専有 せんゆう 部分 ぶぶん (せんゆうぶぶん)は、区分 くぶん 所有 しょゆう 権 けん の目的 もくてき たる建物 たてもの の部分 ぶぶん をいい、一棟 ひとむね の建物 たてもの に構造 こうぞう 上 じょう 区分 くぶん された数個 すうこ の部分 ぶぶん で独立 どくりつ して住居 じゅうきょ 、店舗 てんぽ 、事務所 じむしょ 又 また は倉庫 そうこ その他 た 建物 たてもの としての用途 ようと に供 きょう することができるものであって、法令 ほうれい (日本 にっぽん では建物 たてもの の区分 くぶん 所有 しょゆう 等 とう に関 かん する法律 ほうりつ (以下 いか 「区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 」))によって、それぞれ個別 こべつ の所有 しょゆう 権 けん の目的 もくてき とされるもの(同 どう 法 ほう 第 だい 1条 じょう 、第 だい 2条 じょう 第 だい 3項 こう )をいう。分譲 ぶんじょう マンション の各室 かくしつ などがこれにあたる。英語 えいご には、exclusively-owned area と訳 やく される[1] 。
本 ほん 項目 こうもく では、物的 ぶってき な範囲 はんい 、権利 けんり の態様 たいよう 、使用 しよう における問題 もんだい 、管理 かんり ・改修 かいしゅう 、取引 とりひき (売買 ばいばい )に関 かん することを中心 ちゅうしん に扱 あつか う。
区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの [ 編集 へんしゅう ]
間 あいだ 取 と り、インテリア
関連 かんれん については「
マンション 」を
参照 さんしょう
区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう においては、一棟 ひとむね の建物 たてもの は、専有 せんゆう 部分 ぶぶん か共用 きょうよう 部分 ぶぶん のいずれかに区分 くぶん される。専有 せんゆう 部分 ぶぶん 、共用 きょうよう 部分 ぶぶん 、これらを含 ふく む一棟 ひとむね の建物 たてもの を総称 そうしょう して区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの (くぶんしょゆうたてもの)という。日本 にっぽん の場合 ばあい 、区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの の用途 ようと は、住宅 じゅうたく 専用 せんよう 又 また は住宅 じゅうたく 部分 ぶぶん と店舗 てんぽ 部分 ぶぶん が併存 へいそん するものが多 おお くを占 し める[注 ちゅう 1] 。専有 せんゆう 部分 ぶぶん の所有 しょゆう 者 しゃ を区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ といい、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ は特定 とくてい の専有 せんゆう 部分 ぶぶん を共有 きょうゆう することもできる。
立 だて 面 めん イメージ
301号室 ごうしつ (専有 せんゆう 部分 ぶぶん )
302号室 ごうしつ (専有 せんゆう 部分 ぶぶん )
エレベー タ階段 かいだん 廊下 ろうか (法定 ほうてい 共用 きょうよう 部 ぶ 分 ぶん )
201号室 ごうしつ (専有 せんゆう 部分 ぶぶん )
202号室 ごうしつ (専有 せんゆう 部分 ぶぶん )
1階 かい 店舗 てんぽ (専有 せんゆう 部分 ぶぶん )
管理人 かんりにん 室 しつ (規約 きやく 共 ども 用 よう 部分 ぶぶん )
201、202、301、302の各号 かくごう 室 しつ :住戸 じゅうこ (各 かく 戸前 とまえ のバルコニー の専用 せんよう 使用 しよう 権 けん 付 づけ )
高層 こうそう マンションでも、上記 じょうき イメージの延長 えんちょう となる。こうしたマンションの全景 ぜんけい は、バルコニーの部分 ぶぶん が凹 へこ んだような外観 がいかん となることが多 おお い。大川 おおかわ 端 はし リバーシティ21 センチュリーパークタワー
平面 へいめん イメージ(上記 じょうき 立 りつ 面 めん イメージの202号室 ごうしつ 周辺 しゅうへん )
廊下 ろうか (法定 ほうてい 共用 きょうよう 部分 ぶぶん )
202号室 ごうしつ (専有 せんゆう 部分 ぶぶん )
階段 かいだん 等 とう (法定 ほうてい 共用 きょうよう 部 ぶ 分 ぶん )
バルコニー(法定 ほうてい 共用 きょうよう 部分 ぶぶん 、 202号 ごう 室 しつ の専用 せんよう 使用 しよう 権 けん )
「規約 きやく 共用 きょうよう 部分 ぶぶん 」とは管理 かんり 規約 きやく により共用 きょうよう 部分 ぶぶん とされる部分 ぶぶん で、「法定 ほうてい 共用 きょうよう 部分 ぶぶん 」とは法令 ほうれい 上 じょう 当然 とうぜん に共用 きょうよう 部分 ぶぶん となる部分 ぶぶん をいう(区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 第 だい 4条 じょう )。
参考 さんこう :『平成 へいせい 21年度 ねんど 版 ばん 宅 たく 建 けん ポイントマスターI 民法 みんぽう 等 とう 』TAC
日本 にっぽん においては、区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの のうち、2以上 いじょう の区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ が存 そん する建物 たてもの で人 ひと の居住 きょじゅう の用 よう に供 きょう する専有 せんゆう 部分 ぶぶん のあるものは、マンションの管理 かんり の適正 てきせい 化 か の推進 すいしん に関 かん する法律 ほうりつ によるマンションとして同 どう 法 ほう の適用 てきよう も受 う ける[2] 。マンションは、日本 にっぽん においては都市 とし 部 ぶ を中心 ちゅうしん に重要 じゅうよう な居住 きょじゅう 形態 けいたい となっている[3] 。
区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう においては、専有 せんゆう 部分 ぶぶん となるためには、次 つぎ の各 かく 要件 ようけん を満 み たさなければならないものとされている[4] 。この要件 ようけん を満 み たしていても、管理 かんり 規約 きやく により共用 きょうよう 部分 ぶぶん とされる部分 ぶぶん (規約 きやく 共用 きょうよう 部分 ぶぶん )があることがある[5] 。さらに、オフィスビル 、賃貸 ちんたい マンション等 ひとし で、一棟 ひとむね の建物 たてもの 全体 ぜんたい が同一 どういつ の所有 しょゆう 者 しゃ である場合 ばあい でも、専有 せんゆう 部分 ぶぶん に当 あ たる部分 ぶぶん が賃貸 ちんたい 部分 ぶぶん として共用 きょうよう 部分 ぶぶん と区別 くべつ される場合 ばあい があるが[注 ちゅう 2] 、こうした区分 くぶん 所有 しょゆう が行 おこな われていない場合 ばあい は区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう の適用 てきよう は受 う けない。
壁 かべ 、天井 てんじょう 、床 ゆか 等 とう によって他 た の部分 ぶぶん と遮断 しゃだん されていること。
独立 どくりつ して住居 じゅうきょ 、店舗 てんぽ 、事務所 じむしょ 、倉庫 そうこ 等 とう の用途 ようと に供 きょう されていること。ここでいう「独立 どくりつ 」には、直接 ちょくせつ 又 また は共用 きょうよう 部分 ぶぶん を通 つう じて外部 がいぶ と往来 おうらい できるということがある。
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の範囲 はんい [ 編集 へんしゅう ]
専有 せんゆう 部分 ぶぶん と共用 きょうよう 部分 ぶぶん との境界 きょうかい について、区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう には明確 めいかく な規定 きてい がない。一方 いっぽう 、国土 こくど 交通省 こうつうしょう は、「マンションの管理 かんり の適正 てきせい 化 か に関 かん する指針 ししん 」において、「特 とく に、専有 せんゆう 部分 ぶぶん と共用 きょうよう 部分 ぶぶん の区分 くぶん 、専用 せんよう 使用 しよう 部分 ぶぶん と共用 きょうよう 部分 ぶぶん の管理 かんり 及 およ び駐車 ちゅうしゃ 場 じょう の使用 しよう 等 とう に関 かん してトラブルが生 しょう じることが多 おお いことから、(中略 ちゅうりゃく )、各 かく 部分 ぶぶん の範囲 はんい 及 およ びこれに対 たい するマンションの区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 等 とう の負担 ふたん を明確 めいかく に定 さだ めておくことが望 のぞ ましい」としている[3] 。
壁 かべ 、床 ゆか 、天井 てんじょう 等 とう について
ここでは[注 ちゅう 3] の各 かく 説 せつ がある。マンション標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく (国土 こくど 交通省 こうつうしょう 作成 さくせい 、以下 いか 「標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく 」という)は、そのうち次 つぎ の「折衷 せっちゅう 説 せつ ・上塗 うわぬり 説 せつ 」を採用 さいよう し、「天井 てんじょう 、床 ゆか 及 およ び壁 かべ は、躯 むくろ 体 たい 部分 ぶぶん を除 のぞ く部分 ぶぶん を専有 せんゆう 部分 ぶぶん 」としている[6] 。
境界 きょうかい 部分 ぶぶん のうち躯 むくろ 体 たい 部分 ぶぶん は共用 きょうよう 部分 ぶぶん であるが、上塗 うわぬ り部分 ぶぶん など躯 むくろ 体 たい 部分 ぶぶん 以外 いがい の部分 ぶぶん は専有 せんゆう 部分 ぶぶん の範囲 はんい に含 ふく まれるという考 かんが え方 かた で、上塗 うわぬ り部分 ぶぶん は専有 せんゆう 部分 ぶぶん となる。マンション管理 かんり センター は、「境界 きょうかい 壁 かべ の壁紙 かべがみ の張 は り替 か えが可能 かのう になるなど区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 相互 そうご 間 あいだ で、建物 たてもの の維持 いじ 管理 かんり する関係 かんけい において、この説 せつ が相当 そうとう 」[2] としている。
窓 まど ガラス、玄関 げんかん 扉 とびら 等 とう について
玄関 げんかん 扉 とびら の色 いろ を勝手 かって に塗 ぬ り変 か えたり、窓 まど ガラスに広告 こうこく をだしたりすると美観 びかん が損 そこ なわれるため規制 きせい が必要 ひつよう である。標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく では、窓 まど 枠 わく 、窓 まど ガラス、玄関 げんかん 扉 とびら (錠 じょう 及 およ び内部 ないぶ 塗装 とそう 部分 ぶぶん は専有 せんゆう 部分 ぶぶん )、建物 たてもの の外観 がいかん 保全 ほぜん の観点 かんてん から利用 りよう 制限 せいげん を付 ふ すべき建物 たてもの の部分 ぶぶん 等 とう は共用 きょうよう 部分 ぶぶん として各 かく 区分 くぶん 所有 しょゆう 権 けん の対象 たいしょう から除外 じょがい している[6] 。
配管 はいかん 、配線 はいせん について
標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく では、上下 じょうげ 水 すい 、電気 でんき 、ガス 等 ひとし の配管 はいかん ・配線 はいせん の設備 せつび については、専有 せんゆう 部分 ぶぶん の専用 せんよう に供 きょう されるもので、共用 きょうよう 部分 ぶぶん にある部分 ぶぶん 以外 いがい のものを専有 せんゆう 部分 ぶぶん とし、「専有 せんゆう 部分 ぶぶん の専用 せんよう に供 きょう される」か否 ひ かは、設備 せつび 機能 きのう が各 かく 住戸 じゅうこ 等 とう の専用 せんよう のものであるか、共用 きょうよう のものであるかにより決定 けってい するものとされている[7] [注 ちゅう 4] 。空調 くうちょう 、給湯 きゅうとう 関係 かんけい の設備 せつび については、マンションにおいては各 かく 専有 せんゆう 部分 ぶぶん に属 ぞく することが一般 いっぱん 的 てき であり[注 ちゅう 5] 、標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく でも共用 きょうよう 部分 ぶぶん に記載 きさい されていない。
専有 せんゆう 部分 ぶぶん に含 ふく まれる付帯 ふたい 設備 せつび [ 編集 へんしゅう ]
住宅 じゅうたく では、空調 くうちょう 、給湯 きゅうとう 、厨房 ちゅうぼう 、風呂 ふろ 等 とう 生活 せいかつ のための設備 せつび がある。
日本 にっぽん における事務 じむ 室 しつ の場合 ばあい は、付帯 ふたい 設備 せつび は共用 きょうよう 部分 ぶぶん に集中 しゅうちゅう させる傾向 けいこう が見 み られ、住宅 じゅうたく に比 くら べてシンプルとなっている(オフィスビル を参照 さんしょう されたい)。賃貸 ちんたい 用 よう の店舗 てんぽ 等 とう の場合 ばあい は、さらに、内装 ないそう 、外装 がいそう 、建築 けんちく 設備 せつび の一部 いちぶ を借主 かりぬし が施工 しこう することも見 み られる(スケルトン貸 が し [8] )。
間 あいだ 取 と り、インテリア
関連 かんれん については「
マンション 」を
参照 さんしょう
専用 せんよう 使用 しよう 権 けん [ 編集 へんしゅう ]
共用 きょうよう 部分 ぶぶん 等 とう の一部 いちぶ について、特定 とくてい の区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ が排他 はいた 的 てき に使用 しよう する権利 けんり であり、専有 せんゆう 部分 ぶぶん の権利 けんり と混同 こんどう されがちである[9] 。バルコニー(ここでいう「バルコニー」は「ベランダ 」とも呼 よ ばれる)などが対象 たいしょう となる。
いわゆる壁 かべ 心 しん 計算 けいさん と内法 うちのり 計算 けいさん とがある。区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 上 じょう 、専有 せんゆう 部分 ぶぶん の床 ゆか 面積 めんせき は、壁 かべ その他 た の区画 くかく の内側 うちがわ 線 せん で囲 かこ まれた部分 ぶぶん の水平 すいへい 投影 とうえい 面積 めんせき (内法 うちのり 計算 けいさん )によることが原則 げんそく であるが、規約 きやく で別段 べつだん の定 さだ めをすることができるものとされている[10] 。「壁 かべ 心 しん 」か「内法 うちのり 」かということは、面積 めんせき 計算 けいさん にとどまらず、関係 かんけい する壁 かべ が専有 せんゆう 部分 ぶぶん となるか共用 きょうよう 部分 ぶぶん となるかにもつながるため、管理 かんり 規約 きやく で明確 めいかく にする必要 ひつよう がある[11] 。
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の登記 とうき [ 編集 へんしゅう ]
登記 とうき 記録 きろく (登記 とうき 簿 ぼ )は一 ひと つの不動産 ふどうさん である各 かく 専有 せんゆう 部分 ぶぶん ごとに作成 さくせい される。日本 にっぽん の不動産 ふどうさん 登記 とうき 制度 せいど は、表示 ひょうじ に関 かん する登記 とうき が「表題 ひょうだい 部 ぶ 」として権利 けんり 関係 かんけい とは区分 くぶん されるが、表題 ひょうだい 部 ぶ に、専有 せんゆう 部分 ぶぶん とは別 べつ に一棟 ひとむね の建物 たてもの 全体 ぜんたい のものが記載 きさい される。さらに日本 にっぽん の場合 ばあい は、欧米 おうべい の多 おお くの国 くに 等 とう と異 こと なり、建物 たてもの は、土地 とち と別個 べっこ の不動産 ふどうさん とされて登記 とうき も土地 とち とは別個 べっこ のものであるが、敷地 しきち 権 けん の表示 ひょうじ も記載 きさい され、敷地 しきち 利用 りよう 権 けん の権利 けんり 関係 かんけい も専有 せんゆう 部分 ぶぶん と一体化 いったいか されている[12] 。
利用 りよう 等 とう に関 かん する問題 もんだい [ 編集 へんしゅう ]
専有 せんゆう 部分 ぶぶん は、区分 くぶん 所有 しょゆう 権 けん により使用 しよう する権利 けんり があるが、特 とく にマンションの場合 ばあい 、「共同 きょうどう 生活 せいかつ 」という面 めん もあり、日本 にっぽん に限 かぎ らず、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ の共同 きょうどう の利益 りえき に反 はん する行為 こうい の禁止 きんし (区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 第 だい 6条 じょう )に基 もと づいて管理 かんり 規約 きやく で制約 せいやく が設定 せってい される。ただし、年月 としつき の経過 けいか と共 とも に所有 しょゆう 者 しゃ 、居住 きょじゅう 者 しゃ が入 い れ替 か わり、トラブルになる事例 じれい も多 おお いのが実情 じつじょう である。
国 くに 等 とう によっては行政 ぎょうせい 部門 ぶもん に専 せん 門 もん の調整 ちょうせい 機関 きかん を設置 せっち する例 れい (ハワイ州 しゅう など)が見 み られるが、日本 にっぽん の場合 ばあい は、そのような機関 きかん が特 とく になく、訴訟 そしょう に及 およ ばざるをえないこともあるという問題 もんだい 点 てん が指摘 してき されている[13] 。
住宅 じゅうたく として使用 しよう [ 編集 へんしゅう ]
標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく では、住戸 じゅうこ 部分 ぶぶん について住宅 じゅうたく 以外 いがい の用途 ようと に供 きょう してはならない旨 むね の条項 じょうこう があり[14] 。標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく (単 たん 棟 とう 型 がた )の第 だい 12条 じょう に付 ふ されているコメントで、住宅 じゅうたく 以外 いがい の使用 しよう 禁止 きんし 規定 きてい に違反 いはん するか否 ひ かは「専 せん ら居住 きょじゅう 者 しゃ の生活 せいかつ があるか否 ひ かによって判断 はんだん する。したがって利用 りよう 方法 ほうほう は、生活 せいかつ の本拠 ほんきょ であるために必要 ひつよう な平穏 へいおん さを有 ゆう することを要 よう する」とされている[注 ちゅう 6] 。「いたずらに過剰 かじょう 規制 きせい しない方 ほう がいい」という指摘 してき も出 だ されている[15] (裁判 さいばん 事例 じれい [注 ちゅう 7] )。
日本 にっぽん においては、標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく で禁止 きんし の場合 ばあい と許容 きょよう の場合 ばあい の両方 りょうほう の条項 じょうこう が作成 さくせい されているように複雑 ふくざつ な問題 もんだい となっている[16] 。ペット 飼育 しいく をめぐる問題 もんだい の重要 じゅうよう 性 せい について、マンション管理 かんり センターは、「個々 ここ の区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ の趣味 しゅみ 、嗜好 しこう の問題 もんだい にとどまらず、マンションの使用 しよう の在 あ り方 かた 、管理 かんり の在 あ り方 かた 、マンションにおける共同 きょうどう の利益 りえき の意義 いぎ 、規約 きやく の効力 こうりょく 、マンション紛争 ふんそう の解決 かいけつ の当事 とうじ 者 しゃ 、社会 しゃかい におけるペット飼育 しいく の意義 いぎ をめぐる広範 こうはん な問題 もんだい を提起 ていき している」という弁護士 べんごし による解説 かいせつ をホームページに掲載 けいさい している[17] 。なお、下記 かき #重要 じゅうよう 事項 じこう 説明 せつめい (宅地 たくち 建物 たてもの 取引 とりひき 業法 ぎょうほう ) に関連 かんれん することとして、取引 とりひき 時 じ のペット飼育 しいく の可否 かひ に関 かん する説明 せつめい ・告知 こくち をめぐるトラブルも目立 めだ つ[18] 。
店舗 てんぽ 部分 ぶぶん がある場合 ばあい [ 編集 へんしゅう ]
標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく (複 ふく 合 あい 用途 ようと 型 がた )においては、店舗 てんぽ 部分 ぶぶん の使用 しよう にあたって、「他 た の区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ の迷惑 めいわく となるような営業 えいぎょう 形態 けいたい 、営業 えいぎょう 行為 こうい をしてはならない」とされている一方 いっぽう で、住戸 じゅうこ 部分 ぶぶん のような、他 た の用途 ようと に供 きょう してはならない旨 むね の条項 じょうこう はない[19] 。
効力 こうりょく の及 およ ぶ者 もの の範囲 はんい [ 編集 へんしゅう ]
上記 じょうき の制約 せいやく 等 とう については、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 以外 いがい にも及 およ ぶ場合 ばあい がある。区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 第 だい 30条 じょう では、管理 かんり 規約 きやく は第三者 だいさんしゃ の権利 けんり を害 がい してはならないものとされるものであるが、同 どう 法 ほう 第 だい 46条 じょう により、借主 かりぬし を含 ふく む占有 せんゆう 者 しゃ は、建物 たてもの 等 とう の使用 しよう 方法 ほうほう につき区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ と同一 どういつ の義務 ぎむ を負 お うものとされる。
標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく においては、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ は、同居 どうきょ する者 もの 、店舗 てんぽ の場合 ばあい のこれに勤務 きんむ する者 もの に対 たい して、規約 きやく 、管理 かんり 組合 くみあい 総会 そうかい 決議 けつぎ を遵守 じゅんしゅ させなければならないとされている[20] 。
専有 せんゆう 部分 ぶぶん を貸与 たいよ する場合 ばあい [ 編集 へんしゅう ]
区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ が専有 せんゆう 部分 ぶぶん を貸与 たいよ (賃貸 ちんたい 等 とう )する場合 ばあい 、標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく は、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ が貸与 たいよ 先 さき に管理 かんり 規約 きやく 等 とう を遵守 じゅんしゅ させなければならないとし[注 ちゅう 8] 、借主 かりぬし に管理 かんり 組合 くみあい に対 たい して管理 かんり 規約 きやく 等 とう を遵守 じゅんしゅ する旨 むね の誓約 せいやく 書 しょ を提出 ていしゅつ させることとしている[21] 。
共同 きょうどう の利益 りえき に反 はん する行為 こうい の停止 ていし [ 編集 へんしゅう ]
共同 きょうどう の利益 りえき に反 はん する行為 こうい をする者 もの (区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 、占有 せんゆう 者 しゃ 等 とう )に対 たい して、区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 、標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく は、各種 かくしゅ の措置 そち を定 さだ めている。これらの行為 こうい は、専有 せんゆう 部分 ぶぶん で行 おこな われたものも含 ふく まれる。関係 かんけい する事例 じれい の中 なか に、暴力団 ぼうりょくだん 事務所 じむしょ としての使用 しよう がある[22] 。
管理 かんり 組合 くみあい 理事 りじ 長 ちょう の勧告 かんこく 、指示 しじ 等 とう [ 編集 へんしゅう ]
標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく では、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 又 また は専有 せんゆう 部分 ぶぶん の貸与 たいよ を受 う けた者 もの (いずれとも同居 どうきょ 人 じん も同様 どうよう )が法令 ほうれい 、管理 かんり 規約 きやく 等 とう に違反 いはん したとき、又 また は当該 とうがい 区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの 内 ない における共同 きょうどう 生活 せいかつ の秩序 ちつじょ を乱 みだ す行為 こうい を行 おこな った時 とき は、管理 かんり 組合 くみあい 理事 りじ 長 ちょう は、理事 りじ 会 かい の決議 けつぎ を経 へ て、その区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 等 とう に対 たい し、是正 ぜせい のために必要 ひつよう な勧告 かんこく 等 とう を行 おこな うことができることとされている[23] 。
区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ ・占有 せんゆう 者 しゃ に対 たい する違反 いはん 行為 こうい の差止 さしどめ 請求 せいきゅう [ 編集 へんしゅう ]
区分 くぶん 使用 しよう 者 しゃ 又 また は占有 せんゆう 者 しゃ が建物 たてもの の保存 ほぞん に有害 ゆうがい な行為 こうい 等 とう [注 ちゅう 9] をした場合 ばあい またはする恐 おそ れがある場合 ばあい は、他 た の区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 又 また は管理 かんり 組合 くみあい 法人 ほうじん は、その行為 こうい の差止 さしとめ を求 もと めることができる[24] 。
区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ に対 たい する使用 しよう 禁止 きんし 請求 せいきゅう [ 編集 へんしゅう ]
上記 じょうき の2つと異 こと なり、専有 せんゆう 部分 ぶぶん の使用 しよう 自体 じたい を禁止 きんし する措置 そち である。区分 くぶん 使用 しよう 者 しゃ 又 また は占有 せんゆう 者 しゃ が建物 たてもの の保存 ほぞん に有害 ゆうがい な行為 こうい 等 とう [注 ちゅう 9] をした場合 ばあい またはする恐 おそ れがある場合 ばあい において、上記 じょうき の差止 さしどめ 請求 せいきゅう では区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ の共同 きょうどう 生活 せいかつ の維持 いじ を図 はか ることが困難 こんなん である場合 ばあい が対象 たいしょう である(裁判 さいばん 事例 じれい [注 ちゅう 7] - 認 みと められなかった事例 じれい )。
管理 かんり 組合 くみあい 総会 そうかい の「特別 とくべつ 決議 けつぎ 」により訴 うった えをもって専有 せんゆう 部分 ぶぶん の使用 しよう 禁止 きんし 請求 せいきゅう を行 おこな うものである[25] 。この請求 せいきゅう を認 みと める判決 はんけつ が確定 かくてい すると、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ や同居 どうきょ 人 じん は当該 とうがい 専有 せんゆう 部分 ぶぶん を使用 しよう できなくなるが、他人 たにん に貸 か し付 つ けることは可能 かのう である。
区分 くぶん 所有 しょゆう 権 けん の競売 きょうばい 請求 せいきゅう [ 編集 へんしゅう ]
これは、いわば「最終 さいしゅう 手段 しゅだん 」として専有 せんゆう 部分 ぶぶん 等 とう の所有 しょゆう 権 けん を剥奪 はくだつ する形 かたち となる措置 そち である。区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ 又 また は占有 せんゆう 者 しゃ が建物 たてもの の保存 ほぞん に有害 ゆうがい な行為 こうい 等 とう [注 ちゅう 9] をした場合 ばあい またはする恐 おそ れがある場合 ばあい において、他 た の方法 ほうほう では区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ の共同 きょうどう 生活 せいかつ の維持 いじ を図 はか ることが困難 こんなん である場合 ばあい が対象 たいしょう である。
管理 かんり 組合 くみあい 総会 そうかい の「特別 とくべつ 決議 けつぎ 」により訴 うった えをもって専有 せんゆう 部分 ぶぶん の競売 きょうばい 請求 せいきゅう を行 おこな うものである[26] (裁判 さいばん 事例 じれい [注 ちゅう 10] )。
管理 かんり 、改修 かいしゅう 、建替 たてかえ 関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の管理 かんり は、所有 しょゆう 権 けん を持 も つ各 かく 区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ が行 おこな うことが原則 げんそく である。区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう では、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ は、その専有 せんゆう 部分 ぶぶん 又 また は共用 きょうよう 部分 ぶぶん を保存 ほぞん し[注 ちゅう 11] 、改良 かいりょう するため必要 ひつよう な範囲 はんい において、他 た の区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ の専有 せんゆう 部分 ぶぶん 又 また は自己 じこ の所有 しょゆう に属 ぞく しない共用 きょうよう 部分 ぶぶん の使用 しよう を請求 せいきゅう することができるものとしている。この場合 ばあい 、他 た の区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ が損害 そんがい を受 う けたときは、その償金 しょうきん を支払 しはら わなければならない[27] 。
一方 いっぽう で、配管 はいかん 、配線 はいせん 等 とう 共用 きょうよう 部分 ぶぶん と一体 いったい になった設備 せつび 部分 ぶぶん の管理 かんり を共用 きょうよう 部分 ぶぶん の管理 かんり と一体 いったい として行 おこな う必要 ひつよう がある場合 ばあい もあり、標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく は、そうした必要 ひつよう があるときは管理 かんり 組合 くみあい で管理 かんり を行 おこな うことができるものとしている[28] 。
新築 しんちく マンションのアフターサービス[ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん の民法 みんぽう 上 うえ 不動産 ふどうさん の売主 うりぬし は瑕疵 かし 担保 たんぽ 責任 せきにん を負 お うが、これは、隠 かく れた瑕疵 かし が対象 たいしょう で、損害 そんがい 賠償 ばいしょう または契約 けいやく 解除 かいじょ のみが認 みと められている。そこで、消費 しょうひ 者 しゃ 保護 ほご 、営業 えいぎょう 政策 せいさく の観点 かんてん から瑕疵 かし の有無 うむ にかかわらず一定 いってい の不具合 ふぐあい があれば、無償 むしょう 修補 しゅうほ を行 おこな うアフターサービス がマンション分譲 ぶんじょう で広 ひろ く見 み られる[29] 。修補 しゅうほ を行 おこな う期間 きかん は、専有 せんゆう 部分 ぶぶん 関係 かんけい では、「室内 しつない 建具 たてぐ 、建具 たてぐ 金物 かなもの 、造 みやつこ 付 づけ 家具 かぐ 、室内 しつない 床 ゆか 仕上 しあ げ」等 とう が引 ひ き渡 わた しの日 ひ から2年間 ねんかん となっている。
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の改修 かいしゅう は[注 ちゅう 12] 、当該 とうがい 区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ が責任 せきにん を負 お うものであるが、管理 かんり 同様 どうよう に関連 かんれん する共用 きょうよう 部分 ぶぶん と一体 いったい で行 おこな った方 ほう が効率 こうりつ 的 てき な場合 ばあい もある。ただし、共用 きょうよう 部分 ぶぶん を対象 たいしょう とする修繕 しゅうぜん 積立 つみたて 金 きん を取 と り崩 くず して専有 せんゆう 部分 ぶぶん の改修 かいしゅう を行 おこな おうとするなど法的 ほうてき に問題 もんだい のある事例 じれい も見 み られる[30] 。
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の改修 かいしゅう により共用 きょうよう 部分 ぶぶん や他 た の専有 せんゆう 部分 ぶぶん に影響 えいきょう を及 およ ぼす場合 ばあい が考 かんが えられる。標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく では、専有 せんゆう 部分 ぶぶん の修繕 しゅうぜん 等 とう については管理 かんり 組合 くみあい 理事 りじ 長 ちょう の承認 しょうにん を要 よう することとされ、理事 りじ 長又 ながまた はその指定 してい を受 う けた者 もの が必要 ひつよう な範囲 はんい で調査 ちょうさ の実施 じっし すること、その調査 ちょうさ に区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ は正当 せいとう な理由 りゆう がなければ拒否 きょひ できないことが規定 きてい されている[31] 。なお、住宅 じゅうたく 金融 きんゆう 支援 しえん 機構 きこう は、「共用 きょうよう 部分 ぶぶん には手 て をつけない」のほかに、電気 でんき 等 とう の容量 ようりょう への注意 ちゅうい 、工事 こうじ 中 ちゅう は他 た の専有 せんゆう 部分 ぶぶん に騒音 そうおん 、振動 しんどう 等 とう 色々 いろいろ な影響 えいきょう があるため、工事 こうじ 関係 かんけい 者 しゃ にルールを遵守 じゅんしゅ させること等 とう を呼 よ びかけている[32] 。
買取 かいとり 請求 せいきゅう 権 けん [ 編集 へんしゅう ]
建物 たてもの の価格 かかく の2分 ぶん の1を超 こ える部分 ぶぶん が滅失 めっしつ (大 だい 規模 きぼ 滅失 めっしつ )した場合 ばあい の復旧 ふっきゅう については、支出 ししゅつ の大 おお きさ等 とう から区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ に与 あた える影響 えいきょう が大 おお きいため、区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう では、専有 せんゆう 部分 ぶぶん の買取 かいとり 請求 せいきゅう 権 けん が認 みと められている。
区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 第 だい 61条 じょう に基 もと づく大 だい 規模 きぼ 滅失 めっしつ における復旧 ふっきゅう 決議 けつぎ が成立 せいりつ した場合 ばあい 、その復旧 ふっきゅう 決議 けつぎ に賛成 さんせい しなかった(反対 はんたい 、棄権 きけん )区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ は、決議 けつぎ に賛成 さんせい した区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ (承継 しょうけい 人 じん を含 ふく む)の全部 ぜんぶ 又 また は一部 いちぶ に、専有 せんゆう 部分 ぶぶん 、敷地 しきち 利用 りよう 権 けん を時価 じか で買 か い取 と るべきことを請求 せいきゅう できる。
売 うれ 渡 わたり 請求 せいきゅう 権 けん [ 編集 へんしゅう ]
建物 たてもの の建替 たてか えでは既存 きそん 建物 たてもの の取 と り壊 こわ しにより専有 せんゆう 部分 ぶぶん も滅失 めっしつ することとなる。区分 くぶん 所有 しょゆう 権 けん の保護 ほご と建替 たてか えの円滑 えんかつ 化 か の調整 ちょうせい の観点 かんてん から、区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう では、区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ に対 たい する専有 せんゆう 部分 ぶぶん の売 うれ 渡 わたり 請求 せいきゅう 権 けん が認 みと められている。
区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 第 だい 62条 じょう に基 もと づく建替 たてか え決議 けつぎ が成立 せいりつ した場合 ばあい 、建替 たてか え参加 さんか 者 しゃ 又 また は買受 かいうけ 指定 してい 者 しゃ [33] は、不参加 ふさんか 者 しゃ に対 たい して専有 せんゆう 部分 ぶぶん 、敷地 しきち 利用 りよう 権 けん を時価 じか で売 う り渡 わた すことを請求 せいきゅう できる[34] 。
建替 たてかえ 手続 てつづ きについては「
マンション 」を
参照 さんしょう
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の取引 とりひき [ 編集 へんしゅう ]
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の処分 しょぶん は、共用 きょうよう 部分 ぶぶん の共用 きょうよう 持分 もちぶん と分離 ぶんり して行 おこな うことはできず、敷地 しきち 利用 りよう 権 けん とも原則 げんそく として分離 ぶんり して行 おこな うことはできない[35] 。日本 にっぽん では上記 じょうき のとおり、建物 たてもの と土地 とち は別個 べっこ の不動産 ふどうさん として扱 あつか われるため、区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう の特徴 とくちょう 的 てき な制度 せいど となっている。そこで、不動産 ふどうさん 鑑定 かんてい 評価 ひょうか 基準 きじゅん は、「区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの 及 およ びその敷地 しきち 」という類型 るいけい でとらえている[36] 。
不動産 ふどうさん 鑑定 かんてい 評価 ひょうか 基準 きじゅん は、特有 とくゆう の価格 かかく 形成 けいせい 要因 よういん について、各論 かくろん 第 だい 1章 しょう で、これらのもの[注 ちゅう 13] を挙 あ げている。これらは、#重要 じゅうよう 事項 じこう 説明 せつめい (宅地 たくち 建物 たてもの 取引 とりひき 業法 ぎょうほう ) で述 の べている説明 せつめい 事項 じこう と重 かさ なる部分 ぶぶん がある。
階層 かいそう 別 べつ 、位置 いち 別 べつ 効用 こうよう 比 ひ [ 編集 へんしゅう ]
マンションの場合 ばあい は、一般 いっぱん 的 てき に眺望 ちょうぼう 等 とう の観点 かんてん から上層 じょうそう 階 かい ほど、さらに南 みなみ -東 ひがし -西 にし -北 きた の順 じゅん で一 いち 棟 むね の建物 たてもの における効用 こうよう 比 ひ が高 たか い、すなわち、他 た の条件 じょうけん が同 おな じならば床 ゆか 面積 めんせき 当 あ たりの単価 たんか (価格 かかく 、賃料 ちんりょう )が高 たか くなる傾向 けいこう があり、超 ちょう 高層 こうそう マンション では顕著 けんちょ となる[37] 。オフィスビルの場合 ばあい は、一般 いっぱん 的 てき に階層 かいそう 、位置 いち による賃料 ちんりょう 格差 かくさ は大 おお きくない[38] 。
この効用 こうよう 比 ひ は、共用 きょうよう 部分 ぶぶん や敷地 しきち 利用 りよう 権 けん の共有 きょうゆう 持分 もちぶん と連動 れんどう するものではない。ただし、不動産 ふどうさん 鑑定 かんてい 評価 ひょうか 等 ひとし において、専有 せんゆう 部分 ぶぶん とそれと一体 いったい の共用 きょうよう 部分 ぶぶん の共有 きょうゆう 持分 もちぶん や敷地 しきち 利用 りよう 権 けん [注 ちゅう 14] の積算 せきさん 価格 かかく を求 もと める際 さい は、一棟 ひとむね の建物 たてもの 及 およ びその敷地 しきち の価格 かかく に効用 こうよう 比 ひ を乗 じょう じて算出 さんしゅつ する。
なお、眺望 ちょうぼう については、建設 けんせつ 反対 はんたい 運動 うんどう に加 くわ え、下記 かき 重要 じゅうよう 事項 じこう 説明 せつめい 関係 かんけい のトラブル等 とう についても、重要 じゅうよう な位置 いち を占 し める(裁判 さいばん 例 れい [注 ちゅう 15] )。
重要 じゅうよう 事項 じこう 説明 せつめい (宅地 たくち 建物 たてもの 取引 とりひき 業法 ぎょうほう )[ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん において、専有 せんゆう 部分 ぶぶん を含 ふく む区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの の売買 ばいばい 等 とう における重要 じゅうよう 事項 じこう 説明 せつめい (宅地 たくち 建物 たてもの 取引 とりひき 業法 ぎょうほう )において説明 せつめい が義務 ぎむ づけられている事項 じこう として次 つぎ のものがある[39] (建物 たてもの の貸借 たいしゃく の場合 ばあい は3と8のみ)。重要 じゅうよう 事項 じこう 説明 せつめい の法 ほう 制度 せいど は国際 こくさい 的 てき には多様 たよう であるが、いずれも、法 ほう 制度 せいど を問 と わず所有 しょゆう 又 また は利用 りよう に大 おお きな影響 えいきょう を及 およ ぼし、契約 けいやく 当事 とうじ 者 しゃ の認識 にんしき に食 く い違 ちが いがあると、トラブルの原因 げんいん となることが考 かんが えられるものである。
当該 とうがい 建物 たてもの を所有 しょゆう するための一棟 ひとむね の建物 たてもの の敷地 しきち に関 かん する権利 けんり の種類 しゅるい 及 およ び内容 ないよう
共用 きょうよう 部分 ぶぶん に関 かん する規約 きやく の定 さだ め(その案 あん を含 ふく む)があるときは、その内容 ないよう
専有 せんゆう 部分 ぶぶん の用途 ようと その他 た の利用 りよう の制限 せいげん に関 かん する規約 きやく の定 さだ めがあるときは、その内容 ないよう
当該 とうがい 一 いち 棟 むね の建物 たてもの 又 また はその敷地 しきち の一部 いちぶ を特定 とくてい の者 もの にのみ使用 しよう を許 ゆる す旨 むね の規約 きやく (これに類 るい するものを含 ふく む)の定 さだ め(その案 あん を含 ふく む)があるときは、その内容 ないよう
当該 とうがい 一 いち 棟 むね の建物 たてもの の計画 けいかく 的 てき な維持 いじ 修繕 しゅうぜん のための費用 ひよう 、通常 つうじょう の管理 かんり 費用 ひよう その他 た の当該 とうがい 建物 たてもの の所有 しょゆう 者 しゃ が負担 ふたん しなければならない費用 ひよう を特定 とくてい の者 もの にのみ減免 げんめん する旨 むね の規約 きやく の定 さだ めがあるときは、その内容 ないよう
当該 とうがい 一 いち 棟 むね の建物 たてもの の計画 けいかく 的 てき な維持 いじ 修繕 しゅうぜん のための費用 ひよう の積立 つみた て を行 おこな う旨 むね の規約 きやく の定 さだ めがあるときは、その内容 ないよう 及 およ び既 すで に積 つ み立 た てられている額 がく
当該 とうがい 建物 たてもの の所有 しょゆう 者 しゃ が負担 ふたん しなければならない通常 つうじょう の管理 かんり 費用 ひよう の額 がく
当該 とうがい 一 いち 棟 むね の建物 たてもの 及 およ びその敷地 しきち の管理 かんり が委託 いたく されているときは、その委託 いたく を受 う けている者 もの の氏名 しめい (商号 しょうごう 又 また は名称 めいしょう )及 およ び住所 じゅうしょ (主 しゅ たる事務所 じむしょ の所在地 しょざいち )
当該 とうがい 一 いち 棟 むね の建物 たてもの の維持 いじ 修繕 しゅうぜん の実施 じっし 状 じょう 況 きょう が記録 きろく されているときは、その内容 ないよう
^ 国土 こくど 交通省 こうつうしょう はマンション標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく として、住宅 じゅうたく 専用 せんよう と住宅 じゅうたく ・店舗 てんぽ 複 ふく 合 あい 用途 ようと のものを作成 さくせい している。日本 にっぽん の場合 ばあい 、オフィスビル としての区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの は決 けっ して多 おお くないが、都市 とし 再 さい 開発 かいはつ 法 ほう の施設 しせつ 建築 けんちく 物 ぶつ では、権利 けんり 変換 へんかん の関係 かんけい で事務所 じむしょ の区分 くぶん 所有 しょゆう が成立 せいりつ することがある。
^ オフィスビル、賃貸 ちんたい マンション等 とう の場合 ばあい は、専有 せんゆう 部分 ぶぶん に当 あ たる部分 ぶぶん ごとに賃貸借 ちんたいしゃく 契約 けいやく の対象 たいしょう とされる場合 ばあい がある。ここでは、賃貸借 ちんたいしゃく の対象 たいしょう となる部分 ぶぶん の床 ゆか 面積 めんせき の比率 ひりつ をレンタブル比 ひ と呼 よ び、ビルの収益 しゅうえき 性 せい の指標 しひょう の一 ひと つとされる。
^ 壁 かべ 、床 ゆか 、天井 てんじょう 等 とう の境界 きょうかい 部分 ぶぶん すべて共用 きょうよう 部分 ぶぶん であり、境界 きょうかい 部分 ぶぶん によって取 と り囲 かこ まれた空間 くうかん 部分 ぶぶん のみが専有 せんゆう 部分 ぶぶん とする「共用 きょうよう 部分 ぶぶん 説 せつ ・内壁 ないへき 説 せつ 」、境界 きょうかい 部分 ぶぶん は共用 きょうよう 部分 ぶぶん でなく、その厚 あつ さの中央 ちゅうおう までが専有 せんゆう 部分 ぶぶん に含 ふく まれるという「専有 せんゆう 部分 ぶぶん 説 せつ ・壁 かべ 心 しん 説 せつ 」、そして「折衷 せっちゅう 説 せつ ・上塗 うわぬり 説 せつ 」である。
^ マンション管理 かんり センターは、「配管 はいかん ・配線 はいせん の本管 ほんかん 、本線 ほんせん は共用 きょうよう 部分 ぶぶん であり、枝 えだ 管 かん ・枝 えだ 線 せん は専有 せんゆう 部分 ぶぶん と考 かんが えられます(ただし、枝 えだ 管 かん ・枝 えだ 線 せん であっても共用 きょうよう 部分 ぶぶん 内 ない にあるものは共用 きょうよう 部分 ぶぶん となります)。各 かく 専有 せんゆう 部分 ぶぶん のためにのみ存在 そんざい する枝 えだ 管 かん ・枝 えだ 線 せん は、(中略 ちゅうりゃく )専有 せんゆう メーターがある場合 ばあい にはそのメーターまでを共用 きょうよう 部分 ぶぶん とし、専有 せんゆう 部分 ぶぶん 内 ない の配管 はいかん ・配線 はいせん は専有 せんゆう 部分 ぶぶん に属 ぞく することになる」と解 かい している[1] 。
^ オフィスビルにおいては、空調 くうちょう を中央 ちゅうおう 一括 いっかつ 制御 せいぎょ にする場合 ばあい も多 おお く、これが区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの の場合 ばあい 、空調 くうちょう の配管 はいかん 等 とう における専有 せんゆう 部分 ぶぶん と共用 きょうよう 部分 ぶぶん との境界 きょうかい が問題 もんだい となる。
^ 公営 こうえい 住宅 じゅうたく では、ピアノ 演奏 えんそう をめぐるトラブルから殺人 さつじん 事件 じけん に発展 はってん した事例 じれい もある。
^ a b 運営 うんえい :不動産 ふどうさん 適正 てきせい 取引 とりひき 推進 すいしん 機構 きこう 「専有 せんゆう 部分 ぶぶん の用途 ようと 違反 いはん に対 たい する使用 しよう 禁止 きんし 請求 せいきゅう 」(棄却 ききゃく ) 東京 とうきょう 地方裁判所 ちほうさいばんしょ (地裁 ちさい )判決 はんけつ 2005年 ねん 6月 がつ 23日 にち (判例 はんれい タイムズ 1205号 ごう 207頁 ぺーじ )
^ 管理 かんり 規約 きやく の他 ほか に、これに基 もと づく細則 さいそく も対象 たいしょう となる。さらに標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく は、貸与 たいよ に係 かか る契約 けいやく に借主 かりぬし の規約 きやく 等 とう 遵守 じゅんしゅ を規定 きてい することも定 さだ めている。
^ a b c 区分 くぶん 所有 しょゆう 法 ほう 第 だい 6条 じょう 第 だい 1項 こう に規定 きてい されている行為 こうい が対象 たいしょう である。
^ マンション管理 かんり 費 ひ 等 とう の滞納 たいのう と管理 かんり 組合 くみあい による競売 きょうばい 請求 せいきゅう 東京 とうきょう 地裁 ちさい 判決 はんけつ 2006年 ねん 6月 がつ 27日 にち (判例 はんれい 時報 じほう 1961号 ごう 65頁 ぺーじ )、迷惑 めいわく 行為 こうい 者 しゃ の専有 せんゆう 部分 ぶぶん の競売 きょうばい 申立 もうしたて て (判決 はんけつ 年月日 ねんがっぴ 等 とう 不明 ふめい )
^ 専有 せんゆう 部分 ぶぶん の所有 しょゆう 者 しゃ は共用 きょうよう 部分 ぶぶん の共有 きょうゆう 持分 もちぶん を持 も つため、単独 たんどく で共用 きょうよう 部分 ぶぶん の保存 ほぞん 行為 こうい ができる(民法 みんぽう 第 だい 252条 じょう )。
^ 日本 にっぽん の新築 しんちく マンションの場合 ばあい 、専有 せんゆう 部分 ぶぶん となる内装 ないそう クロスやフローリング等 とう は後 のち に取 と り替 か えがきくということから建築 けんちく 費 ひ の配分 はいぶん を考慮 こうりょ し、入居 にゅうきょ 者 しゃ に委 ゆだ ねる傾向 けいこう が見 み られる(高橋 たかはし 文雄 ふみお 『マンションデベロッパーの仕事 しごと の流儀 りゅうぎ 』住宅 じゅうたく 新報 しんぽう 社 しゃ 、2009年 ねん 、184頁 ぺーじ 。ISBN 9784789231350 。 )。
^ 1.階層 かいそう 及 およ び位置 いち 、2.日照 ひでり 、眺望 ちょうぼう 及 およ び景観 けいかん の良否 りょうひ 、3.室内 しつない の仕上 しあ げ及 およ び維持 いじ 管理 かんり の状態 じょうたい 、4.専有 せんゆう 面積 めんせき 及 およ び間取 まど りの状態 じょうたい 、5.隣接 りんせつ 不動産 ふどうさん の利用 りよう の状態 じょうたい 、6.エレベーター等 とう の共用 きょうよう 施設 しせつ の利便 りべん 性 せい の状態 じょうたい 、7.敷地 しきち に関 かん する権利 けんり の態様 たいよう 及 およ び持分 もちぶん 、8.区分 くぶん 所有 しょゆう 者 しゃ の管理 かんり 費 ひ 等 とう の滞納 たいのう の有無 うむ
^ 「区分 くぶん 所有 しょゆう 建物 たてもの 及 およ びその敷地 しきち 」という。
^ 同 どう 一 いち 業者 ぎょうしゃ が建築 けんちく したマンションによる眺望 ちょうぼう 阻害 そがい 札幌 さっぽろ 地裁 ちさい 判決 はんけつ 平成 へいせい 16年 ねん 3月 がつ 31日 にち (不動産 ふどうさん 適正 てきせい 取引 とりひき 推進 すいしん 機構 きこう の解説 かいせつ )、花火 はなび の観望 かんぼう と近隣 きんりん で別 べつ のマンションを建築 けんちく した売主 うりぬし の責任 せきにん 東京 とうきょう 地裁 ちさい 判決 はんけつ 平成 へいせい 18年 ねん 12月8日 にち (判例 はんれい 時報 じほう 1963号 ごう 83頁 ぺーじ )(判例 はんれい タイムズ1248号 ごう 245頁 ぺーじ )
標準 ひょうじゅん 管理 かんり 規約 きやく については、基本 きほん 的 てき に単 たん 棟 むね 型 がた を掲載 けいさい している。複 ふく 合 あい 用途 ようと 型 がた 、団地 だんち 型 がた にも同 どう 趣旨 しゅし の条項 じょうこう がある場合 ばあい もある。
参考 さんこう 文献 ぶんけん 等 とう [ 編集 へんしゅう ]