沈下ちんかきょう

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佐田さた沈下ちんかきょう高知こうちけん四万十川しまんとがわ)、2009ねん
長生ちょうせい沈下ちんかきょう橋桁はしげた四万十川しまんとがわ

沈下ちんかきょう(ちんかばし、ちんかきょう)は、河川かせんわたはし一種いっしゅである。つつみ外地がいちもうけられるはし洪水こうずいにははしめん水面すいめんになるはしをいう[1]

名称めいしょう[編集へんしゅう]

沈下ちんかきょうという名称めいしょうひろられるが、河川かせん行政ぎょうせい用語ようごとしては「潜水せんすいきょう」が公式こうしき名称めいしょうである[2]地方ちほうにより、潜没せんぼつきょうせんりゅうきょうしずきょうもぐきょう冠水かんすいきょう地獄じごくきょうなどとも呼称こしょうされる[3][4]

ひょう1 各地かくち潜水せんすいきょう呼称こしょう[5]
呼称こしょう おも地域ちいき
潜水せんすいきょう せんすいきょう  全国ぜんこく基準きじゅんるいにおける表現ひょうげん
もぐきょう もぐりばし  全国ぜんこく
冠水かんすいきょう かんすいきょう  関東かんとうれい荒川あらかわ
地獄じごくきょう じごくばし  関東かんとうれい久慈川くじがわ
沈下ちんかきょう ちんかばし、ちんかきょう  高知こうちけんれい四万十川しまんとがわ
潜没せんぼつきょう せんぼつきょう  京都きょうと
ながきょう ながればし  岡山おかやまけんれい旭川あさひかわ
しずきょう しずみばし  九州きゅうしゅう
親水しんすいきょう しんすいきょう  近年きんねん各地かくち

概要がいよう[編集へんしゅう]

沈下ちんかきょう潜水せんすいきょうしき

沈下ちんかきょうは、てい水路すいろていみずじきばれる普段ふだんすいながれているところだけに架橋かきょうされ、また床板とこいた河川敷かせんしき高水たかみずじき土地とちおな程度ていどたかさとなっていて、てい水位すいい状態じょうたいでははしとして使つかえるものの増水ぞうすいには水面すいめんしずんでしまうはしのことをいう。なお、通常つうじょうはしは、「沈下橋ちんかばし」の対語たいごとしては「永久えいきゅうきょう」「抜水きょう」などとばれ、はし床板とこいたは、増水ぞうすいなどのこう水位すいい状態じょうたいでもしずまないたかさにもうけられており、増水ぞうすいにもはしとしての使用しようえうる。

沈下ちんかきょうは、ひく位置いち架橋かきょうされることや、架橋かきょうちょうみじかくできることから、低廉ていれん費用ひようすみやかにつくることができるというメリットをち、災害さいがいはし崩落ほうらくした場合ばあい仮設かせつきょうとして建設けんせつするれいもある[6]反面はんめん増水ぞうすいにははしとして機能きのうしなくなるという欠点けってんつ。はしりょうきし高低こうていおおきい場合ばあいには、一方いっぽう通行つうこう可能かのうでも対岸たいがんがわ水没すいぼつしている可能かのうせいもある。

沈下ちんかきょう特徴とくちょうとして、はしうえ欄干らんかんがないか、あってもかなりひくいもの・増水ぞうすいはず可能かのう簡易かんいてきなものしかいていないことがあげられる[7]。これは、増水ぞうすいはし水面すいめんぼっしたさい流木りゅうぼく土砂どしゃ橋桁はしげたっかかりきょう破壊はかいされたり、かわみずがせきめられ洪水こうずいになることをふせぐためである[8]。また、こわれても再建さいけん簡単かんたん費用ひようやすいという利点りてんもあり、実際じっさいながされることを前提ぜんていとしているれいもあり、これらは「ながきょう」などと場合ばあいがある。増水ぞうすい流木りゅうぼくなどが橋脚きょうきゃく橋桁はしげた直撃ちょくげきして損害そんがいあたえることをふせぐために、上流じょうりゅうがわななめにかたむけた丸太まるた鉄骨てっこつなどの流木りゅうぼくけが設置せっちされているケースもある。

かつて架橋かきょう技術ぎじゅつ未熟みじゅくであった時代じだいは、洪水こうずいでもこわれないはしつくることがむずかしかったため、あえて増水ぞうすいしずたかさではしつくって流木りゅうぼくなどがはしうえながれていきやすいように工夫くふうされたものである[8]

増水ぞうすい対岸たいがんがわ水没すいぼつする可能かのうせい警告けいこく
大城おおしろきょう奈良ならけん大和やまとがわ、2015ねん
豪雨ごうう流木りゅうぼく付着ふちゃく通行止つうこうどめになった沈下ちんかきょう
広島ひろしまけん芦田川あしたがわ、2016ねん
豪雨ごううによって水没すいぼつした沈下ちんかきょう
同左どうさ

日本にっぽん沈下ちんかきょう[編集へんしゅう]

龍頭りゅうずきょう大分おおいたけん八坂川やさかがわ、2011ねん) - 日本にっぽん現存げんそん最古さいこ沈下ちんかきょう

その構造こうぞうから建設けんせつやすおさえられるため山間さんかん過疎かそなどの比較的ひかくてき交通こうつうりょうすくない地域ちいき生活せいかつ道路どうろとしておおつくられ、台風たいふうなどの豪雨ごうう度々たびたび見舞みまわれる西日本にしにほん各地かくちおおくみられた[8]架橋かきょう技術ぎじゅつ進歩しんぽするにつれ、現在げんざいでは山間さんかんでもひろ道路どうろ本格ほんかくてきはしつくられること、またれているはずの地元じもと住民じゅうみんといえども転落てんらく事故じこえないことから、永久えいきゅうきょうえられてゆき徐々じょじょ姿すがたしつつある[8]一方いっぽう沈下ちんかきょう河川かせん文化ぶんかてき景観けいかん技術ぎじゅつてき遺産いさん観光かんこう資源しげんとして保存ほぞんするうごきもあり、れいとして龍頭りゅうずきょう大分おおいたけん)の土木どぼく学会がっかい選奨せんしょう土木どぼく遺産いさん認定にんていや、四万十川しまんとがわ流域りゅういき高知こうちけん)の重要じゅうよう文化ぶんかてき景観けいかん選定せんてい[9]などがげられる。

1999ねん高知こうちけんによる調査ちょうさによれば全国ぜんこく一級いっきゅう河川かせんおよ支流しりゅうには合計ごうけい410かしょ沈下ちんかきょうがあり、都道府県とどうふけんべつると、高知こうちけん(69かしょ)、大分おおいたけん(68かしょ)、徳島とくしまけん(56かしょ)、宮崎みやざきけん(42かしょ)のじゅんおお[10]一級いっきゅう水系すいけい以外いがいふくめると、大分おおいたけんでは、合計ごうけい212かしょ沈下ちんかきょう確認かくにんされている(2007ねん8がつ6にち現在げんざい[11]

調査ちょうさによって確認かくにんされたもののうちで日本にっぽん最古さいこ沈下ちんかきょうは、1876ねん(明治めいじ9ねん)に大分おおいたけん杵築きづき八坂川やさかがわけられた永世えいせいきょう(ながせばし)であるが、このはし2004ねん9月29にち台風たいふう21ごうによる増水ぞうすい流失りゅうしつした[10]現存げんそんする日本にっぽん最古さいこ沈下ちんかきょうは、1912ねん(明治めいじ45ねん)におなじく八坂川やさかがわけられた龍頭りゅうずきょうである[11]

各地かくち沈下ちんかきょう[編集へんしゅう]

関東かんとう地方ちほう[編集へんしゅう]

久野瀬くのせきょう茨城いばらきけん久慈くじがわ、2018ねん
島田しまだきょう埼玉さいたまけん越辺川おっぺがわ、2011ねん) - 木橋きばしけた下部かぶ鋼材こうざい使用しよう)。木組きぐみの流木りゅうぼくけ。
茨城いばらきけん

茨城いばらきけん久慈川くじがわ水系すいけい小貝川こかいがわ水系すいけいには、いくつかの沈下ちんかきょうが2008ねん現在げんざい存在そんざいしている。

久慈川くじがわ水系すいけいには、大子だいごまち南田気みなみたげ - 久野瀬くのせむす久野瀬くのせきょう常陸ひたち大宮おおみや盛金もりがねにある平山ひらやまきょう常陸太田ひたちおおた下河合しもかわいまち - 那珂なか額田東郷ぬかだひがしごうにある落合おちあいきょうなどがある。この地方ちほうでは「地獄じごくきょう」と表現ひょうげんされている[3]

小貝川こかいがわ水系すいけい沈下ちんかきょうは、つくばみらい下小目しもおめ - 同市どうし平沼ひらぬまむす小目こもくぬまきょうなどふるくからの構造こうぞうめるきょうもあるものの、つねそう水海道みつかいどう川又かわまた町内ちょうない横切よこぎかわわた川又かわまたきょうや、つねそう箕輪みのわまち - つくばみらい福岡ふくおかむすつねそうきょうなど、比較的ひかくてきあたらしい重量じゅうりょう鉄骨てっこつによるものも存在そんざいする。小目こもくぬまきょうながきょうで、茨城いばらきけん主催しゅさいする「いばらきフィルムコミッション」や[12]、「つくばみらいフィルムコミッション」で[13]ロケとしてげられている。川又かわまたきょうつねそうきょうなどはながされることは想定そうていしていない沈下ちんかきょうである。

ただしかずりつつある。かつてつねそうふちあたままち - つくばみらい北袋きたふくろむすんでいた小貝川こかいがわみずきょうは「いばらきフィルムコミッション」のロケリストにはいっていたが、2006ねん6がつ増水ぞうすいさいに、橋桁はしげたながされただけにとどまらず木製もくせい橋脚きょうきゃく損害そんがいけ、国土こくど交通省こうつうしょう橋脚きょうきゃく補修ほしゅう難色なんしょくしめしたことからはいきょうとされた[14]

埼玉さいたまけん

埼玉さいたまけん荒川あらかわ水系すいけいにも比較的ひかくてきおお存在そんざいしており(荒川あらかわ水系すいけいに22きょう荒川あらかわ本流ほんりゅうに6きょう2002ねん調査ちょうさ[15])、冠水かんすいきょう(かんすいきょう)とばれている[3]流木りゅうぼくけが設置せっちされているケースもおおい。

荒川あらかわ本流ほんりゅうには樋詰ひづめきょう高尾たかおきょうなどがあり、いずれも昭和しょうわ初期しょきおこなわれた河川かせん改修かいしゅう直線ちょくせん)の結果けっか右岸うがんがわ飛地とびちした農地のうちとうむすんでいる。

荒川あらかわ支流しりゅうには島田しまだきょう越辺川おっぺがわ)や流川ながれかわきょう市野川いちのかわ)などの木橋もくきょうすうきょうあり、島田しまだきょう映画えいがやNHK大河たいがドラマなどで撮影さつえい使用しようされている[16]

久下くげきょう荒川あらかわ)の冠水かんすいきょう新橋しんばし架橋かきょうにより撤去てっきょされ、長楽ながら落合おちあいきょう都幾川ときがわ)は補修ほしゅうおこなわれずはいきょうとされている。

群馬ぐんまけん

群馬ぐんまけん板倉いたくらまちながれる谷田川やたがわには木造もくぞうとお前橋まえばしがあり、重要じゅうよう文化ぶんかてき景観けいかん利根川とねがわ渡良瀬川わたらせがわごう流域りゅういきみずじょう景観けいかん」の構成こうせい要素ようそとなっているが、老朽ろうきゅう平成へいせい27ねん9がつ関東かんとう東北とうほく豪雨ごううでの損傷そんしょうにより通行つうこう禁止きんしとなっている。

中部ちゅうぶ地方ちほう[編集へんしゅう]

もぐりばし岐阜ぎふけん木曽川きそがわきたかわ) - 河川敷かせんしきがわ各務原かがみはら)より堤防ていぼうがわ羽島はしまぐん笠松かさまつまち)へ
岐阜ぎふけん

岐阜ぎふけん各務原かがみはら木曽川きそがわ分流ぶんりゅうきたかわは、乗越のりこえつつみえつりゅうつつみられており平常へいじょう木曽川きそがわからの水流すいりゅうく、合流ごうりゅうする新境しんさかいがわ水流すいりゅう川幅かわはばじゅうすうm)のみである。この新境しんさかいがわ水流すいりゅう部分ぶぶん県道けんどう93ごう川島かわじまさんりんせん県道けんどう180ごう松原まつばら芋島いもじません重複じゅうふく)のもぐりばし県道けんどう114ごう一宮いちのみや各務原線かがみがはらせん中屋ちゅうやきょう老朽ろうきゅうにより車両しゃりょう通行止つうこうどめ)、つつみ外地がいち集落しゅうらく弥平やへいとう集落しゅうらくむす市道しどうはし弥平やへいとうきょう)がある。もぐりばし愛知あいちけん岐阜ぎふけんむすぶルートの一部いちぶとなっており、交通こうつうりょうおおい。

関西かんさい地方ちほう[編集へんしゅう]

大城おおしろきょう奈良ならけん大和やまとがわ、2015ねん) - 対岸たいがん対向たいこうしゃ通過つうか
奈良ならけん

大和やまとがわしも流域りゅういき生駒いこまぐん斑鳩いかるがまち北葛城きたかつらぎぐん河合かわいまちあいだに、大和やまとがわ唯一ゆいいつ沈下ちんかきょう現地げんちでの表記ひょうきは「潜水せんすいきょう」)である大城おおしろきょう存在そんざいする。幅員ふくいん2mほどのはし欄干らんかん一切いっさいないが、普通ふつう自動車じどうしゃ通行つうこうする。また、一方いっぽう通行つうこうではないため、堤防ていぼうからはし進入しんにゅうするさいには、対向たいこうしゃていないことを確認かくにんする必要ひつようがある。通行つうこうりょう比較的ひかくてきおおい。これは、上流じょうりゅうがわ奈良ならけんどう5ごう大和高田やまとたかだ斑鳩いかるせん新御幸しんごこうきょうまで、下流かりゅうがわ国道こくどう25ごう昭和しょうわきょうまで道路どうろきょうがなく、どちらのはし交通こうつうりょうおおく、前後ぜんご信号しんごう交差点こうさてんおおいため、斑鳩いかるがまち河合かわいまち移動いどうするさい最短さいたんルートとなっているためとかんがえられる。

飛鳥川あすかがわみなもと流域りゅういきとなるおく飛鳥あすかには複数ふくすう沈下ちんかきょうと、架橋かきょう技術ぎじゅつ発達はったつだった時代じだい飛石とびいし複数ふくすうのこる。

三重みえけん

櫛田川くしだがわ名張川なばりがわ雲出川くもずがわなどにはいくつかの沈下ちんかきょう存在そんざいする。とくに、名張なばりでは市街しがい中心ちゅうしんかこむようにながれている名張川なばりがわに、大屋戸おやど潜水せんすいきょう朝日あさひまち潜水せんすいきょうみやきょう潜水せんすいきょう架橋かきょう支流しりゅう宇陀川うだがわにもすうきょう存在そんざいする。

京都きょうと

桂川かつらがわみなもと流域りゅういき京都きょうと唯一ゆいいつスキーじょうである京都きょうと広河原ひろかわらスキーじょうがあるなど豪雪ごうせつ地帯ちたいであり、周囲しゅういやまでは北山きたやますぎ林業りんぎょういとなまれていることから、春先はるさき雪解ゆきど時期じきには流木りゅうぼくふく増水ぞうすい発生はっせいするため、鉄骨てっこつ補強ほきょうされた沈下ちんかきょう敷設ふせつされている。また、南山城みなみやましろ地域ちいきには笠置かさぎえき大河原おおがわらえきちかくに木津川きづがわわた沈下ちんかきょうかく一本いっぽん存在そんざいする。これらはコンクリートせいで、橋脚きょうきゃく断面だんめん水流すいりゅうけるように三角形さんかっけい反対はんたいがわ半円はんえんがた)をしている部分ぶぶんれる。

兵庫ひょうごけん

三木みきながれる志染川しじみがわにはいくつかのコンクリートせい沈下ちんかきょう点在てんざいする。

中国ちゅうごく地方ちほう[編集へんしゅう]

沈下ちんかきょう広島ひろしまけん芦田川あしたがわ、2013ねん
広島ひろしまけん

けん東部とうぶ芦田川あしたがわ中流ちゅうりゅう沈下ちんかきょう存在そんざいする[17]芦田川あしたがわゴルフクラブに存在そんざいするものがもっと下流かりゅうがわであり、以後いご府中ふちゅう尾道おのみち境界きょうかいにわたって数箇所すうかしょのみのこっている。橋脚きょうきゃくうえにコンクリートパネルを4つまたは5つたてならべた構造こうぞうとなっている。流木りゅうぼくよけが設置せっちされている沈下ちんかきょうもある。

広島ひろしまけん安芸あき太田おおたまちあなにある程原ほどはらきょう太田おおたがわ流域りゅういきにおける唯一ゆいいつ沈下ちんかきょうである。コンクリートせいで、はがねせい流木りゅうぼくけが設置せっちされている。バイクでの通行つうこう可能かのうであるが、車両しゃりょう通行つうこう不可ふか

四国しこく地方ちほう[編集へんしゅう]

弁天橋べんてんばし潜水せんすいきょう徳島とくしまけん鮎喰川あくいがわ、2009ねん) - 歩道ほどう車道しゃどう分離ぶんり
岩間いわま沈下ちんかきょう高知こうちけん四万十川しまんとがわ、2009ねん
徳島とくしまけん

徳島とくしまけん平野へいや吉野川よしのがわ那賀川なかがわ勝浦川かつうらがわ水系すいけいとう河川かせん多数たすうながれていることもあり、県内けんない各地かくちおおくの沈下ちんかきょう存在そんざいする。地元じもとではおもに「潜水せんすいきょう(せんすいきょう)」とばれており、沈下ちんかきょうという呼称こしょうはあまり浸透しんとうしていない。徳島とくしまなど、比較的ひかくてき市街地しがいちちか地域ちいきにも潜水せんすいきょう多数たすうのこっているため現在げんざいでもかわわたるための手段しゅだんとして重要じゅうよう役割やくわりたしているが、かずおお利用りようおおことから転落てんらく事故じこなども毎年まいとしよう発生はっせいはし管理かんりするけん自治体じちたいには抜水きょうへのえが利用りようしゃからつよもとめられている状況じょうきょうにあり、一時いちじてき対策たいさくとして道路どうろ両側りょうがわ転落てんらく防止ぼうしようのブロックが設置せっちされた潜水せんすいきょうもみられる。

高知こうちけん

高知こうちけん四万十川しまんとがわには支流しりゅうふくめ47の沈下ちんかきょうがある。吉野川よしのがわ流域りゅういきでは潜水せんすいきょうもぐきょうび、四万十川しまんとがわ流域りゅういきでは沈下ちんかきょう[3]1993ねん高知こうちけんでは沈下ちんかきょう生活せいかつ文化ぶんか遺産いさんととらえ保存ほぞん後世こうせいのこすという方針ほうしん決定けっていしている[18]2009ねんには、沈下ちんかきょうふく四万十川しまんとがわ流域りゅういき流通りゅうつう往来おうらいつうじてしょうじた景観けいかんくに重要じゅうよう文化ぶんかてき景観けいかんとして選定せんていされた[9]現存げんそんする高知こうちけん最古さいこ沈下ちんかきょうは、1935ねんけられた四万十川しまんとがわ一斗俵いっとひょう沈下ちんかきょうである[19]よんまんじゅう自動車じどうしゃ学校がっこう今成いまなりきょう佐田さた沈下ちんかきょうとも。四万十川しまんとがわにかかる沈下ちんかきょうとしては、最下さいかりゅう最長さいちょう)で路上ろじょう教習きょうしゅうおこなっている画像がぞうがインターネットに投稿とうこうされて話題わだいとなったことがあるが、これはどうはし生活せいかつ道路どうろとして使用しようする地元じもと住民じゅうみんけにっていた教習きょうしゅうであり、付近ふきん中村なかむら宿毛すくも道路どうろ整備せいびされるなどしたため、現在げんざい実施じっしされていない[20]

愛媛えひめけん

大洲おおすには肱川ひじかわにかかる唯一ゆいいつ沈下ちんかきょう冨士ふじきょうながやく48m)があったが、洪水こうずい水位すいい上昇じょうしょう原因げんいんになることから2023ねん11月から撤去てっきょ工事こうじおこなわれることになった[21]

九州きゅうしゅう地方ちほう[編集へんしゅう]

九州きゅうしゅうでは、沈下ちんかきょうしずきょうばれている[3]

大分おおいたけん

大分おおいたけんでは、一級いっきゅう水系すいけい以外いがいかるものもふくめると合計ごうけい212ヶ所かしょ沈下ちんかきょう確認かくにんされている(2007ねん8がつ6にち現在げんざい[11]。これは、確認かくにんされている範囲はんいでは、日本にっぽん都道府県とどうふけんなかもっとおおかずである。その分布ぶんぷも、国東半島くにさきはんとうに22%、けん北部ほくぶに26%、けん南部なんぶに40%と、県内けんない各地かくちひろがっている[10]

前述ぜんじゅつとおり、現存げんそんする日本にっぽん最古さいこ沈下ちんかきょうは、大分おおいたけん杵築きづき八坂川やさかがわけられた龍頭りゅうずきょうであり、このはし日本にっぽん最古さいこであることを選定せんてい理由りゆうとして2007ねん土木どぼく学会がっかい選奨せんしょう土木どぼく遺産いさん認定にんていされている[22]。また、大分おおいた県内けんないには、1924ねん安岐川あきがわけられた高原こうげんきょう国東くにさき安岐あき地区ちく)、1925ねん山国川やまくにがわ支流しりゅう屋形やかたがわけられたかみむかえきょう中津なかつ本耶馬渓ほんやばけいまち[23]のこっているが、これらは竜頭りゅうずきょうつづき、それぞれ日本にっぽんで2番目ばんめおよび3番目ばんめふる沈下ちんかきょうである。[24]

すうおおくの沈下ちんかきょうなかには、わった特徴とくちょうそなえたものもある。宇佐うさ院内いんないまちぼうがわ恵良えらがわ合流ごうりゅう地点ちてんちかくの駅館川やっかんがわにはまたきょうというTがた沈下ちんかきょうがあり、りょうきし中州なかすとをむすんでいる。佐伯さいき番匠川ばんじょうがわ支流しりゅう久留須川くるすがわにも同様どうようにTがた沈下ちんかきょうがある。また、日田にった天ヶ瀬あまがせ久大本線きゅうだいほんせん天ヶ瀬あまがせえき豊後中川ぶんごなかがわえきあいだでは、沈下ちんかきょう鉄橋てっきょう橋脚きょうきゃくあいだをくぐりけ、2ほんはし交差こうさしながら玖珠川くすがわをまたぐ様子ようすることができる。

大分おおいたけん日田にった福岡ふくおかけんうきは県境けんきょうにもなっている筑後川ちくごがわ本川ほんがわには、ながやく95メートルの保木ほうききょう[25]けられている。

ギャラリー[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 改訂かいてい 解説かいせつ工作こうさくぶつ設置せっち許可きょか基準きじゅん p.71、河川かせん管理かんり技術ぎじゅつ研究けんきゅうかいへん(財)ざいだんほうじん国土こくど技術ぎじゅつ研究けんきゅうセンター、山海さんかいどう、1998ねん11月、ISBN 978-4-381-01197-8
  2. ^ 工作こうさくぶつ設置せっち許可きょか基準きじゅん だいじゅういちしょう 潜水せんすいきょう、「だいじゅうよん いち 共通きょうつう事項じこう 1)てい水路すいろ設置せっちしないことを基本きほんとするものとすること。2)潜水せんすいきょう上部じょうぶ構造こうぞうが、洪水こうずいとう流出りゅうしゅつすることのないよう必要ひつよう対策たいさくこうずるものとすること。」、国土こくど交通省こうつうしょう、1994ねん9がつ22にち最終さいしゅう改正かいせい 2002ねん7がつ12にち
  3. ^ a b c d e 河川かせん利用りようにおける潜水せんすいきょう評価ひょうか (PDF) p. 2(p. 356) - リバーフロント研究所けんきゅうじょ、2015ねん9がつ6にち閲覧えつらん
  4. ^ 潜水せんすいきょう市民しみんけん” (PDF). リバーフロント整備せいびセンター. p. 25 (2001-05-285). 2017ねん3がつ26にち閲覧えつらん
  5. ^ 潜水せんすいきょう市民しみんけん 見城けんじょう英治えいじRIVER FRONT、Vol.41、p.25、リバーフロント研究所けんきゅうじょ、2001ねん
  6. ^ 日経にっけいコンストラクション 青野あおの昌行まさゆき (2015ねん4がつ30にち). “「潜水せんすいきょう」で流失りゅうしつふせぐ、原田はらだきょう仮設かせつどう. 日経新聞にっけいしんぶんしゃ. http://www.nikkei.com/article/DGXMZO86303250Q5A430C1000000/ 2015ねん9がつ28にち閲覧えつらん 
  7. ^ 国土こくど交通こうつうしょう工作こうさくぶつ設置せっち許可きょか基準きじゅん」(平成へいせい6ねん9がつ22日建にっけんかわはつだい72ごう,最終さいしゅう改正かいせい:平成へいせい14ねん7がつ12にちこくかわだい71ごう)だいじゅういちしょう 潜水せんすいきょう だいじゅうよん
  8. ^ a b c d ロム・インターナショナル(へん) 2005, pp. 72–73.
  9. ^ a b 重要じゅうよう文化ぶんかてき景観けいかんについて - 文化庁ぶんかちょう
  10. ^ a b c 大分おおいたけんしずきょうについて - ウェイバックマシン(2007ねん9がつ28にちアーカイブぶん) - 日本文理大学にほんぶんりだいがく 河野こうのただし
  11. ^ a b c おおいたみずBlog|しずきょう王国おうこく「おおいた」 - ウェイバックマシン(2007ねん12月19にちアーカイブぶん) - だい1かいアジア・太平洋たいへいようすいサミット大分おおいたけん委員いいんかい
  12. ^ しょう目沼めぬまきょう いばらきフィルムコミッション
  13. ^ 撮影さつえいおすすめスポット「谷和原やわはら 地区ちく つくばみらいフィルムコミッション
  14. ^ みずきょう撤去てっきょについて 2007/01/25 つねそう公式こうしきサイト
  15. ^ 荒川あらかわせん(もぐ)りはし冠水かんすいきょう - 荒川あらかわ流域りゅういきのポータルサイト「ARA」(荒川あらかわ下流かりゅう河川かせん事務所じむしょ)(2013ねん2がつ6にちけのアーカイブキャッシュ)
  16. ^ まぼろしの邪馬台国やまたいこく』、『風林火山ふうりんかざん』ほか。坂戸さかど観光かんこう協会きょうかい、2008.11、島田しまだきょうさい掲示けいじによる。
  17. ^ 芦田川あしたがわもぐきょうぐん(あしだがわのもぐりばしぐん)”. 広島ひろしまけん. 2014ねん7がつ11にち閲覧えつらん
  18. ^ 中村なかむらあつしいちへん へん日本にっぽん絶景ぜっけいロード100』出版しゅっぱんしゃ、2018ねん4がつ20日はつか、114ぺーじISBN 978-4-7779-5088-1 
  19. ^ 四万十川しまんとがわ最古さいこ沈下ちんかきょう一斗俵いっとひょう沈下ちんかきょう”. 国土こくど交通こうつうしょう. 2020ねん10がつ8にち閲覧えつらん
  20. ^ りものニュース編集へんしゅう (2017ねん7がつ11にち). “よんまんじゅう自動車じどうしゃ学校がっこうの「ちてはいけない路上ろじょう教習きょうしゅう」、実施じっししなくなった理由りゆうとは?”. 2020ねん10がつ8にち閲覧えつらん
  21. ^ さようなら冨士ふじきょう 大洲おおす撤去てっきょびかえイベント 肱川ひじかわ唯一ゆいいつかる沈下ちんかきょう”. 愛媛えひめ新聞しんぶん. 2023ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  22. ^ 九州きゅうしゅう近代きんだい土木どぼく遺産いさん 龍頭りゅうずきょう - 国土こくど交通省こうつうしょう九州きゅうしゅう地方ちほう整備せいびきょく
  23. ^ かみむかえきょう - ウェイバックマシン(2007ねん11がつ10日とおかアーカイブぶん) ‐ 中津なかつ
  24. ^ 耶馬溪やばけいしずきょう中津なかつ
  25. ^ 大分おおいたしずきょう はしのある風景ふうけいふうかれて、byふう弘法ぐほう
  26. ^ 善入寺ぜんにゅうじとう(ぜんにゅうじとう)にかる潜水せんすいきょう - 徳島とくしまけんはし博物館はくぶつかんとくしま)、2016ねん7がつ13にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • ロム・インターナショナル(へん)『道路どうろ地図ちず びっくり!博学はくがく知識ちしき河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ〈KAWADEゆめ文庫ぶんこ〉、2005ねん2がつ1にちISBN 4-309-49566-4 
  • 河川かせん管理かんり技術ぎじゅつ研究けんきゅうかいへん)『改訂かいてい 解説かいせつ工作こうさくぶつ設置せっち許可きょか基準きじゅん山海さんかいどう:発売はつばい 財団ざいだん法人ほうじん国土こくど技術ぎじゅつセンター:発行はっこう、1998ねん11がつ10日とおかISBN 978-4-381-01197-8 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • ながきょう - 河川かせん増水ぞうすいはし上部じょうぶこう橋桁はしげた橋板はしいた)が下部かぶこう橋台きょうだい橋脚きょうきゃく)から分離ぶんりして流出りゅうしゅつする構造こうぞうはし沈下ちんかきょう一種いっしゅともえる。
  • もぐりばし
  • こんにゃくきょう
  • 久下くげきょう - きゅう 久下くげ冠水かんすいきょう。1955ねん供用きょうよう開始かいし、2003ねん廃止はいしされた沈下ちんかきょう埼玉さいたまけん
  • あら - あらいえつこうあらこうみちうえかわ排水はいすい平面へいめん交差こうささせる土木どぼく工法こうほうで、現代げんだいではしゅとして林道りんどうもちいる。常時じょうじあるいは出水しゅっすい道路どうろうえみずながれる。
  • くだひらききょうSubmersible bridge) - みずなかみずかくぐ可動かどうきょう

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]