月 つき 相 しょう のアニメーション画像 がぞう 。
月 つき の公転 こうてん 地球 ちきゅう の周 まわ りを天 てん の北極 ほっきょく からみて反 はん 時計 とけい 回 まわ りに公転 こうてん している。右側 みぎがわ は太陽 たいよう の方向 ほうこう 。
月 つき 相 しょう の変化 へんか 上 うえ 図 ず の1の位置 いち (新月 しんげつ 、月 つき 相 しょう 0)から5の位置 いち (満月 まんげつ 、月 つき 相 しょう 14)を経由 けいゆ して、再 ふたた び新月 しんげつ に至 いた る。
月 つき 相 しょう (げっそう、英語 えいご :lunar phase、phase of the moon)とは、月面 げつめん のうち太陽 たいよう 光 ひかり を反射 はんしゃ して輝 かがや いて見 み える部分 ぶぶん を地球 ちきゅう から観測 かんそく または予測 よそく したときの様相 ようそう である。
月 つき 相 しょう は、地球 ちきゅう (通常 つうじょう 、地上 ちじょう ではなく中心 ちゅうしん で考 かんが える)から見 み た月 つき と太陽 たいよう のなす角度 かくど によって決 き まる。これは主 おも に月 つき の公転 こうてん によって変化 へんか するが、月 つき が地球 ちきゅう の周囲 しゅうい を1回 かい 公転 こうてん する間 あいだ に地球 ちきゅう も太陽 たいよう の周囲 しゅうい を公転 こうてん 軌道 きどう の約 やく 12分 ぶん の1だけ公転 こうてん する。したがって月 つき 相 しょう の周期 しゅうき は月 つき の公転 こうてん 周期 しゅうき である約 やく 27.32日 にち よりも長 なが く、平均 へいきん 朔 さく 望月 もちづき (朔 ついたち から次 つぎ の朔 ついたち までの期間 きかん の平均 へいきん 、すなわち月 つき 相 しょう の周期 しゅうき と同義 どうぎ )の約 やく 29.53日 にち である。
なお、ここでいう角度 かくど とは黄 き 経 けい である。季 き 節 ぶし や時刻 じこく により変化 へんか する黄 き 緯 ぬき 差 さ は無視 むし し、太陽 たいよう と月 つき の黄 き 経 けい 差 さ を月 つき 相 しょう と定義 ていぎ する。月 つき 相 しょう は時間 じかん とともに連続 れんぞく 的 てき に変化 へんか するため無限 むげん に分割 ぶんかつ できるが、日本 にっぽん では一般 いっぱん 的 てき に1周 しゅう を360° のかわりに28で分割 ぶんかつ した値 ね で表 あらわ す。
これは4 の倍数 ばいすう で分割 ぶんかつ することによって朔 ついたち 、上弦 じょうげん 、望 もち 、下弦 かげん をすべて整数 せいすう にするとともに、4の倍数 ばいすう のなかで平均 へいきん 朔 ついたち 望月 もちづき の約 やく 29.53日 にち に最 もっと も近 ちか い28とすることによって旧暦 きゅうれき の日付 ひづけ や月齢 げつれい とおおむね連動 れんどう させるためである。
これらの特徴 とくちょう を踏 ふ まえ、月 つき 相 しょう は常用 じょうよう 的 てき にはカレンダー などに補記 ほき されて月見 つきみ などの伝統 でんとう 文化 ぶんか の参考 さんこう にされるほか、占 うらな い などにも利用 りよう されている。
ただし天文学 てんもんがく などの学術 がくじゅつ 的 てき には月 つき 相 しょう を28分割 ぶんかつ することにあまり意味 いみ はないので、国立 こくりつ 天文台 てんもんだい の暦 こよみ 要項 ようこう では中央 ちゅうおう 標準時 ひょうじゅんじ における朔 ついたち 、上弦 じょうげん 、望 もち 、下弦 かげん の4種類 しゅるい の月 つき 相 しょう の時刻 じこく のみが公表 こうひょう されているし[1] 、NASA による月 つき 相 しょう の解説 かいせつ ページではそれらの中間 ちゅうかん の4種類 しゅるい を加 くわ えた8種類 しゅるい の月 つき 相 しょう が解説 かいせつ されている[2] 。
月齢 げつれい との比較 ひかく [ 編集 へんしゅう ]
月齢 げつれい と月 つき 相 しょう は月 つき の動 うご きを日数 にっすう またはそれに近似 きんじ した数値 すうち で表現 ひょうげん する点 てん で共通 きょうつう している。したがって月 つき 相 しょう と月齢 げつれい はおおむね連動 れんどう する。しかし、「月齢 げつれい カレンダー 」などと称 しょう する出版 しゅっぱん 物 ぶつ やウェブサイト では一般 いっぱん 的 てき に月齢 げつれい を数字 すうじ で表記 ひょうき し月 つき 相 しょう を画像 がぞう で描写 びょうしゃ していることもあり、世間 せけん 一般 いっぱん では月 つき 相 しょう と月齢 げつれい の混同 こんどう がしばしば見 み られる。
月齢 げつれい が朔 ついたち の瞬間 しゅんかん からの経過 けいか 日数 にっすう を示 しめ す時間 じかん 的 てき 概念 がいねん であるのに対 たい し、月 つき 相 しょう は月 つき の地球 ちきゅう と太陽 たいよう との位置 いち 関係 かんけい を示 しめ す空間 くうかん 的 てき 概念 がいねん と言 い える。
朔 さく 望月 もちづき との関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
平均 へいきん 朔 さく 望月 もちづき は約 やく 29.530589という端 はし 数 すう であるため、カレンダーなどでは下記 かき のような現象 げんしょう が見 み られる。
月齢 げつれい - 朔 ついたち の瞬間 しゅんかん を以 もっ て0 としリセットするため、毎日 まいにち 1ずつ増加 ぞうか する数字 すうじ が朔日 さくじつ (旧暦 きゅうれき 1日 にち )またはその翌日 よくじつ に不規則 ふきそく に変化 へんか する。
月 つき 相 しょう - 月 つき 相 しょう は28 分割 ぶんかつ で表 あらわ すが、この数 かず は平均 へいきん 朔 ついたち 望月 もちづき よりも約 やく 1.530589少 すく ない。したがって前日 ぜんじつ と同 おな じ月 がつ 相 しょう が続 つづ く日 ひ が1か月 げつ あたり1日 にち ないし2日 にち 発生 はっせい する。
月 つき 相 しょう を平均 へいきん 朔 ついたち 望月 もちづき の1周 しゅう 29.530589により近 ちか い周期 しゅうき で表 あらわ せば月齢 げつれい とより良 よ く一致 いっち するが、1周 しゅう を28としているのは4 の倍数 ばいすう にすることによって満月 まんげつ と半月 はんつき (上弦 じょうげん と下弦 かげん )を整数 せいすう にするためである。このずれと、月 つき の公転 こうてん 角速度 かくそくど が一定 いってい でないせいで、一般 いっぱん に月 つき 相 しょう と月齢 げつれい は一致 いっち しない(月齢 げつれい のほうが大 おお きいことが多 おお い)。たとえば、満月 まんげつ の月 つき 相 しょう は常 つね に14だが、月齢 げつれい はおよそ13.9〜15.6の範囲 はんい を変動 へんどう する[3] 。
計算 けいさん する時刻 じこく [ 編集 へんしゅう ]
月齢 げつれい - 一般 いっぱん 的 てき に標準時 ひょうじゅんじ 正午 しょうご の月齢 げつれい を以 もっ て当日 とうじつ の月齢 げつれい とする。
月 つき 相 しょう - 「当日 とうじつ の月 つき 相 しょう 」とする時刻 じこく は特 とく に定 さだ まっておらず、目的 もくてき に応 おう じて時刻 じこく を指定 してい して計算 けいさん する。
月齢 げつれい - 通常 つうじょう 、小数点 しょうすうてん 以下 いか 第 だい 1位 い まで求 もと める。
月 つき 相 しょう - 通常 つうじょう 、黄 き 経 けい 差 さ を28等分 とうぶん した整数 せいすう で表 あらわ す。より詳細 しょうさい な数値 すうち が必要 ひつよう な場合 ばあい は、黄 き 経 けい 差 さ を360°を一周 いっしゅう とした角度 かくど やラジアン で表現 ひょうげん し、例 たと えば28等分 とうぶん の方法 ほうほう で月 つき 相 しょう 0と月 つき 相 しょう 1の中 なか 間 あいだ を月 つき 相 しょう 0.5と表現 ひょうげん することは一般 いっぱん 的 てき でない。
時計 とけい の「ムーンフェイズ」[ 編集 へんしゅう ]
腕時計 うでどけい の「ムーンフェイズ」
腕時計 うでどけい や懐中時計 かいちゅうどけい の中 なか には「月 つき 相 しょう を表示 ひょうじ する小 しょう 窓 まど 」を装備 そうび しているものがあり、「ムーンフェイズ」と呼 よ ばれる。
古典 こてん 的 てき な機構 きこう としては、両側 りょうがわ に月 つき の絵 え を二 ふた つ描 えが いた円盤 えんばん を59日 にち 周期 しゅうき で1回転 かいてん させ、半円 はんえん 形 かたち を組 く み合 あ わせた小 しょう 窓 まど によって円盤 えんばん の約 やく 半分 はんぶん を表示 ひょうじ して残 のこ りを隠 かく す巧妙 こうみょう な機構 きこう になっている。つまり円盤 えんばん が1周 しゅう する間 あいだ に平均 へいきん 朔 ついたち 望月 もちづき の約 やく 29.530589日 にち 周期 しゅうき に近似 きんじ した29.5日 にち 周期 しゅうき で(旧暦 きゅうれき )2朔 ついたち 望月 もちづき 分 ぶん の月 つき 相 しょう を表現 ひょうげん している[4] 。そのため、平均 へいきん 朔 ついたち 望月 もちづき にかなり近 ちか いとはいえ、29.5日 にち 周期 しゅうき では約 やく 965日 にち に1日 にち の割合 わりあい で腕時計 うでどけい の方 ほう が早 はや くなってしまう。
超 ちょう 高 こう 精度 せいど な機構 きこう を持 も つものでは、IWC のポルトギーゼで577年 ねん に1日 にち の誤差 ごさ のモデル[5] やH.モーザー のエンデバー・ムーン(約 やく 1027.3年 ねん に1日 にち の誤差 ごさ )などが存在 そんざい する[4] 。これらは歯車 はぐるま の歯 は 数 すう を増 ふ やすことで高 こう 精度 せいど 化 か を実現 じつげん している。
実際 じっさい の月 つき 相 しょう は、月 つき を楕円弧 だえんこ 状 じょう に光 ひかり と影 かげ の部分 ぶぶん に分 わ けるが、「ムーンフェイズ」は月食 げっしょく と同様 どうよう に円 えん を円 えん で隠 かく すことで月 つき 相 しょう を表現 ひょうげん している。月 つき 相 しょう 0付近 ふきん ではあまり違和感 いわかん がないが、それ以外 いがい では実際 じっさい の月 つき 相 しょう と「ムーンフェイズ」が表示 ひょうじ する月 つき 相 しょう の形状 けいじょう は大 おお きく異 こと なる。この問題 もんだい を解決 かいけつ する方法 ほうほう としては、月 つき の円盤 えんばん を小 しょう 窓 まど ではなく時 とき 分針 ふんしん と同 おな じ軸 じく で回転 かいてん させ、カージオイド 型 かた の円盤 えんばん で隠 かく す方法 ほうほう (ル・ローヌ[6] (スイス)のヘドニア・ムーンフェイズ[7] 、Ochs und junior (スイス)のムーンフェイズモデル[8] など)、そして半分 はんぶん を黒 くろ く塗 ぬ った球体 きゅうたい を横 よこ に回転 かいてん させる方法 ほうほう (アーノルド&サン の「ルナ・マグナ」[9] 、クリスティアン・ファン・デル・クラウー のムーンフェイズモデルなど)がある。ただし、これらは1朔 ついたち 望月 もちづき で一 いち 回転 かいてん させる必要 ひつよう があるうえ、構造 こうぞう が複雑 ふくざつ になって厚 あつ みが増 ふ えるなどの問題 もんだい があり、まだ一般 いっぱん 的 てき ではない。
ちなみに、廉価 れんか な腕時計 うでどけい の中 なか には「ムーンフェイズ」に似 に せた「デイアンドナイト」という小 しょう 窓 まど を装備 そうび しているものがあるが、これは1日 にち 周期 しゅうき で1回転 かいてん する円盤 えんばん を半円 はんえん 形 がた の小 しょう 窓 まど で半分 はんぶん 隠 かく している単純 たんじゅん な機構 きこう であり、実用 じつよう 性 せい も午前 ごぜん と午後 ごご を確認 かくにん する程度 ていど しかない。
13:十三夜 じゅうさんや (じゅうさんや)
14:小 しょう 望月 もちづき (こもちづき)/幾 いく 望 もち (きぼう)
15:望 もち (ぼう)/満月 まんげつ (まんげつ)/望月 もちづき (もちづき)
16:十六夜 いざよい (いざよい)/既望 きぼう (きぼう)
17:立待月 たちまちのつき (たちまちづき)
18:居待月 いまちのつき (いまちづき)
19:寝待月 ねまちのつき (ねまちづき)/臥 が 待 まち 月 がつ (ふしまちづき)
20:更 さら 待 まち 月 がつ (ふけまちづき)
22/23:下弦 かげん (かげん)
29/30:晦 みそ (つごもり)