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ロウバイ

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ロウバイ
ロウバイ(中心ちゅうしん花弁はなびら暗紫色あんししょく
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい
もん : 被子植物ひししょくぶつもん Magnoliophyta
つな : そう子葉しよう植物しょくぶつつな Magnoliopsida
: クスノキ Laurales
: ロウバイ Calycanthaceae
ぞく : ロウバイぞく Chimonanthus
たね : ロウバイ C. praecox
学名がくめい
Chimonanthus praecox (L.) Link[1]
和名わみょう
ロウバイ
Chimonanthus praecox

ロウバイ蝋梅ろうばい(蠟梅[2])、臘梅ろうばいからうめ〔カラウメ〕、学名がくめいChimonanthus praecox)は、クスノキロウバイロウバイぞくぞくする中国ちゅうごく原産げんさん落葉樹らくようじゅである。

名称めいしょう

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和名わみょうの「ロウバイ」の語源ごげんは、かんめいの「蝋梅ろうばい」の音読おんよみとされ[3]由来ゆらいについて一説いっせつには、陰暦いんれきの12月にあたる朧月おぼろづき(ろうげつ)にウメのかおりのはなかせるためだとわれている[3]。『本草ほんぞう綱目こうもく』によれば、はん透明とうめいでにぶいツヤのあるはなびらがまるでろう細工ざいくのようであり、かつ臘月ろうげつくことにちなむという[4]

特徴とくちょう

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中国ちゅうごく原産げんさんで、日本にっぽん渡来とらいしたのは17世紀せいきはじめの江戸えど時代じだいごろとされる[3]庭木にわきとしてひろえられている[3]

落葉らくよう広葉樹こうようじゅ低木ていぼく[3]たかさは2 - 5 mになる[2]株立かぶだちし、樹皮じゅひあわばい褐色かっしょくかわたてならび、生長せいちょうとともにあされたようになる[2]ながさ10 - 20 cmほそちょう楕円だえんがたで、りょうはしとが[3]

花期かき時期じきは1 - 2がつ[3]早生わせしゅでは12月ごろに、晩生ばんせいしゅでも2がつにかけてはん透明とうめいでにぶいツヤのある黄色きいろかおたかはながややしたいて[4]花色はないろ外側そとがわあわ黄色きいろ内側うちがわ暗紫色あんししょくをしている[2]果実かじつやせはて一見いっけんすると種子しゅしえ、はなたく生長せいちょうしてつぼじょうにせはてになり、なかにせはてまりすうから10程度ていどられる[3]

冬芽とうがえだ対生たいせいし、たまごがた花芽かが球形きゅうけいをしている[2]えださきにはかりいただき)が2つく[2]

ロウバイぞくにはに5しゅがあり、いずれも中国ちゅうごくさんする。なお、ウメさむ時期じき開花かいかし、かおりがつよく、はながらみじかはなえだにまとまってつくといった類似るいじてんがあるが、バラバラぞくしており系統的けいとうてきには遠縁とおえんである。

品種ひんしゅ

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ソシンロウバイ(もとこころ蝋梅ろうばい)やトウロウバイ(から蝋梅ろうばい)などの品種ひんしゅがある。よく栽培さいばいされているのはソシンロウバイではな全体ぜんたい黄色きいろで、ロウバイよりもよく結実けつじつする[2]。ロウバイの基本きほんしゅは、はな中心ちゅうしん暗紫色あんししょくで、その周囲しゅうい黄色きいろである[2]

  • カカバイ(いぬきば蝋梅ろうばいいぬはえうめ学名がくめいChimonanthus praecox (L.) Link f. intermedius (Makino) Okuyama[5]
  • ソシンロウバイ(もとこころ蝋梅ろうばい学名がくめいChimonanthus praecox (L.) Link f. concolor (Makino) Makino[6]
    • マンゲツロウバイ(満月まんげつ蝋梅ろうばい
    • シロバナロウバイ(しろはな蝋梅ろうばい
ほかにも「あげしゅう」「つるしきんかね」などの栽培さいばい品種ひんしゅがある。
  • トウロウバイ(から蝋梅ろうばい学名がくめいChimonanthus praecox (L.) Link var. grandiflorus (Lindl.) Makino[7]
とら蹄」「たかししゅ」などの栽培さいばい品種ひんしゅがある。

ひととのかかわり

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栽培さいばい

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土壌どじょうをあまりえらばず、かなり日陰ひかげのところでもよくそだ開花かいかする丈夫じょうぶ花木はなきである。

繁殖はんしょくは、品種ひんしゅものの一部いちぶのぞ一般いっぱんてきだが実生みしょうからの育成いくせい容易よういたねまきからもっと簡単かんたんそだてられるしゅである。晩秋ばんしゅうになると、ちゃしょくがなっており、なかのタネ(しん果実かじつ)はアズキくらいのおおきさである。さむさにわせたほうがよく発芽はつがするといい、にわき、5 mmほど覆土ふくどしておくと、春分しゅんぶんぎてからえてくる。

毒性どくせい

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種子しゅしなどにアルカロイドであるカリカンチンフランス語ふらんすごばんふく有毒ゆうどく中毒ちゅうどくすればストリキニーネよう中毒ちゅうどく症状しょうじょうしめす。カリカンチンの致死ちしりょうマウス44 mg/kg(静脈じょうみゃく注射ちゅうしゃ)、ラット17 mg/kg(静脈じょうみゃく注射ちゅうしゃ)である。

薬用やくよう

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はなやつぼみから抽出ちゅうしゅつした蝋梅ろうばい(ろうばいゆ)をくすりとして使用しようする。中国ちゅうごくでは、はなやけどくすりにするとわれている[3]

文化ぶんか

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日本にっぽんにおいては晩冬ばんとう小寒しょうかん〔1がつ6にちごろ〕から立春りっしゅん前日ぜんじつ〔2がつ3にちごろ〕までのあいだ)の季語きごとされる[8]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Chimonanthus praecox(L.) Link”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h 鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ 2014, p. 237.
  3. ^ a b c d e f g h i 平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん 1997, p. 116.
  4. ^ a b ロウバイとは”. ヤサシイエンゲイ. 2015ねん12月28にち閲覧えつらん
  5. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Chimonanthus praecox(L.) Link f. intermedius(Makino) Okuyama”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  6. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Chimonanthus praecox(L.) Link f. concolor(Makino) Makino”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  7. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Chimonanthus praecox(L.) Link var. grandiflorus(Lindl.) Makino”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  8. ^ 臘梅ろうばい”. きごさい. 2015ねん12月28にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ樹皮じゅひ冬芽とうが四季しきつうじて樹木じゅもく観察かんさつする 431しゅまことぶんどう新光しんこうしゃ〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014ねん10がつ10日とおか、237ぺーじISBN 978-4-416-61438-9 
  • 平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん樹木じゅもくガイドブック』永岡書店ながおかしょてん、1997ねん5がつ10日とおか、116ぺーじISBN 4-522-21557-6 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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