巨きょ人傳ひとづて

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曖昧さ回避 この項目こうもくでは、1938年ねんの映画えいが『巨きょ人傳ひとづて』について説明せつめいしています。その他たの用法ようほうについては「巨きょ人伝ひとづて (曖昧あいまいさ回避かいひ)」をご覧らんください。
巨きょ人傳ひとづて
監督かんとく 伊丹いたみ万作まんさく
脚本きゃくほん 伊丹いたみ万作まんさく
製作せいさく 森田もりた信義のぶよし
出演しゅつえん者しゃ 大河内おおこうち傳次郎でんじろう
原はら節子せつこ
丸山まるやま定夫さだお
音楽おんがく 飯田いいだ信夫しのぶ
撮影さつえい 安本やすもと淳あつし
製作せいさく会社かいしゃ 東宝とうほう映画えいが東京とうきょう撮影さつえい所しょ
配給はいきゅう 東宝とうほう映画えいが
公開こうかい 日本の旗 1938年ねん4月がつ11日にち
上映じょうえい時間じかん 127分ふん
製作せいさく国こく 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
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『巨きょ人傳ひとづて』（きょじんでん）は、1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）製作せいさく・公開こうかい、伊丹いたみ万作まんさく脚本きゃくほん・監督かんとくによる日本にっぽんの長篇ちょうへん劇映画げきえいがである[1][2][3][4][5]。新しん字体じたい表記ひょうき『巨きょ人伝ひとづて』[1][3][4][5]。ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』（1862年ねん）を翻案ほんあんして、伊丹いたみ自身じしんが脚色きゃくしょくしたものであり、伊丹いたみの最後さいごの監督かんとく作さくである[3][4][5][6]。

略歴りゃくれき・概要がいよう[編集へんしゅう]

片岡かたおか千恵ちえ蔵ぞうプロダクションでの監督かんとくデビュー以来いらいのキャリアを経へて、1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）に京都きょうとのゼーオー・スタヂオ（のちの東宝とうほう映画えいが京都きょうと撮影さつえい所しょ、1941年ねん閉鎖へいさ、現存げんそんせず）で、ドイツの映画えいが作家さっか、アーノルド・ファンクとの共同きょうどう監督かんとく作さく『新あたらしき土ど』、あるいは『故郷こきょう』、『権けん三さんと助じょ十じゅう』を監督かんとくし、同年どうねん9月がつ10日とおか、同社どうしゃは合併がっぺいして東宝とうほう映画えいがを設立せつりつ、伊丹いたみはピー・シー・エル映画えいが製作所せいさくしょおよび写真しゃしん化学かがく研究所けんきゅうじょを前身ぜんしんとする東宝とうほう映画えいが東京とうきょう撮影さつえい所しょ（現在げんざいの東宝とうほうスタジオ）に移うつり、そこで手てがけた監督かんとく作さくが本ほん作さくである[6]。

日活にっかつ京都きょうと撮影さつえい所しょからゼーオー・スタヂオ、東宝とうほう映画えいが京都きょうと撮影さつえい所しょと移籍いせきして来きた大河内おおこうち傳次郎でんじろうを主演しゅえんに、伊丹いたみの『新あたらしき土ど』に主演しゅえんした原はら節子せつこ、当時とうじ満まん17歳さいが引ひき続つづき出演しゅつえんしている[7][8]。佐山さやま亮あきらは、東京とうきょう美術びじゅつ学校がっこう（現在げんざいの東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく美術びじゅつ学部がくぶ）、太平洋たいへいよう美術びじゅつ学校がっこう（現在げんざいの太平洋たいへいよう画会がかい研究所けんきゅうじょ）を経へて、当時とうじ満まん27歳さいにして新人しんじんとして同どう撮影さつえい所しょに入社にゅうしゃ、清家きよいえ龍馬りょうま役やくに抜擢ばってきされて映画えいが界かいにデビューした[9]。新しん協きょう劇団げきだんから、滝沢たきざわ修おさむ、伊達だて信しん、島田しまだ敬一けいいち、中村なかむら栄二えいじの4人にんがゲスト出演しゅつえんしており、とくに島田しまだは、本ほん作さくが映画えいが初はつ出演しゅつえんであった[1][2][10]。当時とうじ同どう劇団げきだんに所属しょぞくしていた浜村はまむら純じゅんが、ノンクレジットでエキストラ出演しゅつえんしているという[11]。

『レ・ミゼラブル』を下敷したじきに西南せいなん戦争せんそうに至いたる物語ものがたりを描えがく本ほん作さくは、「大河内おおこうち傳次郎でんじろう東上とうじょう第だい一回いっかい超ちょう大作たいさく」と銘打めいうって公開こうかいされたが、評判ひょうばんは芳かんばしくなかったという[12]。大西おおにし巨人きょじんによれば、本ほん作さくの公開こうかい時じに劇場げきじょうで観みて、佐山さやま演えんじる龍馬りょうまが原はら演えんじる千代ちよの家いえを訪おとずれるシーンが印象いんしょうに残のこったという[12]。本ほん作さくを終おえてからの伊丹いたみは胸むねを病やみ、7年間ねんかん、病床びょうしょうに就つくことになる[13]。伊丹いたみは「『新あたらしき土ど』ののち、東宝とうほうで、二に倍ばいの時間じかんと労力ろうりょくを費ついやし、私わたしは一いち年間ねんかんの精力せいりょくを意味いみなく浪費ろうひした」と述懐じゅっかいしている[14]。本ほん作さくの公開こうかい当時とうじには満まん38歳さいだったが、生前せいぜんには稲垣いながき浩ひろしが監督かんとくした『無法むほう松まつの一生いっしょう』（1943年ねん）の脚色きゃくしょくを手てがけたのみで、監督かんとく作さくとしては本ほん作さくを遺作いさくに、1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）9月がつ21日にちに満まん46歳さいで死去しきょした[15]。

本ほん作さくは、公開こうかい時じと同一どういつの127分ふん尺じゃくの上映じょうえい用ようプリントが現存げんそんしており、東京とうきょう国立こくりつ近代きんだい美術館びじゅつかんフィルムセンターは、微妙びみょうに尺しゃく長ちょうの異ことなる2つの35mmフィルムの上映じょうえい用ようプリントを所蔵しょぞうしている[2]。

スタッフ・作品さくひんデータ[編集へんしゅう]

『巨きょ人傳ひとづて』のスチル写真しゃしん。左ひだり・佐山さやま亮あきら、右みぎ・原はら節子せつこ。

キャスト[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b c d 巨きょ人伝ひとづて 、日本にっぽん映画えいがデータベース、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d 巨きょ人傳ひとづて、東京とうきょう国立こくりつ近代きんだい美術館びじゅつかんフィルムセンター、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b c d 巨きょ人伝ひとづて、 日本にっぽん映画えいが情報じょうほうシステム、文化庁ぶんかちょう、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c 巨きょ人伝ひとづて、KINENOTE、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b c 《巨きょ人伝ひとづて》、コトバンク、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  6. ^ a b 伊丹いたみ万作まんさく - IMDb（英語えいご）、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  7. ^ 原はら節子せつこ - 日本にっぽん映画えいがデータベース、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  8. ^ デジタル版ばん 日本人にっぽんじん名めい大だい辞典じてん+Plus『原はら節子せつこ』 - コトバンク、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  9. ^ キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ[1979], p.255.
  10. ^ キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ[1979], p.273.
  11. ^ キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ[1979], p.462.
  12. ^ a b 大西おおにし[1996], p.54-55.
  13. ^ 冨士ふじ田でん[1985], p.4, 251.
  14. ^ 伊丹いたみ[1961], p.456.
  15. ^ デジタル版ばん 日本人にっぽんじん名めい大だい辞典じてん+Plus『伊丹いたみ万作まんさく』 - コトバンク、2013年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

登場とうじょう人物じんぶつ
翻案ほんあん作品さくひん（英語えいご版ばん）
映画えいが
小説しょうせつ
テレビアニメ
テレビドラマ
その他た
音楽おんがく
楽曲がっきょく
サウンドトラック
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