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孔雀石くじゃくせき

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いわ緑青ろくしょうから転送てんそう
孔雀石くじゃくせき
孔雀石(青色の藍銅鉱を伴う)
孔雀石くじゃくせき(青色あおいろあい銅鉱どうこうともなう)
分類ぶんるい 炭酸たんさんしお鉱物こうぶつ
化学かがくしき Cu2(CO3)(OH)2
結晶けっしょうけい たんはすあきらけい
へきかい 一方いっぽうむこう完全かんぜん
モース硬度こうど 3.5 - 4
光沢こうたく 金剛こんごう光沢こうたく
いろ 緑色みどりいろ
じょうこん あわ緑色みどりいろ
比重ひじゅう 4.1
プロジェクト:鉱物こうぶつPortal:地球ちきゅう科学かがく
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孔雀石くじゃくせき(くじゃくいし、えい: malachiteマラカイト[1])は、緑色みどりいろたんはすあきらけい鉱物こうぶつで、もっとも一般いっぱんてきどう鉱物こうぶつである。

性質せいしつ

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化学かがく組成そせいは、炭酸たんさん水酸化すいさんかどう Cu2CO3(OH)2 であり、どう製品せいひんにできるサビの緑青ろくしょう主成分しゅせいぶんおなじである。皮膜ひまくじょうこなじょうほろ結晶けっしょう集合しゅうごうたい(塊状かいじょう層状そうじょうなど)などの形態けいたい産出さんしゅつする。

ブロシャン銅鉱どうこう(Cu4(SO4)(OH)6)やなずらえ孔雀石くじゃくせき(Cu5(PO4)2(OH)4・H2O)に外観がいかんがよくているが、希塩酸きえんさんなどのさんけるときに発泡はっぽうするかどうかで区別くべつできる。

産出さんしゅつ

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孔雀石くじゃくせきどうふくむもっとも一般いっぱんてき鉱物こうぶつであり、いち鉱床こうしょう銅鉱どうこうせき大気たいきちゅう二酸化炭素にさんかたんそ地下水ちかすい作用さようによって風化ふうかし、どう化合かごうぶつしゅうして形成けいせいされた鉱床こうしょうとしていち鉱床こうしょう周辺しゅうへんなどに分布ぶんぷする。黄銅こうどうこうから生成せいせいした孔雀石くじゃくせきには、まだ中心ちゅうしん黄銅こうどうこうのこしたまま発見はっけんされたものもある。

現在げんざいではロシアウラル山地さんちいでみなみアフリカおも産地さんちとなっている。ウラルでは建築けんちく建材けんざい利用りようできるほどおおきな孔雀石くじゃくせき産出さんしゅつする。日本にっぽん国内こくないでは小規模しょうきぼなものながらも各地かくち鉱山こうざん産出さんしゅつし、著名ちょめい産地さんちとしては秋田あきたけん中央ちゅうおう銅山どうざんである荒川あらかわ鉱山こうざん協和きょうわまち)があった。

名前なまえ由来ゆらい利用りよう

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孔雀石くじゃくせき孔雀くじゃくはね模様もようていることからけられた

孔雀石くじゃくせきほろ結晶けっしょう集合しゅうごうたいしま模様もよう孔雀くじゃくはね模様もようていることに由来ゆらいする。

英語えいご起源きげんのマラカイトなどおう表記ひょうきギリシアのμαλάχη(アオイ植物しょくぶつ名称めいしょう)に由来ゆらいする。

孔雀石くじゃくせき紀元前きげんぜん2000ねんごろのエジプトですでに宝石ほうせきとして利用りようされていた。当時とうじのエジプトじんラピスラズリあお)やべに玉髄ぎょくずいあか)などと組合くみあわせ、特定とくていのシンボルをあらわ装身具そうしんぐもちいた。現在げんざいでも、うつくしいかたまり研磨けんまして貴石たかいしとしてあつかわれ、アクセサリーなどの宝飾ほうしょくにももちいられるが、モース硬度こうど3.5-4とやわらかい鉱物こうぶつであることから、硬度こうど7以上いじょう定義ていぎとする宝石ほうせきには合致がっちしない。

銅鉱どうこうせきとして利用りようされたこともあるが、現在げんざいではこう品位ひんい銅鉱どうこうせき競争きょうそうできないため、ほとんど使つかわれていない。ただ、どう実験じっけん材料ざいりょうとしてもちいられることがある[2]

孔雀石くじゃくせき粉末ふんまつは、顔料がんりょういわ絵具えのぐ)として古来こらいから使用しようされている[3]。この顔料がんりょうは「いわ緑青ろくしょう」、「マウンテングリーン」、古名こみょうでは「あおまこと(あおに)」とばれる。クレオパトラアイシャドー使つかっていたことはよくられている。

どうほのおしょく反応はんのう利用りようした花火はなび発色はっしょくざいとしても重用じゅうようされる。

すみのようにすずりですることによって、雅楽ががく楽器がっきであるしょうあおせきとしてももちいられる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ クジャクせき(孔雀石くじゃくせき)(くじゃくいし)とは - コトバンク”. 2018ねん11月4にち閲覧えつらん
  2. ^ 阪井さかい孝典たかのり, さか眞一郎しんいちろう孔雀石くじゃくせきからどうをとりす(しょうなかだかのページ)」『化学かがく教育きょういくだい38かんだい2ごう公益社こうえきしゃだん法人ほうじん日本にっぽん学会がっかい、1990ねん、228ぺーじdoi:10.20665/kakyoshi.38.2_228 
  3. ^ はやし政彦まさひこ,安藤あんどう康行やすゆき最近さいきん遭遇そうぐうした“いわ絵具えのぐ”について」『宝石ほうせき学会がっかい(日本にっぽん)講演こうえんかい要旨ようし』、宝石ほうせき学会がっかい、2008ねん 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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