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かたぶけあつ

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かたぶけあつ流体りゅうたい構造こうぞうくろとうあつめん水色みずいろとう密度みつどめんあか等温とうおんめん

かたぶけあつ(けいあつ、baroclinity、baroclinicity)とは、流体りゅうたいひとしあつめんひとし密度みつどめんひとしぬるめん)が交差こうさする状態じょうたいにあること。かたぶけあつ流体りゅうたいでは、とうあつめんとう密度みつどめん一致いっちさせようとするちからはたらき、ながれ(擾乱じょうらん)が発生はっせいする。

かたぶけあつたいして、とうあつめんとう密度みつどめん一致いっちした状態じょうたいじゅんあつという。

かたぶけあつ不安定ふあんてい

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かたぶけあつ不安定ふあんていは、流体りゅうたい力学りきがくにおける不安定ふあんていの1つで、大気たいき海洋かいようにおいて適用てきようされるかんがかたである。

1つのれいげる。たいらな場所ばしょいた水槽すいそうなか仕切しきりをつくって左側ひだりがわ冷水れいすい右側みぎがわ温水おんすいれたとする。このとき、したくにつれて水圧すいあつたかい、つまりとう深度しんどめんとうあつめん)が水平すいへいである一方いっぽう温度おんどみぎくほどたかい、つまり等温とうおんめん鉛直えんちょくである。ここで仕切しきりをとると、温水おんすい水槽すいそう左側ひだりがわ上部じょうぶ侵入しんにゅうしてくる一方いっぽう冷水れいすい水槽すいそう右側みぎがわ下部かぶ侵入しんにゅうしてくる。仕切しきりをとった時点じてんで、せっした2つのみずかたぶけあつ状態じょうたい接触せっしょくめんかたぶけあつ不安定ふあんていとなり、ただちにこれを解消かいしょうしようとしてみずうごく(=擾乱じょうらん発生はっせいする)のである。そして、時間じかんてば水槽すいそううえあたたかくしたつめたい、つまり等温とうおんめん水平すいへいになり、とう深度しんどめん一致いっちしてじゅんあつ状態じょうたいになる。基本きほんてきには、かたぶけあつ温度おんど均一きんいつ解消かいしょうしようとしてこるものとかんがえてつかえない。

大気たいきにおけるかたぶけあつ不安定ふあんていおも偏西風へんせいふう波動はどうとなってあらわれる。これをかたぶけあつ不安定ふあんていという。かたぶけあつ不安定ふあんていは、温帯おんたいちゅう緯度いど)の気象きしょう現象げんしょうおおきな影響えいきょうりょく温帯おんたいてい気圧きあつ移動いどうせい高気圧こうきあつを、発生はっせいさせるとともにそれをひがしきに移動いどうさせる、基本きほんてき駆動くどうりょくとなる。

大気たいきなかではトラフ(気圧きあつたに)やリッジ(気圧きあつ尾根おね)が存在そんざいしており、ちゅう緯度いどでは偏西風へんせいふうってそれらがつらなってひがしへと移動いどうしていく。トラフとかたぶけあつ不安定ふあんていかさなると、トラフの東側ひがしがわではみなみから暖気だんきが、おなじく西側にしがわではきたから寒気さむけながかたち擾乱じょうらんしょうじる。これにより、暖気だんきいき上昇じょうしょう気流きりゅう寒気さむけいき下降かこう気流きりゅうしょうじ、したくほどひがしにずれるかたちでトラフの鉛直えんちょくじくかたむく。この構造こうぞうができることで擾乱じょうらん、つまり温帯おんたいてい気圧きあつ発達はったつする。

850, 700, 500hPaとう高層こうそう天気てんきには、とうあつめんじょう投影とうえいした等温とうおんせんえがかれており、等温とうおんせんっているところはかたぶけあつ不安定ふあんていおおきいことをしめしている。

出典しゅってん

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