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資格しかく

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公的こうてき資格しかくから転送てんそう

(しかく、えい: certification)とは、ある行為こういおこなうために必要ひつようもしくは相応ふさわしいとされる地位ちい立場たちば[1]や、組織そしきないでの地位ちい、または仕事しごととして任務にんむくために必要ひつよう条件じょうけんのことである[2][3]

ほんこうでは個人こじん能力のうりょく評価ひょうか制度せいどとしての資格しかく制度せいどについて解説かいせつする[4]。なお、欧米おうべいでは教育きょういく職業しょくぎょう訓練くんれん融合ゆうごう結果けっか日本にっぽんでいう「資格しかく」よりもひろ“qualification”使つかわれており、経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう(OECD)では “qualification” を「評価ひょうか認定にんていプロセスの公式こうしき結果けっか認定にんていしょう修了しゅうりょう証書しょうしょ称号しょうごう)であり、ある個人こじん所定しょてい基準きじゅん沿った学習がくしゅう成果せいか達成たっせいおよ特定とくてい業務ぎょうむ分野ぶんやにおいてはたらくために必要ひつようなコンピテンスをち、適格てきかくせいのある機関きかん判断はんだんした場合ばあいられるもの。労働ろうどう市場いちばや、教育きょういく訓練くんれんにおける学習がくしゅう成果せいか価値かちについても公式こうしき承認しょうにんあたえるものであり、ある業務ぎょうむおこなうえでの法的ほうてき資格しかくとなる場合ばあいもある」と定義ていぎしている[4]

日本にっぽんにおける資格しかく制度せいど[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおける公的こうてき資格しかく制度せいどは、「国民こくみん権利けんり安全あんぜん衛生えいせい確保かくほ取引とりひき適正てきせい資格しかくしゃのモラル向上こうじょうとうのため、厳格げんかく法的ほうてき規律きりつふくする資格しかくしゃ存在そんざい安心あんしんできるサービスを国民こくみん提供ていきょうすること」を目的もくてきとして、「国民こくみん権利けんり安全あんぜん衛生えいせい確保かくほ取引とりひき適正てきせいとうのためにもうけられてきた」とされる[5]。しかし、学校がっこう教育きょういくふか関連付かんれんづけられていたり、国家こっか統一とういつてき基準きじゅんにより整備せいびされていたりするわけでもないため、対象たいしょう領域りょういき種類しゅるい等級とうきゅう取得しゅとくルートのかく側面そくめんにおいてきわめて多様たようせいたか様相ようそうていしており、その役割やくわり説明せつめいすることは容易よういではない[6]

日本にっぽんにおける資格しかくは、国家こっか資格しかく公的こうてき資格しかく民間みんかん資格しかくなどに分類ぶんるいされる[7]

国家こっか資格しかく[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおける国家こっか資格しかくとは、くに制度せいどもとづいて、各種かくしゅ分野ぶんやにおける個人こじん能力のうりょく知識ちしき判定はんていされ、特定とくてい職業しょくぎょう従事じゅうじしうることを証明しょうめいするものである[8]。また、政策せいさく科学かがく研究所けんきゅうじょ 2004, pp. 132–133は、「資格しかく制度せいど法的ほうてき裏付うらづけが存在そんざいし、根拠こんきょほう資格しかく付与ふよ方法ほうほう資格しかく付与ふよ基準きじゅんについての明確めいかく記述きじゅつがあり、中央ちゅうおう省庁しょうちょうまたは都道府県とどうふけんレベルの地方自治体ちほうじちたい所管しょかんする資格しかく」が該当がいとうすると定義ていぎしている。

国家こっか資格しかくは、慣例かんれいてき業務ぎょうむ独占どくせん資格しかく必置資格しかく名称めいしょう独占どくせん資格しかくの3類型るいけい分類ぶんるいされる[9]

資格しかくによっては年齢ねんれい学歴がくれき実務じつむ経験けいけんとうによる制限せいげんされることもある。

なお、試験しけん運営うんえい免許めんきょ資格しかくしょう発行はっこうとう事務じむてき事項じこうは、ほうもとづきその実施じっし義務付ぎむづけられた(または権限けんげん委託いたくされた)地方ちほう公共こうきょう団体だんたい民間みんかん団体だんたいなどが所管しょかんすることもあるが、それにより国家こっか資格しかくでなくなるということはない。

資格しかく付与ふよについての法律ほうりつじょう用語ようご一定いっていしておらず、「免許めんきょ」「許可きょか」などの用語ようご使用しようされるが、行政ぎょうせい法学ほうがくじょうは「許可きょか」「公証こうしょう」などに該当がいとうする[よう出典しゅってん]

特別とくべつ教育きょういく技能ぎのう講習こうしゅうけることにより、資格しかく取得しゅとくできるものもある。機械きかい装置そうちなどの運転うんてん特定とくてい作業さぎょうかんするものがおおい。

業務ぎょうむ独占どくせん資格しかく[編集へんしゅう]

業務ぎょうむ独占どくせん資格しかくとは、その資格しかくゆうするものでなければたずさわることをきんじられている業務ぎょうむを、独占どくせんてきおこなうことができる資格しかくをいう。

一部いちぶ行政ぎょうせい法学ほうがくじょうの「許可きょか」に該当がいとうし、一般人いっぱんじんには禁止きんしされている行為こういとくおこなうことがゆるされるものがある(建築けんちく薬剤師やくざいし)。また、ごうとしておこなうことのみが禁止きんしされている行為こういゆるされるものもある(医師いし弁護士べんごしなど)。

おも業務ぎょうむ独占どくせん資格しかく[注釈ちゅうしゃく 1]

名称めいしょう独占どくせん資格しかく[編集へんしゅう]

資格しかく取得しゅとくしゃ以外いがいものにその資格しかく呼称こしょう利用りよう日本にっぽん法令ほうれい禁止きんしされている資格しかくをいう。

なお、名称めいしょう独占どくせん業務ぎょうむ独占どくせん同様どうよう警察けいさつ目的もくてきによる規制きせいであり、法令ほうれい内容ないよう規律きりつするものではないので、名称めいしょう独占どくせんさだめる法令ほうれい同位どうい(またはそれより上位じょうい)のほう形式けいしきをとる法令ほうれいにより名称めいしょう独占どくせんとされる資格しかくめい類似るいじ資格しかくめい資格しかくもうけること、および、名称めいしょう独占どくせんとされた資格しかくめい全部ぜんぶまたは一部いちぶべつ資格しかくめい一部いちぶとしてもちいること(れいとして技術ぎじゅつ陸上りくじょう無線むせん技術ぎじゅつ)はつかえない(ただし、資格しかくめい類似るいじによる混乱こんらん防止ぼうしするために、双方そうほう別個べっこ資格しかくであることが資格しかくめいから簡単かんたん識別しきべつできるように立法りっぽうじょう配慮はいりょされるべきであることはいうまでもない。)。

業務ぎょうむ独占どくせん資格しかく名称めいしょう独占どくせん資格しかくでもあることがおおいが、たん名称めいしょう独占どくせん資格しかくった場合ばあいには業務ぎょうむ独占どくせんせいのないものをす。

おも名称めいしょう独占どくせん資格しかく[注釈ちゅうしゃく 2]

必置資格しかく[編集へんしゅう]

ある事業じぎょうおこなさいに、その企業きぎょう事業じぎょうしょにて特定とくてい資格しかく保持ほじしゃかならかなければならないと日本にっぽん法律ほうりつさだめられている資格しかく業務ぎょうむ独占どくせん資格しかくが必置資格しかくとしての性質せいしつあわ場合ばあいもある。

おもな必置資格しかく[注釈ちゅうしゃく 3]

試験しけん検定けんてい[編集へんしゅう]

国家こっか資格しかく

  • 狭義きょうぎでは上記じょうき業務ぎょうむ独占どくせん名称めいしょう独占どくせん、必置のいずれかの性質せいしつもしくは複数ふくすう性質せいしつてはまるものをすが、広義こうぎではなんらの独占どくせんけんあたえられない試験しけん検定けんていふくめる場合ばあいがある[よう出典しゅってん]
おも試験しけん検定けんてい

公的こうてき資格しかく[編集へんしゅう]

公的こうてき資格しかく意義いぎについては、確立かくりつされた定義ていぎ存在そんざいしない[注釈ちゅうしゃく 4]が、「国家こっか資格しかくじゅんずるもの」「試験しけん民間みんかん団体だんたい公益こうえき法人ほうじんおこなうが、資格しかく官公庁かんこうちょうから発行はっこうされるもの」などと定義ていぎされることがある[7]。また、民間みんかん資格しかくなかで、文部もんぶ科学かがくしょう厚生こうせい労働省ろうどうしょうひとし後援こうえんである場合ばあい、それを理由りゆう民間みんかん資格しかくが「公的こうてき資格しかく」に位置付いちづけられるわけではない。

おも公的こうてき資格しかく[注釈ちゅうしゃく 5]

民間みんかん資格しかく[編集へんしゅう]

民間みんかん資格しかくとは、民間みんかん団体だんたいとう自由じゆう設定せっていできる資格しかくをいう。当該とうがい分野ぶんやにおいて一定いってい水準すいじゅんたっしていることを証明しょうめいすることができる場合ばあいもあるが、就労しゅうろうのため必要ひつようとなるものではない[7]

きゅうべつ水準すいじゅんしめ検定けんていとするものもあるが、法令ほうれい規定きていされたものではない。

日商にっしょう簿記ぼき検定けんてい[注釈ちゅうしゃく 19]臨床りんしょう心理しんり[注釈ちゅうしゃく 20]のようなくに資格しかくしゃ能力のうりょくみとめる資格しかく公的こうてき資格しかく)、Cカードのような業界ぎょうかいない一定いってい能力のうりょく担保たんぽされていると認知にんちされる資格しかく民間みんかん企業きぎょう自社じしゃ製品せいひん操作そうさ管理かんり技能ぎのう認定にんていするベンダー資格しかく、「資格しかく商法しょうほう」であたえられるような社会しゃかいてき評価ひょうかひくいもの、企業きぎょう団体だんたい自社じしゃ活動かつどうのために従業じゅうぎょういんたいして付与ふよするだけで社外しゃがいでは通用つうようしない社内しゃない資格しかく内部ないぶ資格しかく[16]まで存在そんざいする。

国際こくさい資格しかく[編集へんしゅう]

国際こくさい資格しかくとは、一般いっぱんてきには日本にっぽん国外こくがい主催しゅさいしゃがある資格しかくで、その内容ないようから日本にっぽん国内こくないにおいても社会しゃかいてき評価ひょうかをしうる資格しかくをいう。その資格しかく国家こっか資格しかくまたは民間みんかん資格しかく分類ぶんるいすることができる。一部いちぶ資格しかく試験しけん日本にっぽんふく複数ふくすうくににおいても試験しけん実施じっしされ、さらにその一部いちぶ試験しけん問題もんだい日本語にほんごされているものがある。国家こっか資格しかく場合ばあい日本にっぽん国内こくないにおいても独占どくせん業務ぎょうむ全部ぜんぶまたは一部いちぶ業務ぎょうむみとめられる場合ばあいがある。他方たほう民間みんかん資格しかく場合ばあい独占どくせん業務ぎょうむ存在そんざいしないものの、おおくの場合ばあい商標しょうひょう登録とうろく名称めいしょう保護ほごされており、実質じっしつてき名称めいしょう独占どくせんえる。

国家こっか資格しかくれいとしては、つぎのものがげられる。

民間みんかん資格しかくれいとしては、つぎのものがげられる。

資格しかくかんする詐欺さぎてき商法しょうほう[編集へんしゅう]

資格しかく取得しゅとくのための教材きょうざいとう販売はんばいかんして、強引ごういん手法しゅほう虚偽きょぎのセールストークがもちいられたりすることがあり、悪質あくしつ商法しょうほう被害ひがい激増げきぞうしているため、注意ちゅういびかけられている[17]

日本にっぽんにおけるおも資格しかく[編集へんしゅう]

欧州おうしゅうにおける資格しかく制度せいど[編集へんしゅう]

欧州おうしゅう資格しかく枠組わくぐみ(EQF)[編集へんしゅう]

欧米おうべいでは教育きょういく職業しょくぎょう訓練くんれん融合ゆうごうすすみ、このうち欧州おうしゅうでは各国かっこくすべてのレベル・職種しょくしゅについて、資格しかく保有ほゆうしゃがどのようなレベルの知識ちしきやスキル、能力のうりょく(コンピテンス)をゆうするか比較ひかく可能かのうにするため欧州おうしゅう資格しかく枠組わくぐみ(EQF:European Qualifications Framework)が導入どうにゅうされている[4]

ドイツ[編集へんしゅう]

ドイツにおいては、職業しょくぎょう資格しかく取得しゅとく学校がっこう教育きょういく高度こうどむすびついている[6]

資格しかく制度せいどのうち職業しょくぎょう資格しかく認定にんてい試験しけんは、各地かくち職能しょくのう団体だんたい商工しょうこう会議かいぎしょ手工業しゅこうぎょう会議かいぎしょとう)が実施じっししている[4]

ドイツにはやく3まん職種しょくしゅがあるが、2010ねん時点じてんで「デュアルシステム職業しょくぎょう訓練くんれん資格しかく」(初期しょき職業しょくぎょう訓練くんれん資格しかく)で実施じっしされている公認こうにん訓練くんれん職種しょくしゅは348職種しょくしゅである[4]。これらには金属きんぞく加工かこう電気でんきこうのようなブルーカラー職種しょくしゅだけでなく、情報じょうほう技術ぎじゅつやホテル、貿易ぼうえきなどのホワイトカラー職種しょくしゅおお[4]

一方いっぽう手工業しゅこうぎょうマイスターの職種しょくしゅは2003ねん手工業しゅこうぎょうほう(HwO)改正かいせいで41職種しょくしゅとなり(改正かいせいまえは94職種しょくしゅ)、これらの独立どくりつ開業かいぎょうにはマイスター資格しかく必要ひつようである[4]手工業しゅこうぎょうマイスター資格しかく生涯しょうがい通用つうようする資格しかくで、手工業しゅこうぎょう会議かいぎしょ試験しけん委員いいんかい試験しけん実施じっし機関きかんとなっており、1.受験じゅけん職種しょくしゅにおける専門せんもん実技じつぎ試験しけん、2.受験じゅけん職種しょくしゅにおける専門せんもん理論りろん試験しけん、3.経営けいえいがく商学しょうがく法学ほうがく、4.ぎょう教育きょういくがく教育きょういくがく労働ろうどう教育きょういくがく試験しけん内容ないようとしている[4]

手工業しゅこうぎょうマイスター資格しかくのある職種しょくしゅ(41職種しょくしゅ[4]

  • 左官さかん・コンクリート職人しょくにん
  • 暖炉だんろ暖房だんぼう職人しょくにん
  • 大工だいく
  • 屋根やねふき職人しょくにん
  • 道路どうろ工事こうじ職人しょくにん
  • 断熱だんねつこお防音ぼうおん職人しょくにん
  • ポンプ職人しょくにん
  • 石工せっこういし彫刻ちょうこく
  • 漆喰しっくいこう
  • 塗装とそうこう
  • 足場あしばけた職人しょくにん
  • 煙突えんとつ掃除そうじ職人しょくにん
  • 金属きんぞくこう
  • 外科げかよう機械きかい
  • 車体しゃたい車両しゃりょう製造せいぞう業者ぎょうしゃ
  • 精密せいみつ機械きかい製造せいぞう業者ぎょうしゃ
  • 二輪車にりんしゃ機械きかい
  • 冷却れいきゃく装置そうち製造せいぞう業者ぎょうしゃ
  • 情報じょうほう技術ぎじゅつしゃ
  • 自動車じどうしゃ技師ぎし
  • 農業のうぎょうよう機械きかい技師ぎし
  • ソケット製造せいぞう業者ぎょうしゃ
  • 板金ばんきんこう
  • 設備せつびこう暖房だんぼう装置そうち製造せいぞう業者ぎょうしゃ
  • 電気でんき技術ぎじゅつしゃ
  • 電気でんき機械きかい技師ぎし
  • 家具かぐ職人しょくにん
  • ボート・ふね製造せいぞう業者ぎょうしゃ
  • ロープづく職人しょくにん
  • パン職人しょくにん
  • 製菓せいか・ケーキ職人しょくにん
  • 食肉しょくにく加工かこう販売はんばい業者ぎょうしゃ
  • 眼科がんか光学こうがく機器きき専門せんもん
  • 補聴器ほちょうき音響おんきょう専門せんもん
  • 整形せいけい外科げか技師ぎし
  • 整形せいけい外科げかようくつ職人しょくにん
  • 歯科しか技工ぎこう
  • 美容びよう
  • ガラス職人しょくにん
  • ガラスき・ガラス機器きき製造せいぞう業者ぎょうしゃ
  • 硫工・タイヤ技術ぎじゅつしゃ

手工業しゅこうぎょうマイスターにたいして、だい企業きぎょう従業じゅうぎょういん300にん以上いじょう)を対象たいしょうとする工業こうぎょうマイスター制度せいどがあり、商工しょうこう会議かいぎしょ試験しけん委員いいんかい試験しけん実施じっし機関きかんとなっており、1.ぜん職種しょくしゅ共通きょうつう試験しけん、2.職種しょくしゅべつ専門せんもん試験しけん、3.職業しょくぎょう教育きょういくがく教育きょういくがく労働ろうどう教育きょういくがく試験しけん内容ないようとしている(手工業しゅこうぎょうマイスターとはことなり、資格しかく企業きぎょうない当該とうがいポジションがある場合ばあいにのみ通用つうようする)[4]

フランス[編集へんしゅう]

フランスでは職業しょくぎょう資格しかく学位がくい免状めんじょうについて、1969ねん導入どうにゅうされた職業しょくぎょう能力のうりょく水準すいじゅん分類ぶんるいひょうNomenclature des niveaux de formation)と職業しょくぎょう教育きょういく訓練くんれん分野ぶんや分類ぶんるいひょうNomenclature des spécialites de formation)により分類ぶんるいされ、全国ぜんこく職業しょくぎょう資格しかく総覧そうらんRépertoire national des certifications professionnelles:RNCP)に登録とうろくされている[4]

フランスでは職業しょくぎょう資格しかく大半たいはん国家こっか資格しかくで、かく省庁しょうちょうがその管轄かんかつする業務ぎょうむ職業しょくぎょう資格しかく設定せっていしている[4]。1990年代ねんだいになり業界ぎょうかい団体だんたい業種ぎょうしゅ単位たんい独自どくじ資格しかく設定せっていする職業しょくぎょう資格しかく証明しょうめいしょCertificat de qualification professionnelle:CQP)の制度せいどみとめられた[4]。CQPはそのままでは業界ぎょうかいないでしかみとめられないが、全国ぜんこく職業しょくぎょう資格しかく総覧そうらん(RNCP)に登録とうろくされると業界ぎょうかいにおいても通用つうようするほか、地域ちいきくにから訓練くんれんたいする補助ほじょきんられやすくなる[4]

全国ぜんこく職業しょくぎょう資格しかく総覧そうらん(RNCP)の管理かんりは、職業しょくぎょう資格しかく認定にんてい全国ぜんこく委員いいんかいCommission Nationale de la Certification Professionnelle:CNCP)がおこなっており、委員いいん任期にんきは5ねんかく省庁しょうちょう代表だいひょう労使ろうしおも団体だんたい代表だいひょう商工しょうこうのう会議かいぎしょ代表だいひょう地域ちいき代表だいひょう専門せんもんとう構成こうせいされる[4]

RNCPに登録とうろくされる資格しかくには無条件むじょうけん登録とうろく資格しかくenregistrement de droit)と申請しんせい登録とうろく資格しかくenregistrement sur demande)がある[4]

無条件むじょうけん登録とうろく資格しかくは、職業しょくぎょう審議しんぎ委員いいんかいCommissions professionnelles consultatives:CPC)が設置せっちされている省庁しょうちょう教育きょういくしょう国民こくみん教育きょういく研究けんきゅうしょう雇用こようしょう農務のうむ水産すいさんしょう青少年せいしょうねんスポーツしょう社会しゃかい活動かつどう総局そうきょく健康けんこうしょう)にのみみとめられており、これらの省庁しょうちょう交付こうふする資格しかく無条件むじょうけんでRNCPに登録とうろくされる[4]

申請しんせい登録とうろく資格しかくは、業界ぎょうかい団体だんたい交付こうふする職業しょくぎょう資格しかく証明しょうめいしょ(CQP)、訓練くんれん機関きかん商工しょうこう会議かいぎしょ独自どくじ資格しかく職業しょくぎょう審議しんぎ委員いいんかい保持ほじしない省庁しょうちょう交付こうふする資格しかくなどで、これらは職業しょくぎょう資格しかく認定にんてい全国ぜんこく委員いいんかい(CNCP)の分科ぶんか委員いいんかい審議しんぎし、職業しょくぎょう能力のうりょく開発かいはつ担当たんとう大臣だいじんがRNCPへの登録とうろく最終さいしゅう決定けっていする[4]

なお、職業しょくぎょう資格しかくさい高水準こうすいじゅん設定せっていされる技師ぎし資格しかく(CTI)については、公的こうてき機関きかんである技師ぎし資格しかく委員いいんかいCommission des titres d'ingénieur)の認証にんしょうようする[4]

イギリス[編集へんしゅう]

イギリスにおいては、職業しょくぎょう資格しかく制度せいど国家こっかによる統一とういつてき基準きじゅんもとづいて整備せいびされている[6]

1997ねん既存きそん職業しょくぎょう資格しかくのレベルをひょうにして教育きょういく資格しかく比較ひかくした全国ぜんこく資格しかく枠組わくぐみ (National Qualification Framework: NQF)が設定せっていされ、2009ねん資格しかく単位たんい枠組わくぐみ(QCF)の導入どうにゅうにより、NQF 資格しかくとQCF資格しかくけられた[4]

資格しかく分類ぶんるいについて資格しかく試験しけん監査かんさ機関きかんOffice of Qualifications and Examinations Regulation: Ofqual)は以下いかの15分野ぶんや分類ぶんるいしているが、Ofqualは教育きょういく一般いっぱん資格しかく監査かんさおこなうため産業さんぎょう分野ぶんや以外いがいのものもふくまれている[4]

  • 保健ほけん公共こうきょうサービス、介護かいご
  • 科学かがく数学すうがく
  • 農業のうぎょう園芸えんげい動物どうぶつ世話せわ
  • 機械きかいおよ生産せいさんテクノロジー
  • 土木どぼく設計せっけいおよ建造けんぞう環境かんきょう
  • 情報じょうほう伝達でんたつテクノロジー
  • 小売こうり商業しょうぎょう活動かつどう
  • レジャー、旅行りょこう観光かんこう
  • 芸術げいじゅつ、マスコミ、出版しゅっぱん
  • 歴史れきし哲学てつがく神学しんがく
  • 社会しゃかい科学かがく
  • 外国がいこく文学ぶんがく文化ぶんか
  • 教育きょういく訓練くんれん
  • ライフ・ワーク準備じゅんび
  • ビジネス、経営けいえい財政ざいせい法律ほうりつ

資格しかく授与じゅよ機関きかんAwarding Organisations)が資格しかく試験しけん監査かんさ機関きかん(Ofqual)に申請しんせいして認可にんかけると管理かんり対象たいしょう資格しかく認可にんか資格しかくRegulated Qualifications)として登録とうろくされる[4]認可にんか資格しかくには一般いっぱん資格しかくVocational Qualifications)と上級じょうきゅう資格しかくHigher Qualifications)があり、資格しかく種類しゅるいごとにレベルがけて設定せっていされている[4]

資格しかく授与じゅよ機関きかん資格しかく作成さくせい授与じゅよ責任せきにんをもつ機関きかんで、総合資格そうごうしかく授与じゅよ機関きかん産業さんぎょう分野ぶんやせんもん資格しかく授与じゅよ機関きかんがあり、後者こうしゃ環境かんきょう衛生えいせい協会きょうかい(CIEH)、保険ほけん財政ざいせいサービス専門せんもん協会きょうかい(CII)、マネジメント専門せんもん協会きょうかい(CMI)など専門せんもん分野ぶんやべつ協会きょうかいである[4]

資格しかく設定せってい資格しかく試験しけん監査かんさ機関きかん(Ofqual)の認可にんか必要ひつようなわけではないが、資格しかく品質ひんしつ証明しょうめいするものとかんがえられており、認可にんかけていない資格しかく訓練くんれん評価ひょうか政府せいふからの財政ざいせい援助えんじょけることができない[4]。なお、資格しかく授与じゅよ機関きかん資格しかく取得しゅとくのための訓練くんれん個々ここ訓練くんれんせい評価ひょうかおこな機関きかんではない[4]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ここではれいとして登録とうろく免許めんきょ税額ぜいがくさんまんえん以上いじょうで「」または「」のふくまれるものをげる。
  2. ^ ここではれいとして業務ぎょうむ独占どくせんせいのない名称めいしょう独占どくせん資格しかくで「」または「」のふくまれるものをげる。
  3. ^ ここではれいとして業務ぎょうむ独占どくせんせいのない必置資格しかくで「」または「」のふくまれるものをげる。
  4. ^ くに機関きかん明文化めいぶんかしている定義ていぎとしては、教育きょういく訓練くんれん給付きゅうふきん対象たいしょうとなる教育きょういく訓練くんれん講座こうざ要件ようけんさだめる厚生こうせい労働省ろうどうしょう通達つうたつにおいて「公的こうてき資格しかくとは、国家こっか資格しかくまた地方ちほう公共こうきょう団体だんたいによって認定にんていされている資格しかくをいう」とさだめるものがあるが[15]どう通達つうたつはあくまでどう制度せいど運用うんようかんするものであり、「公的こうてき資格しかく」の一般いっぱんてき定義ていぎないし範囲はんい確定かくていしまたは拘束こうそくするものではない。
  5. ^ ここではれいとして疑義ぎぎのない公的こうてき資格しかくをあげる(なんらかの公的こうてき性質せいしつびていたとしても、民間みんかん資格しかくはここではあつかわない)。
  6. ^ 食品しょくひん衛生えいせいほう施行しこう条例じょうれい
  7. ^ ふぐ条例じょうれいなど(都道府県とどうふけんによりことなる)
  8. ^ 火災かさい予防よぼう条例じょうれい東京とうきょうのみ)
  9. ^ 火災かさい予防よぼう条例じょうれい東京とうきょうのみ)
  10. ^ 農薬のうやく適正てきせい使用しよう条例じょうれいなど(都道府県とどうふけんによりことなる)
  11. ^ 火災かさい予防よぼう条例じょうれい東京とうきょうのみ)
  12. ^ 地震じしん対策たいさく条例じょうれいなど(都道府県とどうふけんによりことなる)
  13. ^ 下水道げすいどう条例じょうれいなど(都道府県とどうふけん市町村しちょうそんによりことなる)
  14. ^ 環境かんきょう確保かくほ条例じょうれい東京とうきょうのみ)
  15. ^ 災害さいがい対策たいさく条例じょうれいなど(都道府県とどうふけんによりことなる)
  16. ^ 災害さいがい対策たいさく条例じょうれいなど(都道府県とどうふけん市町村しちょうそんによりことなる)
  17. ^ ども条例じょうれいなど(都道府県とどうふけん市町村しちょうそんによりことなる)
  18. ^ 文部もんぶ科学かがくしょう後援こうえんであり、上級じょうきゅう合格ごうかくしゃには税理士ぜいりし試験しけん受験じゅけん資格しかくあたえられるといった国家こっか資格しかく予備よび試験しけん性格せいかくゆうしている。
  19. ^ 1きゅう合格ごうかくしゃ税理士ぜいりし受験じゅけん資格しかくられる。
  20. ^ 文部もんぶ科学かがくしょうスクールカウンセラー資格しかく要件ようけんとしている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 大辞林だいじりん だいさんはん』(三省堂さんせいどう、2006ねん)1074ぺーじおよび『広辞苑こうじえん だいろくはん』(岩波書店いわなみしょてん2011ねん)1199ぺーじ参照さんしょう
  2. ^ しん明解めいかい国語こくご辞典じてん だいよんはん』(三省堂さんせいどう、1994ねんISBN 4-385-13142-2
  3. ^ "資格しかく". 精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん、デジタル大辞泉だいじせん. コトバンクより2021ねん12月23にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z しょ外国がいこくにおける能力のうりょく評価ひょうか制度せいど”. 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん 労働ろうどう政策せいさく研究けんきゅう研修けんしゅう機構きこう. 2022ねん8がつ1にち閲覧えつらん
  5. ^ 行政ぎょうせい改革かいかく推進すいしん本部ほんぶ 規制きせい改革かいかく委員いいんかい (2000ねん). “規制きせい改革かいかくについての見解けんかい 15 公的こうてき資格しかく制度せいど”. 2021ねん12月27にち閲覧えつらん
  6. ^ a b c 阿形あがた健司けんじ 2010, p. 20.
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  11. ^ a b 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほうだい9しょうだい2せつ
  12. ^ 土地とち区画くかく整理せいりほう施行しこうれい
  13. ^ 中小ちゅうしょう企業きぎょう診断しんだん登録とうろくとうおよ試験しけんかんする規則きそく
  14. ^ 土地とち改良かいりょうほう施行しこう規則きそく
  15. ^ 生活せいかつ保護ほごほうによる保護ほご実施じっし要領ようりょう取扱とりあつかいについて(昭和しょうわ38ねん4がつ1にちしゃだい34ごう”. とい70にたいするこたえ: 厚生こうせい労働ろうどうしょう. 2021ねん12月7にち閲覧えつらん。あくまで生活せいかつ保護ほごほうによる保護ほご実施じっし要領ようりょうについて(昭和しょうわ38ねん4がつ1にちしゃはつだい246ごう”. 2021ねん12月7にち閲覧えつらん解釈かいしゃくかぎってべるものであるてん留意りゅうい必要ひつようである。
  16. ^ 社内しゃない検定けんてい認定にんてい制度せいど”. www.mhlw.go.jp. 2023ねん2がつ12にち閲覧えつらん
  17. ^ 全国ぜんこく大学だいがく生協せいきょうれん. “悪徳あくとく商法しょうほうをつけよう”. 2021ねん12月27にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

論文ろんぶん[編集へんしゅう]

調査ちょうさ報告ほうこくしょ[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

個別こべつ記事きじ[編集へんしゅう]

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