大岡おおおか育造いくぞう

大岡おおおか育造いくぞう

大岡おおおか育造いくぞう

大岡おおおか 育造いくぞう（おおおか いくぞう、1856年ねん7月がつ4日にち（安政あんせい3年ねん6月3日にち） - 1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）1月がつ26日にち）は、明治めいじ・大正たいしょう期きの弁護士べんごし・政治せいじ家か。号ごうは硯すずり海かい。

経歴けいれき・人物じんぶつ

医師いし大岡おおおか尚しょう斎ときの長男ちょうなんとして、長門ながと国こく豊浦とようら郡ぐん小串おぐし村むら（現げん・山口やまぐち県けん下関しものせき市し）に生うまれた。1873年ねん（明治めいじ6年ねん）、長崎ながさき医い学校がっこう（現げん・長崎大学ながさきだいがく医学部いがくぶ）に入はいったが、翌年よくねん廃校はいこうとなった為ため、上京じょうきょうして大井おおい憲太郎けんたろうらの講こう法学ほうがく舎しゃで法律ほうりつを学まなんだ。司法省しほうしょう法ほう学校がっこうに通とおったとの記事きじは、裏付うらづけを欠かくとも言いう。

1880年ねん（明治めいじ13年ねん）12月（24歳さい）、代言だいげん人じん（現在げんざいの弁護士べんごし）の資格しかくを取とり、講こう法学ほうがく舎しゃの幹事かんじになった。沼間ぬまま守一しゅいちに兄事けいじして、1881年ねん、板垣いたがき退助たいすけらの自由党じゆうとうに入党にゅうとうした。また、共立きょうりつ学校がっこうの幹事かんじに転てんじ、1882年ねん、校長こうちょうになった。1885から5年余ねんよ、東京とうきょう府ふ会議かいぎ員いんを務つとめた。

弁護士べんごしとしては、1884年ねんの秩父ちちぶ事件じけん、1886年ねんのノルマントン号ごう事件じけん、1887年ねんの花井はないお梅うめ事件じけん、1891年ねん - 1894年ねんの相馬そうま事件じけんなどを手てがけた。

1890年ねん（明治めいじ23年ねん）6月がつ（34歳さい）、江戸えど新聞しんぶんを買収ばいしゅうして中央ちゅうおう新聞しんぶんと改名かいめいし、社主しゃしゅとなった。同年どうねん7月がつの帝国ていこく議会ぎかい開設かいせつと共ともに、山口やまぐち県けんから立候補りっこうほして衆議院しゅうぎいん議員ぎいんに当選とうせんし、以降いこう、1894年ねん9月がつの第だい4回かい総そう選挙せんきょと1915年ねん3月がつの第だい12回かい総そう選挙せんきょの落選らくせんを除のぞき、13回かい当選とうせんした。

1892年ねん（明治めいじ25年ねん）6月がつの国民こくみん協会きょうかいの、1899年ねん7月がつの帝国ていこく党とうの、1900年ねん9月がつの立憲りっけん政友せいゆう会かいの、発足ほっそくに関かかわり、中央ちゅうおう新聞しんぶんをそれぞれの機関きかん紙し的てきに編集へんしゅうした。1910年ねん、中央ちゅうおう新聞しんぶんを立憲りっけん政友せいゆう会かいに譲渡じょうとした。

1903年ねん（明治めいじ36年ねん）（47歳さい）、東京とうきょう市し参事さんじ会かい委員いいん、次ついで東京とうきょう市し会かい議員ぎいん、同どう議長ぎちょうとなり、1911年ねん衆議院しゅうぎいん議長ぎちょうに選出せんしゅつされて1914年ねんまで留任りゅうにんした。1913年ねん2月がつの大正たいしょう政変せいへんに際さいしては、内閣ないかく不信任ふしんにん上奏じょうそう決議けつぎ案あんの提出ていしゅつに伴ともなう尾崎おざき行雄ゆきおによる過激かげきな内容ないようの趣旨しゅし説明せつめいで野次やじが飛とび交かい騒然そうぜんとなる議場ぎじょうを、議長ぎちょうという中立ちゅうりつの立場たちばから諌いさめて最後さいごまで尾崎おざきに趣旨しゅし説明せつめいを行おこなわせ、さらに同郷どうきょう人じんの立場たちばから、桂かつら太郎たろう首相しゅしょうに退陣たいじんを勧告かんこくした。

第だい3次じ桂かつら内閣ないかく後ごの第だい1次じ山本やまもと内閣ないかくには文部もんぶ大臣だいじんとして入閣にゅうかくした。

1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）から1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）まで再ふたたび衆議院しゅうぎいん議長ぎちょうを務つとめ、その間あいだの1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）に設立せつりつされた労資ろうしの『協調きょうちょう会かい』の、副ふく会長かいちょうにもなった。

衆議院しゅうぎいん議長ぎちょうの通算つうさん在任ざいにん日数にっすうは1785日にちに達たっし、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）の河野こうの洋平ようへい議長ぎちょうまでは、最長さいちょうだった。

1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）1月がつに没ぼっした。享年きょうねん71。文ぶん靖やすし院いん釈しゃく硯すずり海かい忠ただ粛居士し。墓はかは谷中たになか霊園れいえんにある。

栄典えいてん

• 1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）3月がつ10日とおか - 正せい四よん位い

出典しゅってん

• 成沢なりさわ光ひかり：『大岡おおおか育造いくぞう』、（吉川弘文館よしかわこうぶんかん：『国史こくし大だい辞典じてん2』p.523）
• 七戸しちのへ克彦かつひこ「現行げんこう民法みんぽう典てんを創つくった人ひとびと(16)査定さてい委員いいん11・12・13 : 大岡おおおか育造いくぞう・都と筑馨六ろく・関せき直彦なおひこ、外伝がいでん12 : 坂本さかもと龍馬りょうまと現行げんこう民法みんぽう典てんの 起草きそう者しゃたち」『法学ほうがくセミナー』第だい55巻かん第だい8号ごう、日本にっぽん評論ひょうろん社しゃ、2010年ねん8月がつ、64-67頁ぺーじ、ISSN 04393295、NAID 120002695754。 

関連かんれん項目こうもく

• 大正たいしょう政変せいへん

外部がいぶリンク

• 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん 憲政けんせい資料しりょう室しつ 大岡おおおか育造いくぞう関係かんけい文書ぶんしょ
• 講こう法ほう学舎がくしゃ - ウェイバックマシン（2019年ねん3月がつ30日にちアーカイブ分ぶん）

議会ぎかい
先代せんだい 長谷場はせば純孝すみたか 島田しまだ三郎さぶろう	衆議院しゅうぎいん議長ぎちょう 第だい15・16代だい：1911年ねん - 1914年ねん 第だい20代だい：1917年ねん - 1920年ねん	次代じだい 長谷場はせば純孝すみたか 奥おく繁しげる三郎さぶろう
公職こうしょく
先代せんだい 奥田おくだ義人よしひと	文部もんぶ大臣だいじん 第だい25代だい：1914年ねん	次代じだい 一木いちき喜徳郎きとくろう