国民こくみん協会きょうかい (日本にっぽん 1892-1899)

国民こくみん協会きょうかい

会頭かいとう・西郷さいごう従道つぐみち
後継こうけい	帝国ていこく党とう
設立せつりつ	1892年ねん6月がつ22日にち
解散かいさん	1899年ねん7月がつ4日にち
種類しゅるい	政党せいとう・政治せいじ団体だんたい
目的もくてき	軍備ぐんび強化きょうか 藩閥はんばつ政治せいじの擁護ようご
会頭かいとう	西郷さいごう従道つぐみち
副ふく会頭かいとう	品川しながわ弥二郎やじろう

国民こくみん協会きょうかい（こくみんきょうかい）は、明治めいじ時代じだいに存在そんざいした国粋こくすい主義しゅぎ団体だんたい。政治せいじ組織そしきとして国民こくみん政せい社しゃ（こくみんせいしゃ）があり、衆議院しゅうぎいんの院内いんない会派かいはとしては他たの吏党系けい議員ぎいんとともに議院ぎいん倶楽部くらぶ（ぎいんくらぶ）と名乗なのった（1892年ねん6月22日にち-1899年ねん7月がつ4日にち）。

歴史れきし

1892年ねん、西郷さいごう従道つぐみちを会頭かいとう、品川しながわ弥二郎やじろうを副ふく会頭かいとうとして設立せつりつされた。幹事かんじとして渡辺わたなべ洪ひろし基もと・牧まき朴ぼく真しん・白井しらい遠とお平ひらたが選出せんしゅつされ（後のちに安場やすば保たもつ和わが幹事かんじ長ちょうに就任しゅうにん）、他たに中央ちゅうおう交渉こうしょう部ぶの佐々ささ友とも房ぼう、佐藤さとう昌あきら蔵ぞう、津田つだ真道まみち、大岡おおおか育造いくぞう、古こ荘そう嘉門かもん、曾禰荒あら助すけ・元田もとだ肇はじめ・白根しらね専せん一いち・廣瀬ひろせ貞文さだふみなどが参加さんか、自由党じゆうとう右派うはの新井あらい毫なども参加さんかした（なお、当初とうしょ国民こくみん政せい社しゃは別働隊べつどうたいとして位置いちづけられており、国民こくみん協会きょうかいとは別個べっこに佐藤さとう・古こ荘そう・曾禰が幹事かんじに選えらばれた）。既存きそんの吏党系けいに加くわえて第だい2回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょで当時とうじの第だい1次じ松方まつかた内閣ないかく（内務ないむ大臣だいじんが品川しながわ）の支援しえんを受うけて当選とうせんした官吏かんり的てきな議員ぎいんが多おおい。政府せいふの富国強兵ふこくきょうへい路線ろせんを熱心ねっしんに支持しじしたが、条約じょうやく改正かいせいや財政ざいせい規律きりつの確立かくりつを求もとめて政府せいふに厳きびしい注文ちゅうもんを付つける事こともあった。第だい2次じ伊藤いとう内閣ないかくでは国権こっけん主義しゅぎを掲かかげて政府せいふが進すすめる日にち英えい通商つうしょう航海こうかい条約じょうやくの調印ちょういんに反対はんたいして硬かた六ろく派はの一翼いちよくを担にない、事実じじつ上じょうの野党やとうであった。だが、政府せいふの策動さくどうで西郷さいごう・曾根そねの引ひき抜ぬき・離脱りだつにあって打撃だげきを受うけ、更さらに1893年ねん12月30日にちには国民こくみん協会きょうかいそのものが政事せいじ結社けっしゃとして認定にんていされた。

このため、翌よく31日にちに存在そんざい意義いぎを失うしなった国民こくみん政せい社しゃ・議院ぎいん倶楽部くらぶを解散かいさんして国民こくみん協会きょうかいに一本いっぽん化かし、品川しながわが中心ちゅうしんとなって運営うんえいする事ことになった。1894年ねんの第だい3回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょでは吏党中ちゅう最多さいたの35人にんが当選とうせんしたが議席ぎせき自体じたいは大おおきく減へらした。その後ごも立憲りっけん改あらため進しん党とうとともに反はん伊藤いとう内閣ないかく・反たん自由党じゆうとうを標榜ひょうぼうするとともに品川しながわと山縣やまがた有朋ありともと関係かんけいを軸じくとして貴族きぞく院いんの研究けんきゅう会かいや茶話ちゃばなし会かいとも連携れんけいした。立憲りっけん改あらため進しん党とうなどが進歩しんぽ党とうを結成けっせいした際さいにも、品川しながわは山縣やまがたの支援しえんを期待きたいして政党せいとう内ない閣かく阻止そしのための「三さん党とう鼎立ていりつ」路線ろせんを維持いじして第だい3党とうの地位ちいを保持ほじした。だが、隈くま板いた内ない閣かくの成立せいりつ、それに続つづく第だい2次じ山やま縣内けんない閣かくと憲政けんせい党とう（旧きゅう自由党じゆうとう系けい）の連携れんけいによって孤立こりつ無援むえんとなり、1899年ねん品川しながわは国民こくみん協会きょうかいを解散かいさんして政党せいとう活動かつどうからの撤退てったいを表明ひょうめいした。そのため、所属しょぞく議員ぎいんは新あらたに帝国ていこく党とうを結成けっせいした。

評価ひょうか

本来ほんらい藩閥はんばつ政府せいふ擁護ようごの目的もくてきで生うまれたにもかかわらずしばしば政府せいふに反抗はんこうする態度たいどを採とったことは、「政界せいかい奇異きいの一いち現象げんしょう」と評ひょうされた。

脚注きゃくちゅう

注ちゅう

出典しゅってん

参考さんこう文献ぶんけん

• 奥谷おくたに松治まつじ著ちょ『品川しながわ彌二郎やじろう伝でん』高こう陽ひ書院しょいん、1940年ねん。
• 「国民こくみん協会きょうかい」（『国史こくし大だい辞典じてん 5巻かん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1985年ねん）。
• 『多摩たまの民権みんけんと吉野よしの泰やすし三さん 三鷹吉野泰三家文書考察集』三鷹みたか市し教育きょういく委員いいん会かい、1999年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの政党せいとう一覧いちらん
• 選挙せんきょ干渉かんしょう