク

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