坂元さかもと祐ゆう

凡例はんれい 坂元さかもと祐ゆう
時代じだい	戦国せんごく時代じだい - 安土あづち桃山ももやま時代じだい
生誕せいたん	不ふ詳しょう
死没しぼつ	天正てんしょう3年ねん3月22日にち（1575年ねん5月2日にち）
改名かいめい	坂さか保良ぼら→坂元さかもと祐ゆう
別名べつめい	通称つうしょう：新しん五ご左衛門尉さえもんのじょう
墓所はかしょ	本覚寺ほんかくじ墓所はかしょ（山口やまぐち県けん岩国いわくに市し美和みわ町まち）
主君しゅくん	毛利もうり元就もとなり→平賀ひらが隆たかし宗むね→毛利もうり元就もとなり→輝元てるもと
氏族しぞく	大江おおえ姓せい毛利もうり氏し庶流坂さか氏し
父母ちちはは	父ちち：坂さか広ひろ秀しゅう?
子こ	宮みや千代ちよ、元げん克かつ

坂さか 元もと祐ゆう（さか もとすけ）は、戦国せんごく時代じだいから安土あづち桃山ももやま時代じだいにかけての武将ぶしょう。毛利もうり氏し家臣かしん。坂さか氏しの一族いちぞくで、坂さか広ひろ秀しゅうの嫡男ちゃくなんと推定すいていされる。初はつ名なは坂さか 保良ぼら（さか やすよし）。

生涯しょうがい

毛利もうり氏しの庶流である坂さか氏しに生うまれ、毛利もうり氏しに仕つかえる。

大だい永ひさし4年ねん（1524年ねん）に坂さか広ひろ秀しゅうらが毛利もうり元就もとなりの異母弟いぼてい・相合そうごう元もと綱つなを担かついでクーデターを起おこそうとするも失敗しっぱいして誅殺ちゅうさつされると、元げん祐ゆうは大内おおうち氏し傘下さんかの安芸あきの国人くにびと・平賀ひらが隆たかし宗むねの下したに落おち延のびた。天文てんもん18年ねん（1549年ねん）には平賀ひらが隆たかし宗むねに従したがって備後びんごの山名やまな理さとし興きょう攻せめに出陣しゅつじんしたが、その陣中じんちゅうで隆りゅう宗はじめが死去しきょ。元げん祐ゆうはその後ご、毛利もうり元就もとなりに赦ゆるされて毛利もうり氏しに帰参きさんした。

天文てんもん19年ねん（1550年ねん）7月がつ12日にちから7月がつ13日にちにかけて元就もとなりによって安芸あき井上いのうえ氏しが粛清しゅくせいされた直後ちょくごの7月がつ20日はつかに毛利もうり氏し家臣かしん団だん238名めいが連署れんしょして毛利もうり氏しへの忠誠ちゅうせい等とうを誓ちかった起請文きしょうもんにおいては、27番目ばんめに「坂さか新五しんご左衛門尉さえもんのじょう保良ぼら」と署名しょめいしている。

天文てんもん24年ねん（1555年ねん）4月がつ、野間のま隆たかし実みが籠こもる矢野やの城しろ攻略こうりゃく戦せんに参加さんか。この戦たたかいにおいて渡辺わたなべ長おさむと先陣せんじんを争あらそい勝利しょうりした。そして同年どうねん10月1日にちの厳島いつくしまの戦たたかいにも参戦さんせんし、その群ぐんを抜ぬいた働はたらきにより毛利もうり隆たかし元もとより感状かんじょうを得えている。

厳島いつくしまの戦たたかいに続つづいて防ぼう長ちょう経略けいりゃくが始はじまると、同年どうねんの内うちに周防すおう国こくに進出しんしゅつし、玖珂くが郡ぐん山代やましろの山代やましろ衆しゅを抱だき込こんで、山代やましろ衆しゅを統括とうかつする立場たちばとなった。また、周防すおう国こく高森たかもり城じょう主おもとなり、周防すおう国こく進出しんしゅつの橋頭堡きょうとうほとして高森たかもり城じょうの普請ふしんを進すすめた。翌よく弘治こうじ2年ねん（1556年ねん）には山口やまぐちへ進撃しんげきした後のちに長門ながと国こくへ進出しんしゅつ。大内おおうち義長よしなが率ひきいる大内おおうち氏し滅亡めつぼうの立役者たてやくしゃの一人ひとりとなった。

筑前ちくぜん国こく博多はかたの権益けんえきを巡めぐって、豊後ぶんご国こくの戦国せんごく大名だいみょう・大友おおとも義鎮よししげ（宗麟そうりん）との関係かんけいが不穏ふおんになったため、永えい禄ろく5年ねん（1562年ねん）に豊前ぶぜん国こくや筑前ちくぜん国こくに出陣しゅつじんした。また、永えい禄ろく11年ねん（1568年ねん）に豊前ぶぜん国こくの要衝ようしょう・豊前ぶぜん松山まつやま城じょうを、翌よく永えい禄ろく12年ねん（1569年ねん）には博多はかたを制せいする要衝ようしょう・立花たちばな山城やましろを攻略こうりゃくし、乃美のみ宗勝むねかつや桂かつら元重もとしげと共ともに、立花たちばな山城やましろの守将しゅしょうとなった。これに伴ともない、元げん祐ゆうは毛利もうり氏しの筑前ちくぜん国こく支配しはいの中心ちゅうしん人物じんぶつとなる。

同年どうねん5月がつから始はじまる多々良たたら浜はまの戦たたかいの最中さいちゅう、同年どうねん6月がつに尼子あまこ勝久かつひさや山中やまなか幸みゆき盛もりらの尼子あまこ氏し再興さいこう軍ぐんが出雲いずも国こくへ乱入らんにゅうし、10月には大内おおうち輝弘てるひろが大友おおとも氏しの支援しえんを受うけて周防すおう国こく山口やまぐちへ侵攻しんこうした大内おおうち輝弘てるひろの乱らんが起おこったため毛利もうり軍ぐんは北九州きたきゅうしゅうから急遽きゅうきょ撤退てったい。元げん祐ゆうは敵てき中ちゅうに孤立こりつした立花たちばな山城やましろに籠城ろうじょうするが、最終さいしゅう的てきに大友おおとも氏し重臣じゅうしんの戸次とつぎ鑑かん連れん（立花たちばな道みち雪ゆき）の勧告かんこくにより開城かいじょうした。かつて毛利もうり氏しが立花山たちばなやま城じょうを攻略こうりゃくした際さいに、籠城ろうじょう兵へいを丁重ていちょうに送おくり返かえしていたことから、戸次とつぎ鑑かん連れんも坂元さかもと祐ゆうら毛利もうり軍ぐんを丁重ていちょうに長門ながと国こくまで送おくり届とどけた。

その後ご、元げん祐ゆうは毛利もうり輝元てるもとにも仕つかえ、天正てんしょう3年ねん（1575年ねん）3月22日にちに死去しきょ。嫡男ちゃくなんの宮みや千代ちよは15歳さいで早世そうせいしていたため、次男じなんの元げん克かつが家督かとくを継ついだ。なお、子孫しそんは長州ちょうしゅう藩はん大だい組くみ士し（禄ろく高だか82石せき）として続つづき、元げん祐ゆうの墓はかは現在げんざいの山口やまぐち県けん岩国いわくに市し美和みわ町まちの本覚寺ほんかくじ墓所はかしょにある。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『萩はぎ藩閥はんばつ閲録』巻まき140「坂さか新五しんご左衛門さえもん」