泡立あわだて器き

泡立あわだて器き

電動でんどう泡立あわだて器き（ハンドミキサー）

泡立あわだて器き（あわたてき、あわだてき）は、食材しょくざいを泡立あわだてたり混まぜ合あわせるときに用もちいる調理ちょうり器具きぐである。ホイッパーやビーターともいう。卵白らんぱくを泡立あわだててメレンゲを作つくったり、クリームを泡立あわだててホイップクリームを作つくるなど、調理ちょうりに使つかわれる。また、小麦粉こむぎこを水みずや溶とき卵たまごに混まぜ込こむ際さいなどの攪拌にも使つかわれる。手てで握にぎって使つかう物もの、手動しゅどうでクランクを回まわす物もの、充電じゅうでん電池でんちや商用しょうよう電源でんげんを用もちいる電動でんどうのものが存在そんざいする。

日本標準にっぽんひょうじゅん商品しょうひん分類ぶんるいでは、金属きんぞく製せい調理ちょうり用具ようぐにおける鉄てつ・ステンレス製せい調理ちょうり用具ようぐの一種いっしゅに分類ぶんるいされる。

形状けいじょう

手動しゅどうのものの先端せんたんは、主おもに曲まがった形状けいじょうのステンレスや金属きんぞくを数すう本ほん組くみ合あわせて茶筅ちゃせん形かたちにされたものが多おおい。これは材料ざいりょうを細こまかく攪拌し、より多おおくの空気くうきを混まぜ込こむようにするためであり、手早てばやく攪拌することで材料ざいりょうを泡立あわだてる。中なかには先さきがスプリング状じょうになっていて、泡立あわだちが早はやくなるよう工夫くふうされたものもある。また、手動しゅどうのものには写真しゃしんにあるような形かたちのほか、より効率こうりつよく泡立あわだてるため、密閉みっぺいできる丸まるい容器ようきの中なかで櫛くしの形かたちをした回転かいてん部ぶを手動しゅどう回転かいてんさせるものもある。

機械きかい式しきのものは、手動しゅどうのものに似にた回転かいてん部ぶを2本ほん持もち、互たがいに重かさなり合あい逆ぎゃく回転かいてんで高速こうそく回転かいてんする。動力どうりょくはクランクによる手動しゅどうの物ものと、電気でんきモーターを使つかう電動でんどうの物ものが有ある。電動でんどうの物ものは商用しょうよう電源でんげんや充電じゅうでん式しき電池でんちを電源でんげんとして利用りようする。

歴史れきし

ルネサンス期きのヨーロッパで、攪拌した卵たまごを使つかうことでケーキを膨張ぼうちょうさせる調理ちょうり法ほうが発見はっけんされて以来いらい、卵たまごの攪拌が厨房ちゅうぼうの作業さぎょうに加くわわった。初期しょきの泡立あわだて道具どうぐはアシや樹木じゅもくの小しょう枝えだを束たばねたものやフォークが用もちいられたが、質しつの良よいメレンゲを作つくることは重労働じゅうろうどうだった。バルトロメオ・スカッピの『著作ちょさく集しゅう』(1570)には今日きょうの泡立あわだて器きに近似きんじしたバルーン型がた泡立あわだて器きの図ずが載のっているが、同様どうようのものが一般いっぱんに普及ふきゅうするのは18世紀せいき後半こうはんになる。

18世紀せいき末すえごろから労働ろうどうの軽減けいげんに人々ひとびとの意識いしきが向むくようになり、19世紀せいきには多様たような泡立あわだて器きが登場とうじょうした。なかでも、アルキメディアン・スクリューの原理げんりを基礎きそとした、ハンドルを回まわすことで歯車はぐるまで伝導でんどうし攪拌部ぶを回転かいてんさせるドーヴァー式しき泡立あわだて器きはアメリカでヒット商品しょうひんとなった。

関連かんれん項目こうもく

• 茶筅ちゃせん
• ハンドミキサー