棗なつめ祗

棗なつめ祗
後こう漢かん 屯田とんでん都と尉じょう
出生しゅっしょう	生年せいねん不ふ詳しょう 豫よ州しゅう潁川郡ぐん
死去しきょ	没年ぼつねん不ふ詳しょう
拼音	Zǎo Zhī
主君しゅくん	曹操そうそう

棗なつめ 祗（そう し、生なま没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、中国ちゅうごく後こう漢かん時代じだい末期まっきの政治せいじ家か・武将ぶしょう。豫よ州しゅう潁川郡ぐんの人ひと。子こは棗なつめ処しょ中ちゅう。

事跡じせき

天性てんせいの忠義ちゅうぎと才能さいのうを有ゆうすると評ひょうされた。董ただし卓たく討伐とうばつに従事じゅうじし、各所かくしょを征討せいとうした。その後ご、冀州の袁紹からも招聘しょうへいがあったが、棗なつめ祗は兗州の曹操そうそうを頼たより、東ひがし阿おもね県令けんれいに任命にんめいされた。

興きょう平ひらた元年がんねん（194年ねん）、張ちょう邈・陳ちん宮みやらが曹操そうそうに叛逆はんぎゃくし、兗州のほとんどを制圧せいあつしたが、鄄城・范・東ひがし阿おもねの3城しろは反乱はんらん軍ぐんに対たいして抵抗ていこうを続つづけた。この時とき、棗なつめ祗は東ひがし阿おもねの官民かんみんを統率とうそつして守備しゅびを固かためていた。陳ちん宮みやは自みずから兵へいを率ひきいて東ひがし阿おもねを攻撃こうげきしようとしたが、程ほど昱が倉くら亭てい津つの渡わたしを断たち切きったので行軍こうぐんが遅おくれ、結局けっきょくは東ひがし阿おもね攻撃こうげきが失敗しっぱいした。

建たて安やすし元年がんねん（196年ねん）、羽林はばやし監かんとなっていた棗なつめ祗は、曹操そうそうに対たいし韓かん浩ひろしらと共ともに屯田とんでん制せいの実行じっこうを進言しんげんした。最初さいしょ、曹操そうそうは採用さいようをためらったが、棗なつめ祗があくまでその採用さいようを主張しゅちょうしたため、棗なつめ祗を屯田とんでん都と尉じょうに任命にんめいして実行じっこうさせた。その結果けっか、顕著けんちょな成果せいかを挙あげたため、屯田とんでん制せいは後ごに任にん峻たかしにより大々的だいだいてきに展開てんかいされ、曹操そうそう陣営じんえいの軍事ぐんじ力りょく強化きょうかに大おおきく貢献こうけんした。

しかしその後ご、棗なつめ祗は早はや逝してしまった。曹操そうそうは彼かれに太守たいしゅの地位ちいを追贈ついぞうした。また、侯ほうに採とり立だてられるべきであったのにそれが叶かなわなかったとして、子この棗なつめ処しょ中ちゅうに棗なつめ祗の爵位しゃくい・領地りょうちを引ひき継つがせ、父ちちを祀まつらせた。

羅ら貫中かんちゅうの小説しょうせつ『三国志さんごくし演義えんぎ』には登場とうじょうしない。

出典しゅってん

• 陳ちん寿ひさし撰えらべ、裴松之の注ちゅう『三国志さんごくし』巻まき16 魏ぎ書しょ 任にん峻たかし伝でん（中国語ちゅうごくご版ばんウィキソース）