制式せいしき二に号ごう飛行機ひこうき

制式せいしき二に号ごう飛行機ひこうき（せいしきにごうひこうき）は、大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんが試作しさくした実験じっけん用よう軍用ぐんよう機き。制式せいしき機きとして計画けいかくされたために名称めいしょうに「制式せいしき」とあるが、実際じっさいには制式せいしき化かされていない。

概要がいよう

阪ばん元もと守もり吉きち

1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）7月がつ、臨時りんじ軍用ぐんよう気球ききゅう研究けんきゅう会かいは制式せいしき一いち号ごう飛行機ひこうきに続つづき、坂元さかもと守まもる吉きち中尉ちゅういを設計せっけい主務しゅむ者しゃ、吉原よしはら四郎しろう技師ぎしを補佐ほさとして牽引けんいん式しきにエンジンを配置はいちした高速こうそく実験じっけん機きの開発かいはつを開始かいしした。同年どうねん12月がつに研究けんきゅう会かいの所沢ところざわ工場こうじょうにて試作しさく機き1機きが完成かんせいし、翌よく1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）1月がつ11日にちに坂元さかもと中尉ちゅういの操縦そうじゅうで初はつ飛行ひこうした。しかし、同月どうげつ17日にちに行おこなわれた2回かい目めの飛行ひこう試験しけんでエンジン不調ふちょうによって失速しっそく墜落ついらくし、機体きたいは大破たいは。パイロットを務つとめていた坂元さかもと中尉ちゅういも殉職じゅんしょくした。

機体きたいは木製もくせい骨組ほねぐみ（エンジン架かのみ金属きんぞく製せい）に羽布はぶ張はりの複葉ふくよう機きで、設計せっけいはアルバトロス社しゃ製せい戦闘せんとう機きを参考さんこうにしていた。制式せいしき一いち号ごうと同おなじく、胴体どうたい両りょう側面そくめんのラジエーターを特徴とくちょうとする。降着こうちゃく装置そうちは固定こてい脚あし。機体きたい材料ざいりょうは全国ぜんこく産さんで、エンジンも国産こくさん化かしたダイムラー式しきエンジンを搭載とうさいしていたが不調ふちょうが続つづいており、そのためか性能せいのうは公表こうひょうされなかった。

制式せいしき二に号ごうの墜落ついらく事故じこを受うけて、陸軍りくぐんは国産こくさん牽引けんいん式しき飛行機ひこうきの実用じつよう化かは時期じき尚早しょうそうと判断はんだんし、以後いごはモーリス・ファルマン系けいの推進すいしん式しき航空機こうくうきが陸軍りくぐんの主力しゅりょくとなった。

諸しょ元もと

• 全長ぜんちょう：6.70 m
• 全幅ぜんぷく：9.86 m
• 全高ぜんこう：2.60 m
• 翼つばさ面積めんせき：31.0 m²
• エンジン：東京とうきょう砲兵ほうへい工廠こうしょう ダイムラー式しき 水冷すいれい直列ちょくれつ6気筒きとうガソリン（最大さいだい110 hp） × 1
• 乗員じょういん：2名めい

参考さんこう文献ぶんけん

• 野沢のざわ正ただし 『日本航空にほんこうくう機き総そう集あつまり 立川たちかわ・陸軍りくぐん航空こうくう工廠こうしょう・満まん飛ひ・日にち国こく篇へん』 出版しゅっぱん協同きょうどう社しゃ、1980年ねん、126 - 128頁ぺーじ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:80027840。

関連かんれん項目こうもく

• 制式せいしき三さん号ごう飛行機ひこうき