レズギ語ご

レズギ語ご;
	лезги чІал
発音はつおん	IPA: [lezɡi tʃʼal]
話はなされる国くに	ロシア; アゼルバイジャン; ジョージア; カザフスタン; キルギス; トルコ; トルクメニスタン; ウクライナ; ウズベキスタン
地域ちいき	ダゲスタン共和きょうわ国こく南部なんぶ; カスピ海かすぴかい西岸せいがん; カフカース中央ちゅうおう部ぶ
話者わしゃ数すう	783,720
言語げんご系統けいとう	コーカサス諸語しょご北東ほくとうコーカサス語族ごぞくダゲスタン語ご派はレズギ諸語しょご核かくレズギ諸語しょご東ひがしレズギ諸語しょごレズギ語ご; ; ; ; ; ;
表記ひょうき体系たいけい	キリル文字もじ
公的こうてき地位ちい
公用こうよう語ご	ダゲスタン共和きょうわ国こく
統制とうせい機関きかん	統制とうせいなし
言語げんごコード
ISO 639-2	lez
ISO 639-3	lez
消滅しょうめつ危険きけん度ど評価ひょうか
	Vulnerable (Moseley 2010)
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レズギ語ご（Lezgian、Lezgi、Lezgin）は、コーカサス諸語しょごに属ぞくする言語げんごである。話者わしゃはダゲスタン共和きょうわ国こく南部なんぶやアゼルバイジャン北部ほくぶに居住きょじゅうするレズギ人ぎじんである。

音韻おんいん論ろん[編集へんしゅう]

母音ぼいん[編集へんしゅう]

レズギ語ごの母音ぼいん^[2]
	前ぜん舌した母音ぼいん		中ちゅう舌した母音ぼいん	後こう舌した母音ぼいん
	非ひ円えん唇くちびる母音ぼいん	円えん唇くちびる母音ぼいん	中ちゅう舌した母音ぼいん	後こう舌した母音ぼいん
狭せま母音ぼいん	i (и)	y (уь)		u (у)
中なか	e (е; э)
広こう母音ぼいん	æ (я)		a (а)

/a/ には主要しゅような2つの異い音おとである [ɑ] と [ʌ] が存在そんざいする。前者ぜんしゃは閉音節ぶし（とりわけ口蓋垂こうがいすい音おんと /r/ の直前ちょくぜん）に頻出ひんしゅつする。一方いっぽう、後者こうしゃは開ひらけ音節おんせつに頻出ひんしゅつする。
/a/ は唇音しんおんの直後ちょくごで円えん唇くちびる化かされることが非常ひじょうに多おおく、これで唇音しんおんがその唇音しんおん性せいを失うしなう場合ばあいもある。
/e/ は強つよ勢ぜいのある音節おんせつにおいてより広ひろい[ɛ]となる。
「母音ぼいん + /n/」の組くみ合あわせの後のちに母音ぼいんが続つづかない場合ばあい、 /n/ が脱落だつらくしてその直前ちょくぜんの母音ぼいんが鼻音びおん化かされることがある。従したがって、 /zun/ ('私わたし、我わが') は [zũ] と発音はつおんされ得える。
このほか、ロシア語ご由来ゆらいの単語たんごにо[o], ы[ɨ]も出現しゅつげんしうる。

子音しいん[編集へんしゅう]

レズギ語ごには54の子音しいんがある。

		唇音しんおん	歯音しおん		後部こうぶ歯茎はぐき音おん	軟口蓋なんこうがい音おん		口蓋垂こうがいすい音おん		声門せいもん音おん
		唇音しんおん	plain	唇音しんおん化か	後部こうぶ歯茎はぐき音おん	plain	唇音しんおん化か	plain	唇音しんおん化か	声門せいもん音おん
鼻音びおん		/m/ м	/n/ н
破裂はれつ音おん	有声音ゆうせいおん	/b/ б	/d/ д	/dʷ/ дв		/g/ г	/gʷ/ гв
	無声音むせいおん	/p/ п	/t/ т	/tʷ/ тв		/k/ к	/kʷ/ кв	/q/ къ	/qʷ/ къв	/ʔ/ ъ
	有ゆう気き音おん	/pʰ/ п	/tʰ/ т	/tʷʰ/ тв		/kʰ/ к	/kʷʰ/ кв	/qʰ/ хъ	/qʷʰ/ хъв
	放出ほうしゅつ音おん	/pʼ/ пI	/tʼ/ тI	/tʷʼ/ тIв		/kʼ/ кI	/kʷʼ/ кIв	/qʼ/ кь	/qʷʼ/ кьв
破やぶ擦ず音おと	無声音むせいおん		/t͡s/ ц	/t͡sʷ/ цв	/t͡ʃ/ ч
	有ゆう気き音おん		/t͡sʰ/ ц	/t͡sʷʰ/ цв	/t͡ʃʰ/ ч
	放出ほうしゅつ音おん		/t͡sʼ/ цI	/t͡sʷʼ/ цIв	/t͡ʃʼ/ чI
摩擦音まさつおん	有声音ゆうせいおん		/z/ з	/zʷ/ зв	/ʒ/ ж			/ʁ/ гъ	/ʁʷ/ гъв
摩擦音まさつおん	無声音むせいおん	/f/ ф	/s/ с	/sʷ/ св	/ʃ/ ш	/x/ хь		/χかい/ х	/χかいʷ/ хв	/h/ гь
接近せっきん音おん			/l/ л				/w/ в
ふるえ音おん			/r/ р

19世紀せいきよりアラビア文字もじを用もちいて表記ひょうきしていた。また右みぎの図ずに示しめしたキリル文字もじを用もちいた表記ひょうき方法ほうほうがピョートル・ウスラル(П. К. Услар)により考案こうあんされた。1928年ねんにはソビエト連邦れんぽう政府せいふによりロろーマ字まじによる正書法せいしょほうが定さだめられた^[3]。その後ご1938年ねんにキリル文字もじを用もちいた現行げんこうの正書法せいしょほうに移行いこうした^[4]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ Enthnologue report for Lezgi
^ Chitoran & Babaliyeva (2007:2153)
^ Культура и письменность востока. Книга 2-ая. - Баку., 1928, 閲覧えつらん日び:2019年ねん9月がつ20日はつか
^ eki.ee, 閲覧えつらん日び:2019年ねん9月がつ20日はつか

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

Chitoran, Ioanna; Babaliyeva, Ayten (2007), “An acoustic description of high vowel syncope in Lezgian”, Proceedings of the 16th International Congress of Phonetic Sciences, pp. 2153–2156 [1]
Haspelmath, Martin. 1993. A grammar of Lezgian. (Mouton grammar library; 9). Berlin & New York: Mouton de Gruyter. – ISBN 3-11-013735-6
Talibov, Bukar B. and Magomed M. Gadžiev. 1966. Lezginsko-russkij slovar’. Moskva: Izd. Sovetskaja Ėnciklopedija.

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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[Ethnologue-1] Enthnologue report for Lezgi

[2] Chitoran & Babaliyeva (2007:2153)

[3] Культура и письменность востока. Книга 2-ая. - Баку., 1928, 閲覧えつらん日び:2019年ねん9月がつ20日はつか

[4] .ee, 閲覧えつらん日び:2019年ねん9月がつ20日はつか

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