三浦みうら新七しんしち

みうら しんしち 三浦みうら 新七しんしち
生誕せいたん	1877年ねん8月がつ12日にち 山形やまがた県けん山形やまがた市し旅籠はたご町まち
死没しぼつ	(1947-08-14) 1947年ねん8月がつ14日にち（70歳さい没ぼつ） 東京とうきょう都と
墓地ぼち	山形やまがた市しの見聞けんぶん寺てら
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう高等こうとう商業しょうぎょう学校がっこう
職業しょくぎょう	両りょう羽はね銀行ぎんこう頭取とうどり 貴族きぞく院いん議員ぎいん 東京とうきょう商科しょうか大学だいがく学長がくちょう
親戚しんせき	三浦みうら新しん（孫まご） 三浦みうら新一郎しんいちろう（曾孫そうそん）

三浦みうら 新七しんしち（みうら しんしち、1877年ねん〈明治めいじ10年ねん〉6月がつ12日にち - 1947年ねん〈昭和しょうわ22年ねん〉8月がつ14日にち）は、日本にっぽんの経済けいざい学者がくしゃ、実業じつぎょう家か、政治せいじ家か。専せん門もんは経済けいざい史し。1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）帝国ていこく学士がくし院いん会員かいいん。研究けんきゅう者しゃ、財界ざいかい人じん、政治せいじ家かとして活躍かつやくした。

来歴らいれき・人物じんぶつ

山形やまがた県けん山形やまがた市し旅籠はたご町まちの三浦みうら新しん兵衛ひょうえの四よん男おとことして生うまれる。旧制きゅうせい山形やまがた中学校ちゅうがっこう（現げん：山形やまがた県立けんりつ山形東高等学校やまがたひがしこうとうがっこう）を経へて、東京とうきょう高等こうとう商業しょうぎょう学校がっこう（現げん：一橋大学ひとつばしだいがく）卒そつ。1903年ねん（明治めいじ36年ねん）からイギリス・ドイツに留学りゅうがくし、ライプツィヒ大学だいがくでランプレヒトに師事しじし、歴史れきし学がくを研究けんきゅうする。

帰国きこく後ごの1911年ねん（明治めいじ44年ねん）、母校ぼこうである東京とうきょう高等こうとう商業しょうぎょう学校がっこうの教授きょうじゅとなり経済けいざい史し、文明ぶんめい史しを教おしえた。三浦みうらゼミ出身しゅっしん者しゃに上原うえはら専せん禄ろく（中世ちゅうせいヨーロッパ史し学者がくしゃ・元もと一橋大ひとつばしだい教授きょうじゅ）、村松むらまつ恒ひさし一郎いちろう（経済けいざい史し学者がくしゃ・一橋大ひとつばしだい名誉めいよ教授きょうじゅ）、町田まちだ實みのる秀しゅう（法制ほうせい史し学者がくしゃ・一橋大ひとつばしだい名誉めいよ教授きょうじゅ）、渡辺わたなべ輝一きいち（経済けいざい学者がくしゃ・横浜国立大学よこはまこくりつだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ）、増田ますだ四郎しろう（西洋せいよう史し学者がくしゃ・一橋大学ひとつばしだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ）、増淵ますぶち龍夫たつお（中国ちゅうごく史し学者がくしゃ・一橋大学ひとつばしだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ）、笠りゅう信太郎しんたろう（ジャーナリスト・元げん朝日新聞あさひしんぶん論説ろんせつ主幹しゅかん）、山口やまぐち茂しげる（経済けいざい学者がくしゃ・一橋大学ひとつばしだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ）など。

1912年ねん（明治めいじ45年ねん）一族いちぞくの宗長そうちょうである三浦みうら家か（元もと両羽りょうう銀行ぎんこう頭取とうどり三浦みうら権四郎けんしろう）の養嗣子ようししとなる。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）家業かぎょうである両羽りょうう銀行ぎんこう（現げん：山形銀行やまがたぎんこう）監査かんさ役やくとなり、その後ご、同どう頭取とうどりに就任しゅうにんする。当時とうじの日本にっぽんは、1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）の戦後せんご恐慌きょうこう、1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）の金融きんゆう恐慌きょうこう、そして、1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）の昭和しょうわ恐慌きょうこうと3度どの恐慌きょうこうに見舞みまわれ、当時とうじの金融きんゆう機関きかんは苦境くきょうに陥おちいっていた。両羽りょうう銀行ぎんこうとて例外れいがいではなく、山形やまがた県けんの中核ちゅうかく的てき金融きんゆう機関きかんとして、多おおくの不良ふりょう債権さいけんを抱かかえ込こむに至いたった。このため筆頭ひっとう株主かぶぬしである三浦みうら家かの養嗣子ようししとなった新しん七ななに対たいし、帰郷ききょうを要請ようせいし同行どうこうの再建さいけんを委ゆだねることとした。三浦みうらは頭取とうどりに昇格しょうかく後ご、従来じゅうらいの資本しほん金きんを4分ぶんの1に減資げんしし、それにより不良ふりょう債権さいけんの一括いっかつ処理しょりを行おこなうことを主眼しゅがんとする経営けいえい再建さいけん策さくを講こうじた。また、この際さいには同行どうこう、3代だい、8代だい、頭取とうどりを務つとめた先代せんだい・吉よし三郎さぶろうの養子ようしとなり、資産しさん管理かんりに当あたっていた長谷川はせがわ吉三郎きちさぶろう(吉弥よしや)に対たいし「再建さいけんを2人ふたりでしよう」と申もうし入いれ、両人りょうにんで再建さいけんに取とり組くんだ。この甲斐かいもあり山形やまがた県けん下かの金融きんゆう機関きかんは、東北とうほく他県たけんとは異ことなり銀行ぎんこうが破綻はたんすることなく昭和しょうわ初期しょきを無事ぶじに乗のり切きった。

山形やまがた県けん多額たがく納税のうぜい者しゃとして貴族きぞく院いん議員ぎいんに互選ごせんされ、1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）9月がつ29日にちに就任しゅうにんし、1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）5月がつ2日にちの貴族きぞく院いん廃止はいしまで在任ざいにんした。1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）頭取とうどりを辞じし、1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）東京とうきょう商科しょうか大学だいがく（現げん：一橋大学ひとつばしだいがく）で白票はくひょう事件じけんと呼よばれる学園がくえん紛争ふんそうが生しょうじ、事態じたい収束しゅうそくのため、三浦みうらが学長がくちょうに就任しゅうにんした。日本銀行にっぽんぎんこう参与さんよなども歴任れきにんした。

1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）8月がつ14日にち、耳下腺じかせん癌がんのため、癌がん研究所けんきゅうじょ附属ふぞく病院びょういんにて逝去せいきょ。

三浦みうら記念きねん山形やまがた商工しょうこう会館かいかん

三浦みうらは、山形やまがた市し七なな日にち町まちの山形市立病院済生館やまがたしりつびょういんさいせいかん付近ふきんに所有しょゆうしていた土地とちと三浦みうら銀行ぎんこう社屋しゃおくを、両羽りょうう銀行ぎんこうと三浦みうら銀行ぎんこうの合併がっぺいを機きに、現金げんきん5万まん円えん(当時とうじの換算かんさん)を添そえ、山形やまがた市しに寄付きふをした。　

1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）に大沼おおぬまと市しは、敷地しきちの相互そうご譲渡じょうとと交換こうかん売買ばいばいを行おこなった。そして、その際さいの余剰よじょう金きん3.000万まん円えんを基礎きそに市しは山形やまがた市役所しやくしょ向むかいの県けん有ゆう地ちの払はらい下さげを受うけ、「三浦みうら記念きねん山形やまがた商工しょうこう会館かいかん」を建設けんせつ。完成かんせいした会館かいかんには山形やまがた商工しょうこう会議かいぎ所しょや山形やまがた市し中央ちゅうおう公民館こうみんかん等とうが入居にゅうきょした。その会館かいかんも歳月さいげつの経過けいかとともに老朽ろうきゅう化かしたため、新しん会館かいかんが建設けんせつされ、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）に竣工しゅんこうした。また新しん会館かいかん5階かいには三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん館かんが併設へいせつされた。

三浦みうら記念きねん賞しょう

三浦みうらの遺徳いとくを記念きねんし、山形やまがた市しの産業さんぎょう経済けいざいの向上こうじょうに尽つくした個人こじんや団体だんたいを表彰ひょうしょうすることを目的もくてきに、1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）に創設そうせつされた。毎年まいとし12月がつに表彰ひょうしょう式しきを挙行きょこうしている。

著作ちょさく

• 『商業しょうぎょう経済けいざい学がく』同文どうぶん館かん〈商業しょうぎょう学がく本論ほんろん 第だい1巻かん〉、1903年ねん4月がつ。 NCID BN1464780X。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:40034999。 
• 『東西とうざい文明ぶんめい史し論考ろんこう 国民こくみん性せいの研究けんきゅう』岩波書店いわなみしょてん、1950年ねん5月がつ。 NCID BN0268899X。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:50005001。 
• 川副かわそえ武たけし胤たね責任せきにん編集へんしゅう 編へん『東西とうざい文明ぶんめい史し』 第だい1巻かん（希まれ臘・羅ら馬ば・猶なお太ふと及および東洋とうよう文明ぶんめい）、三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん会かい、1992年ねん11月。 NCID BN09006690。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:93038554。 
• 國くに方かた敬けい司し責任せきにん編集へんしゅう 編へん『東西とうざい文明ぶんめい史し』 第だい2巻かん（希まれ臘・羅ら馬ば・猶なお太ふと及および東洋とうよう文明ぶんめい）、三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん会かい、1994年ねん11月。 NCID BN09006690。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:93038554。 
• 國くに方かた敬けい司し責任せきにん編集へんしゅう 編へん『東西とうざい文明ぶんめい史し』 第だい3巻かん（中世ちゅうせい基督教きりすときょう的てき統一とういつ文明ぶんめいト各国かっこく特殊とくしゅ文化ぶんかヘノ分岐ぶんき）、三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん会かい、1996年ねん7月がつ。 NCID BN15005080。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:97022748。 
• 國くに方かた敬けい司し責任せきにん編集へんしゅう 編へん『東西とうざい文明ぶんめい史し』 第だい4巻かん（欧州おうしゅう文明ぶんめい史し）、三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん会かい、1998年ねん4月がつ。 NCID BA35210706。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:99052054。 
• 國くに方かた敬けい司し責任せきにん編集へんしゅう 編へん『東西とうざい文明ぶんめい史し』 第だい5巻かん（西洋せいよう中世ちゅうせいの国家こっかと社会しゃかい）、三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん会かい、2000年ねん2月がつ。 NCID BA45408947。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:20043783。 
• 國くに方かた敬けい司し責任せきにん編集へんしゅう 編へん『東西とうざい文明ぶんめい史し』 第だい6巻かん（東洋とうよう文明ぶんめい史し 1）、三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん会かい、2002年ねん11月。 NCID BA59763517。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:20338491。 
• 國くに方かた敬けい司し責任せきにん編集へんしゅう 編へん『東西とうざい文明ぶんめい史し』 第だい7巻かん（東洋とうよう文明ぶんめい史し 2）、三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん会かい、2005年ねん1月がつ。 NCID BA59763517。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:20737112。 

参考さんこう文献ぶんけん

• 『貴族きぞく院いん要覧ようらん（丙へい）』昭和しょうわ21年ねん12月がつ増ぞう訂てい、貴族きぞく院いん事務じむ局きょく、1947年ねん。
• 衆議院しゅうぎいん・参議院さんぎいん編へん『議会ぎかい制度せいど百ひゃく年ねん史し - 貴族きぞく院いん・参議院さんぎいん議員ぎいん名鑑めいかん』大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1990年ねん。

外部がいぶリンク

• 『三浦みうら新七しんしち』 - コトバンク
• 『三浦みうら 新七しんしち』 - コトバンク
• 三浦みうら新七しんしち博士はかせ記念きねん館かん