光ひかり検出けんしゅつ器き

光ひかり検出けんしゅつ器き（ひかりけんしゅつき、英えい: photodetector）とは、光ひかり電でん効果こうかなどを応用おうようして、光ひかりを電気でんき信号しんごうに変換へんかんすることにより、光ひかりを検出けんしゅつする装置そうちである^[1]。光ひかりセンサ（ひかりセンサ、Photosensor）、受光じゅこう素子そし（じゅこうそし）ともいう。

光ひかり電でん効果こうか型がた

詳細しょうさいは「光ひかり電でん効果こうか」を参照さんしょう

外部がいぶ光こう電でん効果こうかを利用りようしたもの

光ひかり電子でんし増ぞう倍ばい管かん(フォトマル、PMT)は、光ひかりを当あてると光ひかり電でん陰極いんきょくから電子でんしが飛とび出だし、ダイノードで増幅ぞうふくされる。
光電管こうでんかんは、光ひかりを当あてると光ひかり電でん陰極いんきょくから電子でんしが飛とび出だし、フォトレジスタに似にた挙動きょどうを示しめす。

内部ないぶ光こう電でん効果こうかを利用りようしたもの

内部ないぶ光こう電でん効果こうかを利用りようしたものは、そのほとんどが素子そし物質ぶっしつとして半導体はんどうたいを用もちいている。内部ないぶ光こう電でん効果こうかには多おおくの種類しゅるいがあるが、光ひかり伝導でんどう効果こうかと光起みつおき電力でんりょく効果こうかを利用りようする検出けんしゅつ器きが主流しゅりゅうである。

光ひかり伝導でんどう型がた

光ひかり伝導でんどう型がたには真性しんせい半導体はんどうたいを用もちいた真性しんせい光こう伝導でんどうセルと、不純物ふじゅんぶつ半導体はんどうたいを用もちいた不純物ふじゅんぶつ光こう伝導でんどうセルとがある。

真性しんせい光こう伝導でんどうセルとして、可視かし領域りょういき用ようのCdSセル、近きん赤あか外がい領域りょういきのPbSやInSbセル、中ちゅう赤あか外がい領域りょういき用ようのHgCdTeセルなどがある。
不純物ふじゅんぶつ光こう伝導でんどうセルとして、Geを母体ぼたいとし、不純物ふじゅんぶつとしてAu、Hg、Cu、Zn、Beなどを添加てんかしたものが赤あか外がい領域りょういきで広ひろく用もちいられる。これらは0.16～0.02 eVのイオン化いおんか電圧でんあつをもつため、熱ねつ励起れいきを避さけるための冷却れいきゃくが必要ひつようである。

光ひかり起電きでん型がた(フォトダイオード)

光ひかり起電きでん型がたはpn接合せつごうを用もちいたものが大だい部分ぶぶんで、SiやGeを母体ぼたいとしたものはSiセルあるいはGeセルと呼よばれている。可視かしから近きん赤あか外がいにかけて良好りょうこうな特性とくせいをもつため用途ようとも広ひろい。光ひかり起電きでん型がたに逆ぎゃくバイアス電圧でんあつを加くわえて電流でんりゅうを取とり出だす形かたちで用もちいると、極きわめて優すぐれた測定そくてい特性とくせいをもつようになる。フォトダイオードと一般いっぱんに呼よばれており、光ひかり電子でんし増ぞう倍ばい管かんに置おき換かえて使つかわれることが多おおくなっている。フォトトランジスタはフォトダイオードと同おなじ検出けんしゅつ方法ほうほうを利用りようするが、出力しゅつりょくを増幅ぞうふくする機構きこうを内蔵ないぞうする。

CCDも光ひかり起電きでん型がたの検出けんしゅつ器きである。

太陽たいよう電池でんちは、光ひかりを当あてると電圧でんあつが発生はっせいし電流でんりゅうが流ながれる。
フォトレジスタあるいは光ひかり依存いぞん性せい抵抗ていこう (LDR) は、光ひかりの強度きょうどによって電気でんき抵抗ていこうが変化へんかする。

熱ねつ効果こうか型がた

光ひかりの入射にゅうしゃで発生はっせいする熱ねつに反応はんのうするだけであり、事実じじつ上じょう温度おんど計けいとして機能きのうする光ひかり検出けんしゅつ器きである。

焦こげ電でん検出けんしゅつ器き　：強つよ誘電ゆうでん体たい結晶けっしょうの永久えいきゅう双極そうきょく子こモーメントが光ひかり加熱かねつによって変化へんかし、その電流でんりゅうを電圧でんあつに変換へんかんして光ひかりパワーメーターあるいはオシロスコープで測定そくていする。パルス幅はばが数すうピコ秒びょうから数すう百ひゃくマイクロ秒びょうの光ひかりパルスのエネルギーを測定そくていするために使つかわれる。
ゴーレイセル　：赤外線せきがいせんを検出けんしゅつする。
ボロメータ　：光ひかり吸収きゅうしゅうに伴ともなう温度おんど上昇じょうしょうによって生しょうじる電気でんき抵抗ていこうの変化へんかを利用りようする。
熱ねつ電でん対たい　：それほど敏感びんかんではない
サーミスタ　：それほど敏感びんかんではない

製造せいぞうメーカー

浜松はままつホトニクス^[2]
キーエンス^[2]
パナソニック^[2]
オムロン^[2]

その他た

写真しゃしん乾板かんぱんは化学かがく変化へんかを利用りようした検出けんしゅつ器きで、銀ぎん塩しお分子ぶんしが金属きんぞく銀ぎんとハロゲン原子げんしに分離ぶんりする。現像げんぞう液えきでも同様どうようの分離ぶんりが起おこる。
極ごく低温ていおん探知たんち器きは、X線せんや可視かし光こうや近赤外線きんせきがいせんの光子こうしのエネルギーを充分じゅうぶん測定そくていできるほど敏感びんかんである^[3]。

天文学てんもんがく・素粒子そりゅうし物理ぶつり学がくへの応用おうよう

天文学てんもんがくの分野ぶんやでは、画像がぞうを記録きろくする検出けんしゅつ器きとして電荷でんか結合けつごう素子そし (CCD) がよく使つかわれているが、1990年代ねんだい以前いぜんは写真しゃしん乾板かんぱんが一般いっぱん的てきであった。よく使つかわれていたのは、湿度しつど等とうの環境かんきょうの変化へんかによって縮ちぢんだり変形へんけいしたりすることがあるフィルムではなく、ガラス乾板かんぱんである。しかしコダックは、天空てんくう観測かんそくに使つかわれる数種類すうしゅるいの乾板かんぱんを1980～2000年ねんに製造せいぞう中止ちゅうしした。たとえば、T. M. Girard らによる論文ろんぶんを参照さんしょう^[4]。次世代じせだいの天文てんもん機器きき（たとえばすざくを参照さんしょう）には、極ごく低温ていおん探知たんち器きが使つかわれている。

素粒子そりゅうし物理ぶつり学がくでは、素粒子そりゅうしを追跡ついせき・特定とくていする装置そうちとして粒子りゅうし検出けんしゅつ器きが使つかわれている。

脚注きゃくちゅう

^ 第だい２版はん, ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん小しょう項目こうもく事典じてん,デジタル大辞泉だいじせん,世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん. “光ひかり検出けんしゅつ器きとは”. コトバンク. 2021年ねん6月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b ^c ^d “【2023年版ねんばん】光ひかりセンサー5選せん・メーカー27社しゃ一覧いちらん・製品せいひん価格かかく | メトリー”. metoree.com. 2023年ねん3月がつ3日にち閲覧えつらん。
^ Enss、 Christian (Editor) (2005). Cryogenic Particle Detection. Springer、 Topics in applied physics 99. ISBN 3-540-20113-0
^ Girard, T. M.; Dinescu, D. I.; van Altena, W. F.; Platais, I.; Monet, D. G.; López, C. E. (2004). “The Southern Proper Motion Program. III. A Near-Complete Catalog to V = 17.5”. The Astronomical Journal 127: 3060-3071. doi:10.1086/383545.

出典しゅってん

『物理ぶつり学がく辞典じてん』培風館ばいふうかん、1984年ねん

外部がいぶリンク

Use of Photodetectors in lighting systems

[1] 第だい２版はん, ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん小しょう項目こうもく事典じてん,デジタル大辞泉だいじせん,世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん. “光ひかり検出けんしゅつ器きとは”. コトバンク. 2021年ねん6月がつ5日にち閲覧えつらん。

[:0-2] “【2023年版ねんばん】光ひかりセンサー5選せん・メーカー27社しゃ一覧いちらん・製品せいひん価格かかく | メトリー”. metoree.com. 2023年ねん3月がつ3日にち閲覧えつらん。

[3] Enss、 Christian (Editor) (2005). Cryogenic Particle Detection. Springer、 Topics in applied physics 99. ISBN 3-540-20113-0

[4] Girard, T. M.; Dinescu, D. I.; van Altena, W. F.; Platais, I.; Monet, D. G.; López, C. E. (2004). “The Southern Proper Motion Program. III. A Near-Complete Catalog to V = 17.5”. The Astronomical Journal 127: 3060-3071. doi:10.1086/383545.

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