デ・ファクト

デ・ファクト（ラテン語らてんご: de facto、英語えいご発音はつおん: [diːˈfæktou] ディーファクトウ）とは、「事実じじつ上じょうの」という意味いみを表あらわす、ラテン語らてんご表現ひょうげんに由来ゆらいする言葉ことば。政府せいふ、標しめぎ章あきら、技術ぎじゅつ標準ひょうじゅん、言語げんごなどが法律ほうりつや条例じょうれいといった規則きそくではなく、慣習かんしゅうや成なり行ゆきによって実態じったい化かされている状態じょうたいを表あらわすのに使用しようされる。対義語たいぎごは、「法律ほうりつ上じょうの」「規則きそく上じょうの」という意味いみのde jure（デ・ジュリ）である。

標準ひょうじゅん

• デ・ファクト・スタンダード（de facto standard） - 事実じじつ上じょうの標準ひょうじゅん
• デ・ジュリ・スタンダード（de jure standard） - 法律ほうりつ上じょうの標準ひょうじゅん、規則きそく上じょうの標準ひょうじゅん

政治せいじ

政府せいふ、元首げんしゅ、リーダー、統治とうち者しゃ、国境こっきょう、独立どくりつ等とうについて使用しようされる。

例れい

• 朝鮮半島ちょうせんはんとうでは、軍事ぐんじ境界きょうかい線せん (朝鮮半島ちょうせんはんとう)(38度ど線せん)が北朝鮮きたちょうせんと韓国かんこくの事実じじつ上じょうの国境こっきょうとなっている。
• 台湾たいわんは、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくと国交こっこうのある国くにからは独立どくりつ国こくとして認識にんしきされていないが、事実じじつ上じょうの独立どくりつ国こくとなっている。

公用こうよう語ご

日本にっぽんにおける日本語にほんごは法律ほうりつで制定せいていされた公用こうよう語ごでなく、事実じじつ上じょうの公用こうよう語ごである。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふは、法律ほうりつ上じょう公用こうよう語ごを定さだめていないが、英語えいごが事実じじつ上じょうの公用こうよう語ごと見みなされている。このような状況じょうきょうとの妥協だきょうを図はかるため、連邦れんぽう政府せいふは、各かく州しゅう政府せいふが公用こうよう語ごを宣言せんげんする権利けんりを認みとめている。

例れい

• ニューメキシコ州しゅう - 英語えいご、スペイン語ごを宣言せんげん（アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくに帰属きぞくして以来いらい）。
• ルイジアナ州しゅう - フランス語ふらんすご、英語えいごを宣言せんげん。
• ハワイ州しゅう - ハワイ語ご、英語えいごを宣言せんげん。

その他たの用法ようほう

• デ・ファクト・モノポリ（De facto monopoly） - 事実じじつ上じょうの市場いちば独占どくせん(自然しぜん独占どくせんの対義語たいぎご)
• 内縁ないえん関係かんけいの配偶はいぐう者しゃ(事実じじつ婚こん等ひとし)は、当局とうきょくによって「事実じじつ上じょうの夫おっと / 妻つま」（de facto husband / wife）と呼よばれることがある。

関連かんれん項目こうもく

• デファクトスタンダード
• デジュリスタンダード
• デ・ジュリ
• ラテン語らてんご
• 事実じじつ